133 / 171
第133話 ゴドール地方へのザイード軍の侵入
しおりを挟む
「エリオ様、ザイード軍が我が領内に侵入しようとしています!」
「わかった、報告ご苦労。下がってよいぞ!」
定例会議の数日後、領主館の執務室にいた俺は配下からの緊急の報告を受けていた。ザイード軍が我が領内に向けて侵入の動きを見せたのだ。
とうとう来たか。予想はしていたが、いざ実際に報告を受けてみると少しだけ緊張で気が張るものだな。だが、それもすぐに収まって俺はいつものような平静を取り戻してきた。
今までは住民達に請われてゴドール地方の領主になったり、エルン地方の場合は青巾賊という賊徒を討伐したりと、その土地の領主的な存在とは直接戦ってはいなかった。それが今回は初めてそのような存在との戦いになる。
今は乱世だ。それまでの肩書や名声などはこの乱世では有名無実であり、まるで価値がないとも言える状況だ。弱ければ生存競争に負けて淘汰されていく。それはこの俺だって例外ではなく負ければそうなるのは確実だ。だからそうならないようにするには目の前の戦いを勝ち続けるしかない。
「準備が出来次第出陣する。兵達を大広場へ集合させておくように!」
「ハッ、了解です!」
さて、俺も出陣の準備をしないとな。慌ただしく動く配下達に準備をしてくると言って執務室を出て自室に向かう。歩いていくと自室前の廊下にリタとミリアムが立っており、何かを察知したのか従魔部屋から出てきたコルとマナも俺を待っていた。
「エリオ! さっきあんたの配下の者があたし達に伝えに来てくれたけど、とうとうザイード家との戦いになるのかい?」
「ああ、そうだリタ。最新の情報だとザイード軍が我が領に向けて進撃を始めてるそうだ」
「エリオさん、必ず勝って無事に帰ってきてくださいね」
「勿論だ。リタとミリアム。そして可愛い子供達の為にも必ず勝って帰ってくるさ。心配は要らない。二人とも子供達と一緒に俺をただ信じて待っていてくれ。おまえ達の俺を強く信じる想いが何よりも俺の力になるんだ。そんな想いに支えられた俺が負けるはずがないだろ?」
「そうだね。あたしはあんたを信じて待ってるよ」
「エリオさん、私も信じてますよ」
「レオ、エマ。パパは敵をやっつけに行ってきますからね。二人ともママの言う事を聞いて待っているんですよ」
「「あーい!」」
俺の子供達は俺の言葉を理解してるようには見えないが、無邪気に大きな声で返事をしてくれた。
「じゃあ、リタとミリアムは俺の着替えと装備の装着を手伝ってくれ」
「わかったよ。このあたしに任せときな」
「わかりました。お手伝いしますね」
新しい下着に着替え、戦闘モードの黒い装備に身を包んでいく。戦に赴く俺を送り出すリタとミリアムの縁起担ぎらしく、着替えの途中で俺の大事なところを妻二人に握られるという過程を経ながらようやく着替えを終える事が出来た。
二人に手伝ってもらって着替えと装備の装着を済ました俺は、今度は従魔達に俺とお揃いの色の黒のヘルムを装着してあげる。目の部分は穴が開いていてしっかり周りが見えるようになっている。
『コル、マナ。付け心地はどうだ? 違和感はあるか?』
『そうですね。まだ僕はこれに慣れていないのでちょっとだけ気になります。けれど、暫くしたら慣れてくると思います』
『私もまだ慣れていないので少しだけ違和感がありますね。でも、軽いので慣れれば問題ないと思います。視界も大丈夫です』
まだ慣れるまでは仕方がないか。ただ、乱戦になって万が一従魔の頭部に矢などの攻撃が当たっても、このヘルムを装着していれば弾き返してダメージを軽減出来るだろう。まあ、そもそも敵の攻撃がこの二匹に当たるとは思えないけどね。
鏡を用意して従魔達に自分達の姿を見せてあげたら『格好いい!』と大喜びしてくれた。気に入ってもらえて良かった、良かった。
「エリオ様、準備は出来ましたか?」
従魔達とそんなやり取りをしていたらルネが様子を見にきたようだ。ルネは領主館内の住居エリアでも自由に動き回れる資格と権限を持っている。既に装備は装着済みで白銀の鎧に身を包むその姿は美しく、まさに戦乙女という名に恥じない凛とした立ち姿だ。
「ああ、今出来たところだ」
「ルネ、エリオを頼んだよ」
「ルネさん、エリオさんを守ってくださいね」
「はい、かしこまりました!」
「ルネ、この戦いが終わったらルネをあたし達と一緒にエリオを支える女として認めてあげようと思ってるからね。だからあんたにその気があるなら頑張りな!」
「これは私とリタさんで話し合った結論ですからね」
「お二人ともありがとうございます!」
詳細は不明だが、俺の事で二人の妻とルネの間で女同士の話し合いも終わったようだ。俺の準備も出来たし従魔達の準備も万端だ。
「じゃあ、行ってくるぞ。後の事は頼んだからな」
そう妻達に言い残し、俺はルネと従魔を従えて領主館の玄関を出て馬に乗り、俺の脇を固める隊士達に囲まれながら大広場に向かって行った。大広場に到着すると出陣の用意を整えた兵士達が、それぞれ所属の軍の隊列に並んで待機していた。
「おー、エリオ様だ!」
「エリオ様がいるだけで負ける気がしない」
「エリオ様の為なら俺は身も心も捧げる覚悟だぜ!」
待機していた兵士達は口々に声を出して俺を出迎えてくれた。自分自身ではそんなに自覚がないのだが俺にはカリスマがあるらしい。そして、兵士達の前では軍を率いる将軍達が俺の到着を並んで待っていた。
現在ここに集まっている軍はカウンさんの第一軍、ゴウシさんの第三軍、そしてロドリゴが率いる近衛軍の半数だ。近衛軍はグラベンの街の守備に半分の兵を残していく。その他には親衛隊を含んだ俺の持つ最精鋭部隊だ。
ジゲル将軍率いる第五軍とベルマン将軍率いる第六軍は既にゴドール西部に布陣をしている。ザイード軍の侵攻を最初に食い止める重要な役割を担っているのだ。その間に我々が到着してザイード軍を迎撃する事になるだろう。
「カウン将軍、ゴウシ将軍、ロドリゴ将軍。頼むぞ」
「兄者よ、それがしに任せてくれ。ザイード軍など蹴散らして見せよう」
「ヘヘッ、エリオの兄貴。おいらが手柄を全部持っていくからな」
「義兄さんに日頃の訓練の成果を見せてやるっすよ」
ハハ、頼もしいな。油断は禁物だが、皆の顔をよく見ると冷静で落ち着きがあり自信に満ちた顔だ。これなら大丈夫だろう。
「ああ、やってやろうぜ!」
「「「応ッ」」」
俺は将軍達と肩を並べ居並ぶ兵士達に向かって大音声で号令をかける。
「全軍出撃!」
「「「応ッ!」」」
俺は大勢の兵士達を従えて、グラベンの街を威風堂々と出発していった。
「わかった、報告ご苦労。下がってよいぞ!」
定例会議の数日後、領主館の執務室にいた俺は配下からの緊急の報告を受けていた。ザイード軍が我が領内に向けて侵入の動きを見せたのだ。
とうとう来たか。予想はしていたが、いざ実際に報告を受けてみると少しだけ緊張で気が張るものだな。だが、それもすぐに収まって俺はいつものような平静を取り戻してきた。
今までは住民達に請われてゴドール地方の領主になったり、エルン地方の場合は青巾賊という賊徒を討伐したりと、その土地の領主的な存在とは直接戦ってはいなかった。それが今回は初めてそのような存在との戦いになる。
今は乱世だ。それまでの肩書や名声などはこの乱世では有名無実であり、まるで価値がないとも言える状況だ。弱ければ生存競争に負けて淘汰されていく。それはこの俺だって例外ではなく負ければそうなるのは確実だ。だからそうならないようにするには目の前の戦いを勝ち続けるしかない。
「準備が出来次第出陣する。兵達を大広場へ集合させておくように!」
「ハッ、了解です!」
さて、俺も出陣の準備をしないとな。慌ただしく動く配下達に準備をしてくると言って執務室を出て自室に向かう。歩いていくと自室前の廊下にリタとミリアムが立っており、何かを察知したのか従魔部屋から出てきたコルとマナも俺を待っていた。
「エリオ! さっきあんたの配下の者があたし達に伝えに来てくれたけど、とうとうザイード家との戦いになるのかい?」
「ああ、そうだリタ。最新の情報だとザイード軍が我が領に向けて進撃を始めてるそうだ」
「エリオさん、必ず勝って無事に帰ってきてくださいね」
「勿論だ。リタとミリアム。そして可愛い子供達の為にも必ず勝って帰ってくるさ。心配は要らない。二人とも子供達と一緒に俺をただ信じて待っていてくれ。おまえ達の俺を強く信じる想いが何よりも俺の力になるんだ。そんな想いに支えられた俺が負けるはずがないだろ?」
「そうだね。あたしはあんたを信じて待ってるよ」
「エリオさん、私も信じてますよ」
「レオ、エマ。パパは敵をやっつけに行ってきますからね。二人ともママの言う事を聞いて待っているんですよ」
「「あーい!」」
俺の子供達は俺の言葉を理解してるようには見えないが、無邪気に大きな声で返事をしてくれた。
「じゃあ、リタとミリアムは俺の着替えと装備の装着を手伝ってくれ」
「わかったよ。このあたしに任せときな」
「わかりました。お手伝いしますね」
新しい下着に着替え、戦闘モードの黒い装備に身を包んでいく。戦に赴く俺を送り出すリタとミリアムの縁起担ぎらしく、着替えの途中で俺の大事なところを妻二人に握られるという過程を経ながらようやく着替えを終える事が出来た。
二人に手伝ってもらって着替えと装備の装着を済ました俺は、今度は従魔達に俺とお揃いの色の黒のヘルムを装着してあげる。目の部分は穴が開いていてしっかり周りが見えるようになっている。
『コル、マナ。付け心地はどうだ? 違和感はあるか?』
『そうですね。まだ僕はこれに慣れていないのでちょっとだけ気になります。けれど、暫くしたら慣れてくると思います』
『私もまだ慣れていないので少しだけ違和感がありますね。でも、軽いので慣れれば問題ないと思います。視界も大丈夫です』
まだ慣れるまでは仕方がないか。ただ、乱戦になって万が一従魔の頭部に矢などの攻撃が当たっても、このヘルムを装着していれば弾き返してダメージを軽減出来るだろう。まあ、そもそも敵の攻撃がこの二匹に当たるとは思えないけどね。
鏡を用意して従魔達に自分達の姿を見せてあげたら『格好いい!』と大喜びしてくれた。気に入ってもらえて良かった、良かった。
「エリオ様、準備は出来ましたか?」
従魔達とそんなやり取りをしていたらルネが様子を見にきたようだ。ルネは領主館内の住居エリアでも自由に動き回れる資格と権限を持っている。既に装備は装着済みで白銀の鎧に身を包むその姿は美しく、まさに戦乙女という名に恥じない凛とした立ち姿だ。
「ああ、今出来たところだ」
「ルネ、エリオを頼んだよ」
「ルネさん、エリオさんを守ってくださいね」
「はい、かしこまりました!」
「ルネ、この戦いが終わったらルネをあたし達と一緒にエリオを支える女として認めてあげようと思ってるからね。だからあんたにその気があるなら頑張りな!」
「これは私とリタさんで話し合った結論ですからね」
「お二人ともありがとうございます!」
詳細は不明だが、俺の事で二人の妻とルネの間で女同士の話し合いも終わったようだ。俺の準備も出来たし従魔達の準備も万端だ。
「じゃあ、行ってくるぞ。後の事は頼んだからな」
そう妻達に言い残し、俺はルネと従魔を従えて領主館の玄関を出て馬に乗り、俺の脇を固める隊士達に囲まれながら大広場に向かって行った。大広場に到着すると出陣の用意を整えた兵士達が、それぞれ所属の軍の隊列に並んで待機していた。
「おー、エリオ様だ!」
「エリオ様がいるだけで負ける気がしない」
「エリオ様の為なら俺は身も心も捧げる覚悟だぜ!」
待機していた兵士達は口々に声を出して俺を出迎えてくれた。自分自身ではそんなに自覚がないのだが俺にはカリスマがあるらしい。そして、兵士達の前では軍を率いる将軍達が俺の到着を並んで待っていた。
現在ここに集まっている軍はカウンさんの第一軍、ゴウシさんの第三軍、そしてロドリゴが率いる近衛軍の半数だ。近衛軍はグラベンの街の守備に半分の兵を残していく。その他には親衛隊を含んだ俺の持つ最精鋭部隊だ。
ジゲル将軍率いる第五軍とベルマン将軍率いる第六軍は既にゴドール西部に布陣をしている。ザイード軍の侵攻を最初に食い止める重要な役割を担っているのだ。その間に我々が到着してザイード軍を迎撃する事になるだろう。
「カウン将軍、ゴウシ将軍、ロドリゴ将軍。頼むぞ」
「兄者よ、それがしに任せてくれ。ザイード軍など蹴散らして見せよう」
「ヘヘッ、エリオの兄貴。おいらが手柄を全部持っていくからな」
「義兄さんに日頃の訓練の成果を見せてやるっすよ」
ハハ、頼もしいな。油断は禁物だが、皆の顔をよく見ると冷静で落ち着きがあり自信に満ちた顔だ。これなら大丈夫だろう。
「ああ、やってやろうぜ!」
「「「応ッ」」」
俺は将軍達と肩を並べ居並ぶ兵士達に向かって大音声で号令をかける。
「全軍出撃!」
「「「応ッ!」」」
俺は大勢の兵士達を従えて、グラベンの街を威風堂々と出発していった。
42
お気に入りに追加
1,591
あなたにおすすめの小説
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜
里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」
魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。
実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。
追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。
魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。
途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。
一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。
※ヒロインの登場は遅めです。
スキルが全てを決める世界で、俺のスキルがビームだった件。ダークファンタジー世界をビームでぶち抜く。
あけちともあき
ファンタジー
スキルがすべてを決める世界。
意味不明なスキル、ビームを持って生まれたオービターは、居所なしとして村を追放された。
都会で成り上がろうと旅立つオービターは、世界から迫害されるという魔女に出会う。
この魔女がとても可愛く、オービターは彼女が好きになってしまう。
「好きです!!」
「いきなり告白するのはどうなの? でも君、すごい才能を持ってるわね!」
彼女に教えを受け、スキル:ビームの真価に目覚めるオービター。
それは、あらゆる行動をビームに変えてしまう最強のスキルだったのだ。
このまま二人でスローな生活もいいかなと思った矢先、魔女狩りが襲いかかる。
「魔女は世界を破壊するのだ! 生かしてはおけぬ!! そこをどけ小僧!!」
「俺の純情と下心を邪魔するのか! 許せねえ!! ぶっ倒す!!」
魔法がビームに、剣がビームに、石を投げたらそれもビームに。
棒を握って振り回したら、戦場をビームが薙ぎ払う。
「わははははは! 人が! ゴミのようだ!」
村を襲う盗賊団を薙ぎ払い、大発生したモンスターの群れを薙ぎ払い、空から落ちてくる隕石を撃ち落とす。
やがて、世界から集まる、世界の敵と目された仲間たち。
オービターの下心から始まった冒険は、世界を巻き込んでいくことになるのである。
これは、一人の男が世界を変える、愛と勇気の物語……!
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる