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第17話 火事の原因は放火だった
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大きな炎と黒煙を上げて燃えさかる自分の家の姿をみて呆然とその場に立ち尽くす俺。近所の人達がバケツに水を汲んで持ってきて消火活動をしてくれているが、それも火勢の勢いには焼け石に水の状態だ。
既に火の手は家全体を覆い尽くし、手の施しようがないのは誰の目にも明らかだった。今朝まで普通に寝起きをして住んでいた我が家が、今は見るも無惨に燃えさかる火によって消し炭になろうとしている。
何で俺の家が燃えているんだ?
今朝、家を出る時までは火の元の確認もしたし何も異常はなかったはずなのに。
次から次へと疑問が湧き上がるが目の前の火事は夢ではなく現実の出来事だ。
おろおろする俺の足元でコルとマナも燃える家をじっと見つめていた。
暫くの間は気が動転して放心状態だった俺だが、徐々に意識が現実を直視出来るようになってきた。
そうだ、俺も消火活動を手伝わなきゃ。
この火事が他の家に燃え広がるのだけは絶対に避けなければいけない。
自分の家だけならまだしも、他の家に燃え広がったら謝罪だけでは済まないからな。
「皆さん、俺の家が火事を起こして申し訳ない! 俺も消火を手伝います!」
俺の声に反応した人達がこちらを振り返った。
その顔ぶれを見ると、消火活動をしてるのは知った顔が多い近所の人達だった。
「おお、帰ってきたか。おまえさんの家が燃えているぞ!」
「俺が最初に火事を発見したんだが、もうその時は火の勢いが凄くてこの有り様だ」
「すみません、俺も手伝います!」
近所の人達の中に入って、俺もバケツリレーを手伝う。
井戸で組み上げた水をバケツに汲み、流れ作業で燃える家にかけていく。
俺の家はもう手遅れで無駄だとわかっていても、他の家に燃え移るのだけは防がなくちゃいけない。なので、俺は「申し訳ない、申し訳ない」と、うわ言のように呟きながら近所の人達と一緒に必死で消火作業を続けたのだった。
◇◇◇
懸命の消火作業の甲斐があって火事は他の家に燃え広がることもなくようやく鎮火した。辛うじて黒く炭のようになった柱や燃え残りの壁が残っているが、家の裏手は火の勢いが強かったのか壁も柱も全部崩れ落ちていた。改めて全体を眺めてみると見るも無惨になった家の跡が残るだけで辺りは焦げ臭い匂いが充満していた。
駆けつけた街の衛兵が野次馬達をこの火事の現場に近づけないように立ち塞がり道を封鎖している。別の衛兵達は燃えた家の周りで火事の原因の調査をしているようだ。
その中から責任者らしき人がこちらに向かって歩きながら近づいてきた。
「火事の火元の住人と発見者、そして消火活動をしてくれた人達に話を聞きたいんだがこちらへ来てもらえるかな」
俺と何人かの人が手を上げて責任者らしき人の元へ歩いて行く。
「燃えた家の持ち主は俺です」
「俺が第一発見者だ」
「私は消火活動をした者だ」
「あたしもバケツに水を汲んで手伝ったよ」
「そうか、まず第一発見者のあんたに聞きたい。最初に火事を発見した状況を教えて欲しい」
「ああ、いいぞ。俺は肉屋で買い物をして帰る途中で立ち話をしていたら空に向かって黒い煙が上がってるのを見てこの火事を発見したんだ。俺が駆けつけた時には家の裏手の方から轟々と火の手が上がっていて既に勢いが強くなっていた。俺に疑いをかけるのは尤もだが、火事を見つける前まであそこの家のご隠居さんと立ち話をしていたから俺が火付けをしてないのはそのご隠居さんが証明してくれるはずだ」
「ほう、家の裏手が火元か。そのご隠居さんとやらの家を教えてくれ。部下に聞き込みに行かせるのでな」
「おう、あそこの黒い屋根の家がそうだ。ご隠居さんの名前はヘイゾさんだ」
すると、責任者の人は近くにいた衛兵を呼んで指示をした。
「よし、おまえはあそこの家に行って聞き込みをしてこい」
「わかりました!」
指示を受けた衛兵はその場で右手を上げて敬礼すると足早にその黒い屋根の家に向かって駆け出していく。
「次は火元の家の住人に話を聞きたい。この燃えた家の持ち主は誰だ?」
「俺です」
「おまえさんが火元の住人か。では、正直に答えてくれ。火事の原因に心当たりはあるか? こちらで現場を調べて火事の原因を調査するが、もし心当たりがあるなら今のうちに言ってくれ」
「そう言われても…俺も何が何だかわからないんです。ギルドの依頼で街の外に出かけていて、帰ってきたら街の中から黒い煙が上がってるのを見つけました。俺の家がある方向だなと心配になって駆けつけたら自分の家が燃えてたんです」
「なるほど。ところでこの家で煮炊きする為の竈の位置はどこだったんだ?」
「竈の位置ですか? 家に入ってすぐ左側で家の表側です」
「それを証明出来るか?」
「それならあたしが証明出来るよ。前にこの家に用があって家の中に入った事があるけど竈の位置はエリオの言う通りさ」
良かった、近所のおばさんが俺の証言を裏付けてくれた。
「俺、いつも家を留守にする時は火の元の確認を念入りにしてるんで竈から失火はないと思います。俺自身、何で燃えたのか知りたいくらいですよ」
そこへ原因の調査をしていた衛兵の一人が責任者の人に近づき何やら耳打ちする。
「うーん、今報告を受けたが調査の結果、おそらく家の裏手が火元で間違いないだろう。だとすると、竈が火元ではないようだ」
思案顔の責任者の元へご隠居さんに聞き込みの行った衛兵が戻ってきたようで、責任者の耳元に顔を寄せ報告する。
「証言にあったご隠居さんを聞き込みした結果、第一発見者のあんたの証言の裏付けが取れたようだ。発見者のあんたを疑って申し訳ない」
「ああ、気にすんな。それよりちょっといいかい? 思い出したことがあるんだ」
声を出したのは第一発見者の人だ。
「あんた何を思い出したんだ?」
「俺が火事を見つけてこの家の前に駆けつけて来た時に、燃えている家の物陰から出てきて俺の姿を見ると慌てて向こうへ走っていく人影を見たんだ。服装はどこにでもいるような感じだったが体つきは男だった。フードを被っていたから顔はよく見えなかったが、あんたらの調査の結果だと火の気がない家の裏手が火元らしいからそれが気になってな」
「ふむ、火事の現場にいかにも怪しい人影か。まだ断定は出来ないが目撃証言と調査の結果から火事の原因は放火でほぼ間違いないだろう。後で詳しくその男の特徴を教えてくれ」
原因は放火だって?
これは誰かの付け火だというのか?
何で俺の家がそんな目に遭わなきゃいけないんだ。
まさか……いや、憶測は良くない。
俺は忸怩たる思いで責任者のその言葉をただ聞くしかなかった。
既に火の手は家全体を覆い尽くし、手の施しようがないのは誰の目にも明らかだった。今朝まで普通に寝起きをして住んでいた我が家が、今は見るも無惨に燃えさかる火によって消し炭になろうとしている。
何で俺の家が燃えているんだ?
今朝、家を出る時までは火の元の確認もしたし何も異常はなかったはずなのに。
次から次へと疑問が湧き上がるが目の前の火事は夢ではなく現実の出来事だ。
おろおろする俺の足元でコルとマナも燃える家をじっと見つめていた。
暫くの間は気が動転して放心状態だった俺だが、徐々に意識が現実を直視出来るようになってきた。
そうだ、俺も消火活動を手伝わなきゃ。
この火事が他の家に燃え広がるのだけは絶対に避けなければいけない。
自分の家だけならまだしも、他の家に燃え広がったら謝罪だけでは済まないからな。
「皆さん、俺の家が火事を起こして申し訳ない! 俺も消火を手伝います!」
俺の声に反応した人達がこちらを振り返った。
その顔ぶれを見ると、消火活動をしてるのは知った顔が多い近所の人達だった。
「おお、帰ってきたか。おまえさんの家が燃えているぞ!」
「俺が最初に火事を発見したんだが、もうその時は火の勢いが凄くてこの有り様だ」
「すみません、俺も手伝います!」
近所の人達の中に入って、俺もバケツリレーを手伝う。
井戸で組み上げた水をバケツに汲み、流れ作業で燃える家にかけていく。
俺の家はもう手遅れで無駄だとわかっていても、他の家に燃え移るのだけは防がなくちゃいけない。なので、俺は「申し訳ない、申し訳ない」と、うわ言のように呟きながら近所の人達と一緒に必死で消火作業を続けたのだった。
◇◇◇
懸命の消火作業の甲斐があって火事は他の家に燃え広がることもなくようやく鎮火した。辛うじて黒く炭のようになった柱や燃え残りの壁が残っているが、家の裏手は火の勢いが強かったのか壁も柱も全部崩れ落ちていた。改めて全体を眺めてみると見るも無惨になった家の跡が残るだけで辺りは焦げ臭い匂いが充満していた。
駆けつけた街の衛兵が野次馬達をこの火事の現場に近づけないように立ち塞がり道を封鎖している。別の衛兵達は燃えた家の周りで火事の原因の調査をしているようだ。
その中から責任者らしき人がこちらに向かって歩きながら近づいてきた。
「火事の火元の住人と発見者、そして消火活動をしてくれた人達に話を聞きたいんだがこちらへ来てもらえるかな」
俺と何人かの人が手を上げて責任者らしき人の元へ歩いて行く。
「燃えた家の持ち主は俺です」
「俺が第一発見者だ」
「私は消火活動をした者だ」
「あたしもバケツに水を汲んで手伝ったよ」
「そうか、まず第一発見者のあんたに聞きたい。最初に火事を発見した状況を教えて欲しい」
「ああ、いいぞ。俺は肉屋で買い物をして帰る途中で立ち話をしていたら空に向かって黒い煙が上がってるのを見てこの火事を発見したんだ。俺が駆けつけた時には家の裏手の方から轟々と火の手が上がっていて既に勢いが強くなっていた。俺に疑いをかけるのは尤もだが、火事を見つける前まであそこの家のご隠居さんと立ち話をしていたから俺が火付けをしてないのはそのご隠居さんが証明してくれるはずだ」
「ほう、家の裏手が火元か。そのご隠居さんとやらの家を教えてくれ。部下に聞き込みに行かせるのでな」
「おう、あそこの黒い屋根の家がそうだ。ご隠居さんの名前はヘイゾさんだ」
すると、責任者の人は近くにいた衛兵を呼んで指示をした。
「よし、おまえはあそこの家に行って聞き込みをしてこい」
「わかりました!」
指示を受けた衛兵はその場で右手を上げて敬礼すると足早にその黒い屋根の家に向かって駆け出していく。
「次は火元の家の住人に話を聞きたい。この燃えた家の持ち主は誰だ?」
「俺です」
「おまえさんが火元の住人か。では、正直に答えてくれ。火事の原因に心当たりはあるか? こちらで現場を調べて火事の原因を調査するが、もし心当たりがあるなら今のうちに言ってくれ」
「そう言われても…俺も何が何だかわからないんです。ギルドの依頼で街の外に出かけていて、帰ってきたら街の中から黒い煙が上がってるのを見つけました。俺の家がある方向だなと心配になって駆けつけたら自分の家が燃えてたんです」
「なるほど。ところでこの家で煮炊きする為の竈の位置はどこだったんだ?」
「竈の位置ですか? 家に入ってすぐ左側で家の表側です」
「それを証明出来るか?」
「それならあたしが証明出来るよ。前にこの家に用があって家の中に入った事があるけど竈の位置はエリオの言う通りさ」
良かった、近所のおばさんが俺の証言を裏付けてくれた。
「俺、いつも家を留守にする時は火の元の確認を念入りにしてるんで竈から失火はないと思います。俺自身、何で燃えたのか知りたいくらいですよ」
そこへ原因の調査をしていた衛兵の一人が責任者の人に近づき何やら耳打ちする。
「うーん、今報告を受けたが調査の結果、おそらく家の裏手が火元で間違いないだろう。だとすると、竈が火元ではないようだ」
思案顔の責任者の元へご隠居さんに聞き込みの行った衛兵が戻ってきたようで、責任者の耳元に顔を寄せ報告する。
「証言にあったご隠居さんを聞き込みした結果、第一発見者のあんたの証言の裏付けが取れたようだ。発見者のあんたを疑って申し訳ない」
「ああ、気にすんな。それよりちょっといいかい? 思い出したことがあるんだ」
声を出したのは第一発見者の人だ。
「あんた何を思い出したんだ?」
「俺が火事を見つけてこの家の前に駆けつけて来た時に、燃えている家の物陰から出てきて俺の姿を見ると慌てて向こうへ走っていく人影を見たんだ。服装はどこにでもいるような感じだったが体つきは男だった。フードを被っていたから顔はよく見えなかったが、あんたらの調査の結果だと火の気がない家の裏手が火元らしいからそれが気になってな」
「ふむ、火事の現場にいかにも怪しい人影か。まだ断定は出来ないが目撃証言と調査の結果から火事の原因は放火でほぼ間違いないだろう。後で詳しくその男の特徴を教えてくれ」
原因は放火だって?
これは誰かの付け火だというのか?
何で俺の家がそんな目に遭わなきゃいけないんだ。
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