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第5話 従魔登録
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冒険者ギルドに到着。
扉を開けてコルと一緒に建物の中に入る。
採取してきた薬草を買い取って貰う為に先に素材買い取りカウンターの前に行き薬草が入っている袋をカウンターの上に置いて査定担当のおっさんに声をかけた。
「薬草の買い取りを頼みたい」
「何だエリオか。どの薬草を持ってきたんだ?」
「買い取り推奨期間で上級薬に使う薬草だよ」
「ああ、そういやそうだったな」
薬草の査定金額は結構な金額になった。
一日でこの稼ぎは俺にしてはなかなかの金額だな。
薬草を買い取って貰った俺は金をバッグに仕舞ってギルドの受付に向かった。
忘れないようにコルの従魔登録をしないとな。
手懐けたコルをお供に受付の前まで歩いていくが、当然のごとく周りにいる冒険者達から変な目で見られるし露骨な陰口も聞こえてくる。
「おい、エリオが犬っころを連れて歩いてるぞ」
「いや、ありゃ犬じゃなくて狼っぽくないか」
「まさか、あれを飼う気なのか?」
「あいつの事だからそのまさかだろうぜ」
「底辺のくせにあんなのを飼ってどうするつもりだ?」
おまえら聞こえてるぞ。
俺が何を飼おうとおまえらには関係ないだろ。
まあ、言いたい奴には言わしておけばいい。
「コイツの従魔登録をしたいんだが」
受付嬢にそう言って俺の横でお座りしているコルを指差す。
「この子の従魔登録ですか?」
「ああ、ここに簡易鑑定済みの従魔登録の申請書類もある」
俺はホルトさんに書いてもらった書類を受付嬢に渡した。
受付嬢は俺から受け取った書類とコルを交互に眺めて確認を終えた後、納得がいったのか書類にサインをした。
「それじゃ私がサインをしたこの書類を持ってギルドの裏手にある作業小屋に行って首輪を受け取ってください。その首輪を従魔の首に取り付けると登録完了です。登録料は一万Gです」
はぁ? 何だよ、金を取るのかよ…
仕方なく俺はさっきの薬草採取の報酬から一万Gを抜き出して渋々支払った。
そして、受付嬢に言われた通りにギルドの裏手にある作業小屋を見つけドアを叩くと、中からおっちゃんが出てきた。
「何か用か?」
「コイツの従魔登録が済んだから首輪を受け取りに来たんだ」
『ワウン!』
「おお、この狼犬みたいのがあんたの従魔か?」
「ああ、そうだ」
「ちょっと待ってな。えーと、この首輪だ。この首輪をその従魔の首に付ければ主人がいる従魔として街中を堂々と連れて歩ける。これはこの街だけでなく、この国や他の国でも全て共通だ」
おっちゃんに渡された黒い首輪をコルの首に回すと、自動的に長さが調節されてぴったりと首に嵌った。もしかしたらコルが首輪を付けるのを嫌がるかと思ったが素直に付けてくれた。毛並みで隠れて首輪の存在はあまり目立たないな。
「その首輪は従魔に合わせて伸び縮みするから切れる心配はないぞ。これでそいつもあんたの正式な従魔だ」
「そうか、よろしくなコル!」
『ウオン!』
「ところで、そいつは初めて見る魔獣だな。狼犬にしては偉く品があるじゃねーか」
「俺は魔獣については知らないことばかりだが、コルは狼タイプの魔獣なんだろ?」
「ああ、確かにあんたの従魔は狼タイプの魔獣だが、ちょっと特殊な個体に見えるぞ」
「そうか。コイツは魔獣にしては賢そうだし、言われてみれば特殊なのかもな」
「その従魔と仲良くやれよ」
「ああ、勿論そうするつもりさ」
よし、これでコルの従魔登録は完了だ。
今からコイツは俺の正式な従魔になった訳だな。
親バカじゃないけどコルが凛々しく見えるのは気のせいじゃないはずだ!
「コル、行くぞ」
『わう!』
作業小屋を出てそのままコルを連れて自宅へと戻ろうとしたが、途中でコイツの餌をどうにかしないといけないと気づき肉屋に寄って行く。
この街でも犬を飼っている人がチラホラといるので、俺がコルを連れて歩いていてもそれほど違和感はないはずだ。
ホルトさんの鑑定ではコイツは魔獣のようだが、首輪も付けているし見た目は狼犬なので通りすがりの人もコルを恐れる素振りはなさそうだ。
肉屋で店主にコイツの餌になるような肉を見繕ってもらった。
「コイツに食べさせる肉が欲しいんだが」
「そうだな、そいつの餌にするならこの肉でいいと思うぞ」
どれだけの量を食べるのかわからないが、多めに買っておいた。
コルはこれが自分の食べ物だと認識しているのか尻尾を振っているな。
「そうだ、コル。おまえのキレイな毛並みの維持の為にブラシも買っておこう」
『わうわう!』
コイツの毛並みを整える為にもブラシが必要だ。
小間物屋に寄って適当なブラシを二個買っておいた。
必要な物も買ったので家に戻ろう。
コルと一緒に歩いていくと、いつも見慣れた俺の家が見えてきた。
「コル、あの家が俺の家だ。ボロい家だけど我慢してくれよな」
『ウオン!』
うん、一応納得してもらえたようだ。
ドアを開けてコルを家の中に入れると、あちこち動き回って家の内部の確認を始めた。匂いを嗅いだりして暫く動いていたが、俺のベッドの脇の場所が気に入ったのかそこに寝そべった。
さすがに床にそのままだとどうかと思い、床に厚い布を敷いてあげたら早速そっちに移動した。ちゃっかりしてやがる。
買い置きのパンとこの前買った鍋でスープを作り、今日の俺の夕飯だ。
コルにはさっき肉屋で買ってきた肉を皿に三つ載せて出してあげたら、意外なことに一つだけ食べて充分満足らしい。しかも、必要じゃないけど出されたからとりあえず食べてみたという感じだった。
どれだけの量を食べるのかと身構えていた俺も拍子抜けだね。
コルが大食らいの魔獣じゃなくて助かった。
片付けをしたらコルをモフモフしながら毛をブラッシングしよう。
明日も薬草拾い頑張るぞ。
扉を開けてコルと一緒に建物の中に入る。
採取してきた薬草を買い取って貰う為に先に素材買い取りカウンターの前に行き薬草が入っている袋をカウンターの上に置いて査定担当のおっさんに声をかけた。
「薬草の買い取りを頼みたい」
「何だエリオか。どの薬草を持ってきたんだ?」
「買い取り推奨期間で上級薬に使う薬草だよ」
「ああ、そういやそうだったな」
薬草の査定金額は結構な金額になった。
一日でこの稼ぎは俺にしてはなかなかの金額だな。
薬草を買い取って貰った俺は金をバッグに仕舞ってギルドの受付に向かった。
忘れないようにコルの従魔登録をしないとな。
手懐けたコルをお供に受付の前まで歩いていくが、当然のごとく周りにいる冒険者達から変な目で見られるし露骨な陰口も聞こえてくる。
「おい、エリオが犬っころを連れて歩いてるぞ」
「いや、ありゃ犬じゃなくて狼っぽくないか」
「まさか、あれを飼う気なのか?」
「あいつの事だからそのまさかだろうぜ」
「底辺のくせにあんなのを飼ってどうするつもりだ?」
おまえら聞こえてるぞ。
俺が何を飼おうとおまえらには関係ないだろ。
まあ、言いたい奴には言わしておけばいい。
「コイツの従魔登録をしたいんだが」
受付嬢にそう言って俺の横でお座りしているコルを指差す。
「この子の従魔登録ですか?」
「ああ、ここに簡易鑑定済みの従魔登録の申請書類もある」
俺はホルトさんに書いてもらった書類を受付嬢に渡した。
受付嬢は俺から受け取った書類とコルを交互に眺めて確認を終えた後、納得がいったのか書類にサインをした。
「それじゃ私がサインをしたこの書類を持ってギルドの裏手にある作業小屋に行って首輪を受け取ってください。その首輪を従魔の首に取り付けると登録完了です。登録料は一万Gです」
はぁ? 何だよ、金を取るのかよ…
仕方なく俺はさっきの薬草採取の報酬から一万Gを抜き出して渋々支払った。
そして、受付嬢に言われた通りにギルドの裏手にある作業小屋を見つけドアを叩くと、中からおっちゃんが出てきた。
「何か用か?」
「コイツの従魔登録が済んだから首輪を受け取りに来たんだ」
『ワウン!』
「おお、この狼犬みたいのがあんたの従魔か?」
「ああ、そうだ」
「ちょっと待ってな。えーと、この首輪だ。この首輪をその従魔の首に付ければ主人がいる従魔として街中を堂々と連れて歩ける。これはこの街だけでなく、この国や他の国でも全て共通だ」
おっちゃんに渡された黒い首輪をコルの首に回すと、自動的に長さが調節されてぴったりと首に嵌った。もしかしたらコルが首輪を付けるのを嫌がるかと思ったが素直に付けてくれた。毛並みで隠れて首輪の存在はあまり目立たないな。
「その首輪は従魔に合わせて伸び縮みするから切れる心配はないぞ。これでそいつもあんたの正式な従魔だ」
「そうか、よろしくなコル!」
『ウオン!』
「ところで、そいつは初めて見る魔獣だな。狼犬にしては偉く品があるじゃねーか」
「俺は魔獣については知らないことばかりだが、コルは狼タイプの魔獣なんだろ?」
「ああ、確かにあんたの従魔は狼タイプの魔獣だが、ちょっと特殊な個体に見えるぞ」
「そうか。コイツは魔獣にしては賢そうだし、言われてみれば特殊なのかもな」
「その従魔と仲良くやれよ」
「ああ、勿論そうするつもりさ」
よし、これでコルの従魔登録は完了だ。
今からコイツは俺の正式な従魔になった訳だな。
親バカじゃないけどコルが凛々しく見えるのは気のせいじゃないはずだ!
「コル、行くぞ」
『わう!』
作業小屋を出てそのままコルを連れて自宅へと戻ろうとしたが、途中でコイツの餌をどうにかしないといけないと気づき肉屋に寄って行く。
この街でも犬を飼っている人がチラホラといるので、俺がコルを連れて歩いていてもそれほど違和感はないはずだ。
ホルトさんの鑑定ではコイツは魔獣のようだが、首輪も付けているし見た目は狼犬なので通りすがりの人もコルを恐れる素振りはなさそうだ。
肉屋で店主にコイツの餌になるような肉を見繕ってもらった。
「コイツに食べさせる肉が欲しいんだが」
「そうだな、そいつの餌にするならこの肉でいいと思うぞ」
どれだけの量を食べるのかわからないが、多めに買っておいた。
コルはこれが自分の食べ物だと認識しているのか尻尾を振っているな。
「そうだ、コル。おまえのキレイな毛並みの維持の為にブラシも買っておこう」
『わうわう!』
コイツの毛並みを整える為にもブラシが必要だ。
小間物屋に寄って適当なブラシを二個買っておいた。
必要な物も買ったので家に戻ろう。
コルと一緒に歩いていくと、いつも見慣れた俺の家が見えてきた。
「コル、あの家が俺の家だ。ボロい家だけど我慢してくれよな」
『ウオン!』
うん、一応納得してもらえたようだ。
ドアを開けてコルを家の中に入れると、あちこち動き回って家の内部の確認を始めた。匂いを嗅いだりして暫く動いていたが、俺のベッドの脇の場所が気に入ったのかそこに寝そべった。
さすがに床にそのままだとどうかと思い、床に厚い布を敷いてあげたら早速そっちに移動した。ちゃっかりしてやがる。
買い置きのパンとこの前買った鍋でスープを作り、今日の俺の夕飯だ。
コルにはさっき肉屋で買ってきた肉を皿に三つ載せて出してあげたら、意外なことに一つだけ食べて充分満足らしい。しかも、必要じゃないけど出されたからとりあえず食べてみたという感じだった。
どれだけの量を食べるのかと身構えていた俺も拍子抜けだね。
コルが大食らいの魔獣じゃなくて助かった。
片付けをしたらコルをモフモフしながら毛をブラッシングしよう。
明日も薬草拾い頑張るぞ。
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