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鳥籠の殺人鬼
快楽殺人鬼×闇医者
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登場人物
サギナシ(攻め)
組織「赤イ目」のリーダー。
アルゲンム(アル)とパチング(パティ)を溺愛しているが、愛情表現が歪なサイコパス。
ギフトは割と嫌いな方。毒とか効かない。
ギフト(受け)
『鳥籠』の中で病院を経営するイケメン。
容姿端麗に加えて温厚篤実。が、表の顔。
裏では毒薬の研究と実験が好きな闇医者。元人間のアルを実験に使いたがっている。
サギナシは割と普通。自分自身が毒であるため、恋人どころか体の関係さえも作れない自分の体質が嫌い。
アルゲンム
アル。今回は見守り役で観点。
最近サギナシに肉体関係を迫られている。
ギフトは注射器片手に迫ってくる姿がトラウマになりつつあるから嫌い。
......................................................
美しい花にはトゲがある。本当だと思う。
現に、ここにいる容姿端麗の人物は常日頃僕を手に入れようと迫ってくる。が、今日はいつもと違うようだった。
応接室の机を挟む形で置かれているソファに座っているギフトさんを、僕は横目に見ながらコーヒーを入れたカップを机に置いた。
彼はギフトさん。イケメンで医者の腕も良く、近所では評判のいい小さな診療所の医者。それが表向き。
紫がかった茶髪をいじりながら研究に没頭する、自身が毒物の闇医者、それが彼と知り合った時の一番最初の裏の印象だった。
今もほとんど変わっていない。ただ、僕からの好感度は確実に下がってる。それだけだ。
ギフトさんは、僕の置いたカップを取って1口、何も入れてないコーヒーを飲むと要件を話し始めた。
「サギナシ、単刀直入に聞くけど君は……童貞?」
思わず僕は勢いよく吹き出した。サギナシが、童貞?分かりきったことだ、何故そんなことを聞くんだろう。
怪訝そうに僕を一目見たギフトは、サギナシを見つめ直して回答を待った。
「…どうてい、って何?」
「………あー…………」
そうだったそうだった。サギナシの頭は幼児にも負けてないくらいすっからかん。説明しなきゃだろう。
「女性との性交渉があるかってことだよ」
ギフトさんが分かりにくく説明するけど分かるはずない。もっと砕かなきゃ。
「サギナシ、パティさんといっつもしてるでしょ、童貞じゃないよ」
「ああ!!そうだな、じゃあ童貞じゃないっ!」
元気よく下ネタを叫ばないでお願い。
言ったあとに僕は後悔して顔を赤くした。(ただのバカだあああっ!!)
その回答を聞くと、ギフトさんはほっとした顔で続きを述べた。
「じゃあ、頼みたいことがある。……僕を、…抱いてくれ」
「…は?」
「え」
繊細な顔の表面を赤くして、ギフトさんは頼み込んだ。サギナシはというと、ぎょっとした顔で固まっている。
「えー…俺、そういう趣味無いし…ギフトのこと嫌いだし…セックスはちょっと…」
「頼む!サギナシにしかこんなこと頼めないんだ!!」
なんてシュールな図。超絶イケメンが幼児頭に向かって頭を下げている。ただし会話内容は悲惨。
「しかもなんで俺なんだよ!??どいつだって、お前がいえばいくらでもやらせてくれるじゃん」
「それが無理だから……だよ」
と言うと、いきなり彼は哀しそうな顔になって経緯を話し始めた。
「僕の全身の体液が毒物だってことは、二人共知っているだろう?女の子もキスすれば途端に息絶えてしまったし、男だって愛撫の最中に突然の死を迎えた。全部、僕のこの体質のせいでね」
「…だから、つまり…えと、ギフトの毒が効かない俺に頼みに来たって?」
「まあそういう事だ……うん」
言い切った後にまた言葉を濁して顔を両手で覆うギフトさん。
なにそれ僕も初めて知った。サギナシは効かないんだ……ぬいぐるみ、だから。たぶん。
ちなみに僕はというとキスされる前に逃げました。ギフトさんは注射器を持って追いかけてくるので嫌いです。
「…そういえば、アルくんは?」
「アル?……ああ、見せつけてやろうか?」
「ありもしないこと言うのやめてくれる!??」
だめだこいつら。ツッコミきれないしそろそろ僕も疲れてきた。誰か変わってくださいお願いします。
「毎日いってんだけどさー、アルがやだっていうからやってないの」
サギナシが席を立って、僕が拒むまもなく僕の腕を掴んだ。
ここまで来たら逆らっちゃいけない。いつ機嫌を損ねるか分からないからだ。
「おかげでこんなだよ」
細い腕にはだぼだぼの服の袖をまくり上げると、現れたのは見慣れた噛み跡だらけの肌。ギフトさんの反応を見たかったけど、高身長のサギナシに隠されて何も見えなかった。
そこに優しくサギナシが唇を落とす。
彼の薄く、でも熟れた赤の唇の感覚がくすぐったかった。
終わりか、もしくは噛まれるかと身構えていた時、唐突にサギナシが赤い視線を僕に向けた。
「――あ、なにっ………ん」
気づいた時にはもう遅い。
サギナシの唇に僕の唇が重ねられ、舌が口内に侵入してくる。股の間に脚を入れられて、抱きしめられながら尻をまさぐられた。
ギフトさんがくぐもったため息を漏らす頃にやっと離してもらうことが出来た。
すっかり息は上がっていたし、頭はクラクラしたけどサギナシに掴まって立っていられた。
「好きじゃない相手とさ、そーゆーことすんの嫌いなの、俺」
にやっと笑うサギナシ。彼はこう続けた。
「でもいいよ。消毒したから」
あ、僕のことか。消毒って聞くといい気はしないけどね。
「いいのかい?」
「ただし俺、手加減とか知らないからそれだけ覚えといて」
「歓迎だよ!」
嬉々とした表情でサギナシを見つめるギフトさんが、僕は何故か羨ましかった。
サギナシがギフトさんの肩を抱いて部屋に行った途端、何故かその後の予想が怖くて僕も自室に戻ってしまった。
あれが、僕だったら。あれが僕だったら、こんな思いしなくて済んだのかな。
ギフトさんの着衣を肌蹴た端正な顔が歪む様子が、僕の脳内で自らの姿に置き換わってしまう。
どうしよう。こんなつもりじゃなかったのに。タイトル詐欺だ。
僕がこれじゃ予定と違うよ。サギナシの隣には違う人がいるはずなのに。
ベッドに潜り込んで、あの狂った愛し方をしてくれる彼をただひたすら待ち望んだ。
......................................................
タイトル詐欺でした。登場人物紹介も詐欺でした。大丈夫です、ちゃんとサギギフは裏でイチャイチャしてると思います(遠い目)
サギナシ(攻め)
組織「赤イ目」のリーダー。
アルゲンム(アル)とパチング(パティ)を溺愛しているが、愛情表現が歪なサイコパス。
ギフトは割と嫌いな方。毒とか効かない。
ギフト(受け)
『鳥籠』の中で病院を経営するイケメン。
容姿端麗に加えて温厚篤実。が、表の顔。
裏では毒薬の研究と実験が好きな闇医者。元人間のアルを実験に使いたがっている。
サギナシは割と普通。自分自身が毒であるため、恋人どころか体の関係さえも作れない自分の体質が嫌い。
アルゲンム
アル。今回は見守り役で観点。
最近サギナシに肉体関係を迫られている。
ギフトは注射器片手に迫ってくる姿がトラウマになりつつあるから嫌い。
......................................................
美しい花にはトゲがある。本当だと思う。
現に、ここにいる容姿端麗の人物は常日頃僕を手に入れようと迫ってくる。が、今日はいつもと違うようだった。
応接室の机を挟む形で置かれているソファに座っているギフトさんを、僕は横目に見ながらコーヒーを入れたカップを机に置いた。
彼はギフトさん。イケメンで医者の腕も良く、近所では評判のいい小さな診療所の医者。それが表向き。
紫がかった茶髪をいじりながら研究に没頭する、自身が毒物の闇医者、それが彼と知り合った時の一番最初の裏の印象だった。
今もほとんど変わっていない。ただ、僕からの好感度は確実に下がってる。それだけだ。
ギフトさんは、僕の置いたカップを取って1口、何も入れてないコーヒーを飲むと要件を話し始めた。
「サギナシ、単刀直入に聞くけど君は……童貞?」
思わず僕は勢いよく吹き出した。サギナシが、童貞?分かりきったことだ、何故そんなことを聞くんだろう。
怪訝そうに僕を一目見たギフトは、サギナシを見つめ直して回答を待った。
「…どうてい、って何?」
「………あー…………」
そうだったそうだった。サギナシの頭は幼児にも負けてないくらいすっからかん。説明しなきゃだろう。
「女性との性交渉があるかってことだよ」
ギフトさんが分かりにくく説明するけど分かるはずない。もっと砕かなきゃ。
「サギナシ、パティさんといっつもしてるでしょ、童貞じゃないよ」
「ああ!!そうだな、じゃあ童貞じゃないっ!」
元気よく下ネタを叫ばないでお願い。
言ったあとに僕は後悔して顔を赤くした。(ただのバカだあああっ!!)
その回答を聞くと、ギフトさんはほっとした顔で続きを述べた。
「じゃあ、頼みたいことがある。……僕を、…抱いてくれ」
「…は?」
「え」
繊細な顔の表面を赤くして、ギフトさんは頼み込んだ。サギナシはというと、ぎょっとした顔で固まっている。
「えー…俺、そういう趣味無いし…ギフトのこと嫌いだし…セックスはちょっと…」
「頼む!サギナシにしかこんなこと頼めないんだ!!」
なんてシュールな図。超絶イケメンが幼児頭に向かって頭を下げている。ただし会話内容は悲惨。
「しかもなんで俺なんだよ!??どいつだって、お前がいえばいくらでもやらせてくれるじゃん」
「それが無理だから……だよ」
と言うと、いきなり彼は哀しそうな顔になって経緯を話し始めた。
「僕の全身の体液が毒物だってことは、二人共知っているだろう?女の子もキスすれば途端に息絶えてしまったし、男だって愛撫の最中に突然の死を迎えた。全部、僕のこの体質のせいでね」
「…だから、つまり…えと、ギフトの毒が効かない俺に頼みに来たって?」
「まあそういう事だ……うん」
言い切った後にまた言葉を濁して顔を両手で覆うギフトさん。
なにそれ僕も初めて知った。サギナシは効かないんだ……ぬいぐるみ、だから。たぶん。
ちなみに僕はというとキスされる前に逃げました。ギフトさんは注射器を持って追いかけてくるので嫌いです。
「…そういえば、アルくんは?」
「アル?……ああ、見せつけてやろうか?」
「ありもしないこと言うのやめてくれる!??」
だめだこいつら。ツッコミきれないしそろそろ僕も疲れてきた。誰か変わってくださいお願いします。
「毎日いってんだけどさー、アルがやだっていうからやってないの」
サギナシが席を立って、僕が拒むまもなく僕の腕を掴んだ。
ここまで来たら逆らっちゃいけない。いつ機嫌を損ねるか分からないからだ。
「おかげでこんなだよ」
細い腕にはだぼだぼの服の袖をまくり上げると、現れたのは見慣れた噛み跡だらけの肌。ギフトさんの反応を見たかったけど、高身長のサギナシに隠されて何も見えなかった。
そこに優しくサギナシが唇を落とす。
彼の薄く、でも熟れた赤の唇の感覚がくすぐったかった。
終わりか、もしくは噛まれるかと身構えていた時、唐突にサギナシが赤い視線を僕に向けた。
「――あ、なにっ………ん」
気づいた時にはもう遅い。
サギナシの唇に僕の唇が重ねられ、舌が口内に侵入してくる。股の間に脚を入れられて、抱きしめられながら尻をまさぐられた。
ギフトさんがくぐもったため息を漏らす頃にやっと離してもらうことが出来た。
すっかり息は上がっていたし、頭はクラクラしたけどサギナシに掴まって立っていられた。
「好きじゃない相手とさ、そーゆーことすんの嫌いなの、俺」
にやっと笑うサギナシ。彼はこう続けた。
「でもいいよ。消毒したから」
あ、僕のことか。消毒って聞くといい気はしないけどね。
「いいのかい?」
「ただし俺、手加減とか知らないからそれだけ覚えといて」
「歓迎だよ!」
嬉々とした表情でサギナシを見つめるギフトさんが、僕は何故か羨ましかった。
サギナシがギフトさんの肩を抱いて部屋に行った途端、何故かその後の予想が怖くて僕も自室に戻ってしまった。
あれが、僕だったら。あれが僕だったら、こんな思いしなくて済んだのかな。
ギフトさんの着衣を肌蹴た端正な顔が歪む様子が、僕の脳内で自らの姿に置き換わってしまう。
どうしよう。こんなつもりじゃなかったのに。タイトル詐欺だ。
僕がこれじゃ予定と違うよ。サギナシの隣には違う人がいるはずなのに。
ベッドに潜り込んで、あの狂った愛し方をしてくれる彼をただひたすら待ち望んだ。
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