1 / 5
1.転移先は水の中でした。
しおりを挟む
その日、女神ユトゥルーナを崇拝するアスピレイアス王国の王都ブディムにある大聖堂では、実に百年振りに神託が下された。
内容はこうだ。
『ーー永きにおよぶ均衡を瓦解させる悪しきものが目覚めようとしている。力をつけ、備えよ。我が神子はみなを導くであろう』
◇◆◇
「……ハッ、ハクシュン!!」
神波亨は頭をフル回転させて現状を把握しようと努力した。しかし何がどうしたら見知らぬ場所でずぶ濡れになり、腰ほどの深さの水の中に座り込むようなことがあるのか。
いくら考えても正解を導き出すことができず、亨はずぶ濡れになる前の記憶を辿ることにした。
今日は待ちに待った…わけでもないが、大学の入学式だった。これを極めたいといったものはないものの、高校卒業後すぐに就職する気にもなれず、周りと合わせるように近場の大学に進学することを決めた。
でもまあ進学するならこれはやろうと決めていたことがある。そう、大学デビューだ!奥手な自覚はあるが慣れた環境でその性格を治すことは難しい。だからいい機会と思って、眼鏡からコンタクトに変えたし、ボサっとした重めの髪も少し明るくなるように染めて、後は美容師にお任せしてカットしてもらった。
大学は自宅の最寄駅から数駅先にあって、駅からも徒歩十五分ほどの比較的立地の良い場所にある。大学には入学前に何度も訪れたから迷うことはない。スマホでSNSやゲームをしながら駅から大学に向かって歩いていて…あれ?そこからの記憶がなんだか靄がかかったようにうまく思い出すことができない。
なんとか記憶を捻り出そうと唸っていると、ふいに周囲の空気が変わったような気がした。間も無く微かに金属音が混じった足音が複数近づいてきた。
「!? そこは神聖なる女神様の泉である! 中に入るなど不敬であるぞ!!」
全身白を基調とした服装に身を包み、鎧を纏った人がこちらを見た瞬間、先頭にいた人は怒鳴り声を上げてズンズンと近づいてきた。
だが、亨は怒鳴りつけられたことにはあまり触れず、ここにやってきた人と投げかけられた言葉を反芻する。
女神の泉?日本ではあまり聞き馴染みのない言葉だな。それにこの人達の容貌といい、立ち振る舞いといい、全然日本っぽくない。でも言葉は理解できるからやっぱり日本なのか?ん~、異国を体験できるテーマパークってわけでもないよな。そうだったらこんな剣幕で怒られるわけないし。いや、水の中に浸かってたら怒られるもするか。
でも、自分はつい先程まで大学に向かって歩いていたはずだ。大学の近場にテーマパークなんてない。
ふとSNSでよく見かける広告が頭を過った。それは悪役令嬢の逆転劇だったり、異世界転生した主人公が世界を救う物語だったりした。
ま、まさか。
「おい、聞いているのか! さっさと泉から出ないか!!」
くいっと腕を引かれて、思考していた意識が現実に戻される。現状理解に脳内処理が追いついておらず、すぐに現実逃避してしまうようだ。
泉から出され床に座り込むと、白い鎧を纏った人達に剣を突きつけられた囲ませた。
「貴殿はどこからここに入った!」
「この場所は定められた時にしか一般公開はしていない。護衛の目を掻い潜るとは何が目的だ!」
複数の怒気に当てられ、剣を突きつけられた亨は、すうっと血の気が引いた。現実逃避すらできないほど、これは非常に不味い状況だろう。剣は偽物には見えないし、騎士?みたいな人たちは本当に怒っている。何か言わなければと考えば考えるほど、口の中から水分は消え、言葉は出てこない。
亨には、囲っている人達が納得できるような説明など、何一つ持ち合わせていないからだ。
「黙っていないで何とか言ったらどうだ!」
業を煮やした一人が剣を首筋の方に持ち上げた時、突如手の平くらいのつむじ風が剣を弾いた。何が起きたのか誰も分からず、辺りは一瞬にして静まり返った。
すると、パタパタとした足音と先程聞いた重量感を感じさせる足音がこちらに近づいてくる。軽めの足音の持ち主は、聖職者のようで、全身は白の装いで、ブルートパーズのような色のケープの羽織っていて、金の美しい刺繍が施されたストールを首にかけていた。
「ッお待ちなさい! その方は神子様なのです!! まずはその剣を収めてください!!」
またしても予想外の言葉に、空気が凍りつくともに、助けに来てくれたらしい人以外がピタリと停止した。
「ーーオルティス司教様、本当にこのお方が神子様なのですか? 司教様のお言葉を疑うわけではありませんが、突然のことで戸惑ってしまいまして……」
「ええ、間違いありません。伝承にあるように黒髪に黒い瞳。俗世では見たこともない御召し物。
ーーそしてまだ小さいですが、守護獣もいます」
オルティス司教は、騎士達を宥めながら、亨が神子である根拠を伝えた。それを聞いた騎士達はお互いの顔を見合わせて、かなり気まずそうに剣を収めた。
亨はまた情報過多によって、頭の中がぐるぐるとしていた。気になるワードが所狭しと並べられていたが、本当に何一つとして飲み込むことができなかった。
何も声を発しない亨にオルティス司教は、両膝を折って祈るような姿勢になると、周りに居た騎士達も司教に倣って跪いた。
「神子様、この度は誠に申し訳ございませんでした。只今聖堂内が混乱しており、聖騎士達もいつになく警戒を強めていたようでございます。ーー私共のご無礼を何卒お許しくださいませ」
オルティス司教が脅してきたわけでもないのに真摯に謝ってくれているのが伝わってくる。すると緊張が解れたのか、急に寒気が全身を駆け回った。
そうだよ。ここにきてすぐ泉の中にいたものだから全身びしょ濡れだった。今の今まですっかり忘れていた。
「…クシュン」
「ハッ! 神子様、全身が濡れていらっしゃるではないですか!? 私としたことが神子様のご様子にも気付かず、こちらの事情ばかりお話しするとは……本当に申し訳ありません。後程お叱りはいくらでも頂きますので、まずは御身を温めましょう。先に湯の準備をするよう神官に伝えなさい。神子様は私が責任を持ってお連れする」
近くに控えていた騎士に指示を出すと、失礼しますと言いながら近づいてきたオルティス司教は、座り込んでいる亨を横抱きにして歩き出した。
「!?!?」
そういわゆるお姫様抱っこである。この歳になるまで彼女がいたことのない亨にとって、まさかお姫様抱っこするのではなく、される側になるとは夢にも思わなかった。それにオルティス司教は騎士達に比べると細身だから余計に驚いた。いや、そんなことより自分で歩けるから!
申し訳なさが先に立ったので、声をかけることにした。
「あの…自分で歩けますので降ろしてください。それにあなたの服が濡れてしまいます」
亨に声を掛けられたオルティス司教は少しだけ亨に視線を向ける。向けられた瞳は優しさを帯びていて、なぜか恥ずかしさを感じた。
「お心遣いありがとうございます。しかし、神子様は聖堂内をご存じありませんし、今は緊急事態です。私では頼りないと思いますが、どうか今しばらく御身を私に預けてくださいませ。」
確かにどこに風呂場があるかわからない。それに事情を知らない人が自分を見たら…またさっきのような面倒に巻き込まれるかもしれない。
その考えに至った時、オルティス司教も亨の考えが読めたのだろう。さらに歩く速度を上げて、風呂場に向かうのだった。
内容はこうだ。
『ーー永きにおよぶ均衡を瓦解させる悪しきものが目覚めようとしている。力をつけ、備えよ。我が神子はみなを導くであろう』
◇◆◇
「……ハッ、ハクシュン!!」
神波亨は頭をフル回転させて現状を把握しようと努力した。しかし何がどうしたら見知らぬ場所でずぶ濡れになり、腰ほどの深さの水の中に座り込むようなことがあるのか。
いくら考えても正解を導き出すことができず、亨はずぶ濡れになる前の記憶を辿ることにした。
今日は待ちに待った…わけでもないが、大学の入学式だった。これを極めたいといったものはないものの、高校卒業後すぐに就職する気にもなれず、周りと合わせるように近場の大学に進学することを決めた。
でもまあ進学するならこれはやろうと決めていたことがある。そう、大学デビューだ!奥手な自覚はあるが慣れた環境でその性格を治すことは難しい。だからいい機会と思って、眼鏡からコンタクトに変えたし、ボサっとした重めの髪も少し明るくなるように染めて、後は美容師にお任せしてカットしてもらった。
大学は自宅の最寄駅から数駅先にあって、駅からも徒歩十五分ほどの比較的立地の良い場所にある。大学には入学前に何度も訪れたから迷うことはない。スマホでSNSやゲームをしながら駅から大学に向かって歩いていて…あれ?そこからの記憶がなんだか靄がかかったようにうまく思い出すことができない。
なんとか記憶を捻り出そうと唸っていると、ふいに周囲の空気が変わったような気がした。間も無く微かに金属音が混じった足音が複数近づいてきた。
「!? そこは神聖なる女神様の泉である! 中に入るなど不敬であるぞ!!」
全身白を基調とした服装に身を包み、鎧を纏った人がこちらを見た瞬間、先頭にいた人は怒鳴り声を上げてズンズンと近づいてきた。
だが、亨は怒鳴りつけられたことにはあまり触れず、ここにやってきた人と投げかけられた言葉を反芻する。
女神の泉?日本ではあまり聞き馴染みのない言葉だな。それにこの人達の容貌といい、立ち振る舞いといい、全然日本っぽくない。でも言葉は理解できるからやっぱり日本なのか?ん~、異国を体験できるテーマパークってわけでもないよな。そうだったらこんな剣幕で怒られるわけないし。いや、水の中に浸かってたら怒られるもするか。
でも、自分はつい先程まで大学に向かって歩いていたはずだ。大学の近場にテーマパークなんてない。
ふとSNSでよく見かける広告が頭を過った。それは悪役令嬢の逆転劇だったり、異世界転生した主人公が世界を救う物語だったりした。
ま、まさか。
「おい、聞いているのか! さっさと泉から出ないか!!」
くいっと腕を引かれて、思考していた意識が現実に戻される。現状理解に脳内処理が追いついておらず、すぐに現実逃避してしまうようだ。
泉から出され床に座り込むと、白い鎧を纏った人達に剣を突きつけられた囲ませた。
「貴殿はどこからここに入った!」
「この場所は定められた時にしか一般公開はしていない。護衛の目を掻い潜るとは何が目的だ!」
複数の怒気に当てられ、剣を突きつけられた亨は、すうっと血の気が引いた。現実逃避すらできないほど、これは非常に不味い状況だろう。剣は偽物には見えないし、騎士?みたいな人たちは本当に怒っている。何か言わなければと考えば考えるほど、口の中から水分は消え、言葉は出てこない。
亨には、囲っている人達が納得できるような説明など、何一つ持ち合わせていないからだ。
「黙っていないで何とか言ったらどうだ!」
業を煮やした一人が剣を首筋の方に持ち上げた時、突如手の平くらいのつむじ風が剣を弾いた。何が起きたのか誰も分からず、辺りは一瞬にして静まり返った。
すると、パタパタとした足音と先程聞いた重量感を感じさせる足音がこちらに近づいてくる。軽めの足音の持ち主は、聖職者のようで、全身は白の装いで、ブルートパーズのような色のケープの羽織っていて、金の美しい刺繍が施されたストールを首にかけていた。
「ッお待ちなさい! その方は神子様なのです!! まずはその剣を収めてください!!」
またしても予想外の言葉に、空気が凍りつくともに、助けに来てくれたらしい人以外がピタリと停止した。
「ーーオルティス司教様、本当にこのお方が神子様なのですか? 司教様のお言葉を疑うわけではありませんが、突然のことで戸惑ってしまいまして……」
「ええ、間違いありません。伝承にあるように黒髪に黒い瞳。俗世では見たこともない御召し物。
ーーそしてまだ小さいですが、守護獣もいます」
オルティス司教は、騎士達を宥めながら、亨が神子である根拠を伝えた。それを聞いた騎士達はお互いの顔を見合わせて、かなり気まずそうに剣を収めた。
亨はまた情報過多によって、頭の中がぐるぐるとしていた。気になるワードが所狭しと並べられていたが、本当に何一つとして飲み込むことができなかった。
何も声を発しない亨にオルティス司教は、両膝を折って祈るような姿勢になると、周りに居た騎士達も司教に倣って跪いた。
「神子様、この度は誠に申し訳ございませんでした。只今聖堂内が混乱しており、聖騎士達もいつになく警戒を強めていたようでございます。ーー私共のご無礼を何卒お許しくださいませ」
オルティス司教が脅してきたわけでもないのに真摯に謝ってくれているのが伝わってくる。すると緊張が解れたのか、急に寒気が全身を駆け回った。
そうだよ。ここにきてすぐ泉の中にいたものだから全身びしょ濡れだった。今の今まですっかり忘れていた。
「…クシュン」
「ハッ! 神子様、全身が濡れていらっしゃるではないですか!? 私としたことが神子様のご様子にも気付かず、こちらの事情ばかりお話しするとは……本当に申し訳ありません。後程お叱りはいくらでも頂きますので、まずは御身を温めましょう。先に湯の準備をするよう神官に伝えなさい。神子様は私が責任を持ってお連れする」
近くに控えていた騎士に指示を出すと、失礼しますと言いながら近づいてきたオルティス司教は、座り込んでいる亨を横抱きにして歩き出した。
「!?!?」
そういわゆるお姫様抱っこである。この歳になるまで彼女がいたことのない亨にとって、まさかお姫様抱っこするのではなく、される側になるとは夢にも思わなかった。それにオルティス司教は騎士達に比べると細身だから余計に驚いた。いや、そんなことより自分で歩けるから!
申し訳なさが先に立ったので、声をかけることにした。
「あの…自分で歩けますので降ろしてください。それにあなたの服が濡れてしまいます」
亨に声を掛けられたオルティス司教は少しだけ亨に視線を向ける。向けられた瞳は優しさを帯びていて、なぜか恥ずかしさを感じた。
「お心遣いありがとうございます。しかし、神子様は聖堂内をご存じありませんし、今は緊急事態です。私では頼りないと思いますが、どうか今しばらく御身を私に預けてくださいませ。」
確かにどこに風呂場があるかわからない。それに事情を知らない人が自分を見たら…またさっきのような面倒に巻き込まれるかもしれない。
その考えに至った時、オルティス司教も亨の考えが読めたのだろう。さらに歩く速度を上げて、風呂場に向かうのだった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…
東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で……
だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?!
ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に?
攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!

どうやら生まれる世界を間違えた~異世界で人生やり直し?~
黒飴細工
BL
京 凛太郎は突然異世界に飛ばされたと思ったら、そこで出会った超絶イケメンに「この世界は本来、君が生まれるべき世界だ」と言われ……?どうやら生まれる世界を間違えたらしい。幼い頃よりあまりいい人生を歩んでこれなかった凛太郎は心機一転。人生やり直し、自分探しの旅に出てみることに。しかし、次から次に出会う人々は一癖も二癖もある人物ばかり、それが見た目が良いほど変わった人物が多いのだから困りもの。「でたよ!ファンタジー!」が口癖になってしまう凛太郎がこれまでと違った濃ゆい人生を送っていくことに。
※こちらの作品第10回BL小説大賞にエントリーしてます。応援していただけましたら幸いです。
※こちらの作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しております。

転生当て馬召喚士が攻め度MAXの白銀騎士に抗えません
雪平@冷淡騎士2nd連載中
BL
不幸体質大学生の青年が転生したのは魔術師ファンタジーBLゲームの世界だった。
当て馬として生まれたからには攻略キャラの恋の後押しをする事にした。
しかし、この世界…何処か可笑しい。
受け主人公が攻めに、攻め攻略キャラが受けになっていた世界だった。
童顔だった主人公は立派な攻めに育っていた。
受け達に愛されている主人公は何故か当て馬に執着している。
傍観者で良かったのに、攻めポジも危ぶまれていく。
究極の鉄壁一途な白銀騎士×転生当て馬召喚士
ゲームを忠実にするためには、絶対に受けとしてときめいてはいけない。
「君といられるなら、俺は邪魔する奴を排除する」
「俺はただの当て馬でいい!」
※脇CP、リバキャラはいません、メインCPのみです。

烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない
時雨
BL
いつもの通勤中に猫を助ける為に車道に飛び出し車に轢かれて死んでしまったオレは、気が付けば見知らぬ異世界の道の真ん中に大の字で寝ていた。
通りがかりの騎士風のコスプレをしたお兄さんに偶然助けてもらうが、言葉は全く通じない様子。
黒い髪も瞳もこの世界では珍しいらしいが、なんとか目立たず安心して暮らせる場所を探しつつ、助けてくれた騎士へ恩返しもしたい。
騎士が失踪した大切な女性を捜している道中と知り、手伝いたい……けど、この”恩返し”という名の”人捜し”結構ハードモードじゃない?
◇ブロマンス寄りのふんわりBLです。メインCPは騎士×転移主人公です。
◇異世界転移・騎士・西洋風ファンタジーと好きな物を詰め込んでいます。

花屋の息子
きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。
森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___?
瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け
の、お話です。
不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。
攻めが出てくるまでちょっとかかります。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる