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覚醒する勇者の卵

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あっという間に3日目経って石化が解除される時がやってきた。

バキンッ

「「「・・・」」」

石化が解除されたのにみんな動かない。
本の角で頭を叩いてみる。

「イテッ?!」
「痛い?!」
「あだっ?!」

「石像ごっこは終わりだよ。
私の魔力を分けてあげたでしょ?
それを体内で循環するといいよ」
「「「はいっ」」」

変化は見て明らかだった。
シヅキの遺伝子改造の結果みんな勇者因子が覚醒して髪が白くなってしまった。

「「「え?!」」」
『すまん。やりすぎて勇者因子が表に出すぎてしまったらしい』
「いいんじゃないの。
強いに越したことはないと思うよ」
『これで下準備は整った。髪はまぁ気にするな。
そのうち慣れるだろう』

「最初に言ったけど強くしてあげる。
でも私に反抗するなら今すぐ出ていってもらう。
返事は?」
「「「はいっお願いしますルーゼ先生」」」

まずは身体づくりだ。
こんな身体で訓練など始められない。

2週間は軽い走り込みからストレッチなどの基礎訓練を行うようにした。

「ルーゼ先生いいんですか?こんなご馳走・・・」
「いいのよ、今は私の言う通りに過ごして」
「わかりました」

ルーゼ先生は寮の食事よりもずっと豪華なものをだしてくれた。


次の日

「今日は動体視力に慣れてもらう」

私の剣舞の練習だ。
身体強化を徐々に上げていく。

シュッシュッシュッ

まずは目を慣れさせないといけない。

「ルーゼ先生まだ速くなるんですか?!」
「これでもまだ3割だよ。
目を離しちゃダメだよ」
「「「はいっ?!」」」

キーン、コーン、カーン、コーン

そろそろお昼時か?

「見るだけでも疲れるものでしょ?
お昼にしようか。
今日はサンドイッチだよ。
この黄色いのはタマゴ、白いのがツナマヨ、肉が挟んでいるのはカツね。
好きなの選んでいいからね」
「これも手作りなんですか?!」
「最近は自分で作ることが多いかな。
料理の練習だよ。
忙しい時はシヅキに頼んで魔法で出してもらうけどね」
「ルーゼ先生はここに来るまで何をやって来たんですか?」
「私は冒険者として旅をして来たよ。
シヅキに命を救われてここまで来れた。
大陸を巡り海を渡り、さまざまな人に出会いながらね」



キーン、コーン、カーン、コーン

「さて午後も同じの行こうか。
せめて5割の速さは慣れてもらえるようにしないとね」

視認力が上がれば相手の動きに即座に対応できる。
すぐさま反撃に転じることができる。
この子たちは戦いというものを知らなすぎる。
まずは体幹から鍛えていく。

夕方頃にはシヅキが操作する魔力弾を避けながらさらに激しさを増していった。
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