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しかし回り込まれてしまった

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勇者因子を持つ者を3人を見つけた。

【アイリス・テーゼ】
紅の瞳、後ろに結んだ赤い長い髪
剣士志望

【ルミナス・イシュファ】
蒼の瞳に長い髪の毛
魔法使い志望

【シェリア・キーラ】
翡翠の瞳にショートの青い髪
騎士志望

みんな2年生だ。
私のゼミにほぼ無理矢理引き込んだ。
全員冒険者志望だそうだ。
伸び悩んでいる彼女たちに強くしてあげると言ったら簡単に引き込むことができた。

「ようこそ私のゼミへ。
私は最初からあなた達を引き込みたかったの。
あなたたちには私の友人と同じ遺伝子が流れているから」
「遺伝子?」
「あなたたちは遠い家族でもあるってことよ」
「私たちが・・・」
「家族・・・」
「私弱いからみんなにはぶられて・・・」

「私にも同じ遺伝子・・・つまり勇者因子を持っている。
私とシヅキが導いてあげる」
「シヅキって?」
『俺のことだ』
「「「ルーゼ先生の右腕が喋った?!」」」
『俺がお前たちを調整してやる。
大人しく受け入れるんだな』

明らかにまずいと思ったのだろう。

【勇者は逃げ出した。
しかしルーゼに回り込まれてしまった】


「動くな。石化の邪眼」

赤い光が3人の心臓を貫く
この3人は勇者さんとの約束のためにも絶対に逃がさない。

「「「?!」」」

バキンッ

コトンッ・・・
コトンッ・・・
コトンッ・・・

そこに倒れたのは3体の少女だった石像だった。
意識のみを残しての完全石化だ。
反応も遅いし耐性すらないのか?
こいつら石像になったにしては音が軽すぎる。


(身体が動かない?!)
(どうなってるの?!)
(うごけないよぅ・・・)

「あなたたちにはただの石像になってもらった。
こうしないと私が触れないからね。
ごめんね。
まさかこんなに反応が遅いとは思わなかった。
口閉じちゃってて石化解除薬は飲ませてあげれそうにないね。
3日間は動けないけど意識を失っちゃダメだからね。
本当の石像になっちゃうから」
(((え?!)))

「はっきり言ってあなたたちは弱すぎる。
私からの最初の試練だよ。
意識を失わなかったら強くしてあげる。
でも意識を失うなんてマヌケなことになるようだったら完全に物として扱うから。
返事は?」
(((はっはい?!)))
「シヅキお願いできる?」
『あぁ。わかった』

まさか石像にするほど触られたくないとはな。
この人間嫌いもいい加減荒治療で治さんとならないようだ。

さて楽しい遺伝子改造の時間だ。
この制服には魔力の出力制限がかかっている。
暴走はしないがある程度いくと成長を阻害してしまう。
俺の管理下ではそれはいらない。
この際粉砕してしまおう。

バキバキバキッ

(いやーやめて?!砕けちゃう?!)
(お願いします?!お願いします?!助けてください)
(怖い?!助けてお母さん?!)


この死の恐怖にも慣れてもらわないといざというとき動けないのでは役立たずだ。

粉砕した制服の中から出てきたのはなんとも痩せた身体だった。

『なんだお前たちちゃんと食ってるのか?
身体が痩せてるぞ?
バランスも悪いし骨もスカスカだぞ。
よく今まで大怪我しなかったな』
(((うっ?!)))
『大方武器や書物を買うのに食費を削っただろう?』
(((ぎくっ?!)))

図星である。
渋々私が持ってきた異空間の扉を開けてあげる。

(((これは?!)))
「ここはシヅキが作ってくれた私の秘密のアトリエだよ。
特殊な異空間で繋げてある別の世界。
これまでの旅で手に入れた武器や書物をたくさん置いてあるの。
私のゼミ生なんだから好きに使わせてあげる」
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