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吸血鬼の旅人

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「誰か倒れてる」
「血が足りない・・・」
『こいつは吸血鬼のようだな。
日中を克服できるということはかなり上位の個体のようだな』
「ネメシスお嬢様のためにもここで死ぬわけには・・・」

「仕方ない」
『ルーゼどうするつもりだ?』
「血を分け与えてあげる。
痛いのは嫌だけど見捨てられない」

剣で腕を斬り血をコップに流す

『もういいだろう止血しろ』
「私の血だよ。飲むといいよ」
「ありがとうございます・・・」

ゴクゴク・・・

「?!?!?!」
「私の血不味かった?」
「いえ、なんと濃密な魔力の籠った血だろうか。
実にうまい」

さっきまで行き倒れに近かった姿はどこへやら

「お名前を伺っても?」
「私はルーゼリア・ジュレイド。
こっちはシヅキだよ」
「血の恵みに感謝します。
私はミシュレッド・オルティブ、スカーレッド家の執事をしております。
しかし凄まじい回復量ですね。
持病の腰痛もすっかり良くなりました」
『そりゃあそうだ。ルーゼの血はあらゆる病気や毒に抗体があるからな』

もしやこのお方ならば・・・

「よろしければ急ぎ我が吸血鬼の国アレクディアに来ていただけないでしょうか?」
『アレクディアね・・・流石に遠すぎるな』
「ならば血をもらえないでしょうか
とあるお方に飲まさせてあげたいのです。
何か望まれるものがあればお出ししましょう。
魔石なんかどうでしょう?」
『収納袋か?遺跡の発掘品か?
『こいつは?』
「伯爵級アークデーモンの魔石になります」
『いいなそれ
ルーゼいいか?』
「いいよ」
「この瓶に血をお願いします」

瓶に血を補充していく。

『ルーゼ大丈夫か?』
「ちょっとフラつくけど大丈夫」
『ルーゼの血は貴重だ。
悪用するようなら抹殺しにいくからな』
「ありがたく使わせていただきます。
私は急ぎ国に戻ります。感謝いたします」

その吸血鬼は翼を広げ空へと飛んでいった。

『そういえば吸血鬼の血ももらえばよかったな。惜しいことをしたな』
「なんだか疲れちゃった」
『ちょっと早いが晩御飯にしようか』
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