魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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黒曜の天翼

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「飛空挺の仕組みは大体わかった。
武装はどうするんだ」
『こいつを使うんだ』
「これは設計図か?なんと細かい・・・」
『こいつは速射バリスタと魔導レールガンだ』

この世界にはない技術だ。
なんせ俺がアレンジして作ったものだからな。
こればかりはどうしても職人の技がいる。
飛空挺は設計上速いが防御力は劣る。
魔物に襲われる前に遠距離で叩き潰すってコンセプトだ。

「なるほどな・・・どうするかは作ってみてからだな」
『一つパーツさえ作れれば型を作って量産も可能だ。試作一号機頼むぜ』
「そう言われちゃドワーフのプライドが許さないな」
『素材が欲しければ言ってくれ錬金術で出してやる』
「わかった。
よしお前ら未知の兵器の開発だ。設計図はここにある。
まさか設計図があってできないなんて言わないよな?
2グループに分かれ開発を行うぞ。
早速仕事だ」

「飛空挺の機動性を考えると重量的に魔導レールガンは主砲に1機、速射バリスタが4機ってところだろうな」

速射バリスタとレールガンの開発は順調だった。
さすがドワーフだ。

まずはバリスタの試し撃ちだ

「親方セッティング完了です」
「よし撃ってみろ」
「いきますぜ」

バシュンッ

「反動もほぼなし。それなりの命中精度だな」
『弦の絞り方をもう少し調整すれば命中精度は上がりそうだな』
「あとはこいつを使うやつ次第だろう」

「今日の本命はこいつだな」
『あぁ』

魔導レールガンの試し撃ちだ。
横についたこのスコープで狙いを定める。
内部で雷魔法を発生し弾を高速発射する。
弾は電磁誘導付きでスコープに入っていればあとは勝手に当たる。
『距離は500mくらいでいいだろう』
「そんなので当たるのか?」
「ターゲット捕らえました」
「発射だ」

バチバチバチ、ズドーーーーーーーン

ドカーーーーーーン

「なんつう破壊力だ?!」
「あっちぃな。
一発でこれか?!
砲身が溶けちまうぞ?!」
『排熱をしないとダメみたいだな。
あとは威力を少し落とすか。
反動で船が揺れてしまう。
設計図のこことここを変更しよう。
それである程度は使い物になるはずだ』
「わかった。
お前たち準備にかかれ」


「シヅキちょっといい?」
『今なら大丈夫だぞ』
「騒がしくなりそうだからあっちに行こうか?」

『で?どうしたんだ?』
「みててね、光の天翼」
『お前・・・それ勇者が使っていたあれか?』
「そうだよ。魂の狭間でユーシャさんが教えてくれたの」
『だが出力が安定していないな。
しかもよく目立つ。
それにルーゼには黒が似合う』
「かなり魔力を吸われてるみたい」
『よし、今組み込んでしまおう。
ちょっと背中に違和感があるかもしれないが心配するな』
「ひぃ?!」

背中からまるで何かが生えてくるようだ。
身体がゾクゾクする?!
この感覚またシヅキに遺伝子操作されている?

『今回はルーゼスの皇羅天使族とイリーナの神羅堕天使族の遺伝子を組み込んだ。
空を飛びたいんだろう?耐えて見せろ』
身体中が熱い。
服を脱ぎたいけど手が痙攣して脱げない?!
シヅキは助けてくれない。
自分でなんとかするしかない。

ずぶっ

「あっ?!」

背中の違和感と熱さがなくなった。
徐に背中を見てみる。
背中から黒い薄い板が6対生えていた。
触れる。魔力が実体化している?

『魔力を時空固定した翼だ。
魔力の使用量はかなり少なくなったはずだ」
「浮いてる。私が空を飛んでる?!
これは魔力を放出して移動するタイプの翼だ」
『黒曜の天翼としよう。
慣れるまで俺がサポートしてやる』
「ありがとうシヅキ」
『初フライトだ。いくぞ』
「うん」

私自身の力で空を飛んでいる
風が気持ちいい

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