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リバーシ戦法

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王に直訴する機会を与え子供達を攫った証拠を突きつけザリス外務大臣を拘束した。
堕天使族は再び王に忠誠を誓うことを誓った。

『隣国サージスは足掛かりに制空圏を支配しようと考えたんだろうな。
だが堕天使を奴隷として偵察部隊を作る計画も破綻した』
「うむ。そうだな」
「ザリス外務大臣を捕らえたのを利用して報復しろ。
『堕天使族を本気にさせたらどうなるかこの国の結束を見せつけてやれ』
「皆の者今こそ戦闘準備だ。我らの力思い知らせてやれ」



サージス王国の強みはバルト4大要塞にある。
国を囲むように4方に配置され難攻不落の要塞と呼ばれていた。
それに代替わりしたのか現国王はかなりの野心家のようで隣国に喧嘩を売っていた。
だがバリスタのような中距離兵器には頼らず魔法に頼りがちな編成のようだ。
鉄壁と高を括っている以上出てきて討ってでようとは思わないだろう。
ルーゼの魔力を応用した攻城戦兵器を用意した。

型に砕いた魔石と鉄を流し込むだけで即席で完成する。
術式をあらかじめ型に刻んでいるので魔力溜まればすぐ起動することができる。
大きさは10mクラスと大きいがなんともお手頃に作れるものだ。
これがあいつらの敗北のオベリスクだ。

もっと高いところから重力加速と熱エネルギーを利用して要塞に直接撃ち込む方法もあったがコントロールが不安定なことと国境沿への悪影響が大きすぎるので見送ることになった。



リバーシ戦法だ。
魔法封印結界杭を要塞の四方に撃ち込み擬似バリアブルオーラを発生させ魔法を使えなくさせる。
堕天使部隊が四隅を囲い大きめの魔石を持たせて亜空転移の応用で封印杭を空中に送りつける。
あとは自動落下で固定は完了だ。

「全員配置につきました」
『では開戦の狼煙をあげるとしよう』

ドカーーーン

亜空転移で空から10mクラスの封印杭が地面に突き刺さる。
これであいつらも終わりだな。



「アーヴァス王国の天使どもが攻めてきたぞ?!」
「魔法部隊ファイアランスを放て」
「隊長魔法が使えません?!」
「なんだと?!」

制空権を取られ魔法が使えない要塞などただの的だ。
矢が放たれるが堕天使族のいるところまでは届かない。
それどころか逆に重力に引っ張られ自ら矢に射られる。
こちらは魔法の撃ち放題。
向こうは何もできずやられ放題。


あっという間に要塞は陥落した。
残りの3つの同じ要領で潰していった。


要を失ったサージス王国は防衛機能を失い不満の溜まっていた周辺国を煽り袋叩きにさせた。
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