魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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1000年彗星の力

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決戦は今夜である。

水帝龍は自衛隊に誘導されていたがついに品川に上陸してしまった。
幸い避難は終わっていたので問題はないが水帝龍は手当たり次第水流光線で破壊していった。
ビルを超高圧水流カッターで切断するような化け物だ。
吐き出す水は無害だが近くにあるものは既に瓦礫の山だ。



俺たちは皇居の敷地内にいた。
周りに遮蔽物がなくルーゼが万全でいられる環境が東京都内でここだけだったからである。

『俺が最終誘導コントロールを行う。
3分後持てる魔力を使って宇宙に全力で放て』
「わかった」

1000年彗星がよりくっきり見えるような気がした。

『まもなく時間だ。3、2、1、いまだ』
「魔王奥義。収束魔力砲クオリアライザー」

ルーゼによる収束魔力砲が一直線に彗星に向かう。

彗星が一瞬光る。

『くるぞルーゼ。
今回はお前にもコントロールしてもらう』
「うん。いくよ」

ルーゼの魔力が何倍にもなって宇宙から降り注ぐ

『これはなかなかにきついな・・・』
「・・・」
『急に軽くなった?』

ルーゼ?まさか片手で受け止めているのか?
なんて許容量とコントロール力だ?!
いつのまにか実体化した地属性の精霊に囲まれている。
こいつらで魔力を相互リンクしているのか?

「シヅキ、私が受け止める。
細かいのは頼むよ」
『適材適所ってことだな。わかったよ』

東京中の地下に浸透するよう魔力を染み込ませる。
地面が魔力が染み渡るたびに発光する。
俺の知らないところでルーゼはまた強くなった。
凄まじい成長だ。

彗星からの魔力吸収が終わる。
これで東京中の地下は魔力で満たされた。

『ルーゼ、体調は大丈夫か?』
「彗星から魔力を余分にもらったから元気いっぱいだよ」
『水帝龍と話をつけるが最悪の場合、俺たちが転移できるまで逃げに徹する必要がある』
「きっとわかってくれるよ」


水帝龍は品川を北上していた。

「水帝龍ミズノエリュウどうか怒りを鎮めて欲しい」
「なんだ貴様は?」
「私はルーゼリア・シュレイド、この世界に来た旅人だよ」
「この世界だと?」
「たったいま彗星の力を大地に還元した。
この魔力を使えば水を発生させ浄化することができるはずよ」
「・・・」
(さぁどう出る?水帝龍?)
「・・・また人類が同じ過ちを繰り返すかもしれないぞ?」
『それはほぼないだろう。
地下にお前のような脅威がいるとわかればもう手出しはしないだろう。
もしそんなことになるようなら今度こそ滅ぼせばいい。
少なくとも1000年は問題ない魔力を充填したはずだ。
その時は1000年後にまたきて同じことをしてやろう』
「わかった其方の言葉を信じよう。
我らの角を渡しておく。
何かあれば呼ぶことにしよう。
我は地下に戻る。達者でなハイエルフの姫君」
「うん。さようなら」

水帝龍は地中深く潜っていき反応が消えていった。

『まもなく転移可能時間だな。
騒ぎになる前に撤収するぞ』

人だかりがやってくる。

『ではいくぞ、時空転移』

その日、龍の鎮圧と共にルーゼは地球から姿を消した。
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