魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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時空龍ムフェルシアス

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『・・・』
「どうしたのシヅキ?」
『ルーゼ、俺が合図したら5時の方向、角度66度に最大火力でフォトンゲイザーを叩き込め』
「わかった」
『3、2、1、今だ』

「光よ集えフォトンライザー」

ドカーーーーン

「いきなり攻撃してくるとはのぅ」
『ずっと見ておいて何を言ってやがる』
「何者?!」
『こいつはルーゼの魔力に同調していないように偽装してたんだ。
ご丁寧に光学迷彩までやってな』
「流石に近寄りすぎたかのぅ。
我もまだ未熟じゃな」
『正体を表せ』
「ふむ。流石に我が姿を見せないのは失礼にあたるかのぅ。
決して驚くではないぞ。
偽装解除じゃ」
「大きい・・・」

50mくらいの銀色の西洋型の龍だ。
さっきの攻撃は間違いなく直撃だったのに傷一つついていない。

「我は時空龍ムフェルシアス。
この世界の時空を管理する7体いるうち龍の1体じゃ」
『やはりな、俺たちが海であったやつもお前の仲間だろう?』
「海王龍アグルゼシアにあったか?
あいつケダモノを食うのが大好きだからのぅ
大方その少女の釣り針にでも引っかかったんじゃろう。
あの魔王と同じでケダモノを引き寄せる魔力を感じるからのぅ」
「ケダモノ・・・」

ルーゼの顔が青いのは気のせいだろうか?

『何しに来たんだ?』
「久々に懐かしい気配を感じたから覗きに来ただけじゃ。
お前さん地球からきたじゃろう?」
『なっ?!』
「3000年くらい前にもこの世界に勇者として呼んだんじゃが愚かにも調子に乗って炎王龍ヴォルガカイザーに戦いを挑む暴挙に出た。
それで人類は半数が蒸発した」
『地殻変動だと思ったが龍が起こした天災だったのか・・・』
「さらに1000年ぐらい前には魔法核戦争など起こしおって。
我らは人類をどうするべきか決めることになった。
そこに待ったをかけたのが世界樹の管理人のユグドラシェルじゃった。
もうすぐこの星のスターゲイザーを任命するから滅ぼすのはやめて欲しいとな。
協議の結果、我らは力の一部を使い魔力核戦争の膨大なエネルギーを抑え込むことにした。
その時炎龍王がアホ勇者の戦いで傷ついていたせいで眠りについてしまったがな。
我らは姿を決して人間に悟られないように注意して生きてきた。
お人好しの海王龍のやつは別じゃぞ?」
『じゃあどうしてユグドラシェルは言わなかったんだ?』
「確か龍王の権限で喋りたくても喋れんかったはずじゃ。
情報統制はせねばならんかったからのぅ
解除コードは確か【次はお前だトカゲ野郎】じゃったかのぅ?」
『・・・なんでそれにしたんだ?』
「アホ勇者が炎龍王と戦う時に発言したらしいんだが語呂がよくて何故か全会一致で採用されたのじゃ。
トカゲってなんのことじゃろうな?」
(頭大丈夫だろうかこいつら)

それよりも問題はスターゲイザーに任命されてしまったことだ。
ちくしょうやっぱりあいつと関わるんじゃなかった。
俺をこの世界のためにこき使う気だ。

「シヅキは違うよ。もうこの世界を守ったんだから」
『ルーゼ・・・』
「その勇者と同じように見るなら私の敵だ」
「まぁ抑えろハイエルフの姫君。
我とて争うつもりはそうそうない。
これ以上この星を破壊したらいよいよ我らでもどうしようもなくなって来るからのぅ」
「それならいいや」
「今回は時空転移を授けようと思ってな。
お主ら一回地球に行ってみないか?」
「地球ってシヅキの故郷の?」
「地球か・・・あんまりいい思い出はないな。
でも父さんと母さんと溟月兄さんの墓参りくらいは行きたいかな」
「行こうよシヅキ、地球へ」

ルーゼの目がいつになく輝いている。
大半はデザートで頭がいっぱいだろうがな。

『もちろんお前にも打算はあるんだろう?』
「時空を渡る時、魔力が時空エネルギーに変換される。
それをもらう形で我はこの身体を維持しているのじゃ。
無論魔力量が多いほど都合がいい。
時空転移は1ヶ月のインターバルが発生するのじゃ」
『なるほど1ヶ月は地球で過ごせってことだな。
ルーゼに害はないだろうな?』
「大気の魔素が少ないのと重力が少し軽い以外問題ないはずじゃ」
『そうか・・・』
「今すぐ行こうよシヅキ」
『行くか地球へ』
「では時空転移を授けようと思う。頭の中に時空文字が見えるじゃろう?
それが術式じゃ」
『これが時空転移かなるほどな』
「あんまり悪用しないでおくれよ?
他の龍どもに文句を言われるからのぅ」
『じゃあ行ってくる。
ルーゼは魔力を解放してくれ。
細かいコントロールは俺がする』
『わかった。
空間を繋げ、時空転移」

バシュン

「凄まじい時空エネルギーじゃのう。
うひょう?!急いで集めなければ?!」
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