上 下
44 / 133

Sランク昇格試験

しおりを挟む
砂漠の樹海はスレイシアとその眷属たちに任せて旅に出ることにした。

ふと空を見上げると影が見えた。

「グルルルルルウ」

1匹の大きな鳥が手紙を咥えてやってきた。
背中のバックには手紙がぎっしり詰まっていた。

『ギルドのガルーダ宅急便だな。
急用がある時、又は指名依頼がある時どっからともなく飛んでくるらしい』

ギルドカードになんか細工でもしているんだろうか?
手紙の内容はSランク昇格試験の受付と日時が記載されていた。

『ついにルーゼもSランクか』
「まだ決まったわけじゃないよ」
『今のルーゼを倒せるのなんてそれこそ勇者と魔王が組むようなことがない限り負けるわけないだろう?』
「ガレス中立国はそれなりに近いみたいだね」

ガルーダが羽ペンと手紙を出してきた。
返事をかけてことかな?
ルーゼはこの件について承諾したと記載した。

「グルルルルルウ」

ガルーダは再び空へと飛んでいった。






ガレス中立国のギルドにやってきた。

冒険者の身なりは比較的いい。
見た目は強そうだ。そう見た目は鑑定の瞳で見たが私の妨げになりそうな強者はいなかった。

「ルーゼリア・シュレイドです。
Sランクの昇格試験できました」

視線が一気にこちらに向く。
私をジロジロみる目だ。気が進まない。
少し魔力を解放して威圧する。

それでもこれだけの人数がいれば馬鹿はいるものだ。

「こんなガキがAランクなんてハッタリに決まっている。
俺が可愛がってやるよ」

ルーゼに触れる手前だった。

「それ以上近寄るな」

「アイスニードル」
「サンダーブラスト」

瞬時に氷の棘で動きを封じ気を失う程度の雷撃をお見舞いする。

「ぎゃあああ?!」

気に食わなかったので足で蹴り飛ばしてギルドの片隅に放置しておく。
今ので思い知っただろう。




「Sランク昇格試験は今すぐできるの?」
「はい、できますよ。
それでは奥の訓練所へどうぞ」



「Aランクパーティの
【月夜の誓い】
【蒼炎の奇跡】
【黒金の刃】
3パーティを連続で相手してもらいます」

みんなさっきギルドの受付前で見た覚えがある。
やっぱりシヅキが言ったとおりだった。



『面倒だ。全員まとめてかかってこい』
「なんだと貴様?!」
「本当は魔眼でもう全滅できるけどだけどね」

「爆ぜろ。爆絶の神眼」

ドカーン

中央には大きなクレーターができる。

「なっ?!」
「魔眼は使わないであげる。
ほらどうしたの?かかってきなよ?」
「くっ?!」
「勝てば純ミスリルの武器と防具を提供してあげる」

報酬があれば人間やる気を出す。
勝てればだけどな。

「こうなったらやるぞ。レイド形態だ」
「「「おう」」」

やっと本気になったようだな。

「これよりルーゼ対Aランク合同パーティによる対決を始める」

開始早々身体強化を全力にして後方部隊に迫る。

「「「魔法使いじゃなかったのか?!」」」

持ってる杖はダミーだ。
相手が魔法使いだと思わせて戦略を狂わせる。
まず回復役を潰す。
シヅキから団体戦の攻略方法は叩き込まれている。

ザシュッ、バキン

「ぐぁあ?!」
「きゃあ?!」


「大自然の怒りよ、樹海万象」

【精霊魔法 樹海万象】
大樹の根っこで拘束する。魔力を奪い取り戦闘不能にさせる。
奪い取った魔力は術者に還元される。




次は魔法使いだ。
身体強化で使った魔力を樹海万象で奪い取る。
この根っこは切っても再生する。
魔力源が強いものに殺到して捕まえるまで止まらない

「魔力が吸われていく・・・」
「魔法が使えない・・・」

これ以上やると絞め殺してしまう。
再びコントロールし場外に投げ飛ばす。

これで20人のうち10人が戦闘不能になった。

残りは近接戦闘職だけだ。



「奴は魔法使いだ」

ガキィン

「剣も使うだと?!」

「剣技、白夜極光」
「剣技、天照凛絶」


【剣技、白夜極光】
ミスリル以下の防具に接触した時、防御力無視の貫通攻撃を行う

【剣技、天照凛絶】
ミスリル以下の武器と激突した時無条件で相手の武器を溶解し破壊する。

その後は一方的な試合となった。
身体強化したルーゼを盾役が抑えられるわけがなく一人ずつ確実に狩っていった。


「まさか我々が全力レイド形式で挑んで勝てないなんて・・・」

全員の武器防具をズタズタのボロボロに叩きのめした。

「ギルドマスターのヨーデル・アルタだ。
お前さん後半楽しんでただろう?」
「気のせいじゃないですか?」
「全員の武器防具を破壊する奴がいるか?!
どうしてくれるんだ。こいつらに頼まなければならない依頼がいっぱいあるんだぞ?!」
『仕方ないサービスだ。
全員に純ミスリルの武器防具を提供してやる。
授業料だと思って次はもっと強くなるんだな』
「ともかくお前さんは今日からSランク冒険者だ。
おめでとう」






今日はシヅキが奮発してくれた。

『お祝いのすき焼き御膳だ。
ついにSランクだな。おめでとう』
「シヅキがいてくれたから私は強くなれた。
ありがとう」
『お前が掴んだものだ、誇るといい。
神聖酒だ。
ユグドラシェルがお前がSランクになった時のお祝いだそうだ』
「美味しいね。もう一杯いい?」
「あぁ。どんどん飲め」

・・・

「私は最高に幸せだよ・・・シヅキ」

ルーゼが酔い潰れてしまった。
まぁたまにはいいかこんなことも。


鑑定の瞳

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ルーゼリア・シュレイド

種族:ハイエルフ?

体力:  SS
攻撃力: SS
防御力: SS
魔法力: SSS
素早さ: SSS
魔法適正: SSS

スキル:
黒絶眼、剣聖、賢者、精霊女王、格闘王、料理王、錬金王、聖女、歌姫、トラップマスター、不老不死

未来視Ⅸ、魔力探知Ⅸ、身体強化Ⅸ、威圧Ⅸ、カリスマⅨ、指導Ⅸ、策略Ⅸ、交渉Ⅸ、演技Ⅸ、偽装Ⅸ、反撃Ⅸ、倍返しⅨ、言語理解Ⅸ、並列思考Ⅵ、痛覚耐性Ⅸ、状態異常耐性Ⅸ、耐熱Ⅸ、耐寒Ⅸ、鍛治術Ⅳ、弓術Ⅵ、短剣術Ⅵ、採取Ⅵ、再生Ⅳ、裁縫Ⅳ、槍術Ⅴ、斧術Ⅲ、擬態Ⅲ、浄化Ⅰ、




称号:
先祖帰り、天外孤独、Sランク冒険者、人間不信、覚醒者、勇魔王?、ケーキ大好き、魔眼の使い手、シヅキの最高の友達

契約者  :シヅキ
サブ契約者:溟月

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

強くなったな。
ハイエルフ?だいぶ遺伝子改造してしまったからな?
勇魔王?なんだ勇者と魔王が合体したような称号は?
ついにバグったか?

ケーキ大好きか・・・本当に好きなんだな

溟月兄さん感謝しているよ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...