魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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森の大精霊

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熱中症も無事克服し元気になったルーゼは徐々にペースを上げていった。
だがルーゼの魔力量を持ってしても土壌改良に2ヶ月かかった。

『黒土だな。いい感じにルーゼの魔力が染み込んでいる』
「疲れたよ」
『日が暮れるな。今日はここまでにしよう』

ルーゼは疲れて寝てしまった。



【世界樹にリンクスタート】

『ユグドラシェル調子はどうだ?』
「世界樹の迷宮核は安定しています。いい感じですね。
ただ何者かが世界樹迷宮核のアカシックレコードに直接アクセスしているようです。
防衛機能が一切効果がありません」
『溟月だろうな。それについては大丈夫だろう』
「そうですか」
『お前精霊の種持ってるか?砂漠化した土地を元に戻したいんだが』
「ありますよ。精霊の種をお渡ししましょう。
豊穣な土地であればすぐ生まれてくるはずです」
『また何かあったら言ってくれ。
じゃあな』

【世界樹とのリンク切断】

「・・・残念ながら今は言いたくても言えないのです」





今日はいよいよ種まきだ。
元々異空間収納にあったものやユグドラシェルについでにもらった植物のきのみや種を黒土に撒いていく

「これが精霊の種?」
『こいつを埋めればその土壌に応じて精霊が出てくるはずだ』

ルーゼが土に埋め水をかけてやる。
すると芽が息吹き大きな蕾となる。
中でなにかが暴れている。
蕾が花ひらこうとしている。

「やっとでてこられましたわ。いい土壌ですね」

緑色の髪に人型タイプ植物の蔓を身にまとってる女性だ。

『ドライアドか森の管理者としては最適だな
その中でもかなり上位のやつが来たな』
「ハイエルフの姫君お久しぶりです。
といってもあなたは覚えていないでしょうけど」
「ごめんなさい。
覚えていないです・・・」
「小さい頃世界樹で遊んでたんですよ?」
『精霊の種は新しい精霊が生まれるはずだったんだがな』
「私、世界樹の統括長を辞めまして再転生することにしたんです」
『世界樹の核問題が解決したからか・・・ふむ』
「ユグドラシェル様がぜひいってほしいといってたので来ちゃいました」
『あいつめ早速チクったな・・・』
「早速ですが名前と魔力をいただけないでしょうか?」
「じゃああなたはスレイシアと呼ぶわ」
「スレイシア・・・いい響きです。
これから地下水を汲み上げ泉を作り森を生み出します」
「魔力はどう渡せばいいの?」
「手を繋いで頂ければあとは私がやります」

なんだか懐かしい気がする。

「さて行きますよ。
この大地に再び生命を。天樹爆誕」

スレイシアを中心に地下から水が湧き上がり大地を潤していく。
草木が芽吹き緑の大地が広がっていく。

『これがドライアドの力か・・・』
「ルーゼさんがいてこそ発動できるものです。
私でもこれほどの規模になると5年は魔力を貯めないとできませんから」

砂漠の地に緑が蘇った。

『あとは人類がどうするかだな』
「今は様子を見るのが宜しいかと。
もし悪意があるのなら私が殲滅します」
『あぁ。そうしてくれ』


「ルーゼ様これを」
「これは?」
「チレアの実です。
あなたが昔大好きだったきのみですよ?」
「じゃあいただきます」
「・・・?!」
『どうしたルーゼ?!』
「この味懐かしいよぅ・・・うわーーーーん」

ルーゼが泣き出してしまった。

「うっぷ。もうだいじょうふ」
『泣きながら食べるんじゃない』
「いっぱいあるのでどんどん食べてくださいね」
「ありがとうスレイシアさん」

ルーゼとしばらくこの森にいたが特に変な植物が生えてたり枯れた植物はなかった。
いつのまにか小鳥の鳴き声が聞こえるようになっていき動物たちがこの森に集まりつつあるようだった。

「地の底で休眠してた精霊も起き始めたみたい」
『これでこの地の問題は解決だな』
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