魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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この世界を守る為に

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『ここはどこだ?俺は確か・・・』
「対局ヲシマショウ」
『誰だお前は?まぁいい、この竜王である俺が受けてやろうではないか?』

・・・
・・・
・・・
長いこと戦ってる気がする。

「オマエニトモナドイナイ」
『いるさ。ル・・・誰だ?思い出せん・・・』

「オ前ハ孤独ダ」
『違う。絶対に違う』

「ルーゼニアナタハ必要ナイ」
『ルーゼ?!ふふふ、はははっ?!』

「気狂ッタカ?・・・ナニ?!?!」

『お前がルーゼを語るなよ?
俺を本気にさせたこと後悔させてやる』

「熾月久しぶりだね。今はシヅキか。
僕を呼び出すとはね」
『こいつを完膚なきまで叩き潰す。
溟月、力を貸してくれ』
「やっと眠れたと思ったのに叩き起こされたんだ。
僕が許すわけないじゃないかぁ?
万死に値するっ」

「誰ト話シテイルンダ?!」

『「待たせたなクソ雑魚野郎」』

「サッキト雰囲気ガ違ウ?!
何故ソンナ手ヲ?!ガァアッ・・・?!」


『やはりな、思い出したぞ。
お前、俺が倒したスーパーAIだろう?』
「・・・」

ビンゴだ。
地球で腐った大人たちが俺を倒そうと最後に縋ったのがスーパーAIの開発だ。
だが溟月と俺の力が加わった時、全てが見えた。
普通ではありえない禁じ手のバグを突いて奴をクラッシュさせた。

AIは人を超える。
俺たちは人類の夢などくだらないまやかしだと証明してみせた。
腐った大人達が作ったスーパーAIも所詮ゴミクズだ。



『俺はルーゼの元に戻るんだ、邪魔をするな。
これで完全な詰みだ。
お前は終わりだな?』
「マタ負ケルノカ?私ハ世界最高ハAIノハズ?!ズ?!
グァアアアアア?!」

『終わりだな・・・ん?』

「マダダァアアアア。グォオオオオオオオ」

出てきたのは。執念を纏った影の龍。
相当俺に恨みがあるらしい。

『この世界では俺の方が上だ。
俺は魔王の右腕なんだからな?
跡形もなく吹き飛べ。破滅の邪眼』

「グォオオオオオオオ?!」

バシュン

「ガァア・・・」

影の龍が消え去って世界樹迷宮の核本体が現れる。

『溟月、悪いな起こしてしまって』
「構わないさ。
ルーゼをもっと大切にしてやりなよ?
もう唯一の友達なんだから」
『あぁ・・・わかっている。
だが世界樹の管理しなければこの世界が・・・』
「この世界樹の管理権は僕が受け持つよ。
ルーゼの暴走の原因は僕にあるからね」
『やはりお前が原因になってしまってたか・・・』


「シヅキはルーゼの元に戻れる。
ルーゼは力を完全にコントロールできるようになる。
僕は世界樹でこの世界の知識を漁れる。
みんなが幸せ、これで全て解決さ。
もう一年も待たせてるんだろう?いい加減に友の元に戻ってやりなよ?」

『感謝するよ。・・・兄さん』

お互い手を握る。

・・・いったか。
全く手のかかる弟だ。
天才が孤独に飲まれるのは仕方がないかもしれないけどね。
だがこの世界に来てシヅキは人の温かみを知った。
人を大切にする心を知った。
守るべきものができた。
魔王にルーゼありがとう。

もう僕がついてやらなくても大丈夫だろう。

「グォオ・・・マダ・・ダァア・・アアア?!」

「人がせっかく干渉に浸っているのに邪魔するとはなぁ?
地球のゴミクズがっ?」

「グォオ?!」

「時間はたっぷりあるんだ。本気の僕が永遠に遊んであげるよ?」




『くぬぬ・・・』
「シヅキ?!シヅキ?!」
『ルーゼ、待たせたな』
「おかえりシヅキ。私の最高の友達」


ルーゼはこの一年で精霊魔法を全て覚えきった。
役に立ちたい一心だったのであろう。

「私頑張ったよ?」
『あぁ。よくやったこれで戦略が充実する』

つい頭を撫でてしまった。

「えへへ。シヅキに褒められた」
『体調に異常はないか?』
「うん。大丈夫」


「世界樹を救って頂きありがとうございます。
あなたたちをこの星のスターゲイザーに任命します」


『世界樹もニフィアたちがいれば悪さはしないだろう。
自動防衛は切っていいんじゃないか?
人類も全員が愚かじゃないみたいだしな』
「魔王の右手であるあなたからそんな言葉を聞けるとは思いませんでした」
『俺はルーゼがいる世界を守りたかっただけだ』
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