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対決ゴブリンキング
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『この陣形。ゴブリンどもは村を襲って拠点にするのが目的だな。この村は3方は岩山と湖に囲まれて守るには立地がいい』
事前にシヅキが探知してくれたおかげで防衛の時間をかけることができた。
『ゴブリンどもが来る。数は約400体』
平原に設置された無数の樽。火属性の魔法が当たると大炎上するこの村特産の油入りだ。
トラップにかかった。
「魔法使いファイアーボールを放て。
あのタルに引火させればそれでいい」
「「「火よファイアボール」」」
ドカーン
油は周囲に飛び散り誘爆炎上する。
前衛のゴブリンはパニック状態で突っ込んでくる。
「弓隊構えろ。放て」
数撃ちあれば下手な冒険者でも当たる。
「剣士は抜刀せよ」
「接近戦は引き気味で戦え。複数相手になる場合はすぐ下がれ」
「「「いくぜ、おらぁ?!」」」
順調だ。今ので半数は削っただろう。
「グギャッツ」
ゴブリンが落ち着きを取り戻し始めた。
『そろそろ後退させろ』
「光よライトニングノヴァ」
戦場に閃光が放たれる。
ゴブリンは光をもろに直視し目が眩む。
「合図だ。下がるぞ」
「グギャッツ?!」
冒険者が後退し好機と思ったのか追いかけてくる。
村まではもう目の前だ。
手を振り下げて最後の合図を送る。
ゴロゴロゴロゴロ
盾役の重量級冒険者には岩山から落石を転がり落とす段取りをしてもらった。
今回は機動力戦。引き際が大事な戦いだ。
落石がゴブリンを吹き飛ばす。
「いまだ。魔法と弓を撃ち込め」
「その後、剣士は再び切り込め」
「「「うぉおおおおおおお?!」」」
Fランク冒険者でも相手がここまで少なくなれば対応できる。
『次の一手で王手だな。くるぞ』
「グォオオオオオオオ」
ゴブリンキング1体とゴブリンジェネラルが3体が現れる。
「ゴブリンキングは私が始末する。
ジェネラルの相手は作戦通り5人1組でかかれ。
残りは村を防衛しろ」
「盾役期待しているよ」
「「「おぅ。任せろ」」」
「グォオオオオオオオ?!」
「こいつがゴブリンキング」
ゴブリンジェネラルより一回り体格が大きく相手は大剣だ。
ガキィン、ガキィン、ガキィン
斬撃を受け流していく。シヅキから黒絶眼の使用許可が降りない。
私がどこまでやれるのか期待しているのだろう。
剣で軌道をずらしながら相対する。
ガキィイーーーーーーーン
火花が散る
次の剣筋が見えた気がした?
「心眼を使わなくても動きが見える?!」
『それは未来視だ』
「未来視?」
『お前が持っている本来の能力だ』
「私の力?」
『これは黒絶眼の能力ではない』
『右眼の元々の能力だ。だがまだ長くは続かない。
魔石は確保しておきたい。壊さずに倒してみろ』
「わかった」
ゴブリンキングの振りかざしを誘導する。
地面に刺さって動けない5秒で機動力を奪い取る。
「グォオ?!」
そのまま突っ込み腕の関節を斬りつける。
滑り込みで後ろに回り込み脚の腱を斬りつける。
「グォオオオオオオ・・・?!」
ゴブリンキングが倒れ込む。
ガラ空きの首に一撃を叩き込む。
ザシュッ
魔力は感じない。討伐完了だ。
ジェネラルの方も片付いたらしい。
『面倒になる前に魔石を頂こう。魔石を取り出してくれ』
「あった。これだね」
『すまんがこれは授業料としてもらっておく』
「うん。わかった」
『うむ。所詮はゴブリンか、不味いな』
村の前に広がるのはゴブリンの死体の山。
籠城しないで撃って出たのか?
なんて指揮能力だ。Fランク冒険者たった20人で400体ものゴブリンとジェネラルとキングを倒したのか?
それも犠牲も出さずたった一人でゴブリンキングを相手して・・・なんて才能だ。
「お前たちEランク昇格だ。よくやったな」
「ルーゼさんの指揮があったからですよ」
「5人パーティでジェネラルを倒したんだ。称賛に値するよ」
「ルーゼの嬢ちゃんもありがとな。
こいつらは今回ので自信がついてパーティを組むことになったんだ」
「私はシヅキに言われたことをやったに過ぎない」
「おいおい一人でゴブリンキングをやったんだ。自信を持てよ。
何はともあれ勝ったんだ。一杯飲むといい」
「美味しいねこの果実酒」
「ルーゼの嬢ちゃんは目的はあるのか?」
「うん。世界樹に行きたいの」
「世界樹?」
「とても大きな木だよ」
「もしかしてあれのことか?」
「世界樹の大迷宮か?」
「多分それ。会いたい人がいるんだ」
「俺たちが生まれる遥か前から存在していたらしい。
あそこはAランク冒険者ではないと入れないはずだぞ?」
「ランクも上げなきゃならないのね。わかった」
「それにランクを上げるにはパーティや傭兵団に属したりする必要があるんだ」
「でもあと5年でそこまで行かなきゃならないの」
「そうだな。いい友人を紹介しよう。
1ヶ月後にはこの街に戻ってくるはずだ」
事前にシヅキが探知してくれたおかげで防衛の時間をかけることができた。
『ゴブリンどもが来る。数は約400体』
平原に設置された無数の樽。火属性の魔法が当たると大炎上するこの村特産の油入りだ。
トラップにかかった。
「魔法使いファイアーボールを放て。
あのタルに引火させればそれでいい」
「「「火よファイアボール」」」
ドカーン
油は周囲に飛び散り誘爆炎上する。
前衛のゴブリンはパニック状態で突っ込んでくる。
「弓隊構えろ。放て」
数撃ちあれば下手な冒険者でも当たる。
「剣士は抜刀せよ」
「接近戦は引き気味で戦え。複数相手になる場合はすぐ下がれ」
「「「いくぜ、おらぁ?!」」」
順調だ。今ので半数は削っただろう。
「グギャッツ」
ゴブリンが落ち着きを取り戻し始めた。
『そろそろ後退させろ』
「光よライトニングノヴァ」
戦場に閃光が放たれる。
ゴブリンは光をもろに直視し目が眩む。
「合図だ。下がるぞ」
「グギャッツ?!」
冒険者が後退し好機と思ったのか追いかけてくる。
村まではもう目の前だ。
手を振り下げて最後の合図を送る。
ゴロゴロゴロゴロ
盾役の重量級冒険者には岩山から落石を転がり落とす段取りをしてもらった。
今回は機動力戦。引き際が大事な戦いだ。
落石がゴブリンを吹き飛ばす。
「いまだ。魔法と弓を撃ち込め」
「その後、剣士は再び切り込め」
「「「うぉおおおおおおお?!」」」
Fランク冒険者でも相手がここまで少なくなれば対応できる。
『次の一手で王手だな。くるぞ』
「グォオオオオオオオ」
ゴブリンキング1体とゴブリンジェネラルが3体が現れる。
「ゴブリンキングは私が始末する。
ジェネラルの相手は作戦通り5人1組でかかれ。
残りは村を防衛しろ」
「盾役期待しているよ」
「「「おぅ。任せろ」」」
「グォオオオオオオオ?!」
「こいつがゴブリンキング」
ゴブリンジェネラルより一回り体格が大きく相手は大剣だ。
ガキィン、ガキィン、ガキィン
斬撃を受け流していく。シヅキから黒絶眼の使用許可が降りない。
私がどこまでやれるのか期待しているのだろう。
剣で軌道をずらしながら相対する。
ガキィイーーーーーーーン
火花が散る
次の剣筋が見えた気がした?
「心眼を使わなくても動きが見える?!」
『それは未来視だ』
「未来視?」
『お前が持っている本来の能力だ』
「私の力?」
『これは黒絶眼の能力ではない』
『右眼の元々の能力だ。だがまだ長くは続かない。
魔石は確保しておきたい。壊さずに倒してみろ』
「わかった」
ゴブリンキングの振りかざしを誘導する。
地面に刺さって動けない5秒で機動力を奪い取る。
「グォオ?!」
そのまま突っ込み腕の関節を斬りつける。
滑り込みで後ろに回り込み脚の腱を斬りつける。
「グォオオオオオオ・・・?!」
ゴブリンキングが倒れ込む。
ガラ空きの首に一撃を叩き込む。
ザシュッ
魔力は感じない。討伐完了だ。
ジェネラルの方も片付いたらしい。
『面倒になる前に魔石を頂こう。魔石を取り出してくれ』
「あった。これだね」
『すまんがこれは授業料としてもらっておく』
「うん。わかった」
『うむ。所詮はゴブリンか、不味いな』
村の前に広がるのはゴブリンの死体の山。
籠城しないで撃って出たのか?
なんて指揮能力だ。Fランク冒険者たった20人で400体ものゴブリンとジェネラルとキングを倒したのか?
それも犠牲も出さずたった一人でゴブリンキングを相手して・・・なんて才能だ。
「お前たちEランク昇格だ。よくやったな」
「ルーゼさんの指揮があったからですよ」
「5人パーティでジェネラルを倒したんだ。称賛に値するよ」
「ルーゼの嬢ちゃんもありがとな。
こいつらは今回ので自信がついてパーティを組むことになったんだ」
「私はシヅキに言われたことをやったに過ぎない」
「おいおい一人でゴブリンキングをやったんだ。自信を持てよ。
何はともあれ勝ったんだ。一杯飲むといい」
「美味しいねこの果実酒」
「ルーゼの嬢ちゃんは目的はあるのか?」
「うん。世界樹に行きたいの」
「世界樹?」
「とても大きな木だよ」
「もしかしてあれのことか?」
「世界樹の大迷宮か?」
「多分それ。会いたい人がいるんだ」
「俺たちが生まれる遥か前から存在していたらしい。
あそこはAランク冒険者ではないと入れないはずだぞ?」
「ランクも上げなきゃならないのね。わかった」
「それにランクを上げるにはパーティや傭兵団に属したりする必要があるんだ」
「でもあと5年でそこまで行かなきゃならないの」
「そうだな。いい友人を紹介しよう。
1ヶ月後にはこの街に戻ってくるはずだ」
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