魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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Fランク昇格試験

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次の日もギルドの依頼をこなしていた。

「ルーゼさん、Fランク昇格試験を行いましょう。どなたか相手してくださる方はいませんか?」

シーン・・・

あれが粋がっていたDランク冒険者のガデッゾを引退送りにした冒険者か。興味が湧いた。

「そのFランク昇格試験、Bランク冒険者バリスが引き受けよう」

噂の冒険者が持っていたのは白銀の細めの剣だった。

「これよりバリス対ルーゼの試合を開始する」

『今回は黒絶眼を使うな』
「わかった」
『だが殺意は全開でいい。殺す気でかかっても問題ないだろう』

「光風の風バリス・フォンドだ。冒険者Bランクだ。
いざ参る」

ルーゼの気配が変わる。
あの目、本気で殺す気だ?!ならば?!

ガキィン、ガキィン、ガキィン

力ではなく速さで押し切るスタイルか?だがまだ何か隠しているな?

ガキィン、ガキィン、ガキィン

これは使いたいが使えないんだ。何か制約があるのかもしれない。

既に100回は打ち合っただろうか?

「はぁはぁはぁ・・・」

流石に息切れか・・・一瞬ヒヤッとしたが大したものだ。

「ここまでにしよう。文句なしのFランク昇格だ。歓迎するよ」
「ありがとうございました」


宿屋に戻ってきた。

『今日の反省会だ。ルーゼよ、殺す気でかかれと言ったが首を狙いすぎだ。それではバレバレだぞ』
「うっ?!」
『それに体力の配分を間違いすぎだ。何事にも防ぐより攻める方が体力を使う。減点だな』
「ぐぬぬ・・・」
『何故剣だけで戦った?魔法も使えただろうに』
「あ?!?!」
『まぁ剣だけでしか戦わせなかった俺の責任でもある。今後は魔法を交えた戦術を組むことにしよう』
『ともあれFランク昇格おめでとう』

曇ってた顔が笑顔になる。

「ありがとう。シヅキのおかげで強くなれたよ」
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