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この時代での軍師の初戦闘

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準備万端で城を出た。
ゴブリンがいた。それなりの数だ。

盤上の主導権は俺のものだ。
手強いシュミレーション、やり始めたら止まらない。
勇者や漆黒ハウスなんてこない限り俺が負けるわけがない。


『今のルーゼならば・・・』

上手いこと誘導している。

『いまだ。飛び越えろ』
「うん。シヅキ」
『俺様特製の落下式針地獄だ。たっぷり楽しんでいけ』

ギャアア?!

面白いようにゴブリンが落ちて串刺しになっていく。

『ルーゼ、次だ』
「これを切ればいいのね」

ブチッ

紐を括り付けた丸太の先を尖らせた突撃杭だ
ゴブリン共を翻弄していく。

続けて煙がゴブリンたちを包み込む。

ギィイ・・・?

『お前らはもう俺の手の中だ』

痺れ毒茸を混ぜただけの煙だ。ルーゼの風魔法で風向きを変え周囲を充満していく。
これで全滅だ。

ザクッ、ザクッ、ザクッ

念入りにトドメを刺していく。
この世は弱肉強食だ。ゴブリンはゴキブリ並みに繁殖力が高くしぶとい。

「凄い。ゴブリンをこんなに簡単に狩れるだなんて?!」
『奴らは知能がないに等しい。だからこんな単純な罠に嵌る』

『ルーゼよ魔石を一つもらえぬか?』
「うん」

右腕が変化し魔石を捕食する。
不味い、臭い匂いが味に染み込んでいるようだ。所詮ゴブリンではこんなものか。
ルーゼを強化するにはもっと強い魔物を討伐する必要があるか・・・
剣術と魔法を教えてやらねばならない。
教育も宿主への務めだ。

「シヅキ?」
『すまん。考え事をしていた』





父と母が亡くなってからは冒険者となりなんとか生活していたらしい。先日もいい薬草を取ろうと森の奥に踏み込んでしまいフェンリルに襲われてしまったそうだ。

「冒険者なんだけど見ての通り最低ランクのGランクで・・・」
『それは剣の師匠に恵まれなかっただけだ。ルーゼは強くなる』
「そうかな?」
『俺を受け止め切ったんだ。魔王の軍師である俺が保証してやろう』
「シヅキありがとう・・・私頑張る」

期待の眼を向けられる。頼られるのはやっぱり気持ちのいいものだ。


今日の晩ご飯は異空間倉庫に眠っていたモートン牛のこんがり肉だ。

「シヅキ。美味しいよありがとう」

魔物の肉は魔力量を高め強くする。
食事の面から怠らない。
ルーゼの身体は成長期だ。痩せてては可哀想だ。
この子のためにも俺のためにも強くなってもらいたい。

満足したのかルーゼがウトウトしだす。

『ルーゼ、テントを用意してやったからあそこで眠れ』
「スゥ・・・スゥ・・・」
『仕方ないな身体を借りるぞ』

やはり痩せてるな。骨の骨密度もスカスカだ。
こんな身体でよく今まで生きてきたものだ。
身体中の魔力回路も調整してやる必要がある。
ルーゼを寝袋に寝かせる。
この様子じゃ魔力感知も知らないな?

今晩中で魔力回路の最適化をやってしまおう。

・・・うーん。悩む。
戦闘型をどうするべきか。
魔王は重撃接近戦重視だったから俺が砲撃役を担っていた。
この膨大な魔力量をなんとしても活かしたい。
恐らく調整して成長すればルーゼは間違いなく魔王のやつを超える。
俺の魔力に耐えられる身体。膨大な魔力量・・・
戦術を教えてやれば
よし回避型魔法剣士でいこう。サブに弓やナイフ、体術を仕込もう。
出力調整は俺がしてやれば問題ないだろう
遺伝子情報を確認し病気の原因になりそうな因子を取り除き上書きしていく。
これは魔王因子か?
何故ルーゼに?
俺と適合率が高かったのはこれが原因か?
これはそのままのしておこう。

よし終わったぞ。
16歳になる頃には理想の体型になり魔力回路が最大限活かせるように魔力回路と遺伝子を最適化した。

ん?この眼はもしや・・・
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