カーテンの隙間から

Luna

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和合

そして2人は結ばれる1

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さすがの松木でもいつ他の教師が来るかわからない理科準備室でこれ以上のことをするのはダメだと感じたのか、一緒に帰ることになった。

放課後で、部活が終わる時間でもないので同じ学校の人には会わない。

2人きりで薄暗い道を静かに歩く。

「……あのさ、今更だけど、俊平って呼んでいいかな?」

「あ、、はい、どうぞ。」

やっと会話が…と思ったらまた無言に戻るの繰り返し。
俺、演劇部なのにこんなにコミュニケーション出来ないとか、ヤバすぎるだろ。…何とかして会話をっ、

「あの、松木先生。」

「……俊平、2人きりの時くらい、友樹って呼んでほしいな。」

松木は頬をすこし赤く染め、小さめの声で呟く。

「つっ、、」

俺はこの顔に弱い。

「…分かりました。………と、、もきさん」

なんだ、これ、、めちゃくちゃ恥ずかしい。

「よ、呼びましたよ。これでいいですか。」

そう言うと、松木は無言で俺を抱きしめてきた。

「うわっ!、突然どうしたんですか…。……ここ、外なんですけど…」

「僕の俊平が可愛いっ」

抱きしめられた状態で言われる。…こいつ恥ずかしげもなくそんなこと……。というか、

「ま、、友樹さん。あの、キャラ崩壊してないですか?」

「あぁ、そんなこと気にするんだね(笑)かわいいなーー」

二言目には可愛い…俺、男なんだけど。

「素はこんな感じだよ、まぁ、恋人にここまで素を出したのは初めてだけどね。」

"初めて"

このワードに胸が踊る。
いかにも経験豊富そうな松木も、初めての経験をここで、俺で……。
俺ばかりが初めてを根こそぎ持っていかれてると思っていたので面食らう。

「…そうなんですね、」

「ふふ、俊平嘘つくの下手でしょ、顔に嬉しいって書いてあるよ。」

ニヤニヤしながら言われ、思わず顔を触る。そんな顔してたか…?

「あ、話逸らしちゃったけど、さっき話しかけた内容何だった?」

俺の頭を優しく撫でながら問いかけてくる。

「ああ、……俺達って、どういう関係何だろうと思って…」

「え……」

何気なく言った言葉に、松木はショックを受けたような反応をした。

「え?まつ、、友樹さんどうしたんですか?」

「あ、あぁごめん。え、?僕達って、両思い、だったんだよね?」

「……ソウデスネ」

「ふはっ、声ちっちゃ笑、まだ照れてるんだ。可愛い。」

こっちが小っ恥ずかしいからその甘々モードやめて欲しい。嬉しいけど。

「両思いってことはさ、?……付き合うって事じゃないの?」

松木が問いかけてきた。俺も確かにそうだと思う。でも、

「でも、俺達は教師と生徒です。その辺のカップルとは違います」

「え…?それは、つまり?」

松木は不安そうな声で尋ねてくる。

「俺は、あなたの負担にはなりたくないです。だから、、今後の接し方を考えていこうと…」

松木が固まる。

「ふっ、ふふっ、……あははは!!」

何を笑ってるんだ。

「ごめんごめん。別れ話かなって思っちゃったんだよね(笑)…両思いって分かったばかりなのに。」

「はぁ、」

「それで、僕よりもずっと大人なこと考えてて、俊平かっこいいなって。」

「そうですか、、」

なんで笑ってたのかはよく分からないが、可愛いとしか言ってくれなかった彼から、かっこいいと言われたことが嬉しくて胸が高鳴る。

「それで、?接し方を考えるって?」

「…あ、はい。今日のように一緒に帰る、とか絶対目立ちますし、休日出かけるのも100%誰かに見られます。なので休み時間廊下で少し話す程度なら、と…」

前から考えていた内容を話す。

「ちょ、ちょっと待って !」

「え?」

「えっとさ、僕達って結局付き合うってことになったんだよね?」

「………はい、そうですね。」

改めて言われると照れる。

「で、それだけ?」 

え?それだけ??

「廊下で少し話すだけなの??」

…そうなるよな

「……それについては、俺もめちゃくちゃ考えましたよ。でも、これ以上は無理です。」

「……俊平さ、もうちょっと考えてみよ。」

考える?俺はコイツに告白する前から考えてた。

これが最善策だ。

「僕の家来れば解決じゃない?」

「………え?」
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「和合」は「結ばれる」みたいな意味です!手が空いたら少しづつ書いてます。日本語や表現おかしい所あったらごめんなさい💦結構前に投稿した話でも、ちまちま直してるので繰り返し読んでも面白い…かも、感想などあったら気軽にコメントしてください!まだ1件も来てないのでとても励みになります!
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