カーテンの隙間から

Luna

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変化

…なんかかわいい?!2

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人目につかない非常階段まで来た。

「はぁ、はぁ、、先生、説明はこんなに窮屈なところでするんですか?」

絶対に私情を挟んだとしか思えないこの状況への皮肉を込めて質問する。

「さすがにしないよ笑」

「随分と上手な嘘で連れてきましたね。」

「あぁ違う違う。先生方への説明っていうのは事実だよ。」

「はぁ。」

「…僕が着いた嘘はね。急ぎの用って言ったこと。それにはまだ時間があって、急いで呼び出す必要は無いんだ。」

ならやっぱり私情か。

「で、なんでこんな所に連れてきたんですか?」

「……きっと怒ると思うから先に謝っとくね。大人気なくてごめんなさい。」

「え?」

「理科準備室で明日の授業の準備をしていたら、秋元さんの声が聞こえてきた。そしてもう1人、鈴村くんの声も。聞くつもりはなかったんだけど、壁厚いわけじゃないからね。全部筒抜けで、……秋元さんは告白を始めた。」

「…全部聞いてたってことですね。」

「…そうだね。それで鈴村くんはどう返事をするんだろう、秋元さんいい人だし、付き合うのかな、とか考えてた。そして気がついたら…ドアを開けてた。本当に無意識で……これで、終わり。」

松木は顔を今までにないくらいに真っ赤に染めて話した。

「……そうですか。」

松木の真剣さに俺の顔もだんだん熱くなってくる。

「こんなカッコ悪い話した後に聞くのは悪いんだけど、、告白、断るの?」

「は?」

「あ!ごめん!変な事聞いちゃったね。…彼氏でもないのに。」

「……先生は、断って欲しいですか?」

なんてことを聞いてるんだ俺!

「……」

返事がない。無意識に聞いたことだから軽く返事して欲しかったんだけど……

「あの、せんせ……」

「断って欲しい!」

俺の声を遮り、松木の声が通る。
耳まで真紅に染め、真っ直ぐに俺の目を見てきた。

「っつ!!」

その年に合わない幼い表情や仕草に心臓が早くなり、顔がものすごく熱くなる。

「……断るかどうかは俺が決めます。で、先生達に説明しないといけないんですよね?どこですか?」

「あ、会議室」

「失礼します!」

早鐘を打つ心臓を何とか落ち着かせ、この場を去る。

廊下を早足で進みながらも俺の思考は止まらない。

なんなんだよ、あの表情…!なんか、なんか可愛かった…。いやいや、可愛いはずはないだろ!?男だぞ!?

……でも、あいつあんなに俺のこと好きなんだな。

遊び感覚ではないということにより一層松木のことが好きになった。
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