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シーズン1/第二章
□あくあついんず□④
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「こんな時間にどこ行くの?」
階段を降りた先、廊下で水帆と顔を突き合わせた。彼女は、さっきまでの部屋着と打って変わって『ちょっとジョギングに行くぐらい』の服装に着替えた水萌を見て、不思議そうにそう尋ねたのだ。
「いや、あの、別に……。ああ、そう、ちょっとジョギングにでも行こうかなって」
水萌はふと自分の服装を見下ろして、慌てて取り繕うようにそう言った。
「ジョギング? なに、急に。今までそんなのしたことないじゃない」
「う、うん、まあ、なんかちょっと思い立ってさ! あはは……」
なにか誤魔化すように笑う水萌。そんな妹を、じと、とした目で見る水帆。
妙な態度だなと思いつつも、特にそれ以上問い質すようなこともせず、水萌の横を通り過ぎる。
水帆は観たいドラマがあると言っていた。どうやらCM中で用足しに立ったらしい、「じゃ、がんばって」と小さく言ってそのままトイレに入っていく水帆。水萌は、そそくさと足早に玄関に行き、靴を履いて、静かに家を出た。
すぐに、それは目についた。月明りのもと、暗がりの中に小さな影が浮遊していた。
赤い、ドラゴンを模したポップなぬいぐるみだ。
『さて、ミナモ。行くぜ』
「う、うん……!」
ぬいぐるみ・ドラコの中に宿るのは、海底帝国アトランティスから魂だけの身でやってきた少年・オスティマ。
彼に促され、水萌は家の門扉を開き、そのまま夜の路地を小走りで駆けていく。目指すは、街の端……磯浜海岸。
思えば、学校を終えて家に帰ってきて以来、実に密度の濃い時間を過ごしている。喋るぬいぐるみと邂逅し、彼から重大な話を聞いた。
かつて『海龍のウロコ』を手にし、強大な海のエネルギーをその身に宿した水萌は、地上侵略を狙う海底人たちと戦う使命を負うこととなってしまったのだ。戦う力を得るには、海底人である彼と魂のリンクをしなければならない。
諸々の話を水帆には伏せたまま、自分一人で戦う決心をした。――心を落ち着ける暇はなく、さっそく、『魂のリンク』とやらを行おうとオスティマが提案した。
締め切った自室の中であっても、物音で家族にばれてしまうかもしれない、それにその儀式を行うには広い場所であった方が都合良いとのことで、夜の磯浜海岸へ行くことにした。
動くぬいぐるみを家族に見られぬよう、ドラコは窓から出ておいたのだ。『ジョギングに行く』とウソをついて出てきた水萌と家の前で合流し、今、彼らは海岸へ向かう。
小走りする少女と、その少女と並び、ふよふよと浮遊しながら移動する赤いドラゴンのぬいぐるみ。
『海底人が地上侵略を狙っている事実を、地上人たちにどうしてもバレるわけにはいかないんだ』
道中、ぬいぐるみにその魂を宿した彼――オスティマは、ふとそんなことを言った。
「どうして?」
『そりゃそうだろ。海底人の攻撃に地上人も大々的に応戦し始めたら、いよいよもって大戦争だ。そもそも海底人と地上人は文明の形態もまるで違う、根本的に相容れるモンじゃねえし。和解の余地もないと思うべきだ。もとより、そのつもりで俺はここへ来てミナモに協力を頼んでんだからな』
地上侵略を目論む海底のテロリストと戦う宿命を、たった一人の少女に負わせるというのは一見すると無謀であるが、それも、事を荒立てるよりもそれが賢明であるとの彼の判断なのだ。要するに、戦争を起こさせないため、である。
『だから、テロリストどもが攻撃を仕掛けてきたとき、なんとか海岸線で食い止めて、攻撃を防ぎ切りたい。何事もなかったことにしておきたいんだ。わかるか、ミナモ』
「う、うん」
海底帝国から魔の手が迫っている事実を、部外者に知られるわけにはいかない。水萌は、一人で戦わなければならない。
確かにさきほどその決心はしたのだが、改めてそれを思うと、少女の顔は表情にわずかに翳る。
「攻撃を仕掛けて来る……って、それはいつになるの? あ、明日? あさって?」
どうしても湧き出る不安から、つい詰めるようにぬいぐるみへ尋ねてしまう。致し方ない、敵が来るのはもうすぐなのか、まだ間があるのか――それによって心の持ちようも変わってくるのだ。
『ああ。地上へ出る前、敵について情報は得てきた。確かな情報筋だ。――やつらは、今から二週間後に地上へ攻め入ろうと計画を立てている』
「二週間後……」
『やつらが造り出している【生体兵器】が、その頃に完成する予定だそうだ。それを使って、地上へ攻め入って来る』
「せっ、生体兵器……。さっきも言ってたけど、それ、なんなの?」
『俺も詳しくは知らないが、……【海龍のウロコ】が組み込まれたでけえバケモノだって聞いてる』
「『海龍のウロコ』……それって、あたしと水帆が触ったやつと同じ?」
『そうだ。だからこそ、その生体兵器を破壊するにはお前たちの力が必要だってことだ』
「そっか……」
そういうことなら、他の誰でもない自分が戦うべきなのは理解できる。なるほどと頷く水萌だが、その表情には不安が見て取れる。
『まあ、大丈夫だ、心配いらねえ。お前は【大いなる海の加護】を受けし少女。二週間もあれば力を使いこなせるようになるはずだし、そうなりゃ、お前ひとりでも楽勝だぜ』
そのために、今、海岸へ向かっている。人気のないところで、彼と魂をリンクさせるための儀式を行う。そうすれば、彼女の身の内に宿る力を引き出せるようになるという。
/
十分ほど町中を進み、海岸へとたどり着く。
「ふう……」
閑散とした夜の海岸。
静けさの中で、ざん、と打ち寄せる波音が穏やかに響き渡る。また、爽やかな初夏の夜風が防潮林の木々を揺らし、枝葉が擦れ合う音も聞こえる。波音と葉音の合唱は実に心地よく、心が洗われるようだ。
かつて、あの石――海龍のウロコを拾った場所だ。
遊泳用に整備されたような海岸ではない。また近くに民家はなく、ここでなら人目に付かないだろう。
『さあ。さっそく、魂リンクの儀式を始めよう』
「儀式……」
緊張のためか、ごくり、と喉を鳴らす水萌。
『そんな緊張しなくていいぜ、一瞬で終わるから、ミナモはそのままそこに立ってりゃいい。いいって言うまで動くなよ』
そう言うと、オスティマはふと口を閉じ、動きを止めた。ぬいぐるみに瞼はないが、その様子から、目も閉じて意識を集中させているかのように見える。
月明りに淡く照らされた海岸。じっと黙しながら浮揚するぬいぐるみを前に、水萌は直立してただ待つ。……その顔に困惑の色を浮かべて、ただ茫然と立つ。これから何が起きるのか詳しく説明を求めたいが、オスティマはすでに『儀式』を始めてしまったのだ。
ぬいぐるみの口をもぞもぞ動かして、オスティマはなにかを唱え始めた。
呟くような声で、何と言っているのかハッキリと聞き取れない。念仏のように低く沈んだような唱え方ではなく、妙に抑揚のついた調子の良い唱え方である。
――それは、海底人の扱う特有の言語である。
その中でも今は使われない、古代の言語。水萌は到底及び知らない世界でのさらに到底及び知らない時代の言葉である。その不思議な響きを聞いているうち、少女から戸惑いが薄れ、気が落ち着いて来る。とはいえ、依然として状況の理解は追いついていないが。
彼が呪文のようなものを唱えて十数秒ほど経つと、やがて水萌の周囲に変化が生じる。
月明りで淡く照らされていた岩肌の地面が、不意に、強く光り出したのだ。彼女を中心として半径一メートルほどの光の円が海辺に浮かぶ。
煌々と輝く黄色の光。
まるで、夜空に浮かぶ丸い月明りをそのまま地面へと転写したような、神秘的な光景だった。水萌は、地から発する眩い光に身を包まれるという不思議な状況に驚きながらも、その感覚にどこか心地よさを感じていた。
やがて、光は静まっていく。一瞬で終わる、と言っていたが、これで儀式は終了なのだろうか。魂をリンクさせる、なんて大仰に聞こえるが、随分あっさりとしたものだ、と水萌は思った。これで魂をリンクさせられたのか? 特に、何も変化があるようには思えない。
ともかく、もうほぼ消えかけている光の円から出ようとした。だが、
『まだだ。そのまま!』
オスティマにそう言われ、踏み出そうとした足を慌てて留める水萌。
まだ儀式は終わっていなかったのか。そう思ったところで、不意に、足元から水が湧き出し始めた。
「わっ!?」
確かにすぐ近くに海があるが、海水が波打ってきたわけではなく、丸い光が消えゆくのに反して、その淵をなぞるように水柱が立ったのだ。さすがに驚いて声を出す水萌。
水柱はゆっくりと高く上がっていき、やがて少女の背丈を超える。水萌を囲うように円形に立ち上る水柱は、まるでフープ状にカーテンで囲う簡易更衣室のようである。
その水が、次第に狭まっていく。
「え、あ、あの……」
水萌を囲う水のカーテンが、径を狭めて迫って来る。彼女は戸惑った様子で肩身を細くするが、その場からは動かない。良いと言うまで動くな、と言われたからだ。まあ周囲を水で囲まれて、逃げたくとも逃げられないのだが。
「わ、わ、……わぷっ」
やがて、水が少女の体を完全に包み込んだ。水に触れられて、水萌は目と口を閉じる。
ざざざざざ、と、水萌の体を囲う水は激しく掻きまわる。
その中で、彼女は当惑した。
これが、魂をリンクさせる儀式? 確かに、これでは家の中で出来るものではない。外へ出てきたのは賢明だった。……だが、こんな儀式なら事前に教えておいてほしかった。これでは全身ずぶ濡れ、服もびっしょりだ。濡れた服で町中の道を帰らなければならなくなる。そうなると知っていれば、着替えを持ってきたのに。
……と、思っていた水萌。
ふっ、と、冷たい水の感触が途端に消えた。激しく流動する水の音も消え、聞こえるのは穏やかな波音と葉音だけ。ああ、ようやく儀式とやらは終わったのか、と思い、水萌はゆっくりと目を開ける。
「…………、あれ?」
目を開けると、目の前には浮遊するぬいぐるみ。やはり地面から突き上がる水柱はもうない。光もない。
儀式前と変わらない光景の筈だ。
だが、なにか違和感があった。
光と水に包まれる前と後とで、何かが変わった気がする。なんだろう。きょろきょろと辺りを見回すが、特に変化は見られない。……いや違う、変わったのは景色ではない。肌に触れる感触だ。
「――はっ」
水萌は視線を下げて、自身の体を見た。
なんと、それまで着用していたTシャツとジャージズボンが、なくなっている。……その代わりに少女の体を包むのは、胴体をぴっちりと覆う一繋ぎのナイロン生地、一枚だけ。
水着だ。
「……え、え、ええええぇぇぇっ!? なんで? なんで私、水着着てんのっ!?」
確かにここは海辺であり、且つ、彼女にとっては毎日部活で着用していて馴染みのあるものだが、しかしそういう問題ではない。
Tシャツと、ジャージズボン、さらに下着まで消えてしまい、水着に変わっている。スクール水着だ。靴下と靴だけはそのまま。スク水に靴だけ履いているのが妙にインモラルな感じだ。
『なに驚いてんだよ』
慌てふためく少女とは対照的に、実に落ち着いた口調でオスティマは言う。
『俺、地上の文化はちゃんと予習して来てんだぜ。……それ、女が水を泳ぐときに着る衣装だろ。上下別れてる場合もあるようだが、お前みたいに子供ならそっちの方が一般的だってな』
「いや、それは合ってるけど、いやでもそういう問題じゃないよ! なに!? なんで私、いきなり水着に変わってんの? ……こっ、これも、儀式なの!?」
『儀式? いいや、儀式はもう終わってるよ。一瞬で終わるって言っただろ。地面から光が出て、すぐに消えただろ? そこでもう儀式は終わってる』
「へ?」
確かに、地面から光の円が出現したかと思ったが、わずか数秒のうちにその光は静まって消えた。
そこで儀式は終わっていた。
ならばその後に水柱が出現して、さらにそのあと服装が水着へと変わったのは何なのだ。ちゃんと説明をしろ、と、水萌は鋭い視線をオスティマに向ける。
『いやさ、儀式終了と同時に、さっそく実践をしたみたんだよ。お前と魂をリンクさせることで、お前の中に宿る【大いなる海の力】が俺の中にも流れ込んできた。儀式直後で力が活性化してるから、今なら俺もその力を使えるんだ。せっかくだから【術】を使ってみたくてな』
「じゅつ? え、な、なにそれ?」
『はっはっは。それこそ、【海龍のウロコ】からパワーを得た者が扱える神秘の術だ。
水を自在に操って、さらに水の力であらゆる物質を変質させたり、あるいは水を媒体にして金属を精製したりできる。――【水精錬金】だ』
ああ、そうだ、そうだった。水萌は彼が言っていた話を思い返す。
――『海龍のウロコ』の力を完璧に引き出せれば、海からやって来るテロリストどもに対抗できる、そのために海底人であるオスティマと魂をリンクさせよう、ということで今この場に至っている。すなわち、海龍の力を引き出した末にその術を扱えるようになり、それこそが敵へ対抗しうる手段だと察せられる。
その、『水精錬金』という術が。
水を操るだとか、物質を変質させるだとか……まさしく超自然的でファンタジー的な話だが、今更そこに疑問を抱かない。つまり、その術を使って水萌の服を水着へと『変質』させてみせたというわけだ。
オスティマの口ぶりから察するに、儀式直後で力が活性化しているからこそ彼もその力を利用して術が使えるのであって、時間が経てば彼には術を扱えなくなるのだろう。
それは元々水萌の中に宿る力だから。
今だけしか使えない、彼はこのせっかくの機会を逃すまいと術を使ってみた。それで『水精錬金』で、水萌の服を変質させたのだ。……それは、分かる。分かるが、しかし納得できない。
「う、うん。なるほどね? 儀式を終えて魂リンクさせて、その流れのままにあなたが術を実践してみせたわけね? うん、それは分かったけど。……なんで、私の服を水着に変えちゃったわけ?」
術を実践して見せるなら、もっと他に方法があった筈。断りもなくいきなり少女を水着姿にしてしまうのはいかがなものか。
『言っただろ、地上の文化は予習してきてるって。……ホラ、お前はこれから戦いの宿命を負う身で、俺は相棒みてえなモンだろ。こういうときは【変身】するのが、お前らの文化では【お約束】なんだろ。その辺、取り計らってやった俺の器量を褒めてほしいぜ』
ふん、と、威厳高に言うオスティマ。
『とはいえ、ここで適切な衣装がうまいこと思い浮かばなかったからよ。水を泳ぐときの衣装をそのまま適用させてもらったわけだ。なァに、お前は【大いなる海の加護】を受けし少女だ。その衣装はまさしくお前の戦闘服ってなもんだろ』
「…………」
彼の言う『文化』とは、アニメや漫画のようなサブカルチャーのことを差しているのだろう。
水萌は、ゲームなどはよく嗜むがアニメなどはあまり見ない。それでも、彼の言うように『変身がお約束』だというのはなんとなく分からなくもない。
それに、確かに。
水泳部でもある彼女にとって、まあ、ある意味水着が『戦闘服』だとも言えるかもしれない。
だが、それでもだ。
それらを踏まえたうえでも、やはり、こんなところで急に水着姿に変身させられるなど冗談ではない。人気のない夜中の海岸とはいえ、もし誰かに見られでもすればたまらない。
「分かった。分かったから、とにかく早く元の服に戻してよ!」
さすがに、恥ずかしい。心ばかり隠すように腕を胸の前に交差させながら、水萌はオスティマに向けて糾弾する。
『おーおー。わかったよ。今に元の服に……』
――と、彼が言いかけたとき。
ざざざざざ、と、また水が激しく掻きまわるような音が聞こえた。
だが、水萌の周囲ではない。
……海だ。
ハッとして、オスティマが海の方へ体を向けていた。なんだろう、と水萌もそちらへ視線を向ける。
海の様子がおかしい。海岸のすぐそば、水萌たちから数メートルほどの位置の海面から……大きな水の柱が立ち上っているのだ。まさにさきほど水萌を囲っていたのと同じ形だが、それよりもずっと太い柱である。水の柱が、渦巻きながらゆっくりと昇って行っているのだ。
太い水柱。
渦巻く海水の中に、なにか大きな丸い影が見える。
オスティマは……ぬいぐるみなので明確な表情は表れないのだが、なんとなくシリアスな雰囲気でその影を見ている。
「え、なに? ねえドラコ! またあなたがなにかし始めたの?」
水萌は、状況が分からないなりに、ただならぬ気配だけは肌で感じた。オスティマにそう問うが、彼は警戒するような視線を海水に潜む影へと送るのみ……。
やがて、渦巻く水柱が止まる。重力への反抗を止め、水が海面へと戻っていく。ざばああ、と流れる水の中、それに包まれていた影は流れずにそこへ留まっている。
『それ』が、姿を現した。
「…………、なに、あれ?」
丸い影は、……そのまま、丸い形の黒い物体だった。卵型の黒い物体が、宙に浮いている。
『ミナモ、下がってろ』
オスティマが、小さく言った。
「へ?」
『いいから、下がってるんだ!』
少々荒げた声で、彼が言ったのと同時――黒い物体に、パキ、と、亀裂が入った。一筋、二筋……亀裂が広がり、やがて『殻』が割れ始める。
卵型のそれは、実際に、卵であった。
『まさかこんなに早く来るとは、予想外だ。俺の後を追って来たか?』
ぬいぐるみの口で、なにやらぶつぶつと言うオスティマ。一体何が起こっているのか、水萌は困惑する。
「え、えっと、あの、ドラコ? 一体何が……」
『敵だよ。さっそく来やがったんだ』
「へ……?」
きょとん、と言葉を失う水萌。
……敵。
地上侵略を目論むという、海底の敵? それが、もう攻めてきた?
――あまりに突然の状況に唖然とする少女は、しかしその格好からどうしても緊迫感は感じられない。彼女は、今なお、スクール水着のままだ。
階段を降りた先、廊下で水帆と顔を突き合わせた。彼女は、さっきまでの部屋着と打って変わって『ちょっとジョギングに行くぐらい』の服装に着替えた水萌を見て、不思議そうにそう尋ねたのだ。
「いや、あの、別に……。ああ、そう、ちょっとジョギングにでも行こうかなって」
水萌はふと自分の服装を見下ろして、慌てて取り繕うようにそう言った。
「ジョギング? なに、急に。今までそんなのしたことないじゃない」
「う、うん、まあ、なんかちょっと思い立ってさ! あはは……」
なにか誤魔化すように笑う水萌。そんな妹を、じと、とした目で見る水帆。
妙な態度だなと思いつつも、特にそれ以上問い質すようなこともせず、水萌の横を通り過ぎる。
水帆は観たいドラマがあると言っていた。どうやらCM中で用足しに立ったらしい、「じゃ、がんばって」と小さく言ってそのままトイレに入っていく水帆。水萌は、そそくさと足早に玄関に行き、靴を履いて、静かに家を出た。
すぐに、それは目についた。月明りのもと、暗がりの中に小さな影が浮遊していた。
赤い、ドラゴンを模したポップなぬいぐるみだ。
『さて、ミナモ。行くぜ』
「う、うん……!」
ぬいぐるみ・ドラコの中に宿るのは、海底帝国アトランティスから魂だけの身でやってきた少年・オスティマ。
彼に促され、水萌は家の門扉を開き、そのまま夜の路地を小走りで駆けていく。目指すは、街の端……磯浜海岸。
思えば、学校を終えて家に帰ってきて以来、実に密度の濃い時間を過ごしている。喋るぬいぐるみと邂逅し、彼から重大な話を聞いた。
かつて『海龍のウロコ』を手にし、強大な海のエネルギーをその身に宿した水萌は、地上侵略を狙う海底人たちと戦う使命を負うこととなってしまったのだ。戦う力を得るには、海底人である彼と魂のリンクをしなければならない。
諸々の話を水帆には伏せたまま、自分一人で戦う決心をした。――心を落ち着ける暇はなく、さっそく、『魂のリンク』とやらを行おうとオスティマが提案した。
締め切った自室の中であっても、物音で家族にばれてしまうかもしれない、それにその儀式を行うには広い場所であった方が都合良いとのことで、夜の磯浜海岸へ行くことにした。
動くぬいぐるみを家族に見られぬよう、ドラコは窓から出ておいたのだ。『ジョギングに行く』とウソをついて出てきた水萌と家の前で合流し、今、彼らは海岸へ向かう。
小走りする少女と、その少女と並び、ふよふよと浮遊しながら移動する赤いドラゴンのぬいぐるみ。
『海底人が地上侵略を狙っている事実を、地上人たちにどうしてもバレるわけにはいかないんだ』
道中、ぬいぐるみにその魂を宿した彼――オスティマは、ふとそんなことを言った。
「どうして?」
『そりゃそうだろ。海底人の攻撃に地上人も大々的に応戦し始めたら、いよいよもって大戦争だ。そもそも海底人と地上人は文明の形態もまるで違う、根本的に相容れるモンじゃねえし。和解の余地もないと思うべきだ。もとより、そのつもりで俺はここへ来てミナモに協力を頼んでんだからな』
地上侵略を目論む海底のテロリストと戦う宿命を、たった一人の少女に負わせるというのは一見すると無謀であるが、それも、事を荒立てるよりもそれが賢明であるとの彼の判断なのだ。要するに、戦争を起こさせないため、である。
『だから、テロリストどもが攻撃を仕掛けてきたとき、なんとか海岸線で食い止めて、攻撃を防ぎ切りたい。何事もなかったことにしておきたいんだ。わかるか、ミナモ』
「う、うん」
海底帝国から魔の手が迫っている事実を、部外者に知られるわけにはいかない。水萌は、一人で戦わなければならない。
確かにさきほどその決心はしたのだが、改めてそれを思うと、少女の顔は表情にわずかに翳る。
「攻撃を仕掛けて来る……って、それはいつになるの? あ、明日? あさって?」
どうしても湧き出る不安から、つい詰めるようにぬいぐるみへ尋ねてしまう。致し方ない、敵が来るのはもうすぐなのか、まだ間があるのか――それによって心の持ちようも変わってくるのだ。
『ああ。地上へ出る前、敵について情報は得てきた。確かな情報筋だ。――やつらは、今から二週間後に地上へ攻め入ろうと計画を立てている』
「二週間後……」
『やつらが造り出している【生体兵器】が、その頃に完成する予定だそうだ。それを使って、地上へ攻め入って来る』
「せっ、生体兵器……。さっきも言ってたけど、それ、なんなの?」
『俺も詳しくは知らないが、……【海龍のウロコ】が組み込まれたでけえバケモノだって聞いてる』
「『海龍のウロコ』……それって、あたしと水帆が触ったやつと同じ?」
『そうだ。だからこそ、その生体兵器を破壊するにはお前たちの力が必要だってことだ』
「そっか……」
そういうことなら、他の誰でもない自分が戦うべきなのは理解できる。なるほどと頷く水萌だが、その表情には不安が見て取れる。
『まあ、大丈夫だ、心配いらねえ。お前は【大いなる海の加護】を受けし少女。二週間もあれば力を使いこなせるようになるはずだし、そうなりゃ、お前ひとりでも楽勝だぜ』
そのために、今、海岸へ向かっている。人気のないところで、彼と魂をリンクさせるための儀式を行う。そうすれば、彼女の身の内に宿る力を引き出せるようになるという。
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十分ほど町中を進み、海岸へとたどり着く。
「ふう……」
閑散とした夜の海岸。
静けさの中で、ざん、と打ち寄せる波音が穏やかに響き渡る。また、爽やかな初夏の夜風が防潮林の木々を揺らし、枝葉が擦れ合う音も聞こえる。波音と葉音の合唱は実に心地よく、心が洗われるようだ。
かつて、あの石――海龍のウロコを拾った場所だ。
遊泳用に整備されたような海岸ではない。また近くに民家はなく、ここでなら人目に付かないだろう。
『さあ。さっそく、魂リンクの儀式を始めよう』
「儀式……」
緊張のためか、ごくり、と喉を鳴らす水萌。
『そんな緊張しなくていいぜ、一瞬で終わるから、ミナモはそのままそこに立ってりゃいい。いいって言うまで動くなよ』
そう言うと、オスティマはふと口を閉じ、動きを止めた。ぬいぐるみに瞼はないが、その様子から、目も閉じて意識を集中させているかのように見える。
月明りに淡く照らされた海岸。じっと黙しながら浮揚するぬいぐるみを前に、水萌は直立してただ待つ。……その顔に困惑の色を浮かべて、ただ茫然と立つ。これから何が起きるのか詳しく説明を求めたいが、オスティマはすでに『儀式』を始めてしまったのだ。
ぬいぐるみの口をもぞもぞ動かして、オスティマはなにかを唱え始めた。
呟くような声で、何と言っているのかハッキリと聞き取れない。念仏のように低く沈んだような唱え方ではなく、妙に抑揚のついた調子の良い唱え方である。
――それは、海底人の扱う特有の言語である。
その中でも今は使われない、古代の言語。水萌は到底及び知らない世界でのさらに到底及び知らない時代の言葉である。その不思議な響きを聞いているうち、少女から戸惑いが薄れ、気が落ち着いて来る。とはいえ、依然として状況の理解は追いついていないが。
彼が呪文のようなものを唱えて十数秒ほど経つと、やがて水萌の周囲に変化が生じる。
月明りで淡く照らされていた岩肌の地面が、不意に、強く光り出したのだ。彼女を中心として半径一メートルほどの光の円が海辺に浮かぶ。
煌々と輝く黄色の光。
まるで、夜空に浮かぶ丸い月明りをそのまま地面へと転写したような、神秘的な光景だった。水萌は、地から発する眩い光に身を包まれるという不思議な状況に驚きながらも、その感覚にどこか心地よさを感じていた。
やがて、光は静まっていく。一瞬で終わる、と言っていたが、これで儀式は終了なのだろうか。魂をリンクさせる、なんて大仰に聞こえるが、随分あっさりとしたものだ、と水萌は思った。これで魂をリンクさせられたのか? 特に、何も変化があるようには思えない。
ともかく、もうほぼ消えかけている光の円から出ようとした。だが、
『まだだ。そのまま!』
オスティマにそう言われ、踏み出そうとした足を慌てて留める水萌。
まだ儀式は終わっていなかったのか。そう思ったところで、不意に、足元から水が湧き出し始めた。
「わっ!?」
確かにすぐ近くに海があるが、海水が波打ってきたわけではなく、丸い光が消えゆくのに反して、その淵をなぞるように水柱が立ったのだ。さすがに驚いて声を出す水萌。
水柱はゆっくりと高く上がっていき、やがて少女の背丈を超える。水萌を囲うように円形に立ち上る水柱は、まるでフープ状にカーテンで囲う簡易更衣室のようである。
その水が、次第に狭まっていく。
「え、あ、あの……」
水萌を囲う水のカーテンが、径を狭めて迫って来る。彼女は戸惑った様子で肩身を細くするが、その場からは動かない。良いと言うまで動くな、と言われたからだ。まあ周囲を水で囲まれて、逃げたくとも逃げられないのだが。
「わ、わ、……わぷっ」
やがて、水が少女の体を完全に包み込んだ。水に触れられて、水萌は目と口を閉じる。
ざざざざざ、と、水萌の体を囲う水は激しく掻きまわる。
その中で、彼女は当惑した。
これが、魂をリンクさせる儀式? 確かに、これでは家の中で出来るものではない。外へ出てきたのは賢明だった。……だが、こんな儀式なら事前に教えておいてほしかった。これでは全身ずぶ濡れ、服もびっしょりだ。濡れた服で町中の道を帰らなければならなくなる。そうなると知っていれば、着替えを持ってきたのに。
……と、思っていた水萌。
ふっ、と、冷たい水の感触が途端に消えた。激しく流動する水の音も消え、聞こえるのは穏やかな波音と葉音だけ。ああ、ようやく儀式とやらは終わったのか、と思い、水萌はゆっくりと目を開ける。
「…………、あれ?」
目を開けると、目の前には浮遊するぬいぐるみ。やはり地面から突き上がる水柱はもうない。光もない。
儀式前と変わらない光景の筈だ。
だが、なにか違和感があった。
光と水に包まれる前と後とで、何かが変わった気がする。なんだろう。きょろきょろと辺りを見回すが、特に変化は見られない。……いや違う、変わったのは景色ではない。肌に触れる感触だ。
「――はっ」
水萌は視線を下げて、自身の体を見た。
なんと、それまで着用していたTシャツとジャージズボンが、なくなっている。……その代わりに少女の体を包むのは、胴体をぴっちりと覆う一繋ぎのナイロン生地、一枚だけ。
水着だ。
「……え、え、ええええぇぇぇっ!? なんで? なんで私、水着着てんのっ!?」
確かにここは海辺であり、且つ、彼女にとっては毎日部活で着用していて馴染みのあるものだが、しかしそういう問題ではない。
Tシャツと、ジャージズボン、さらに下着まで消えてしまい、水着に変わっている。スクール水着だ。靴下と靴だけはそのまま。スク水に靴だけ履いているのが妙にインモラルな感じだ。
『なに驚いてんだよ』
慌てふためく少女とは対照的に、実に落ち着いた口調でオスティマは言う。
『俺、地上の文化はちゃんと予習して来てんだぜ。……それ、女が水を泳ぐときに着る衣装だろ。上下別れてる場合もあるようだが、お前みたいに子供ならそっちの方が一般的だってな』
「いや、それは合ってるけど、いやでもそういう問題じゃないよ! なに!? なんで私、いきなり水着に変わってんの? ……こっ、これも、儀式なの!?」
『儀式? いいや、儀式はもう終わってるよ。一瞬で終わるって言っただろ。地面から光が出て、すぐに消えただろ? そこでもう儀式は終わってる』
「へ?」
確かに、地面から光の円が出現したかと思ったが、わずか数秒のうちにその光は静まって消えた。
そこで儀式は終わっていた。
ならばその後に水柱が出現して、さらにそのあと服装が水着へと変わったのは何なのだ。ちゃんと説明をしろ、と、水萌は鋭い視線をオスティマに向ける。
『いやさ、儀式終了と同時に、さっそく実践をしたみたんだよ。お前と魂をリンクさせることで、お前の中に宿る【大いなる海の力】が俺の中にも流れ込んできた。儀式直後で力が活性化してるから、今なら俺もその力を使えるんだ。せっかくだから【術】を使ってみたくてな』
「じゅつ? え、な、なにそれ?」
『はっはっは。それこそ、【海龍のウロコ】からパワーを得た者が扱える神秘の術だ。
水を自在に操って、さらに水の力であらゆる物質を変質させたり、あるいは水を媒体にして金属を精製したりできる。――【水精錬金】だ』
ああ、そうだ、そうだった。水萌は彼が言っていた話を思い返す。
――『海龍のウロコ』の力を完璧に引き出せれば、海からやって来るテロリストどもに対抗できる、そのために海底人であるオスティマと魂をリンクさせよう、ということで今この場に至っている。すなわち、海龍の力を引き出した末にその術を扱えるようになり、それこそが敵へ対抗しうる手段だと察せられる。
その、『水精錬金』という術が。
水を操るだとか、物質を変質させるだとか……まさしく超自然的でファンタジー的な話だが、今更そこに疑問を抱かない。つまり、その術を使って水萌の服を水着へと『変質』させてみせたというわけだ。
オスティマの口ぶりから察するに、儀式直後で力が活性化しているからこそ彼もその力を利用して術が使えるのであって、時間が経てば彼には術を扱えなくなるのだろう。
それは元々水萌の中に宿る力だから。
今だけしか使えない、彼はこのせっかくの機会を逃すまいと術を使ってみた。それで『水精錬金』で、水萌の服を変質させたのだ。……それは、分かる。分かるが、しかし納得できない。
「う、うん。なるほどね? 儀式を終えて魂リンクさせて、その流れのままにあなたが術を実践してみせたわけね? うん、それは分かったけど。……なんで、私の服を水着に変えちゃったわけ?」
術を実践して見せるなら、もっと他に方法があった筈。断りもなくいきなり少女を水着姿にしてしまうのはいかがなものか。
『言っただろ、地上の文化は予習してきてるって。……ホラ、お前はこれから戦いの宿命を負う身で、俺は相棒みてえなモンだろ。こういうときは【変身】するのが、お前らの文化では【お約束】なんだろ。その辺、取り計らってやった俺の器量を褒めてほしいぜ』
ふん、と、威厳高に言うオスティマ。
『とはいえ、ここで適切な衣装がうまいこと思い浮かばなかったからよ。水を泳ぐときの衣装をそのまま適用させてもらったわけだ。なァに、お前は【大いなる海の加護】を受けし少女だ。その衣装はまさしくお前の戦闘服ってなもんだろ』
「…………」
彼の言う『文化』とは、アニメや漫画のようなサブカルチャーのことを差しているのだろう。
水萌は、ゲームなどはよく嗜むがアニメなどはあまり見ない。それでも、彼の言うように『変身がお約束』だというのはなんとなく分からなくもない。
それに、確かに。
水泳部でもある彼女にとって、まあ、ある意味水着が『戦闘服』だとも言えるかもしれない。
だが、それでもだ。
それらを踏まえたうえでも、やはり、こんなところで急に水着姿に変身させられるなど冗談ではない。人気のない夜中の海岸とはいえ、もし誰かに見られでもすればたまらない。
「分かった。分かったから、とにかく早く元の服に戻してよ!」
さすがに、恥ずかしい。心ばかり隠すように腕を胸の前に交差させながら、水萌はオスティマに向けて糾弾する。
『おーおー。わかったよ。今に元の服に……』
――と、彼が言いかけたとき。
ざざざざざ、と、また水が激しく掻きまわるような音が聞こえた。
だが、水萌の周囲ではない。
……海だ。
ハッとして、オスティマが海の方へ体を向けていた。なんだろう、と水萌もそちらへ視線を向ける。
海の様子がおかしい。海岸のすぐそば、水萌たちから数メートルほどの位置の海面から……大きな水の柱が立ち上っているのだ。まさにさきほど水萌を囲っていたのと同じ形だが、それよりもずっと太い柱である。水の柱が、渦巻きながらゆっくりと昇って行っているのだ。
太い水柱。
渦巻く海水の中に、なにか大きな丸い影が見える。
オスティマは……ぬいぐるみなので明確な表情は表れないのだが、なんとなくシリアスな雰囲気でその影を見ている。
「え、なに? ねえドラコ! またあなたがなにかし始めたの?」
水萌は、状況が分からないなりに、ただならぬ気配だけは肌で感じた。オスティマにそう問うが、彼は警戒するような視線を海水に潜む影へと送るのみ……。
やがて、渦巻く水柱が止まる。重力への反抗を止め、水が海面へと戻っていく。ざばああ、と流れる水の中、それに包まれていた影は流れずにそこへ留まっている。
『それ』が、姿を現した。
「…………、なに、あれ?」
丸い影は、……そのまま、丸い形の黒い物体だった。卵型の黒い物体が、宙に浮いている。
『ミナモ、下がってろ』
オスティマが、小さく言った。
「へ?」
『いいから、下がってるんだ!』
少々荒げた声で、彼が言ったのと同時――黒い物体に、パキ、と、亀裂が入った。一筋、二筋……亀裂が広がり、やがて『殻』が割れ始める。
卵型のそれは、実際に、卵であった。
『まさかこんなに早く来るとは、予想外だ。俺の後を追って来たか?』
ぬいぐるみの口で、なにやらぶつぶつと言うオスティマ。一体何が起こっているのか、水萌は困惑する。
「え、えっと、あの、ドラコ? 一体何が……」
『敵だよ。さっそく来やがったんだ』
「へ……?」
きょとん、と言葉を失う水萌。
……敵。
地上侵略を目論むという、海底の敵? それが、もう攻めてきた?
――あまりに突然の状況に唖然とする少女は、しかしその格好からどうしても緊迫感は感じられない。彼女は、今なお、スクール水着のままだ。
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