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シーズン1/第二章
水の精霊石
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セパディア西部の街・アプルパリス。小さなこの街は、歴史あるモルガノット教会堂を有し、さらにその教会の裏手の森には、神聖な湖がある。
街と同名の、アプルパリス湖。
湖底に神殿があり、聖域とされている湖だ。当然、遊泳などは禁止されている。
その禁を侵した上、溺れてしまっていた男。その男を助けた、モルガノット教会堂で暮らす少女。二人は全身ずぶ濡れになって、湖畔で向き合っていた。
「ルミナちゃん。……君のおかげで助かったよ、どうもありがとう」
少女に名を聞いた男は、改めて礼を言った。まだ二十代半ばほどの若い男は、ブラウンの髪に翡翠色の瞳をしている。
「お礼は、いいですけど。……それよりもっ、この湖で一体何してたんですか? アプルパリス湖は神聖な湖で、立ち入り禁止なんですよ!」
ひとまず助かったことはいいとしても、そこは看過できない。むっ、と子供らしく憤りながら、ルミナは男に詰め寄った。
深い水底を覗き込んだときのような色濃い碧眼、その左目下にちょんとついた泣きボクロがあどけなさを引きたてつつも、しかし淡い水色の髪が濡れて水を滴らせている様はどこか妖艶だ。
そんな相反する魅力を醸し出す美少女がずいと顔を近づけて来るものだから、さすがに動揺は禁じ得ない。男はさりげなく視線を逸らしながら、少女の詰問に応える。
「い、いや……。何をしていたかは、ちょっと言えないかな……」
「なんでですかっ!? 悪いことをしたんですから、ちゃんと正直に言わないと!」
「悪い事なんて、そんな。大丈夫、俺は別に怪しい者じゃないから」
「怪しい者じゃないっていうなら、ちゃんと素性を教えてください」
「悪いけどそれは言えない」
「怪しいじゃないですか!」
一層、怪訝な顔をして、少女はさらに男に詰め寄る。
「ふんっ、まあ話したくなくたって、いいですよ。立ち入り禁止の湖に入ったんですから、あなたのことはブルック騎士団に突き出します。そこでちゃんと白状することですね。十七師団の駐屯所が大通りにありますから、大人しくついてきてくださいよ」
「ま、待ってくれ! 騎士団につれていかれるとややこしくなってしまう! 騎士団はこの任務を認知していないんだ。極秘の任務だし、派手な行動はとりたくない」
「…………、えっと、あなたは何を言ってるんですか?」
騎士団に就き出すと言った途端、慌て出した男。単に逮捕されるのが嫌だというような態度ではなく、騎士団に関わることに不都合があるといった様子だ。
「……分かった。君には話そう。ただしこれは極秘だからね。口外無用だ、いいね」
男は真剣な顔である。
少女は、こく、と頷く。
「俺は、ウェイド。――特務機関『レギオン』所属の、ウェイド・コモンズ。極秘の任務があって、今日、この町へ来た。そして任務のため、ここの湖底神殿に潜っていたんだ。……まあ、君に助けられなければ危うく溺れ死んでしまっていたところで、そうなれば任務は失敗だったわけだが」
「とくむきかん、れぎおん? にんむ……?」
初めて聞いた言葉である。それは一体何か、とルミナが尋ね返す前に、男がすかさず言葉を続ける。
「ああ。君はモルガノット教会堂で暮らす子だな。あそこにはローマン聖司教がいるだろう。……ちょうどいい、一緒に教会へ行って、ローマン神父と共に話そう。彼とは知り合いなんだ」
/
教会堂の隣に、居住棟が建っている。
時期によっては何人もの子供たちがここで暮らすこともあるが、現在、モルガノット教会堂で育てられている孤児はルミナだけだ。先達の子らはすでに十八歳になってここを巣立っていったわけである。ルミナにとっては、少し、寂しさはある。
その居住棟の前。
ローマン神父は、散歩からようやく戻って来たルミナの姿を見て目を丸くした。
「ルミナ? どうしたのだ、全身ずぶ濡れで……!」
「ローマン神父。……ごめんなさい、謝らなければならないことがありまして。……実は、私、湖に入ってしまったんです」
「なにっ!? アプルパリス湖にかっ?」
「はい……」
「あの湖は聖域で、絶対に入ってはならないとお前もよく知っている筈だぞ。それに、夕食の時間もとうに過ぎている。……今日は甲斐甲斐しく働いてくれたと感心していたというのに、まったくお前というやつは……」
「お待ちください、ローマン神父!」
憤慨する神父に、男が慌てた様子で声をかけた。少女を庇うように割って入った男は、同じく全身ずぶ濡れであった。
「それもこれもすべて、俺のせいです。彼女は俺を助けてくれたんです」
「……お、お前は……」
男の顔をじっと見て、怒りの様相を、すん、と冷ますローマン神父。
「ウェイドです。お久しぶりです、神父」
/
「コモンズ教会堂は、アベル地区にある小さな教会でな。このモルガノット教会堂の前に、私が勤めていた教会だ。ウェイドはそこで暮らしていた子なのだよ」
教会の応接室。
自室へ行き、体を拭いて私服へ着替えたルミナは、神父と並んでソファに座る。目の前にはローテーブル、その上に紅茶を入れたカップが三つ。
テーブルを挟んで相対するのは、この教会の服を借りたウェイド。神父はまず、ルミナに彼のことをそう説明した。
「そう。俺は元々孤児で、教会で育ったんだ。君と同じだよ」
「私と同じ……」
彼女が『ルミナ・モルガノット』をフルネームとしているように、教会に保護された孤児たちは、各教会堂の名称を自分の名に冠するのがしきたりだ。ルミナが『コモンズ教会堂』の名を知っていれば、ウェイドが名乗ったときにすぐにそれを察せただろう。
――『ウェイド・コモンズ』。目の前の彼は元々身寄りのない子どもであり、教会に保護されて、コモンズ教会堂で暮らしていたのだ。
そして、コモンズ教会堂はローマン神父が以前勤めていたところ。ルミナにとって彼は父親のような存在だが、ウェイドにとってもそれは同様なのだ。
「なるほど。じゃあ、ウェイドさんも十八歳になるまで教会で暮らしてたってことなんですね」
「いや、俺の場合は十八になる前にすでに教会を出ているんだけどな」
「え?」
教会で暮らす子らは、十八になってから教会を巣立つ。それが決まりのはずだ。例外もあるのだろうか。聞いたことはないが。
首をかしげるルミナはさておき、少女の隣に座るローマン神父が口火を切る。
「ウェイド。お前が湖に入っていたというのは……それは、『任務』のためか?」
「ええ。任務を受け、アプルパリス湖の神殿に入っていました。極秘の任務でしたので、ローマン神父にも通達はされていなかったのでしょう」
「うむ。まあ、それが自然だろう。湖の遺跡に入っていたというのは……例の件か?」
「ええ。特務官が各地に散り、遺跡を調査しています。俺の担当はここの湖底神殿だったわけです。遺跡を調べ終え、いざ浮上しようとしたところで魔力が尽きてしまい……。危うく溺れ死ぬかというところで――、」
そこでウェイドは水色の髪の少女を差した。
「彼女に、助けられたというわけです」
「ふぇ?」
神父とウェイドの会話がなんのことか全く理解できず、きょとんと聞いていたルミナ。突然、ウェイドの手が自分に向けられたのに驚いて、素っ頓狂な声を出してしまう。
「さっきは怒って悪かったな、ルミナ。……よくやった。えらいぞ」
「俺も改めて礼を言うよ。ありがとう、ルミナちゃん」
大人二人に褒められて、確かにおもわず照れ笑いをこぼしそうになるルミナだが、それよりもまずは二人に言いたいことがあった。
「あ、あのっ、私、何の話だか全く分からないんですが……」
ルミナは当初、ウェイドが入水禁止を破った不得心者として、ブルック騎士団に突き出してやろうとしていた。
だが、彼が神父と話している様子を見て、彼が悪い人間ではないということは確かに分かった。どうやらなにか理由があって湖に入っていたらしいことは話から窺えるが、それがどういう理由なのかは全く分からない。
いやそれ以前に、まだ判然としないことがあるのだ。
「あの、そもそもウェイドさんはどういう人なんですか? さっきから任務がどうとか仰ってますけど。……れぎおん? の所属官だとかなんとか聞きましたが……」
ルミナがおずおずと尋ねる。少女の質問を受け、ウェイドと神父はふと目を見合わす。
「すみません神父。レギオンのことはすでに俺が口を滑られてしまいまして。湖侵入の釈明のため、致し方なく」
「ああ、そうか。……まあ一度聞いたのなら仕方ない。詳しく教えよう」
神父が、ふ、と一息つく。察するまでもなく、真面目な話のようだ。
ルミナはハッと居直り、神父の話を聞く。
「ルミナ。まず知っての通り、ジャルダン聖教会に関係する立場として、一般的には大きく分けて二つある。私のように聖職者として、各教会同に配属されて勤める者。あとは教会が抱える組織・ブルック騎士団に所属する者だ。騎士として、皇国民の安全を守るのだ」
「はい」
「それらとは別に、もう一つ、一般皇国民には知られない秘密の部署がある。中央教会直下の特務機関だ。『レギオン』と呼ばれる」
「特務機関?」
「ああ。そこに所属する特務官は、教会より極秘の任務を受けて方々動き回る。まあ、ブルック騎士団が『表』の正義執行機関だとすれば、レギオンはその『裏』とも言うべきか」
「騎士団は各地に駐屯所を置いて、国の秩序を守るために活動するものだね。それに対して俺たちレギオンはそういった表立った拠点を置かない。適宜、中央教会から直接の任務指令を受けて動く」
ローマン神父の言葉を継いで、ウェイドが言う。
「時には、法的な手続きを割愛することだってある。急を要する任務の場合、いちいち行政機関の許可が下りるのを待っていられないこともあるからね。そういう動きは、騎士団にはできない。レギオンが『裏』の正義執行機関と言ったのはそういう特性のためだ」
一般皇国民にはその存在を知らされていない、極秘の組織……。そういえば噂だけは聞いたことがあったとルミナは思い出した。単なる都市伝説だと思っていたが。
「レギオンの特徴として言えるのは、その所属官はすべて、教会出身の孤児たちで構成されることだ。極秘機関である以上、当然、所属官は公募されるものでもないからな。始めから教会に身を置く子らから引き抜く方が都合がよいのだ」
「『その才あり』と見なされれば、十八歳になるのを待たずに声がかかることもある。俺がレギオンの所属になったのは、十三歳のときだった。……確か君も十三歳だったかな。ちょうど君と同じ頃だね」
さきほど彼が言っていたことだ。十八歳になる前にすでにコモンズ教会堂を出たと。不思議に思ったが、なるほどとルミナは納得する。
「私と同じ年に、もう教会を出て、その組織に入ったんですか?」
それを聞くと、途端に目の前の青年がいたく立派な人間であるように思えてきた。
いや実際立派なのだろう。
教会で暮らす子らは、多くの場合、育ちの教会堂を巣立った後も教会の関係職に就く。教会の恩恵によって育てられたのだから、その恩を返すべく、教会の役に立とうと思うのは自然だ。ルミナも、十八歳になってここを出たのちにはそうするつもりだ。
だから、まだ十三歳ながらにして教会を出て、その組織に所属したという彼は、その点から見れば自分の憧れのような存在だとも言える。
「まあ、俺に声がかかったのは偶然だよ。その頃に、自分が魔力保有者だと発覚したものだからね。その力を生かす場として、レギオンに所属するよう教会から誘いを受けたわけさ」
「魔力保有者?」
「そうさ。……せっかくだ、見せてやろう」
ウェイドはそう言うと、手元に置いていたリュックを開けてごそごそと中を漁る。彼が湖にいたときに背負っていたもので、まだ乾かしきれておらずしっとりと湿っている。
「なんだ、ウェイド。室内で何をしようと言うのだ」
「ご安心を、神父。ちょっと『精霊石』を見せてあげるだけですよ」
ウェイドは、小さな石を取り出して見せた。
丸くつるんとしていて、片手で握り込めるほどのほんの小さな石だ。だが、ただの石でないことは一見して分かる。
「わあ。……きれい」
石は、紺碧の輝きを放っていた。まるで宝石だ。
ウェイドの手に載る小さな石を、食い入るように見つめるルミナ。このまま吸い込まれて行ってしまいそうだと感じるほど、深い輝き。アプリパルス湖の湖畔で佇んで、静かに水面を見るときのようだ。
それをじっと見る少女の瞳も、石に負けず劣らずの美しい碧色であるが。
「見てみな」
ウェイドは、石を持つ手に少しだけ力を込めた。
すると、石の輝きがわずかに増した。
なにかすごいことが起こるのか。もしかしてこの石から魔法的な何かが放たれるとか……そんなことを予期して、ルミナは思わず身構えた。だが、石自体には特に何も変化がない。
なんだろう。別になにか派手なことが起こるわけではないらしい。少し拍子が抜けたようにふと視線を落としたところで、ルミナは気付いた。
……テーブルの上のカップ。その中の紅茶が、くるくると渦巻いている。スプーンでかき回されているわけでもなく、ひとりでに。
「こっ、紅茶が……!? これ、魔法なんですか? 私、初めて見ました」
「いや。俺は魔法使いじゃない。ただしまあ、この石を使えば似たようなことができるわけだ。――『精霊石』はその名の通り、精霊が宿った石なんだ。精霊との契約なしに、簡易的な魔法を使えるって感じかな」
「精霊……契約……?」
と言われても、魔法に関して全く知識のないルミナには何のことかよくわからなかった。
すなわち彼は魔法使いではないが、魔力を生まれ持っているため、この石を使って疑似的な魔法を使える、ということだろう。
「これには水の精が宿っている。石に魔力を込めれば、水中を自在に泳げたり、周囲の水をある程度操ったりすることが出来るんだ。まともに機能する精霊石は稀で、こんなに小さなものでもすごく希少なんだ。俺はこの石を使って、湖に潜っていた。ただし、加減が難しいんだけどな」
「そしてお前はそれで加減を誤って、湖底神殿からの脱出に失敗したわけだな。危うく、おぼれ死ぬところだったと」
「え、ええ。まあ……」
「ウェイド。お前は確かに優秀だが、肝心なところでドジを踏む。……昔からそうだった」
懐かしむように、神父が言う。ウェイドは笑って頭を掻く。
「水を動かすっていうのも、確かにすごいけど……何よりこの石、とてもきれいですね」
依然、石に見惚れていたルミナがぽつりと言った。
「なんなら手に取ってじっくり見てみてもいいぞ」
「いいんですか?」
「ああ。安心していい。魔力を持ってない人間が触れても、何も起こりはしないから」
「ありがとうございます。じゃあ――、」
遠慮なく、と。
言って、差し出された精霊石に少女が触れた瞬間だった。
応接室の中を、瞬く間に青い光が包み込んだ。
カッ――と、爆発にも似た勢いで光が広がる。
三人とも、反射で瞼を閉じた。苛烈な光の照射。突然のことに驚くが、すぐに次の衝撃が襲った。
冷たい感触が、全身に降りかかる。
「――――!?」
光は止んだが、まだ目は開けられない。
水だ。
ポリバケツ一杯の水を思いっきり振りかけられたようだった。三人それぞれ、激しい水の噴射を正面から受けた。
すなわち、水の発生源は三人の中心――石だ。
ウェイドが石を差し出し、ルミナがそれを受取ろうとしたところ――そこを起点として、眩い光が発生し、次の瞬間には大量の水が溢れ出した。
「…………、ごほっ、ごほっ!」
幸い、水の噴射は光と同様にすぐに止まった。あまりの水の勢いのせいで咳き込んでいるのは、ウェイドと神父。彼らの全身、どころか応接室の中は水浸しだ。一体何が起こったのか、と目を見合わす男たち。
「……ル、ルミナ、大丈夫か?」
神父がそう言って隣を見やる。
ルミナがいない。
「な、なにっ?」
ソファの隣に座っていたはずの少女がいない。ハッとして、室内を見回す。――いた。
ルミナは、軽い体のせいか、水の勢いに押し負けてそのまま吹き飛ばされていたのだ。ソファから転げ落ち、背後の壁にぶつかったらしい。ずぶぬれになった少女が、壁際で横たわっている。
「う、ううぅ……、ん……」
頭でも打ってしまったか。少女は、くらくらと目を回していた。
「ルミナ!」
神父は急いで少女のもとに駆け寄る。幸い、怪我はなさそうだ。
ウェイドはその場で呆然としていた。まだ手に載ったままの精霊石に視線を向ける。あの少女が触れた瞬間、まるで精霊石が暴走したかのように多量の水が発生した。
……あり得ない。
精霊石を使って行えるのは、せいぜい簡易的な魔法。周囲にある水を少量操ることはできても、何もないところから水を生み出すことはできない。ましてや今ほどの多量の水を……。
そんなことは、精霊との本契約を行った魔法使いのみが起こせる奇蹟の術――すなわち、紛い物ではない本物の魔法。
この少女が、それを起こしたのか。
唖然とする、レギオン所属の特務官ウェイド。彼が手にする紺碧の石は、まだわずかに発光の余韻を残していた。
街と同名の、アプルパリス湖。
湖底に神殿があり、聖域とされている湖だ。当然、遊泳などは禁止されている。
その禁を侵した上、溺れてしまっていた男。その男を助けた、モルガノット教会堂で暮らす少女。二人は全身ずぶ濡れになって、湖畔で向き合っていた。
「ルミナちゃん。……君のおかげで助かったよ、どうもありがとう」
少女に名を聞いた男は、改めて礼を言った。まだ二十代半ばほどの若い男は、ブラウンの髪に翡翠色の瞳をしている。
「お礼は、いいですけど。……それよりもっ、この湖で一体何してたんですか? アプルパリス湖は神聖な湖で、立ち入り禁止なんですよ!」
ひとまず助かったことはいいとしても、そこは看過できない。むっ、と子供らしく憤りながら、ルミナは男に詰め寄った。
深い水底を覗き込んだときのような色濃い碧眼、その左目下にちょんとついた泣きボクロがあどけなさを引きたてつつも、しかし淡い水色の髪が濡れて水を滴らせている様はどこか妖艶だ。
そんな相反する魅力を醸し出す美少女がずいと顔を近づけて来るものだから、さすがに動揺は禁じ得ない。男はさりげなく視線を逸らしながら、少女の詰問に応える。
「い、いや……。何をしていたかは、ちょっと言えないかな……」
「なんでですかっ!? 悪いことをしたんですから、ちゃんと正直に言わないと!」
「悪い事なんて、そんな。大丈夫、俺は別に怪しい者じゃないから」
「怪しい者じゃないっていうなら、ちゃんと素性を教えてください」
「悪いけどそれは言えない」
「怪しいじゃないですか!」
一層、怪訝な顔をして、少女はさらに男に詰め寄る。
「ふんっ、まあ話したくなくたって、いいですよ。立ち入り禁止の湖に入ったんですから、あなたのことはブルック騎士団に突き出します。そこでちゃんと白状することですね。十七師団の駐屯所が大通りにありますから、大人しくついてきてくださいよ」
「ま、待ってくれ! 騎士団につれていかれるとややこしくなってしまう! 騎士団はこの任務を認知していないんだ。極秘の任務だし、派手な行動はとりたくない」
「…………、えっと、あなたは何を言ってるんですか?」
騎士団に就き出すと言った途端、慌て出した男。単に逮捕されるのが嫌だというような態度ではなく、騎士団に関わることに不都合があるといった様子だ。
「……分かった。君には話そう。ただしこれは極秘だからね。口外無用だ、いいね」
男は真剣な顔である。
少女は、こく、と頷く。
「俺は、ウェイド。――特務機関『レギオン』所属の、ウェイド・コモンズ。極秘の任務があって、今日、この町へ来た。そして任務のため、ここの湖底神殿に潜っていたんだ。……まあ、君に助けられなければ危うく溺れ死んでしまっていたところで、そうなれば任務は失敗だったわけだが」
「とくむきかん、れぎおん? にんむ……?」
初めて聞いた言葉である。それは一体何か、とルミナが尋ね返す前に、男がすかさず言葉を続ける。
「ああ。君はモルガノット教会堂で暮らす子だな。あそこにはローマン聖司教がいるだろう。……ちょうどいい、一緒に教会へ行って、ローマン神父と共に話そう。彼とは知り合いなんだ」
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教会堂の隣に、居住棟が建っている。
時期によっては何人もの子供たちがここで暮らすこともあるが、現在、モルガノット教会堂で育てられている孤児はルミナだけだ。先達の子らはすでに十八歳になってここを巣立っていったわけである。ルミナにとっては、少し、寂しさはある。
その居住棟の前。
ローマン神父は、散歩からようやく戻って来たルミナの姿を見て目を丸くした。
「ルミナ? どうしたのだ、全身ずぶ濡れで……!」
「ローマン神父。……ごめんなさい、謝らなければならないことがありまして。……実は、私、湖に入ってしまったんです」
「なにっ!? アプルパリス湖にかっ?」
「はい……」
「あの湖は聖域で、絶対に入ってはならないとお前もよく知っている筈だぞ。それに、夕食の時間もとうに過ぎている。……今日は甲斐甲斐しく働いてくれたと感心していたというのに、まったくお前というやつは……」
「お待ちください、ローマン神父!」
憤慨する神父に、男が慌てた様子で声をかけた。少女を庇うように割って入った男は、同じく全身ずぶ濡れであった。
「それもこれもすべて、俺のせいです。彼女は俺を助けてくれたんです」
「……お、お前は……」
男の顔をじっと見て、怒りの様相を、すん、と冷ますローマン神父。
「ウェイドです。お久しぶりです、神父」
/
「コモンズ教会堂は、アベル地区にある小さな教会でな。このモルガノット教会堂の前に、私が勤めていた教会だ。ウェイドはそこで暮らしていた子なのだよ」
教会の応接室。
自室へ行き、体を拭いて私服へ着替えたルミナは、神父と並んでソファに座る。目の前にはローテーブル、その上に紅茶を入れたカップが三つ。
テーブルを挟んで相対するのは、この教会の服を借りたウェイド。神父はまず、ルミナに彼のことをそう説明した。
「そう。俺は元々孤児で、教会で育ったんだ。君と同じだよ」
「私と同じ……」
彼女が『ルミナ・モルガノット』をフルネームとしているように、教会に保護された孤児たちは、各教会堂の名称を自分の名に冠するのがしきたりだ。ルミナが『コモンズ教会堂』の名を知っていれば、ウェイドが名乗ったときにすぐにそれを察せただろう。
――『ウェイド・コモンズ』。目の前の彼は元々身寄りのない子どもであり、教会に保護されて、コモンズ教会堂で暮らしていたのだ。
そして、コモンズ教会堂はローマン神父が以前勤めていたところ。ルミナにとって彼は父親のような存在だが、ウェイドにとってもそれは同様なのだ。
「なるほど。じゃあ、ウェイドさんも十八歳になるまで教会で暮らしてたってことなんですね」
「いや、俺の場合は十八になる前にすでに教会を出ているんだけどな」
「え?」
教会で暮らす子らは、十八になってから教会を巣立つ。それが決まりのはずだ。例外もあるのだろうか。聞いたことはないが。
首をかしげるルミナはさておき、少女の隣に座るローマン神父が口火を切る。
「ウェイド。お前が湖に入っていたというのは……それは、『任務』のためか?」
「ええ。任務を受け、アプルパリス湖の神殿に入っていました。極秘の任務でしたので、ローマン神父にも通達はされていなかったのでしょう」
「うむ。まあ、それが自然だろう。湖の遺跡に入っていたというのは……例の件か?」
「ええ。特務官が各地に散り、遺跡を調査しています。俺の担当はここの湖底神殿だったわけです。遺跡を調べ終え、いざ浮上しようとしたところで魔力が尽きてしまい……。危うく溺れ死ぬかというところで――、」
そこでウェイドは水色の髪の少女を差した。
「彼女に、助けられたというわけです」
「ふぇ?」
神父とウェイドの会話がなんのことか全く理解できず、きょとんと聞いていたルミナ。突然、ウェイドの手が自分に向けられたのに驚いて、素っ頓狂な声を出してしまう。
「さっきは怒って悪かったな、ルミナ。……よくやった。えらいぞ」
「俺も改めて礼を言うよ。ありがとう、ルミナちゃん」
大人二人に褒められて、確かにおもわず照れ笑いをこぼしそうになるルミナだが、それよりもまずは二人に言いたいことがあった。
「あ、あのっ、私、何の話だか全く分からないんですが……」
ルミナは当初、ウェイドが入水禁止を破った不得心者として、ブルック騎士団に突き出してやろうとしていた。
だが、彼が神父と話している様子を見て、彼が悪い人間ではないということは確かに分かった。どうやらなにか理由があって湖に入っていたらしいことは話から窺えるが、それがどういう理由なのかは全く分からない。
いやそれ以前に、まだ判然としないことがあるのだ。
「あの、そもそもウェイドさんはどういう人なんですか? さっきから任務がどうとか仰ってますけど。……れぎおん? の所属官だとかなんとか聞きましたが……」
ルミナがおずおずと尋ねる。少女の質問を受け、ウェイドと神父はふと目を見合わす。
「すみません神父。レギオンのことはすでに俺が口を滑られてしまいまして。湖侵入の釈明のため、致し方なく」
「ああ、そうか。……まあ一度聞いたのなら仕方ない。詳しく教えよう」
神父が、ふ、と一息つく。察するまでもなく、真面目な話のようだ。
ルミナはハッと居直り、神父の話を聞く。
「ルミナ。まず知っての通り、ジャルダン聖教会に関係する立場として、一般的には大きく分けて二つある。私のように聖職者として、各教会同に配属されて勤める者。あとは教会が抱える組織・ブルック騎士団に所属する者だ。騎士として、皇国民の安全を守るのだ」
「はい」
「それらとは別に、もう一つ、一般皇国民には知られない秘密の部署がある。中央教会直下の特務機関だ。『レギオン』と呼ばれる」
「特務機関?」
「ああ。そこに所属する特務官は、教会より極秘の任務を受けて方々動き回る。まあ、ブルック騎士団が『表』の正義執行機関だとすれば、レギオンはその『裏』とも言うべきか」
「騎士団は各地に駐屯所を置いて、国の秩序を守るために活動するものだね。それに対して俺たちレギオンはそういった表立った拠点を置かない。適宜、中央教会から直接の任務指令を受けて動く」
ローマン神父の言葉を継いで、ウェイドが言う。
「時には、法的な手続きを割愛することだってある。急を要する任務の場合、いちいち行政機関の許可が下りるのを待っていられないこともあるからね。そういう動きは、騎士団にはできない。レギオンが『裏』の正義執行機関と言ったのはそういう特性のためだ」
一般皇国民にはその存在を知らされていない、極秘の組織……。そういえば噂だけは聞いたことがあったとルミナは思い出した。単なる都市伝説だと思っていたが。
「レギオンの特徴として言えるのは、その所属官はすべて、教会出身の孤児たちで構成されることだ。極秘機関である以上、当然、所属官は公募されるものでもないからな。始めから教会に身を置く子らから引き抜く方が都合がよいのだ」
「『その才あり』と見なされれば、十八歳になるのを待たずに声がかかることもある。俺がレギオンの所属になったのは、十三歳のときだった。……確か君も十三歳だったかな。ちょうど君と同じ頃だね」
さきほど彼が言っていたことだ。十八歳になる前にすでにコモンズ教会堂を出たと。不思議に思ったが、なるほどとルミナは納得する。
「私と同じ年に、もう教会を出て、その組織に入ったんですか?」
それを聞くと、途端に目の前の青年がいたく立派な人間であるように思えてきた。
いや実際立派なのだろう。
教会で暮らす子らは、多くの場合、育ちの教会堂を巣立った後も教会の関係職に就く。教会の恩恵によって育てられたのだから、その恩を返すべく、教会の役に立とうと思うのは自然だ。ルミナも、十八歳になってここを出たのちにはそうするつもりだ。
だから、まだ十三歳ながらにして教会を出て、その組織に所属したという彼は、その点から見れば自分の憧れのような存在だとも言える。
「まあ、俺に声がかかったのは偶然だよ。その頃に、自分が魔力保有者だと発覚したものだからね。その力を生かす場として、レギオンに所属するよう教会から誘いを受けたわけさ」
「魔力保有者?」
「そうさ。……せっかくだ、見せてやろう」
ウェイドはそう言うと、手元に置いていたリュックを開けてごそごそと中を漁る。彼が湖にいたときに背負っていたもので、まだ乾かしきれておらずしっとりと湿っている。
「なんだ、ウェイド。室内で何をしようと言うのだ」
「ご安心を、神父。ちょっと『精霊石』を見せてあげるだけですよ」
ウェイドは、小さな石を取り出して見せた。
丸くつるんとしていて、片手で握り込めるほどのほんの小さな石だ。だが、ただの石でないことは一見して分かる。
「わあ。……きれい」
石は、紺碧の輝きを放っていた。まるで宝石だ。
ウェイドの手に載る小さな石を、食い入るように見つめるルミナ。このまま吸い込まれて行ってしまいそうだと感じるほど、深い輝き。アプリパルス湖の湖畔で佇んで、静かに水面を見るときのようだ。
それをじっと見る少女の瞳も、石に負けず劣らずの美しい碧色であるが。
「見てみな」
ウェイドは、石を持つ手に少しだけ力を込めた。
すると、石の輝きがわずかに増した。
なにかすごいことが起こるのか。もしかしてこの石から魔法的な何かが放たれるとか……そんなことを予期して、ルミナは思わず身構えた。だが、石自体には特に何も変化がない。
なんだろう。別になにか派手なことが起こるわけではないらしい。少し拍子が抜けたようにふと視線を落としたところで、ルミナは気付いた。
……テーブルの上のカップ。その中の紅茶が、くるくると渦巻いている。スプーンでかき回されているわけでもなく、ひとりでに。
「こっ、紅茶が……!? これ、魔法なんですか? 私、初めて見ました」
「いや。俺は魔法使いじゃない。ただしまあ、この石を使えば似たようなことができるわけだ。――『精霊石』はその名の通り、精霊が宿った石なんだ。精霊との契約なしに、簡易的な魔法を使えるって感じかな」
「精霊……契約……?」
と言われても、魔法に関して全く知識のないルミナには何のことかよくわからなかった。
すなわち彼は魔法使いではないが、魔力を生まれ持っているため、この石を使って疑似的な魔法を使える、ということだろう。
「これには水の精が宿っている。石に魔力を込めれば、水中を自在に泳げたり、周囲の水をある程度操ったりすることが出来るんだ。まともに機能する精霊石は稀で、こんなに小さなものでもすごく希少なんだ。俺はこの石を使って、湖に潜っていた。ただし、加減が難しいんだけどな」
「そしてお前はそれで加減を誤って、湖底神殿からの脱出に失敗したわけだな。危うく、おぼれ死ぬところだったと」
「え、ええ。まあ……」
「ウェイド。お前は確かに優秀だが、肝心なところでドジを踏む。……昔からそうだった」
懐かしむように、神父が言う。ウェイドは笑って頭を掻く。
「水を動かすっていうのも、確かにすごいけど……何よりこの石、とてもきれいですね」
依然、石に見惚れていたルミナがぽつりと言った。
「なんなら手に取ってじっくり見てみてもいいぞ」
「いいんですか?」
「ああ。安心していい。魔力を持ってない人間が触れても、何も起こりはしないから」
「ありがとうございます。じゃあ――、」
遠慮なく、と。
言って、差し出された精霊石に少女が触れた瞬間だった。
応接室の中を、瞬く間に青い光が包み込んだ。
カッ――と、爆発にも似た勢いで光が広がる。
三人とも、反射で瞼を閉じた。苛烈な光の照射。突然のことに驚くが、すぐに次の衝撃が襲った。
冷たい感触が、全身に降りかかる。
「――――!?」
光は止んだが、まだ目は開けられない。
水だ。
ポリバケツ一杯の水を思いっきり振りかけられたようだった。三人それぞれ、激しい水の噴射を正面から受けた。
すなわち、水の発生源は三人の中心――石だ。
ウェイドが石を差し出し、ルミナがそれを受取ろうとしたところ――そこを起点として、眩い光が発生し、次の瞬間には大量の水が溢れ出した。
「…………、ごほっ、ごほっ!」
幸い、水の噴射は光と同様にすぐに止まった。あまりの水の勢いのせいで咳き込んでいるのは、ウェイドと神父。彼らの全身、どころか応接室の中は水浸しだ。一体何が起こったのか、と目を見合わす男たち。
「……ル、ルミナ、大丈夫か?」
神父がそう言って隣を見やる。
ルミナがいない。
「な、なにっ?」
ソファの隣に座っていたはずの少女がいない。ハッとして、室内を見回す。――いた。
ルミナは、軽い体のせいか、水の勢いに押し負けてそのまま吹き飛ばされていたのだ。ソファから転げ落ち、背後の壁にぶつかったらしい。ずぶぬれになった少女が、壁際で横たわっている。
「う、ううぅ……、ん……」
頭でも打ってしまったか。少女は、くらくらと目を回していた。
「ルミナ!」
神父は急いで少女のもとに駆け寄る。幸い、怪我はなさそうだ。
ウェイドはその場で呆然としていた。まだ手に載ったままの精霊石に視線を向ける。あの少女が触れた瞬間、まるで精霊石が暴走したかのように多量の水が発生した。
……あり得ない。
精霊石を使って行えるのは、せいぜい簡易的な魔法。周囲にある水を少量操ることはできても、何もないところから水を生み出すことはできない。ましてや今ほどの多量の水を……。
そんなことは、精霊との本契約を行った魔法使いのみが起こせる奇蹟の術――すなわち、紛い物ではない本物の魔法。
この少女が、それを起こしたのか。
唖然とする、レギオン所属の特務官ウェイド。彼が手にする紺碧の石は、まだわずかに発光の余韻を残していた。
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