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家族になろうよ

俺にできることは

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 気持ちがモヤモヤしたままで自分にできることを考えながら昨日の服屋へむかった。


「こんにちわ。」

「おお、よく来たな。待っていたぞ。」

 俺が挨拶をすると快く迎えてくれた。
 心のモヤモヤはまだ晴れていないが気持ちを切り替える。

「昨日お前が帰って気付いたがまだ名前を聞いてなかったな。俺の名前はザックだ。お前の名前を教えてくれ。」

「そうでしたね、失礼しました。私の名前はコウです。」

「コウっていうのか。お前のおかげでいい取引ができた。ありがとう。」

「いえ、私はいい取引をして貰ったので。ザックさんもいい取引ができたのならよかったです。」

 やっぱり取引はWinWinの関係がベストである。
 今後の関係のためにも、ザックがいい取引ができたのならよかった。

「ああ、お前のおかげで稼がせて貰った。それでな、もう少し報酬をと思ってるんだが何か欲しい物はあるか?」

 欲しい物、欲しい物はいっぱいある。
 自分の物もそうだし、ちびっこの服等もどうにかしてやりたい。
 ここで服を貰ってしまったらそこで終わってしまい、追加で買う時のお金に困るだろう。
 今後のことも考えるなら1つしかない。

「ザックさん、もし追加で報酬をと考えているなら、私に裁縫を教えていただけないですか。」

 俺がそう言うと、その答えは予想外だったようで、頭にハテナが浮かんでいた。

「洋服作りに興味があるので、店が終わった後とかにでもいいので裁縫を教えて貰えませんか?」

「洋服作りにか、、、コウは洋服屋になるつもりか?」

「いいえ、違います。ただ自分の服を作ったりできればと思い勉強したかっただけですよ。」

「わかった、それくらいなら任せておけ。そうだな、明日が闇の日だから明後日の火の日、土の日、光の日の閉店後に教えてやるから来い。」

 この世界の曜日は火の日、水の日、土の日、風の日、光の日、闇の日の6日で1週間となる。そして闇の日が休みとなっている。

「ありがとうございます。それでは明後日からよろしくお願いします。何か必要な物はありますか?」

「必要な物はこっちで準備してやるからなにも持ってこなくていいぞ。」

「ありがとうございます。それではまた明後日お願いします。」

 そう言って店を後にした。
 これで生産系の第一歩を踏み出す目処がたった。
 最終的には自分で全て作ってみたい。
 それがこの世界での1つ目の目標である。

 とりあえずこの後はまだジルとの約束には時間がある。
 これからの住居をどうするかという問題を解決するため、賃貸物件を見に行くことにした。
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