〔完結〕アプリ連動体重計を買った。アラフィフがダイエットを始めて半年で15キロ痩せたのに誰も「痩せたね」って言ってくれない。

ちょこぼーらー

文字の大きさ
上 下
7 / 18

7 痩身エステ

しおりを挟む
 痩身エステサロン、体験の日。

 はじめてのお店だけど、駅からすぐで分かりやすい場所にあった。

 受付を済ませてサロンの中に入ると……あっつ…。

 めちゃめちゃ暖房が効いている。
 サロンのお姉さんによると、どうやらとにかく汗を出させるということらしい。

 更衣室で紙ブラと紙ショーツになっていざ、計測!
 当然ながら最初に体重を量るのだけれど、体重だけじゃなくて、体脂肪率やら脂肪量、肉質?、筋肉量なども測る体組成計というものらしい。

 ん?
 てことは家にあるのもその体組成計ってやつか。

 そして……。

 76.5キロ!

 ちょっと減ってる!
 あっ、違う……。服の分か……。


 お次は経絡チェック。
 手首だの足首だのにセンサー?を当てて内蔵具合なんかがわかるらしい。……よくわからん。東洋医学って言っていたからツボとかなのかな?


 その後顔マッサージのコロコロみたいな器具で身体のあちこちをコロコロ…。マイナスイオン導入で身体が痩せやすくなる……ほんと!?
 コロコロコロコロコロコロコロコロ……

 サロンの中が暖かいから、すでにうっすら汗が……。

「じゃあこのブラシを持って下さい」

「?」

 ブラシ部分が手の平くらいある細かい毛のブラシを渡される。
 タワシほどではないけれど、結構ゴワゴワしている。

「はい、構えて~。ブラッシュ体操いきますよー。
 はい!いーち!にーい!真似してくださいね~」

「!??」

「大きな声で数数えてくださいね~」

「い、い~ち、に~い」

 突然、ブラシを使った体操が始まったけど、このブラシ、お肌に優しくない。

 脚を上から足首に、内腿を通って下から上へと往復10回。みぎひだり。
 おへその周りを踵の上げ下ろしをしながら10回……もう、すでに疲れ……。

 脇腹からお腹の中心にみぎひだり。
 お胸の周りをみぎひだり。
 お胸の中心も上下に10回。
 腕を振りながらブラッシング往復10回みぎひだり。
 お尻の周りをみぎひだり。
 背中を下から上へ上へ……手が届かないぃい~っ。
 僧帽筋を背中側から肩甲骨へみぎひだり……。

 もう…無理……。ハア、ハア……。

 これは、あれかな?
 乾布摩擦的な?

 ブラシのゴワゴワや全身ブラッシングはともかく、踵の上下がきっつい!!
 あと、声出して数を数えるのは有酸素運動的な?ハア…ハア…。汗が…。

「はい、じゃあタオルとブラシを持って、遠赤BOX行きましょう」

 サロンのお姉さんにタオルを渡されて案内されたのは、サロンの隅にある小さな部屋…というより箱。試着室より狭い箱の中には人ひとりが座れるようになっている。これは…あれだ。
 サウナだね。

「はいこのお湯の中には温まる漢方成分が入っていますので、足を入れてくださいね~。熱すぎないですか?じゃあ今日は体験なので、5分くらい頑張りましょうか」

 バタン。
 閉められた。

 ここに入っただけですでにちょっとキツイのに、更に足湯とか…!いや、足湯はとっても気持ちいいんだけど。黄緑色の入浴剤的なものがたっぷり入ったお湯に足を浸けつつ5分とか…。本来のおコースだとこのサウナ……遠赤BOX?は10分間らしい。頭の辺りにあるスピーカーから有線らしき懐メロが流れていて、少しは気が紛れるけれども……ハア、ハア……。瞑想する?

 そういえば「気になるところにブラッシングしてくださいね」って言われてブラシ持たされたままだった……。
 お腹かな。ブラッシング…ごしごし。
 お肌に優しくないな……。揉むか。
 モミモミモミモミ……。

 小部屋がサウナっているせいか、腋の下や太腿が冷たい。いや、手の温度が上がっているのか……。

 すでに頭からだらだらと汗が流れ落ちている。
 きっつい!

 でも、確かにこれは痩せそうだ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百物語 厄災

嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。 小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

HAPPY CITIZENの生活

藤和
ライト文芸
街の大通りからちょっと入ったところにある僕のお店。 いろんなお客さんが来てくれる。 そんな毎日はとってもHAPPY。

カフェの住人あるいは代弁者

大西啓太
ライト文芸
大仰なあらすじやストーリーは全く必要ない。ただ詩を書いていくだけ。

名も知らぬ人

原口源太郎
ライト文芸
海で出会った男に晴菜は恋をした。名前も何をしているのかも知らない人。いつ会えるのかもわからない人。晴菜のその人に対する想いは少しずつ強くなっていく。一方、同じころ、晴菜の父は取引先の会社の御曹司と晴菜とのお見合いの話を断り切れずに受けてしまっていた。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

看取り人

織部
ライト文芸
 宗介は、末期癌患者が最後を迎える場所、ホスピスのベッドに横たわり、いずれ訪れるであろう最後の時が来るのを待っていた。 後悔はない。そして訪れる人もいない。そんな中、彼が唯一の心残りは心の底で今も疼く若かりし頃の思い出、そして最愛の人のこと。  そんな時、彼の元に1人の少年が訪れる。 「僕は、看取り人です。貴方と最後の時を過ごすために参りました」  これは看取り人と宗介の最後の数時間の語らいの話し

衝突惑星

不思議の国のアリス代表悪夢様
ライト文芸
ここは99XX年。2年前から太陽が地球に衝突することがわかって地球に太陽が衝突するまでのお話。

処理中です...