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第四話 「 戴首飾 」
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「つけてあげるね。」
うれしい・・・!あぁ、ほんとうに首輪をつけてもらえる日がくるなんて。きもちいい、ここちいい、陶酔がこちらに向かって手招きをしている。
「後ろ向いた方がいい?その方が付けやすい…?」
「いや、このままでいい。つけるところ前から見てたいから。」
あなたも付けたがってたもんね、首輪。うれしいな。表情がほころぶ。
カチャッ。黒いベルトの穴にピンが通されて固定される。
「わぁ、すごいね。いいよ、かわいい。」
太めのベルトが頸部に若干の圧迫感を与える。しかしそれさえも気持ちを昂ぶらせて仕方がない。“あなたのもの”になった実感がする。手中に納まり支配される。征服欲を満たす行為が、あなたを興奮させている。瞳孔が開き、見据えられている。
いつの日だったか、王位や帝位への就任を宣明する戴冠式の絵画を歴史の教科書で見たことを記憶している。聖職者から授けられる王冠を、跪いてその身に授かる。神聖なものに思えた。私の中で首飾を授かることは、すなわち戴冠式のようなものに思えた。何人も侵せぬ二人の世界で、二人だけの儀式。
うれしい・・・!あぁ、ほんとうに首輪をつけてもらえる日がくるなんて。きもちいい、ここちいい、陶酔がこちらに向かって手招きをしている。
「後ろ向いた方がいい?その方が付けやすい…?」
「いや、このままでいい。つけるところ前から見てたいから。」
あなたも付けたがってたもんね、首輪。うれしいな。表情がほころぶ。
カチャッ。黒いベルトの穴にピンが通されて固定される。
「わぁ、すごいね。いいよ、かわいい。」
太めのベルトが頸部に若干の圧迫感を与える。しかしそれさえも気持ちを昂ぶらせて仕方がない。“あなたのもの”になった実感がする。手中に納まり支配される。征服欲を満たす行為が、あなたを興奮させている。瞳孔が開き、見据えられている。
いつの日だったか、王位や帝位への就任を宣明する戴冠式の絵画を歴史の教科書で見たことを記憶している。聖職者から授けられる王冠を、跪いてその身に授かる。神聖なものに思えた。私の中で首飾を授かることは、すなわち戴冠式のようなものに思えた。何人も侵せぬ二人の世界で、二人だけの儀式。
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