民間企業と社員。様々な働く人間たち

優しすぎる男

優れた人格者
その男、とにかく優しい人間である。
仕事をする人間にとって避けては通れないのが上司との人間関係である。
部下の事を思いやり、部下が不満を抱かない上司と言うのは少ないものである。
その男の上司は【部下の手柄は上司の手柄、部下の失敗は知らん顔】と言う人間である。指示も端で聞いていても理不尽なものが多く、ストレスが貯まるのは想像に難くない状態が続いている。
しかし、その男は不平不満を口にすることなく、行動が荒れることなく日々の業務を淡々とこなしている。
 
ある日一人の男がこう尋ねた。
「あなたは何故そのような理不尽な指示命令に従う事が出来るのか」と。
その男は淡々と答えた。
「仕事だからというのもあるが、指示命令だけでその人のすべてを否定するのは了見が狭いのではないかと思う」
 
その時に仕事の指示だけでその人のすべてを否定しきてきた男は目からうろこが落ちる思いがした。