95 / 128
8
しおりを挟む(……まぁ~元はと言えば白丸のせいだしぃ。イグアナくんは操られてるけど俺にはどうにもできないしぃ。そうだそうだ!別に俺のせいでこうなってるんじゃないもんね!)
そう思い込んでみると、期待の方がむくむくと大きくなってくる。しかし最下層にある真っ黒な罪悪感というのは、どんなに薄くなっても決して消えることはない。本当にこのまま流れに身を任せていいのだろうか?過去の記憶に縛られ、あれほどサラには頑なに手を出さなかった自分がこんなにあっさりと身を投じたら、それこそ本当に大事なモノを殺すことになるのではないだろうか?
しかしぐるぐると悩む間もなく、天音がペニスにくちびるを近づけるのを見て、思わずアイアンクローのようにガッと顔をつかんだ。
「ちょっ……」
「な、な、なな、舐め……ナメナメするの?」
「うん」
「そ、それはちょっと……は、恥ずかしいなあ」
「何が恥ずかしいの?てゆーか君に羞恥心なんてあったの?」
「俺は羞恥心のかたまりぞ!」
「はあ?意味わかんない」
「ふ、風呂も入ってないし……」
「僕もだよ」
強引にハルヒコの手を外すとそのままその手を押さえつけ、先ほどぶどう味のアイスキャンディーを咥えていたくちびるを、硬くなった肉棒の先端に再び寄せていった。……そのときだ。
「おーい天音ー、起きてる?」
あまり意味のないノックのあと、すぐにユニフォーム姿の耀介が差し入れらしき袋を提げて入ってきた。ほとんど裸の男ふたりが密着し、天音がベッドの上でギンギンに勃起したハルヒコのペニスを、今まさにしゃぶらんとしていたところだ。ハルヒコが鼻水を噴き出し、耀介はその光景を目にして固まった。
「……え?」
「あ、よーすけおかえりー」
「おい!お前!クロザル!!急に入ってくんなよ!!」
「……あ、あぁ、悪い……な……」
茫然自失となりかけるが、それでも状況を即座に「彼なりに」整理したのか、引きつった妙な笑みを浮かべるとすぐに扉を閉めようとした。しかしハルヒコは下着も履かぬまますぐにベッドから降り、閉まる直前のドアを引き戻した。
「待て、お前が今見たものは誤解だ」
「あ、あそう」
「あそうじゃない!」
「よくわかんねえけど、邪魔して悪かったな。じゃ」
そのまま立ち去っていく耀介の腕を掴み、「待て!これは呪いのせいなんだ!」と訴える。すると耀介はバッとその手を振り払い、異質なものを見るような目でハルヒコをまじまじと眺めると、脱兎のごとく走り出した。
「こら待て!」
「う、うわあぁぁぁ!!おい何で追っかけてくんだよ!!ていうかパンツ履けよ!!」
「お前が逃げるせいだろ?!なぜ逃げる!!逃げられると追いかけたくなるのを知ってるだろう!!」
「知らねえーよ!こっちくんな!!」
「待てよクロザルくうん!話し合おうじゃないか!話し合おうじゃないか!!」
「何をだよ?!くそっ……」
突如耀介が立ち止まって後ろを振り返ると、ハルヒコも急ブレーキをかけて廊下をズサーッと滑りながら止まる。すると間髪入れず耀介がハルヒコの右袖と左の襟元をつかみ、右の膝裏に自分の左脚を掛けると、大外刈りで床に叩きつけ、再びそこから遁走していった。
「くっ……うぐぅ……何だあのクソザル……」
下半身を丸出しにしてピクピクと廊下に仰向けになっていると、いつもこういうときに限って通りすがる芳賀に見つかり、「何してんだ君!!また裸で出歩いたな?!起きろ!!」と怒鳴られ、そのまま襟首をつかまれてずるずる引っぱられ、部屋の前に捨て置かれた。すると「おかえり!」とドアが開き、食虫植物に喰われる羽虫のごとく、抵抗する間もなく天音によって部屋に引き戻されていった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる