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(……まぁ~元はと言えば白丸のせいだしぃ。イグアナくんは操られてるけど俺にはどうにもできないしぃ。そうだそうだ!別に俺のせいでこうなってるんじゃないもんね!)

そう思い込んでみると、期待の方がむくむくと大きくなってくる。しかし最下層にある真っ黒な罪悪感というのは、どんなに薄くなっても決して消えることはない。本当にこのまま流れに身を任せていいのだろうか?過去の記憶に縛られ、あれほどサラには頑なに手を出さなかった自分がこんなにあっさりと身を投じたら、それこそ本当に大事なモノを殺すことになるのではないだろうか?


しかしぐるぐると悩む間もなく、天音がペニスにくちびるを近づけるのを見て、思わずアイアンクローのようにガッと顔をつかんだ。

「ちょっ……」

「な、な、なな、舐め……ナメナメするの?」

「うん」

「そ、それはちょっと……は、恥ずかしいなあ」

「何が恥ずかしいの?てゆーか君に羞恥心なんてあったの?」

「俺は羞恥心のかたまりぞ!」

「はあ?意味わかんない」

「ふ、風呂も入ってないし……」

「僕もだよ」

強引にハルヒコの手を外すとそのままその手を押さえつけ、先ほどぶどう味のアイスキャンディーを咥えていたくちびるを、硬くなった肉棒の先端に再び寄せていった。……そのときだ。

「おーい天音ー、起きてる?」

あまり意味のないノックのあと、すぐにユニフォーム姿の耀介が差し入れらしき袋を提げて入ってきた。ほとんど裸の男ふたりが密着し、天音がベッドの上でギンギンに勃起したハルヒコのペニスを、今まさにしゃぶらんとしていたところだ。ハルヒコが鼻水を噴き出し、耀介はその光景を目にして固まった。

「……え?」

「あ、よーすけおかえりー」

「おい!お前!クロザル!!急に入ってくんなよ!!」

「……あ、あぁ、悪い……な……」

茫然自失となりかけるが、それでも状況を即座に「彼なりに」整理したのか、引きつった妙な笑みを浮かべるとすぐに扉を閉めようとした。しかしハルヒコは下着も履かぬまますぐにベッドから降り、閉まる直前のドアを引き戻した。

「待て、お前が今見たものは誤解だ」

「あ、あそう」

「あそうじゃない!」

「よくわかんねえけど、邪魔して悪かったな。じゃ」

そのまま立ち去っていく耀介の腕を掴み、「待て!これは呪いのせいなんだ!」と訴える。すると耀介はバッとその手を振り払い、異質なものを見るような目でハルヒコをまじまじと眺めると、脱兎のごとく走り出した。

「こら待て!」

「う、うわあぁぁぁ!!おい何で追っかけてくんだよ!!ていうかパンツ履けよ!!」

「お前が逃げるせいだろ?!なぜ逃げる!!逃げられると追いかけたくなるのを知ってるだろう!!」

「知らねえーよ!こっちくんな!!」

「待てよクロザルくうん!話し合おうじゃないか!話し合おうじゃないか!!」

「何をだよ?!くそっ……」

突如耀介が立ち止まって後ろを振り返ると、ハルヒコも急ブレーキをかけて廊下をズサーッと滑りながら止まる。すると間髪入れず耀介がハルヒコの右袖と左の襟元をつかみ、右の膝裏に自分の左脚を掛けると、大外刈りで床に叩きつけ、再びそこから遁走していった。

「くっ……うぐぅ……何だあのクソザル……」

下半身を丸出しにしてピクピクと廊下に仰向けになっていると、いつもこういうときに限って通りすがる芳賀に見つかり、「何してんだ君!!また裸で出歩いたな?!起きろ!!」と怒鳴られ、そのまま襟首をつかまれてずるずる引っぱられ、部屋の前に捨て置かれた。すると「おかえり!」とドアが開き、食虫植物に喰われる羽虫のごとく、抵抗する間もなく天音によって部屋に引き戻されていった。
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