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第一章 An Oracle Or Omen
吉凶―⑤―
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3月16日 午後10時17分 バンクーバー国際空港 滑走路付近
叩きつける様に開かれた車のドアの音によってチエの意識は強制的に覚醒させられた。
”ワールド・シェパード社”の犬耳兵士が、まるで製鉄工場で流れる溶鉄の様になった黒と白が、一斉に流れ込む。
人数は分からない。
性別も不明。
ただ、流動的で可視化された力の群れに戸惑うチエは、夢の中にいる幅広のミキと共に外へ引きずり出された。
轟音がチエの耳を襲い、同伴者を現実に引き戻す。
「ミキ、起きてよ!?」
チエは、冬と雨の寒さに震えながら、太った相方を大きく揺らした。
彼女の視界には、黒く煤の掛かったような曇天の夜空が広がる。
空の暗さに反して、煌びやかな旅客ターミナルの光に照らされる旅客機の胴体は、砂浜に打ち上げられた鯨を思わせた。
雨に濡れる切り揃えられた芝は、鯨のような旅客機から生じた風にその身を揺らされている。
チエの周囲を見渡すと、男女問わず風雨に晒され、芝の波の上に立たされている人影が、もう十人ほどいた。
どの顔も見覚えがあった。
だからこそ、彼らがここにいる状況を、彼女は理解できなかった。
繋がりのない光景に戸惑うチエの頭が、過回転を始めると共に、腹への鈍い痛みが蘇る。
痛みと共に、最後に見た人物が目に浮かんだ。
河上サキ。
高校生でありながら、傭兵志願者の集まるオラクル語学学校の留学生。
日本人で、十代で渡加したということもあって、他の生徒から愛されていたのを覚えている。
自分も彼女を愛でる一人だった。
それは、今目を覚まし、口を茫然と開けているミキも同じである。
しかし、その第一印象に、二人は裏切られた。
まず、流暢な英語の発音。
日本語らしさが全くない。
発音も考えながら言っているのか、現地人より遅く聞こえるが、意思疎通に支障をきたすものではない。
何より、ニュースを聞いて賛否両論も言え、自国文化に関しても造詣が深い。
チエとミキがどれだけ足掻いても、手に入れられなかったものだ。
チエたちは、労働休暇用の査証でカナダに滞在していた。
たまたま、現地で出会った時、山陰生まれだと知り、心寂しさから行動を共にしている。
同時に、日本の文化や職業慣行による生き辛さから海外に飛び出した動機も知ることになった。
チエとミキは意識が高い。
上昇志向も強い為、地元企業の日本型雇用――特に、男性と女性の性差――からの眼差しに耐えられなかった。
二人は高校を出て、地元企業に就職。
金を得る重要性は心得ていたが、仕事以外の余暇の埋め方を知らなかった。
もちろん、大学へ進学する資金も無いので、高等教育に触れる機会もない。
結果、自己と精神、両方の鍛錬の方法を現在も学べずにいた。
自分の精神を充実させられず、日々忙殺に追われる。
そんな彼女たちが傾倒するのは、SNSの様な脊髄反射で応えられる電子空間であることはある種、自然の帰結だった。
何より、内向的で刹那的。
部活、受験や試験の積み重ねが、社会の中で自分の力の一里塚を知る為の手段と捉えず、通過点としていただけ。
自己を肯定する力が弱く、常に人からの承認欲求に飢餓状態だった。
自分を投影できる手段への渇望も底なし沼。
更に言うと、その手段に至る道筋も漠然とし霧散する。
考えられず、弱い自分も傷つけられたくない。
救世主願望が年齢と共に、大きくなっていく。
彼女たちが、現実に叶わぬ願望を叶える手段は、女性向けのアニメ、女性向け漫画に女性向けゲーム――唯一残った、“女性“であることだけだった。
当然、自分の劣等感を引き起こす女性のいないものが中心だが、同性愛的な志向のある作品ばかりか、少年誌の漫画の人物同士に、そういう関係を馳せる嗜好にも染めた。
しかしながら、趣味に傾倒するチエとミキには、教養が致命的にも欠けていた。
『この世にあるものが、自分を受け入れてくれるものばかりでは無いことを知る』に足る知性が生まれる余地は皆無。
彼女たちの不寛容が、他人の好きなものへの攻撃衝動に転化するのに時間はかからなかった。
自分の好きなものは至上。
自分が受け入れられないものは異端。
自分たちに降りかかる異端信奉者の理不尽は、自分たちを含めた全ての女性への暴力。
興味のないアニメや漫画を支持する人たち全てが、自分の敵。
自らの育まれた環境は歪曲されたもので、陰謀論に近い被害者意識も振りかざした。
当然、教養、知性、鋭敏な感覚のある者から反撃を食らう。
だから、反撃に抗った。
彼女たちに情けは無い。
されど、性差も加減もない応酬が続く電脳空間に安寧は愚か、終息も来ない。
彼女たちは戦いと言ったが、他人の血と自分の血が飛び交うものとは異なる。
彼女たちの戦いは、自分で傷口を広げたモノ――女性性――から出る血を見せつけることを指していた。
他人にとっては、独り相撲でしかない。
彼女たちの持つ意識の高さは、日常生活の上では“砂上の楼閣“にしかならない。
自分の肉体すらも滅ぼしかねない、明日なき暴走への光明は海外文化だった。
日本以外のドラマ、映画に俳優。
彼らの存在する世界が、いつしか自分たちの求めているものだと妄信を始めた。
性差が相対的に少なく見える場所が、彼女たちの理想郷だと信じるようになった。
だが、電脳空間と現実は違う。
生活に必要なお金を得ることが必要と受け入れる程度の客観性を、ある程度、彼女たちは持ち合わせていた。
だから、日本を出ることを目指した。
考古学的に「何で旅をするのか?」という問いは、もはや死語と言われている。
何故なら、旅に出られるから旅に出るのだ。
手段は、船、飛行機にお金である。
言葉は後で何とでもなる。
驚くほど、チエとミキの考えは似ていた。
だが、渡加してから、二人は壁に直面する。
それを乗り越える手段は愚か、壊す術も見つけられなかった。
意思疎通能力は低く、教養もない。
しかし、経済資本は、二人の懸念を他所にみるみる内に摩耗していった。
このカナダ、バンクーバーは特に、東洋系――日本人――が多い、語学留学の初心者向けの場所として知られている。
労働休暇の二人が出来るのは、日本語の使える日本料理店など、日本人の通う店の手伝いだけだった。
しかも、二人のいた店は英語圏であるのを良いことに、男女問わず日本人従業員が給仕中に、非日本語圏の客の前で、下半身系の話題を従業員同士が雑談し合う様な場所だった。
全世界的規模に展開する珈琲店で働くのに必要な英語力を、彼女たちは残念ながら持ち得なかった。
語学学校で英語を学んでいたが、彼女たちはその落とし穴も見逃していた。
英語の語学学校は、元来英語が母国語でない者向けである。
出来る人脈も、南米系や中東系……そして、東南アジア系、中国系か韓国系の非英語圏しかいない。
基本、彼女たちが必要とする英語を学ぶだけなら、日本で展開されている個人教室、高校の外国語補助教員か、国内の自治体で雇われている英語圏からの国際交流員との交流で足りる水準だった。
もし、彼女たちがこの矛盾に気付ける知性があるなら、この結果をこう評せたであろう。
安物買いの銭失い。
水は何を足しても水でしかないし、零を加減乗除することの行為に何の意味があると言うのか。
ただ、彼女たちの人間関係資本で、無教養の頭数が増えるだけだった。
学ぶ方法を誤った。
このことに、焦るほどの精神状態にあったのは、彼女たちの救いだったのかもしれない。
彼女たちの目的は、理想郷を求めることから何かを得ることに変わった。
”ウィッカー・マン”防衛任務は、そんな起死回生の一手だった。
英語を学びながら、専用の銃器を、ただ人間外の物へ向ける。
東南アジアやハワイの観光地で、金を払えば銃が撃てるのと同じだ。
しかも、的が動いている人類の敵というおまけ付きだ。
自分たちを馬鹿にした人たちへの勲章ともなり得る。
その為の勉強として英語も頑張った。
”ウィッカー・マン”防衛とは名ばかりの、ただ、うろつく何かへ銃を向けるだけの簡単な仕事をしただけで、帰国した時の名誉を得られるのは大きかった。
更にいうと、日本へ帰ることなく、カナダにいることも出来る可能性も意味をしていた。
叩きつける様に開かれた車のドアの音によってチエの意識は強制的に覚醒させられた。
”ワールド・シェパード社”の犬耳兵士が、まるで製鉄工場で流れる溶鉄の様になった黒と白が、一斉に流れ込む。
人数は分からない。
性別も不明。
ただ、流動的で可視化された力の群れに戸惑うチエは、夢の中にいる幅広のミキと共に外へ引きずり出された。
轟音がチエの耳を襲い、同伴者を現実に引き戻す。
「ミキ、起きてよ!?」
チエは、冬と雨の寒さに震えながら、太った相方を大きく揺らした。
彼女の視界には、黒く煤の掛かったような曇天の夜空が広がる。
空の暗さに反して、煌びやかな旅客ターミナルの光に照らされる旅客機の胴体は、砂浜に打ち上げられた鯨を思わせた。
雨に濡れる切り揃えられた芝は、鯨のような旅客機から生じた風にその身を揺らされている。
チエの周囲を見渡すと、男女問わず風雨に晒され、芝の波の上に立たされている人影が、もう十人ほどいた。
どの顔も見覚えがあった。
だからこそ、彼らがここにいる状況を、彼女は理解できなかった。
繋がりのない光景に戸惑うチエの頭が、過回転を始めると共に、腹への鈍い痛みが蘇る。
痛みと共に、最後に見た人物が目に浮かんだ。
河上サキ。
高校生でありながら、傭兵志願者の集まるオラクル語学学校の留学生。
日本人で、十代で渡加したということもあって、他の生徒から愛されていたのを覚えている。
自分も彼女を愛でる一人だった。
それは、今目を覚まし、口を茫然と開けているミキも同じである。
しかし、その第一印象に、二人は裏切られた。
まず、流暢な英語の発音。
日本語らしさが全くない。
発音も考えながら言っているのか、現地人より遅く聞こえるが、意思疎通に支障をきたすものではない。
何より、ニュースを聞いて賛否両論も言え、自国文化に関しても造詣が深い。
チエとミキがどれだけ足掻いても、手に入れられなかったものだ。
チエたちは、労働休暇用の査証でカナダに滞在していた。
たまたま、現地で出会った時、山陰生まれだと知り、心寂しさから行動を共にしている。
同時に、日本の文化や職業慣行による生き辛さから海外に飛び出した動機も知ることになった。
チエとミキは意識が高い。
上昇志向も強い為、地元企業の日本型雇用――特に、男性と女性の性差――からの眼差しに耐えられなかった。
二人は高校を出て、地元企業に就職。
金を得る重要性は心得ていたが、仕事以外の余暇の埋め方を知らなかった。
もちろん、大学へ進学する資金も無いので、高等教育に触れる機会もない。
結果、自己と精神、両方の鍛錬の方法を現在も学べずにいた。
自分の精神を充実させられず、日々忙殺に追われる。
そんな彼女たちが傾倒するのは、SNSの様な脊髄反射で応えられる電子空間であることはある種、自然の帰結だった。
何より、内向的で刹那的。
部活、受験や試験の積み重ねが、社会の中で自分の力の一里塚を知る為の手段と捉えず、通過点としていただけ。
自己を肯定する力が弱く、常に人からの承認欲求に飢餓状態だった。
自分を投影できる手段への渇望も底なし沼。
更に言うと、その手段に至る道筋も漠然とし霧散する。
考えられず、弱い自分も傷つけられたくない。
救世主願望が年齢と共に、大きくなっていく。
彼女たちが、現実に叶わぬ願望を叶える手段は、女性向けのアニメ、女性向け漫画に女性向けゲーム――唯一残った、“女性“であることだけだった。
当然、自分の劣等感を引き起こす女性のいないものが中心だが、同性愛的な志向のある作品ばかりか、少年誌の漫画の人物同士に、そういう関係を馳せる嗜好にも染めた。
しかしながら、趣味に傾倒するチエとミキには、教養が致命的にも欠けていた。
『この世にあるものが、自分を受け入れてくれるものばかりでは無いことを知る』に足る知性が生まれる余地は皆無。
彼女たちの不寛容が、他人の好きなものへの攻撃衝動に転化するのに時間はかからなかった。
自分の好きなものは至上。
自分が受け入れられないものは異端。
自分たちに降りかかる異端信奉者の理不尽は、自分たちを含めた全ての女性への暴力。
興味のないアニメや漫画を支持する人たち全てが、自分の敵。
自らの育まれた環境は歪曲されたもので、陰謀論に近い被害者意識も振りかざした。
当然、教養、知性、鋭敏な感覚のある者から反撃を食らう。
だから、反撃に抗った。
彼女たちに情けは無い。
されど、性差も加減もない応酬が続く電脳空間に安寧は愚か、終息も来ない。
彼女たちは戦いと言ったが、他人の血と自分の血が飛び交うものとは異なる。
彼女たちの戦いは、自分で傷口を広げたモノ――女性性――から出る血を見せつけることを指していた。
他人にとっては、独り相撲でしかない。
彼女たちの持つ意識の高さは、日常生活の上では“砂上の楼閣“にしかならない。
自分の肉体すらも滅ぼしかねない、明日なき暴走への光明は海外文化だった。
日本以外のドラマ、映画に俳優。
彼らの存在する世界が、いつしか自分たちの求めているものだと妄信を始めた。
性差が相対的に少なく見える場所が、彼女たちの理想郷だと信じるようになった。
だが、電脳空間と現実は違う。
生活に必要なお金を得ることが必要と受け入れる程度の客観性を、ある程度、彼女たちは持ち合わせていた。
だから、日本を出ることを目指した。
考古学的に「何で旅をするのか?」という問いは、もはや死語と言われている。
何故なら、旅に出られるから旅に出るのだ。
手段は、船、飛行機にお金である。
言葉は後で何とでもなる。
驚くほど、チエとミキの考えは似ていた。
だが、渡加してから、二人は壁に直面する。
それを乗り越える手段は愚か、壊す術も見つけられなかった。
意思疎通能力は低く、教養もない。
しかし、経済資本は、二人の懸念を他所にみるみる内に摩耗していった。
このカナダ、バンクーバーは特に、東洋系――日本人――が多い、語学留学の初心者向けの場所として知られている。
労働休暇の二人が出来るのは、日本語の使える日本料理店など、日本人の通う店の手伝いだけだった。
しかも、二人のいた店は英語圏であるのを良いことに、男女問わず日本人従業員が給仕中に、非日本語圏の客の前で、下半身系の話題を従業員同士が雑談し合う様な場所だった。
全世界的規模に展開する珈琲店で働くのに必要な英語力を、彼女たちは残念ながら持ち得なかった。
語学学校で英語を学んでいたが、彼女たちはその落とし穴も見逃していた。
英語の語学学校は、元来英語が母国語でない者向けである。
出来る人脈も、南米系や中東系……そして、東南アジア系、中国系か韓国系の非英語圏しかいない。
基本、彼女たちが必要とする英語を学ぶだけなら、日本で展開されている個人教室、高校の外国語補助教員か、国内の自治体で雇われている英語圏からの国際交流員との交流で足りる水準だった。
もし、彼女たちがこの矛盾に気付ける知性があるなら、この結果をこう評せたであろう。
安物買いの銭失い。
水は何を足しても水でしかないし、零を加減乗除することの行為に何の意味があると言うのか。
ただ、彼女たちの人間関係資本で、無教養の頭数が増えるだけだった。
学ぶ方法を誤った。
このことに、焦るほどの精神状態にあったのは、彼女たちの救いだったのかもしれない。
彼女たちの目的は、理想郷を求めることから何かを得ることに変わった。
”ウィッカー・マン”防衛任務は、そんな起死回生の一手だった。
英語を学びながら、専用の銃器を、ただ人間外の物へ向ける。
東南アジアやハワイの観光地で、金を払えば銃が撃てるのと同じだ。
しかも、的が動いている人類の敵というおまけ付きだ。
自分たちを馬鹿にした人たちへの勲章ともなり得る。
その為の勉強として英語も頑張った。
”ウィッカー・マン”防衛とは名ばかりの、ただ、うろつく何かへ銃を向けるだけの簡単な仕事をしただけで、帰国した時の名誉を得られるのは大きかった。
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