43 / 136
第四章 A Night For The Knives
刃夜―⑤―
しおりを挟む
午後8時17分 西ヘイスティング通り
『アメリカ政府が絡んでいるだと……全くあの国は、左右関係なく、物事をややこしくする』
エリザベスのぼやきが、ブルースの携帯通信端末の受話器から聞こえる。
ロックから数分前に送られた情報を見て、エリザベスからの着信がブルースの携帯通話端末に届いた。
「正確には、そこの軍産複合体が。”ワールド・シェパード社”や“ホステル“の対応にも追われているのに」
『使えるものは使うというが、“使った”後のことを全く考えないのがアイツ等らしい』
スピーカー越しからのエリザベスのオチに、ブルースは大きく笑った。
「使った後か、こっちも耳が痛いな……」
『耳よりも、今現在、頭の痛いことの対応を優先しろ。状況は?』
エリザベスに促されながら、頭痛の元凶を見つめる。
赤と青の光が、雨に覆われたビル街の一角で散乱。
二色の光の大本である、警察車両の警告灯はビルの中で一際突き出た、大槌の様な陰影を浮かべる。
ハーバーセンタービル。
円盤型の展望台は、360度回転するレストランで、西海岸の山々を楽しみながらの食事が出来、気象によっては、隣国も国境線なしで一望出来る場所だ。
90年代のITブームの象徴にして、地元の大学という二つの顔を持つ。
だが、それはあくまで、地表から見える一面に過ぎない。
目に見えない地下には、”ブライトン・ロック社”が資金援助をしている研究施設が人知れず存在していた。
企業で研究を行う場合、どうしても利益が優先となる。
必然的に、そう言った方向に舵が取られるので、”ウィッカー・マン”の解明というよりは、“殲滅“が主軸となり、殲滅方法を巡った営利競争が起きてしまう。
純粋に利害を超え、未来に向けた建設的な研究が出来る大学に”ブライトン・ロック社”は研究の許可を出しているのだ。
しかし、やることは”ウィッカー・マン”の残骸の分析やUNTOLD関係で亡くなった者の検視に限られていたが。
今回の出来事で命を落としたキャニス、首無し騎士に入っていた男も、その場所に保管されている。
ブルースが、仲間のキャニスの遺体の対応について、協議をしようと施設へ連絡したが通じなかった。
その後、ナオトから『ハーバーセンタービルで話したいことがある』という連絡を受ける。
ブルースは、警察の赤と青の警告灯で彩られた、ハーバーセンタービルの花祭を眺めるに至っていた。
「結論から言うと、何かあるか何もないかと言われれば、前者と考えた方が良い」
警察官との話を終えたナオトが、雨の下、ブルースに向かって来る。
右手の携帯通信端末を、銀色の鎧を纏う”ワールド・シェパード社”の専務に渡すと、
「そちらの研究員の親類が、連絡のつかないことを不審に思って、関係者同士の連絡を取り合ったら――」
ナオトが受話器越しに、エリザベスに状況を話し始めた。
短文投稿サイトの様なSNSなど媒体を問わず、職場の情報を公開してはいけないことは、情報管理として当然、徹底させている。
だが、人間関係まではそうはいかない。
労務管理がある以上、生活基盤は無視できないからだ。
ナオトから携帯通信端末を返され、
『人の口に戸は建てられない。結婚や交際の自由も……仕事に支障が無い限り、否定できんからな』
端末の向こうでエリザベスが鼻を鳴らすと、ブルースは端末を切る断りを入れた。
隣のナオトともに、警察官の集まる場所へ向かう。
背広の上に市警のマークの入ったジャケットを纏った男性が、ブルース達を出迎えた。
「ナオトさん、ブルース=バルトさん。レイナーズと言います。ミシェル=ジョアン=レイナーズ。警部です」
「ブルースで良い。レイナーズ警部」
右手で握手を交わし、レイナーズが戸惑いながら、
「ナオトさん。この方が……」
「鍵を開けてくれる人物だ」
ナオトに紹介されたブルースは警部に向かって、愛嬌の瞬きを見せた。
「多様性の範囲は、鍵の選択も例外ではありません」
レイナーズは、ブルース達を見て大きく笑う。
雨に濡れた焦げ茶色の髪が、ビルのネオンと警告灯の明かりで映えていた。
体は、自分とナオトの中間位の背であるが、現場を活動するに足るガタイの良さが、自分と知り合いの東洋人に比べて引き立っている。
「鍵の選択として、自分を認めてくれたことに感謝する。レイナーズ警部」
ブルースも、笑顔で返した。
警察が、得体も知れない海外の勢力と共に、”ウィッカー・マン”と戦うことに拒否感を示す者は多い。
だが、何人かは、”ワールド・シェパード社”との協力関係が欠かせないことも理解していた。
レイナーズ警部は、”ワールド・シェパード社”内の少数派であるナオトを選んだ様だが、ブルースの視線に気づいて、
「あくまで、街を守るための選択肢です。最善と言われるものを取るか、引き出すための」
「それで、十分だ。応援は――」
「必要なし。ナオトさんとブルースさんが、事態を確認してから、ですね」
そのあとに続く言葉をレイナーズに言われ、ブルースは面食らった。
「必要事項の確認はある程度済ませているよ、ブルース。問題は……」
「暗証番号を知っているか、だけです。知らなかったら、後ろに手を回して這いつかせ、取調室で行政機関ブレンドの珈琲責めに合わせます」
レイナーズの皮肉に、ブルースは肩を竦めて、ハーバーセンターの入口へ向かう。
ハーバーセンタービルのドアを開けると、大学内の図書館がブルース達三人を出迎えた。
「図書館ですか……?」
夜の帳が降りる午後5時に閉まる為か、教育機関に通う者達の醸し出す、独特の喧騒は無い。
「人の活動を律し、意思を決定づけるのは、何時だって言葉と文字と本だ」
ブルースは鍵を、胡乱な顔と神妙な顔もちをしているレイナーズとナオトの前で開けた。
扉を開けて、静寂に包まれた図書館を進み、ブルースはルネッサンス期の文学の本棚に止まる。
ブルースが取り出した本を見たナオトは、
「ダンテの“神曲”……ブルース、それ好きなんだ」
「家内が好きです。イタリア関係の文学……特に、ルネッサンス期は煩いですよ?」
ナオトは大学時代、レイナーズは新婚旅行という、それぞれのイタリア旅行の話を背に、ブルースは“神曲”のページを開く。
そのページは、地獄篇の“第三歌“。
憂いの国に行かんとするものはわれを潜れ
永劫の呵責に遭わんとするものはわれをくぐれ
破滅の人に伍せんとするものはわれをくぐれ
正義は高き主を動かし、
神威は、最上智は、
原初の愛は、われを作る。
我前に創られし物なし、
ただ無窮あり、われは無窮に続くものなり。
われを過ぎんとする物は、一切の望みをすてよ
ブルースが暗唱し終えると、機械音が響いた。
目の前の本棚が、振動し、左へ滑る。
本棚のあった場所には、鉄の扉。
ナオトとレイナーズが息を呑んでいるのを横目に、ブルースは鉄の扉を開けた。
奥には、更に同じ素材の扉がもう一つ佇む。
ブルースは、その隣にあった液晶受視機台の鍵盤を叩いて出た画面を一瞥して、
「レイナーズ警部。人が出入りをした場合、ここのコンピューターから記録が発信され、関係者に送られる。つまり俺たちに。しかし、俺たちは出た記録を受け取っていない」
ブルースの言葉に、口を開いて呆けていたレイナーズの顔に緊張が走った。
「わかりました。応援を呼び、外で待機させます」
携帯無線を掴んだ、焦げ茶髪の警部は、その場を後にする。
「死んでいるということか?」
「ああ、全員な」
ナオトの言葉に、ブルースは短く答える。
“UNTOLD“に目を付けられた者は生きられない。
先程のナオトとレイナーズの会話で出たテーマではないが、地獄巡りの入口のドアノブを、ブルースは握った。
「安心してくれ、ドアは普通に開けられる」
「安心していいのかな……そこ?」
ブルースの言葉に、背後のナオトは溜息と共に応える。
我ながら、ダンテにちなんで言うが、ナオトは愚か、ブルースの内心も笑っていない。
何故なら、二人を出迎えたのが白い冷気だったからだ。
『アメリカ政府が絡んでいるだと……全くあの国は、左右関係なく、物事をややこしくする』
エリザベスのぼやきが、ブルースの携帯通信端末の受話器から聞こえる。
ロックから数分前に送られた情報を見て、エリザベスからの着信がブルースの携帯通話端末に届いた。
「正確には、そこの軍産複合体が。”ワールド・シェパード社”や“ホステル“の対応にも追われているのに」
『使えるものは使うというが、“使った”後のことを全く考えないのがアイツ等らしい』
スピーカー越しからのエリザベスのオチに、ブルースは大きく笑った。
「使った後か、こっちも耳が痛いな……」
『耳よりも、今現在、頭の痛いことの対応を優先しろ。状況は?』
エリザベスに促されながら、頭痛の元凶を見つめる。
赤と青の光が、雨に覆われたビル街の一角で散乱。
二色の光の大本である、警察車両の警告灯はビルの中で一際突き出た、大槌の様な陰影を浮かべる。
ハーバーセンタービル。
円盤型の展望台は、360度回転するレストランで、西海岸の山々を楽しみながらの食事が出来、気象によっては、隣国も国境線なしで一望出来る場所だ。
90年代のITブームの象徴にして、地元の大学という二つの顔を持つ。
だが、それはあくまで、地表から見える一面に過ぎない。
目に見えない地下には、”ブライトン・ロック社”が資金援助をしている研究施設が人知れず存在していた。
企業で研究を行う場合、どうしても利益が優先となる。
必然的に、そう言った方向に舵が取られるので、”ウィッカー・マン”の解明というよりは、“殲滅“が主軸となり、殲滅方法を巡った営利競争が起きてしまう。
純粋に利害を超え、未来に向けた建設的な研究が出来る大学に”ブライトン・ロック社”は研究の許可を出しているのだ。
しかし、やることは”ウィッカー・マン”の残骸の分析やUNTOLD関係で亡くなった者の検視に限られていたが。
今回の出来事で命を落としたキャニス、首無し騎士に入っていた男も、その場所に保管されている。
ブルースが、仲間のキャニスの遺体の対応について、協議をしようと施設へ連絡したが通じなかった。
その後、ナオトから『ハーバーセンタービルで話したいことがある』という連絡を受ける。
ブルースは、警察の赤と青の警告灯で彩られた、ハーバーセンタービルの花祭を眺めるに至っていた。
「結論から言うと、何かあるか何もないかと言われれば、前者と考えた方が良い」
警察官との話を終えたナオトが、雨の下、ブルースに向かって来る。
右手の携帯通信端末を、銀色の鎧を纏う”ワールド・シェパード社”の専務に渡すと、
「そちらの研究員の親類が、連絡のつかないことを不審に思って、関係者同士の連絡を取り合ったら――」
ナオトが受話器越しに、エリザベスに状況を話し始めた。
短文投稿サイトの様なSNSなど媒体を問わず、職場の情報を公開してはいけないことは、情報管理として当然、徹底させている。
だが、人間関係まではそうはいかない。
労務管理がある以上、生活基盤は無視できないからだ。
ナオトから携帯通信端末を返され、
『人の口に戸は建てられない。結婚や交際の自由も……仕事に支障が無い限り、否定できんからな』
端末の向こうでエリザベスが鼻を鳴らすと、ブルースは端末を切る断りを入れた。
隣のナオトともに、警察官の集まる場所へ向かう。
背広の上に市警のマークの入ったジャケットを纏った男性が、ブルース達を出迎えた。
「ナオトさん、ブルース=バルトさん。レイナーズと言います。ミシェル=ジョアン=レイナーズ。警部です」
「ブルースで良い。レイナーズ警部」
右手で握手を交わし、レイナーズが戸惑いながら、
「ナオトさん。この方が……」
「鍵を開けてくれる人物だ」
ナオトに紹介されたブルースは警部に向かって、愛嬌の瞬きを見せた。
「多様性の範囲は、鍵の選択も例外ではありません」
レイナーズは、ブルース達を見て大きく笑う。
雨に濡れた焦げ茶色の髪が、ビルのネオンと警告灯の明かりで映えていた。
体は、自分とナオトの中間位の背であるが、現場を活動するに足るガタイの良さが、自分と知り合いの東洋人に比べて引き立っている。
「鍵の選択として、自分を認めてくれたことに感謝する。レイナーズ警部」
ブルースも、笑顔で返した。
警察が、得体も知れない海外の勢力と共に、”ウィッカー・マン”と戦うことに拒否感を示す者は多い。
だが、何人かは、”ワールド・シェパード社”との協力関係が欠かせないことも理解していた。
レイナーズ警部は、”ワールド・シェパード社”内の少数派であるナオトを選んだ様だが、ブルースの視線に気づいて、
「あくまで、街を守るための選択肢です。最善と言われるものを取るか、引き出すための」
「それで、十分だ。応援は――」
「必要なし。ナオトさんとブルースさんが、事態を確認してから、ですね」
そのあとに続く言葉をレイナーズに言われ、ブルースは面食らった。
「必要事項の確認はある程度済ませているよ、ブルース。問題は……」
「暗証番号を知っているか、だけです。知らなかったら、後ろに手を回して這いつかせ、取調室で行政機関ブレンドの珈琲責めに合わせます」
レイナーズの皮肉に、ブルースは肩を竦めて、ハーバーセンターの入口へ向かう。
ハーバーセンタービルのドアを開けると、大学内の図書館がブルース達三人を出迎えた。
「図書館ですか……?」
夜の帳が降りる午後5時に閉まる為か、教育機関に通う者達の醸し出す、独特の喧騒は無い。
「人の活動を律し、意思を決定づけるのは、何時だって言葉と文字と本だ」
ブルースは鍵を、胡乱な顔と神妙な顔もちをしているレイナーズとナオトの前で開けた。
扉を開けて、静寂に包まれた図書館を進み、ブルースはルネッサンス期の文学の本棚に止まる。
ブルースが取り出した本を見たナオトは、
「ダンテの“神曲”……ブルース、それ好きなんだ」
「家内が好きです。イタリア関係の文学……特に、ルネッサンス期は煩いですよ?」
ナオトは大学時代、レイナーズは新婚旅行という、それぞれのイタリア旅行の話を背に、ブルースは“神曲”のページを開く。
そのページは、地獄篇の“第三歌“。
憂いの国に行かんとするものはわれを潜れ
永劫の呵責に遭わんとするものはわれをくぐれ
破滅の人に伍せんとするものはわれをくぐれ
正義は高き主を動かし、
神威は、最上智は、
原初の愛は、われを作る。
我前に創られし物なし、
ただ無窮あり、われは無窮に続くものなり。
われを過ぎんとする物は、一切の望みをすてよ
ブルースが暗唱し終えると、機械音が響いた。
目の前の本棚が、振動し、左へ滑る。
本棚のあった場所には、鉄の扉。
ナオトとレイナーズが息を呑んでいるのを横目に、ブルースは鉄の扉を開けた。
奥には、更に同じ素材の扉がもう一つ佇む。
ブルースは、その隣にあった液晶受視機台の鍵盤を叩いて出た画面を一瞥して、
「レイナーズ警部。人が出入りをした場合、ここのコンピューターから記録が発信され、関係者に送られる。つまり俺たちに。しかし、俺たちは出た記録を受け取っていない」
ブルースの言葉に、口を開いて呆けていたレイナーズの顔に緊張が走った。
「わかりました。応援を呼び、外で待機させます」
携帯無線を掴んだ、焦げ茶髪の警部は、その場を後にする。
「死んでいるということか?」
「ああ、全員な」
ナオトの言葉に、ブルースは短く答える。
“UNTOLD“に目を付けられた者は生きられない。
先程のナオトとレイナーズの会話で出たテーマではないが、地獄巡りの入口のドアノブを、ブルースは握った。
「安心してくれ、ドアは普通に開けられる」
「安心していいのかな……そこ?」
ブルースの言葉に、背後のナオトは溜息と共に応える。
我ながら、ダンテにちなんで言うが、ナオトは愚か、ブルースの内心も笑っていない。
何故なら、二人を出迎えたのが白い冷気だったからだ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
我ら新興文明保護艦隊
ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら?
もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら?
これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。
※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる