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「君達見ない顔だね~新入生?」
「はい、そうです」
話しかけて来たのは上級生と思われる三人の男だ、見るからにチャラそうな感じだ。具体的に言うと金髪二人と赤髪一人で全員耳にピアスをしていて軽そうノリで結構顔もいい。いかにも女を食い物にしてそうだ。
「そかそか~こんな所でお散歩なんかしてると迷うよ~」
「そそ、俺達が案内しようか?」
「いやけっこうです。行こうかリオナ」
「う、うん」
俺はリオナの手を握って連れて行こうとするが三人の上級生はそれを阻む。まぁ予想の範囲内だな。学内で大人しくなんて考えたがそれも少し難しいようだな。
「随分かっこつけるね~それと君達の身分は何かな?」
「共に平民ですが」
すると三人は馬鹿にしたように笑う。まったく不愉快な奴らだ。
だがそれを見て内心ニヤニヤが隠せないのも事実だ。これは望んだお決まりパターンになりそうだ。
「平民ごときが貴族の最上級生に逆らうとは感心しねぇな」
「そうだな、この娘おいてお前はどっかいけよ!」
いきなり口調を変えてきて置いていけとか……誰に向かって言っているのかわからせてやらねぇと。
さて先輩らしくクソ生意気なガキども教育してやる時間だ。
「断る、つかあんたら不快だわ~消えてくんない?」
「ちょっ……クロス!?」
「最上級生にその口の利き方はお仕置きの必要があるね~」
俺はテンションが上がってしょうがなかった。何しろこの状況でこいつらボコっても多分こいつらは恥ずかしくて泣き寝入りするだけだろうから心置きなくやれる。
フフッ、糞餓鬼共がちょっと遊んでやるよ。
「言っとくけど俺ここの二十五席だから謝るなら今のうちだな。そこの貧乏くさい女も素直についてくれば痛い目に合わなくて済むのにな~」
「先輩のしかも貴族に歯向かった事を後悔させてやるよ……」
「そこの女も降参するなら今の内だぞ~」
三人してリオナをエロい目で見てやがるわ。
貧乏くさいとか俺のお気に入りを侮辱するとか……許さん……
「フレア!」
まず一人に攻撃。第五位階の黒魔法だ。上級魔法らしいが俺にはこの程度無詠唱も造作もない。
「ぐぁぁぁぁ……」
取り巻きAが爆風とともに吹っ飛ぶ。
予想通り口ほどにもない。
「なんだこいつ……フレアを無詠唱だと……」
「ルナティックウェーブ!」
これは不規則な波動によりダメージを与える第五位階魔法だ。
当然これを喰らった取り巻きBはノックアウトだ。これであと一人。
「くっ……調子に乗るな……我が呼びし盟約の迅雷、一つに集え雷鳴の……」
「遅い!ライトニングバルカン!」
「そ、そんな馬鹿な!」
あいつが唱えようとしていた魔法を無詠唱で放つ。
ちなみにこれは第五位階魔法だ。
二十五席を名乗った男はその場で倒れるが、敢えて俺は近づき挑発して煽る。
「早く実力見せてくださいよ先輩~」
「ひっ……化け物……」
「さっきの威勢がまた聞きたいっす~」
踊りながら挑発するがどうやら気力がないらしい。
折角面白い展開なのにこれで終わりとはつまらないな。
もっと頑張ってくれればいいのに情けない……
「ひっ……助けて……」
「話にならないっすね~」
「ルナティックウェーブを無詠唱……」
見ていたリオナが驚愕しているようだ。
かっこいいとこ見せれたと思うし印象アップだ。さて今度はこの先輩に脅しを入れておかないといけないな。どうせ悪目立ちして的にされると思うが少しでもそれを遅らせておきたいからな。
「とりあえず先輩名前聞かせてよ。」
「お、俺はナディ・ジオポンティだ……」
「とりあえず俺やリオナに言うべきことは?」
「お、俺が悪かった……」
「それだけ?」
「えっ……」
まったく……俺を不快にさせておいて土下座もないのか……それとリオナを馬鹿にしたんだしジャンピング土下座ぐらいはしてもらわないと気が済まないんだが……
「ここで土下座!そうしないと追加制裁だな」
「そ、それは……」
「クロス、そこまでしなくても……」
「リオナみたいな可愛い子を貧乏くさいとか馬鹿にしたんだし、本当は腕の一本は覚悟してもらわないといけないのを譲歩してるんだよ。だからここで土下座するのは礼儀だよ」
「クロスったら……でも私はクロスがそういう風に言ってくれるだけでも嬉しいから」
リオナが顔を赤らめる。
顔を赤くするリオナも可愛いな~
「で、腕一本か土下座か……どっちがいい?別に腕二本でもいいよ」
「ど、土下座で……」
ナディは土下座を始めた。
「しっかり頭地面につけてリオナに謝罪ね!」
こいつのプライドをしっかりズタボロにするところからやらないと。この自分が強いとか思ってる奴のプライドをズタボロにする瞬間は気分がいいな。予想通り攻撃先に仕掛けてきてくれたしこんなにうまくハマってくれると嬉しいね。
「くっ……馬鹿にしてすいませんでした……」
力のない声で頭を下げる。でもたぶん今こいつは屈辱に燃えて復讐を考えているに違いない。だから当然追加の脅しもする必要がある。
俺は頭を地面につけるナディを手でさらに押して地面でこすりつけ耳元で囁く。
「もし誰かにチクったり、復讐なんて考えたら本気で潰すからそこんとこ考えておけよ……お前を追い詰めて社会的に抹殺する方法はいくらでもあるからな……」
「ひっ……」
恐怖に悶えるナディの髪の毛を引っ張りながら上げナディの目を見る。
「先輩わかってくれましたか?」
俺はニヤッと笑いながら言うとナディは精一杯苦笑いしながらわかったと言った。
こいつの目は恐怖におびえる目をしていたのでおそらくこれが明るみにでることはないだろう。
「それじゃあそこの二人にもしっかり言って口止めするように!俺やリオナに被害があったら容赦しないからな……」
「はひっ!ま、任せてください」
「了解、それじゃあね~」
俺達はナディの元を離れ、引き続き探索を開始しようとしたが、リオナが羨望の眼差しでこちらを見て来る。目をギラギラと輝かせているが、さっきの魔法の事だろう。
「クロスっていったい何者?第五位階無詠唱なんてこの学校の上位クラスだよ~」
「え、そうなの?主席クラスって第七位階魔法あたりを研究するのが当たり前で、たまにその上の八位階やさらにその上を研究とかするのかと思ってたけど」
これは本当に思ってました~
確かに俺達の世代が例外すぎってのは認めるけど、第八位階を研究する卒業生は俺達付近の世代なら普通にいたからな。実際俺が魔女飼いとして活動している中で第八位階を習得した魔導士はチラホラいた。
「いやいや何言っているのさ~人類が到達不可の第八位階より上の習得なんて無理だよ~第七位階はほんと優秀な生徒がいるとたまにやるらしいけどここ最近はいないんだよ」
アランのアホに汽車で聞いた通りだな……四四四期生徒が今集結したらジェネレーションギャップが凄いんだろうな……
「そうなんだーでも実際使えた関係者とか歴代の卒業生でたしかやったのがいたと思ったからさ」
「そうなの?いつの人?」
「創立者のルシファー先生とかその妻のリンデント先生、二代目校長のランスロット先生、第一期生の三闘神とか第十期のダークマスター、霊姫、魔法帝、第二二二期生の竜王、三三〇期の埋葬者、四四四期の精霊王、悪魔帝、魔女飼いとかさ。」
多分後期の世代に二十柱クラスがいればそいつも高度な魔法研究をやるはずだ。詳しくは聞いてないがあれから四五〇年も経っているんだし、あの時より二十柱の数が増えているだろうからな。
「クロス、それみんな伝説の人ばっかだよ……」
「エッ……そうなの?」
「それに竜王や精霊王、悪魔帝がここの卒業生なんての私初めて聞いたんだけど……」
あ、そういえばあいつら名前変えてたな。これちょっと余計な事を行ってしまったか。
「ははっ、そうなのか。前に俺の住んでいた街にフラッと来たおじさんが言ってたんだけどやっぱり信憑性ないよね~」
「そうだったんだ~確かに昔の人だから嘘なんて断定はできないけど真実とも言えないよね~」
危ない危ない……
調子に乗って余計な事言うもんじゃないな。しかし卒業生の名簿とかは調べる事が出来るはずだしちょっと調べればわかると思うんだけどな。
「やっぱそうだよね。今のは聞かなかった事にしといて」
「うん、でも英雄魔女会がここの卒業生ってのは納得かも」
「そうなのか?」
「だって異世界の魔法使いの為に戦った英雄だし実在は確かなものとされているわ。それを踏まえて歴史の古いこの学校を出たというのは納得のいく話って事」
俺は後世ではそんな有名になっているのか……別に名誉を求めたわけじゃないけど誇らしく思える。俺のやってきた行動は無駄ではなかったと胸を張って言えるな。
尤も魔女会というのは周りがつけた異名で本当は魔女飼いだ。しかも性別を偽っていたから女性という事にもなっている。
「まぁ歴史の古い学校だし中にはそういうレベルに達した人もいるだろうからね」
普通に有名だと思っていたけどそうでもないし、昔はランスロット先生が校長で卒業生名簿を閲覧できたし強かった人の話もしてくれたのに時代は変わるものだ。
「でもクロスのそういう話とかは興味あるからなんかあったら教えてね」
「了解」
リオナと引き続き外を回った後は校舎の中に入った。入ると色々変わってはいたが、造りや構造自体にあまり変化はなかった。改めてルシファー先生の作った永久機関は今も健在だというのがわかる。
「とりあえず回りますかね~」
「もしかしてどこに何の教室があるとこか熟知している感じ?」
リオナは目をギラギラ輝かせる。でも残念ながら構造はわかっても、現行の各教室やその他施設はさすがにわからないっす。
「残念ながらそこはほとんどわからないんだ……」
「そうなんだ!さすがにクロスもわからないことぐらいあるよね。なんか安心した」
「安心?」
「だってクロスさっきから完璧超人過ぎてたからさ~だからちょっと安心したの」
なるほど、でも俺は完璧超人どころか欠陥品なんだけどな。
「さてどうするか……」
どうするか考えていると後ろから上級生に声をかけられた。
「はい、そうです」
話しかけて来たのは上級生と思われる三人の男だ、見るからにチャラそうな感じだ。具体的に言うと金髪二人と赤髪一人で全員耳にピアスをしていて軽そうノリで結構顔もいい。いかにも女を食い物にしてそうだ。
「そかそか~こんな所でお散歩なんかしてると迷うよ~」
「そそ、俺達が案内しようか?」
「いやけっこうです。行こうかリオナ」
「う、うん」
俺はリオナの手を握って連れて行こうとするが三人の上級生はそれを阻む。まぁ予想の範囲内だな。学内で大人しくなんて考えたがそれも少し難しいようだな。
「随分かっこつけるね~それと君達の身分は何かな?」
「共に平民ですが」
すると三人は馬鹿にしたように笑う。まったく不愉快な奴らだ。
だがそれを見て内心ニヤニヤが隠せないのも事実だ。これは望んだお決まりパターンになりそうだ。
「平民ごときが貴族の最上級生に逆らうとは感心しねぇな」
「そうだな、この娘おいてお前はどっかいけよ!」
いきなり口調を変えてきて置いていけとか……誰に向かって言っているのかわからせてやらねぇと。
さて先輩らしくクソ生意気なガキども教育してやる時間だ。
「断る、つかあんたら不快だわ~消えてくんない?」
「ちょっ……クロス!?」
「最上級生にその口の利き方はお仕置きの必要があるね~」
俺はテンションが上がってしょうがなかった。何しろこの状況でこいつらボコっても多分こいつらは恥ずかしくて泣き寝入りするだけだろうから心置きなくやれる。
フフッ、糞餓鬼共がちょっと遊んでやるよ。
「言っとくけど俺ここの二十五席だから謝るなら今のうちだな。そこの貧乏くさい女も素直についてくれば痛い目に合わなくて済むのにな~」
「先輩のしかも貴族に歯向かった事を後悔させてやるよ……」
「そこの女も降参するなら今の内だぞ~」
三人してリオナをエロい目で見てやがるわ。
貧乏くさいとか俺のお気に入りを侮辱するとか……許さん……
「フレア!」
まず一人に攻撃。第五位階の黒魔法だ。上級魔法らしいが俺にはこの程度無詠唱も造作もない。
「ぐぁぁぁぁ……」
取り巻きAが爆風とともに吹っ飛ぶ。
予想通り口ほどにもない。
「なんだこいつ……フレアを無詠唱だと……」
「ルナティックウェーブ!」
これは不規則な波動によりダメージを与える第五位階魔法だ。
当然これを喰らった取り巻きBはノックアウトだ。これであと一人。
「くっ……調子に乗るな……我が呼びし盟約の迅雷、一つに集え雷鳴の……」
「遅い!ライトニングバルカン!」
「そ、そんな馬鹿な!」
あいつが唱えようとしていた魔法を無詠唱で放つ。
ちなみにこれは第五位階魔法だ。
二十五席を名乗った男はその場で倒れるが、敢えて俺は近づき挑発して煽る。
「早く実力見せてくださいよ先輩~」
「ひっ……化け物……」
「さっきの威勢がまた聞きたいっす~」
踊りながら挑発するがどうやら気力がないらしい。
折角面白い展開なのにこれで終わりとはつまらないな。
もっと頑張ってくれればいいのに情けない……
「ひっ……助けて……」
「話にならないっすね~」
「ルナティックウェーブを無詠唱……」
見ていたリオナが驚愕しているようだ。
かっこいいとこ見せれたと思うし印象アップだ。さて今度はこの先輩に脅しを入れておかないといけないな。どうせ悪目立ちして的にされると思うが少しでもそれを遅らせておきたいからな。
「とりあえず先輩名前聞かせてよ。」
「お、俺はナディ・ジオポンティだ……」
「とりあえず俺やリオナに言うべきことは?」
「お、俺が悪かった……」
「それだけ?」
「えっ……」
まったく……俺を不快にさせておいて土下座もないのか……それとリオナを馬鹿にしたんだしジャンピング土下座ぐらいはしてもらわないと気が済まないんだが……
「ここで土下座!そうしないと追加制裁だな」
「そ、それは……」
「クロス、そこまでしなくても……」
「リオナみたいな可愛い子を貧乏くさいとか馬鹿にしたんだし、本当は腕の一本は覚悟してもらわないといけないのを譲歩してるんだよ。だからここで土下座するのは礼儀だよ」
「クロスったら……でも私はクロスがそういう風に言ってくれるだけでも嬉しいから」
リオナが顔を赤らめる。
顔を赤くするリオナも可愛いな~
「で、腕一本か土下座か……どっちがいい?別に腕二本でもいいよ」
「ど、土下座で……」
ナディは土下座を始めた。
「しっかり頭地面につけてリオナに謝罪ね!」
こいつのプライドをしっかりズタボロにするところからやらないと。この自分が強いとか思ってる奴のプライドをズタボロにする瞬間は気分がいいな。予想通り攻撃先に仕掛けてきてくれたしこんなにうまくハマってくれると嬉しいね。
「くっ……馬鹿にしてすいませんでした……」
力のない声で頭を下げる。でもたぶん今こいつは屈辱に燃えて復讐を考えているに違いない。だから当然追加の脅しもする必要がある。
俺は頭を地面につけるナディを手でさらに押して地面でこすりつけ耳元で囁く。
「もし誰かにチクったり、復讐なんて考えたら本気で潰すからそこんとこ考えておけよ……お前を追い詰めて社会的に抹殺する方法はいくらでもあるからな……」
「ひっ……」
恐怖に悶えるナディの髪の毛を引っ張りながら上げナディの目を見る。
「先輩わかってくれましたか?」
俺はニヤッと笑いながら言うとナディは精一杯苦笑いしながらわかったと言った。
こいつの目は恐怖におびえる目をしていたのでおそらくこれが明るみにでることはないだろう。
「それじゃあそこの二人にもしっかり言って口止めするように!俺やリオナに被害があったら容赦しないからな……」
「はひっ!ま、任せてください」
「了解、それじゃあね~」
俺達はナディの元を離れ、引き続き探索を開始しようとしたが、リオナが羨望の眼差しでこちらを見て来る。目をギラギラと輝かせているが、さっきの魔法の事だろう。
「クロスっていったい何者?第五位階無詠唱なんてこの学校の上位クラスだよ~」
「え、そうなの?主席クラスって第七位階魔法あたりを研究するのが当たり前で、たまにその上の八位階やさらにその上を研究とかするのかと思ってたけど」
これは本当に思ってました~
確かに俺達の世代が例外すぎってのは認めるけど、第八位階を研究する卒業生は俺達付近の世代なら普通にいたからな。実際俺が魔女飼いとして活動している中で第八位階を習得した魔導士はチラホラいた。
「いやいや何言っているのさ~人類が到達不可の第八位階より上の習得なんて無理だよ~第七位階はほんと優秀な生徒がいるとたまにやるらしいけどここ最近はいないんだよ」
アランのアホに汽車で聞いた通りだな……四四四期生徒が今集結したらジェネレーションギャップが凄いんだろうな……
「そうなんだーでも実際使えた関係者とか歴代の卒業生でたしかやったのがいたと思ったからさ」
「そうなの?いつの人?」
「創立者のルシファー先生とかその妻のリンデント先生、二代目校長のランスロット先生、第一期生の三闘神とか第十期のダークマスター、霊姫、魔法帝、第二二二期生の竜王、三三〇期の埋葬者、四四四期の精霊王、悪魔帝、魔女飼いとかさ。」
多分後期の世代に二十柱クラスがいればそいつも高度な魔法研究をやるはずだ。詳しくは聞いてないがあれから四五〇年も経っているんだし、あの時より二十柱の数が増えているだろうからな。
「クロス、それみんな伝説の人ばっかだよ……」
「エッ……そうなの?」
「それに竜王や精霊王、悪魔帝がここの卒業生なんての私初めて聞いたんだけど……」
あ、そういえばあいつら名前変えてたな。これちょっと余計な事を行ってしまったか。
「ははっ、そうなのか。前に俺の住んでいた街にフラッと来たおじさんが言ってたんだけどやっぱり信憑性ないよね~」
「そうだったんだ~確かに昔の人だから嘘なんて断定はできないけど真実とも言えないよね~」
危ない危ない……
調子に乗って余計な事言うもんじゃないな。しかし卒業生の名簿とかは調べる事が出来るはずだしちょっと調べればわかると思うんだけどな。
「やっぱそうだよね。今のは聞かなかった事にしといて」
「うん、でも英雄魔女会がここの卒業生ってのは納得かも」
「そうなのか?」
「だって異世界の魔法使いの為に戦った英雄だし実在は確かなものとされているわ。それを踏まえて歴史の古いこの学校を出たというのは納得のいく話って事」
俺は後世ではそんな有名になっているのか……別に名誉を求めたわけじゃないけど誇らしく思える。俺のやってきた行動は無駄ではなかったと胸を張って言えるな。
尤も魔女会というのは周りがつけた異名で本当は魔女飼いだ。しかも性別を偽っていたから女性という事にもなっている。
「まぁ歴史の古い学校だし中にはそういうレベルに達した人もいるだろうからね」
普通に有名だと思っていたけどそうでもないし、昔はランスロット先生が校長で卒業生名簿を閲覧できたし強かった人の話もしてくれたのに時代は変わるものだ。
「でもクロスのそういう話とかは興味あるからなんかあったら教えてね」
「了解」
リオナと引き続き外を回った後は校舎の中に入った。入ると色々変わってはいたが、造りや構造自体にあまり変化はなかった。改めてルシファー先生の作った永久機関は今も健在だというのがわかる。
「とりあえず回りますかね~」
「もしかしてどこに何の教室があるとこか熟知している感じ?」
リオナは目をギラギラ輝かせる。でも残念ながら構造はわかっても、現行の各教室やその他施設はさすがにわからないっす。
「残念ながらそこはほとんどわからないんだ……」
「そうなんだ!さすがにクロスもわからないことぐらいあるよね。なんか安心した」
「安心?」
「だってクロスさっきから完璧超人過ぎてたからさ~だからちょっと安心したの」
なるほど、でも俺は完璧超人どころか欠陥品なんだけどな。
「さてどうするか……」
どうするか考えていると後ろから上級生に声をかけられた。
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