転生した魔導士、母校に再入学して無双します。

明石 清志郎

文字の大きさ
上 下
3 / 8

テンプレ通りにはいきません。

しおりを挟む
 絡まれている女子がいたらどうするかって?

 まずは助ける、そしてお決まりの展開が俺を待っているに違いないからだ。絡まれている女子は見た所赤髪ロングの美人、助けるのに理由はいらない。

 「なぁ俺達とお茶しようぜ!」
 「そんな困りますわ……」

 あの邪魔な男どもを早速ご退場してもらいますか~

 あいつらの便意を刺激する魔法をこっそりとかけた。

 「うんこに苦しめ糞餓鬼ども!」

 俺がかけた魔法は腸の動きを無理やり活性化させる魔法だ。この魔法はうざい奴を簡単に撃退できるもので昔よく多用したものだ。対策の取れない下級魔導士はこれで簡単に撃退できたりする。

 「うっ、腹が急に……」
 「俺もだ……何で……」
 「くっ、どうして……」

 俺の魔法がかかると三人は急に悶えだしトイレへと向かった。

 苦しめ餓鬼ども。

 赤髪美女は何が起きたのかわからいといった感じだ。俺は早速美女の元に行き話しかけた。
 
 ハーレムのまず第一歩だ。

 「やぁ、危ないとこだったね。まったく強引な連中は困るよね~」

 俺はそんなに容姿が悪いわけではないしむしろいい方だ。そんな俺が声をかければ悪い気はしないだろう。

 まずは涼しい顔で話しかけた。さてここで向こうが助けてくれた俺に感謝を感じ、後に恋愛に発展するフラグも立つだろう。

 「さっきのあんたがやったの?」
 「まぁね、俺はクロス・アステック、君は?」
 「私はアーニャ・ヴォルヴォレッタよ、あなたは平民かしら?」
 「ああ、君は貴族かい?」
 「ええそうよ、どうりで貧乏くさそうな感じがしたのよ」

 アーニャが見せたのは落胆の表情だ。
 むっ、凄い嫌な感じがするが助けたのはミスだったか……

 「あなたみたいな下賤な平民よりも貴族のイケメンの方に助けてもらって恋に落ちる予定でしたのに……どうしてくれるのかしら!?」
 「いや、そんなこと言われても……」

 アーニャは逆切れ状態だがそんなこいつに言いたい。

 そんな本みたいな夢物語あってたまるか!

 「私とても不愉快ですわ。というかあんな雑魚ども片づけるのは余裕でしたし、あなたはほんと余計なことをしてくれましたね」

 うん? 
 助けたのに何で俺はこんなこといわれないといけないんだ?
 不快はこっちの台詞なんだが……

 「とにかくあなたは私に謝りなさい!」

 今度は謝りなさいときたか……

 「なんで俺が謝らないといけないのか理解できないね!」
 「貴族である私に不快な思いをさせたのだから当然ですわ。さぁ早く謝罪を!」

 こいつ容姿はそこそこだがすごくムカつく……関わるだけでシメたくなるから無視して退散だな。美人だから攻撃は勘弁してやるか。

 「話にならないし俺はいくわ~」

 無視してその場を離れようとするとアーニャが魔法を発動数する。

 「待ちなさい、ショックサンダー!」
 「魔封壁!」

 アーニャの飛んできた魔法を防ぐ。
 第三位階魔法の無詠唱か……まったく物騒な女だ、俺もイライラがそろそろ募ってきたな……

 「なっ……」

 アーニャは防がれたショックを隠せないようだ。
 この程度防ぐのなんて造作でもない。

 「不意打ちは嫌いじゃないけど勝てる相手かしっかり見極めてやるんだな……」
 「ま、待ちなさい……話はまだ」
 「トイレでも行ってな!」

 尿意のでる魔法をアーニャにかけた。
 
 ふん、仕返しだ、ちょっとは苦しめ!

 「ぐっ……急にトイレが……お、覚えてなさい!」

 さて食堂車でコーヒーでも飲んで落ち着くか。
 こんな時代に転生させやがって……まったく迷惑な話だ。

 食堂車に入りコーヒーを一つ注文した。幸いなことに客は少なく落ち着けそうだ。まずコーヒーを一口のみまずは大きなため息をつく。

 「はぁ……」

 列車に乗ってからまだ全然時間も経ってないのに、俺のストレス値はとても高かった。フラストレーション溜まってし落胆を隠せない。というかこれ入学後もこういう問題にぶつかりそうだな。学校に入ったら暫くは様子を見て大人しくした方がいいかもしれないな。と言うのも貴族は元々平民に上に立たれるのをよく思わない人種だ。それは俺が生きていた時代もそうだった。

 「しかしどうしてこうなったんだ……俺が助けてあんな風に迷惑がられるなんて……」

 相部屋だった奴も平民を下に見るような奴で、ただでさえショックを受けているのに助けた奴も同じような奴とは……
 前は列車で一緒だったラクティと色々自己紹介とかして仲良くなって、その後は色々他の客室に行って話してと楽しかった記憶しかない……なのに今度は一体なんだ?俺は他人の魔力量をおおよそわかるが、どいつも自分より遥か下だ。そんな奴らに平民だからといって馬鹿にされて見下されるとかたまったものではない。

 「ランスロット先生マジで何してんだよ……」

 ランスロット先生は完全実力主義で身分の差別を完全に許さなかったからいいが今はおそらく違う。アランのあの口ぶりからしてランスロット先生がいないのも間違いない。不老不死で何百年の校長をやってたあの人がいなくなった理由とかも調査する必要があるな。

 「ここまで差別が酷いってのは、あの学校を離れてから結構経っているな」

 というかそれで色々問題が発生しているから俺をこの時代に持ってきている可能性が高いな。
 
 ルシファー先生の奴め……まったく……勘弁してくれ……

 「十五歳までの記憶をほじくると、確か三十年ぐらい前まで悪い魔法使いがいてそいつが倒されたって話だよな」

 レインズ魔法学校もランスロット先生がいない以上何かしろの影響は受けてそうだな。

 「俺はただ昔届かなったあれを手にして複数の美女に囲まれたいだけなのに……」

 魔女飼いとして俺がやってきたことの続き……魔導士としてさらに高みをいくためにもこんな所でめげる訳にはいかない。

 「俺は成し遂げるのだ……必ず……」

 ちらほら人が増えてきたが、大半が貴族だと思うので席をどかそうとする奴がきたら今度は最初から軽く脅すつもりだ。目立つわけにもいかないのでぶちのめすような事はしないが、この魔女飼い様がこんな糞餓鬼どもに譲るなど有り得ない。

 「あのう……」
 「あぁっ!」
 「ひっ、ごめんなさい」

 思わず威嚇してしまったが見るとよく見ると黒髪ショートのかわい子ちゃんだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス全員が転生して俺と彼女だけが残された件

兵藤晴佳
ファンタジー
 冬休みを目前にした田舎の高校に転校してきた美少女・綾見(あやみ)沙羅(さら)は、実は異世界から転生したお姫様だった!  異世界転生アプリでクラス全員をスマホの向こうに送り込もうとするが、ただひとり、抵抗した者がいた。  平凡に、平穏に暮らしたいだけの優等生、八十島(やそしま)栄(さかえ)。  そんな栄に惚れ込んだ沙羅は、クラス全員の魂を賭けた勝負を挑んでくる。  モブを操って転生メンバーを帰還に向けて誘導してみせろというのだ。  失敗すれば、品行方正な魂の抜け殻だけが現実世界に残される。  勝負を受ける栄だったが、沙羅は他クラスの男子の注目と、女子の嫉妬の的になる。    気になる沙羅を男子の誘惑と女子の攻撃から守り抜き、クラスの仲間を連れ戻せるか、栄!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

前世の幸福ポイントを使用してチート冒険者やってます。

サツキ コウ
ファンタジー
俗に言う異世界転生物。 人生の幸福ポイントを人一倍残した状態で不慮の死を遂げた主人公が、 前世のポイントを使ってチート化! 新たな人生では柵に囚われない為に一流の冒険者を目指す。

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。 よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!! ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。 目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。 なぜか、その子が気になり世話をすることに。 神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。 邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。 PS 2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。 とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。 伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。 2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。        以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、 1章最後は戦闘を長めに書いてみました。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

処理中です...