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4章
94話:武具屋にて
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「まさか、勇者であったあなたの正体が二十柱の一角とは驚きを隠せませんわね」
「ハハッ、だろうな」
サラフィナやザインタはいまだに信じられないといった感じだ。
「それで今後の段取りだが今話した通りに進めたいと思っているよ」
「ええ、だけど魔族と人との戦争は止めてくれないのですわね」
今さっき今後の段取りを話したわけだが、やはり納得いかない部分もあったらしくサラフィナは複雑な心境だろう。だが俺達にも目的がある以上は致し方ない。
「俺達騎士団でも考え方はそれぞれ違う。魔族と人との争いは俺達も偽神も双方に望んでいる。というか魔族側も流石に我慢できなくなってるからどのみち無理だな」
「確かに、仮に今までの争いは水に流しましょうなんて言ったら、人側が多額の賠償を払わなければ魔族側は納得しない。当然それを了承するわけもないし、それは人族が積み重ねてきたものだから仕方ないのか……」
人側の侵略欲とそれに対する魔族の怒りを両方何とかするとしたら、両方とも力で押さえつけ最悪それを指揮する奴を始末しないといけないわけだが、そんなことするなら煽りに煽って戦争させたほうがいい。
「後はこれをお前が信用できるかどうかだな。信用できないならこの話はなしだしな」
「そこはあなたを信用するわ。血を見ずして上に立とうと思うほど図々しくないですわ」
「そうか、ザインタはどう思う?」
「私はサラフィナ様に従いますわ。あなたを信用するかしないかで言えば、今の所は前者ですね。サラフィナ様を女王にしてあの弟君が王になるのを防げるのでしたら大歓迎ですわ」
ザインタは表情は変わらないものの憎悪に満ちた声だ。
「恨みでもある感じかな?まぁ今は大人しくしつつ、今まで素っ気なくしていた相手に少し歩み寄る態度だけ示せばいいさ」
「ええ、嫌ですけど努力しますわ」
サラフィナはやや顔が引きつっているが、本人もそこは頑張る必要があることはわかってくれたみたいだしなんとかしてくれるだろう。結局彼女が女王になる為には部下がついてこなければ成り立たない。話したくない相手でも、自分の中で折り合いをつけて最低限世間話程度はできないと務まらないだろう。
「そんじゃあ俺はまた散歩してくるよ」
「あまり遅くならないようにお願いしますわ。聞きたい疑問が山ほどありますの」
二十柱を前にしてこの態度はさすがは王女といったところだ。
「はいよ」
◇
城をでた俺はダルジナのいる武具屋に顔をだした。
「よっ」
武具屋の中に入るとダルジナはお店で手伝いをしていた。
「シャーガーさん!来てくれたんですね~」
「あの時はザインタの奴に邪魔されちまったからな」
「ありがとうございます、良かったら見ていってくださいね~」
ダルジナは俺に店の中の棚の武具を一通り説明してくれた。
「ここはジャンク品や用途の不明なものですね~」
「おう、わざわざありがとうな」
ダルジナの頭を撫でる。
「ヘヘッ、でもシャーガーさんのお眼鏡に叶うものは置いてないかもです」
「ハハッ、それはわからんぞ」
ダルジナが説明し終わった後に両親が声をかけて来た。
「どうもこの子の母親のヴェンチュラです。うちの娘を助けていただき感謝です。聞けば白金ランクの冒険者だとか」
ダルジナの母親だ。親子そっくりなところを見ると母親似のようだな。
「申し遅れました。白金ランクの冒険者のシャーガー・ヒンドスタンです。あの時はたまたま絡まれているの見かけまして運がよかったですな」
「俺は父親でこの店の店主のエイロだ。聞けばアヴィーのジュースまでおごってくれたみたいで世話になりっぱなしだ。好きな物一つ持って行ってほしい」
気持ちは嬉しいが欲しいものがあるかだな。
「そんな気を使ってくれなくても大丈夫ですよ」
「俺の気が収まんなくてよ。うちごときのお店にあんちゃんの欲しいものがあるかはわからないが、そんなに品揃えは悪くないと自負しているんだ」
確かに俺の所持品がヤバいだけで、揃えは悪くない。親父さんの手作りのやつもかなり質はいい。
「それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます」
ダルジナの説明の時一通り見せてもらったが、一番気になるのは在庫処理ゾーンだ。立花とお宝漁りしていた時も大抵そこにレアものがあったりするのだ。
「そこはジャンク品とかだぜ~」
「意外と掘り出し物はこういうゾーンにあるもんなんですよ」
見るとこの使い用途が不明なアクセサリー二つが気になるな。
「まずこの二つだな。それと親父さんの作ったそこにある剣はいいものだな」
おそらく目玉商品なのだろう。ただそれを指した時の親父さんの顔は複雑な表情だ。
「流石はあんちゃん、それに目を付けるとは。それはアダマンタイトコーティングをしている。たまたま少し手に入ったんでアダマンタイトをコーティングしたらいい剣ができたんだ」
親父さんは自慢気に言う。
「フフッ、それをタダで手放していいんですかお父さん?」
ヴェンチュラがクスクスと笑いながら言う。
「男は一度言ったことは曲げるわけにはいかないのさ!」
とは言っているが少し無理をしているのは顔をみればわかる。
「それは既定の値段で買わしてもらうよ。ぶっちゃけ俺はそれよりもレア度の高い武器を持っているが、そいつは人を惹き付ける何かがある。だからそいつは俺が渡してもいいと思える奴に出会えたら贈り物として贈るとしますよ」
それでその武器の持ち主が大成したら冥利に尽きるというものだ。それでその持ち主が世界を先導してくれたらなおだ。
「いいのか?てことはあげるのはこんなガラクタ二つになっちまう」
「問題ないですよ~」
こいつらはただのガラクタではないことは確かだ。まず一つ目のアクセサリーに触れ魔力を与えると、姿形を変えて別の物へとなった。
「嘘……変化した」
ダルジナの目が点になる。
「これはバックパサーっていうお守りだな。なかなかのレア物だよ」
「バックパサー?」
ダルジナは首を傾げる。
「これは人間族の中でも、大昔特殊な能力を持った種族が作ったもので、一般的には再生不可能。能力は限度はあるものの契約を一度無効にするというものだ」
「それでバックパサーか。一部では需要のありそうなアクセサリーだな」
エイロの言う通り奴隷契約なんかを無効にできるから、一部ではかなり需要のでそうなアイテムである。立花に作り方解析してもらって獣人族に配れば英雄になれるかもな。
「でもシャーガーさんお詳しいですね」
「まぁな、昔色んな本が集まる大きな図書館にあるアイテム図鑑に載ってたんだ」
昔図書館(ザ・マスター)の管理する大書庫に行った時に見たとあるアイテム図鑑に書いてあった。だがなんでこんなものがここに……
「そうだったんですね~もう一つも凄いアイテムの予感がしますね」
ダルジナはわくわくしながらこっちを見ている。
「よしもう一つも魔力を与えてみるか~」
錆びのついたそのアクセサリーに魔力を与える。
「むっ、こいつは……」
普通の魔力では変化が起きんか……だがこの錆ついたアクセサリーから異質な魔力が感じるのも事実。
「少しやり方を変えてみるか……」
魔神の魔力を流し込み無理やりにでも正体をみせてもらうことにした。
「おらっ!」
魔神の魔力を流し込むとアクセサリーの錆がなくなりピカピカになりそこから光と共に変化を起こした。
「ハンマー?」
変化後は銀色に輝くスレッジハンマーへと姿を変えた。
「こいつは……なぁこの二つはどこで?」
「二つとも先代の時からの売れ残りでよ。明確にはわからんが確か先代の友人の品だったのかな」
エイロも明確には覚えていないようで首を傾げている。
「わからないならしょうがない。まぁこいつは俺には使えんな」
こないだゲットした戦姫の槍同様俺はこいつを使いこなすことができない。
「でもハンマーに変化させましたよね?」
「それは特殊な魔力で無理やり変化させただけでその魔力をいれないと……」
魔神の魔力の供給を止めると瞬く間にアクセサリーへと戻った。
「あ、戻っちゃった」
「こいつは選ばれたものにしか使えないんだ。普通の人が持っても変化を起こさない」
もう一つのアイテムといいこんなレアものまであるとはな……これだから掘り出し物探しは辞めれないな。
「どれどれちょっと触ってみますね……」
ダルジナが銀のアクセサリーに触れると、アクセサリーは変化を起こしダルジナの体のサイズに合わせたスレッジハンマーへと変化した。
「あれ?変化しますよこれ~」
ダルジナ無邪気な顔をしてハンマーを振り回す。その姿を見た俺は一瞬何が起きたのかわからず目が点になってしまった。
「へぇっ?嘘やろ……」
この日一番の衝撃まったなしの瞬間だった。
「ダルジナ、お前まさか……」
俺はダルジナの肩に手を置き顔を近づける。
「ふへぇ?ど、どうしたんですか?そんなに見つめて……」
「ちょっと顔を間近で見せてくれ」
ダルジナの目をよく見た、もしダルジナがそうなら……
「そんなに見つめられたらわ、私……」
ダルジナの顔が真っ赤になり湯気が出たように熱くなりフラフラになる。
「うん、顔が赤いが大丈夫か?」
お互いのおでことおでこを当てて熱がないかを確かめる。するとさらに熱くなりその場で倒れてしまった。
「お、おい」
「もう駄目でしゅ~」
ダルジナはその場で目を回してしまった。
「すまん、あんちゃん、その品は渡すからまた来てくれないか?」
「申し訳ない、俺のせいでダルジナが……」
「フフッ、いいんですよ。少ししたら治るのでまた後日いらしてくださいませんか」
「あっ、はい」
顔を見た時に間違えてオーラを放っちゃってたかな……アクセサリー二つを受け取り武器の方も金貨五十枚支払い購入し店を後にした。
「まさかダルジナがあの一族の血を受け継いでいるとはわからんものだな~」
ただこいつはまだ俺が持っていたほうが良さそうだな。
「さて次は月島や杉原の元に行くとするかな」
「ハハッ、だろうな」
サラフィナやザインタはいまだに信じられないといった感じだ。
「それで今後の段取りだが今話した通りに進めたいと思っているよ」
「ええ、だけど魔族と人との戦争は止めてくれないのですわね」
今さっき今後の段取りを話したわけだが、やはり納得いかない部分もあったらしくサラフィナは複雑な心境だろう。だが俺達にも目的がある以上は致し方ない。
「俺達騎士団でも考え方はそれぞれ違う。魔族と人との争いは俺達も偽神も双方に望んでいる。というか魔族側も流石に我慢できなくなってるからどのみち無理だな」
「確かに、仮に今までの争いは水に流しましょうなんて言ったら、人側が多額の賠償を払わなければ魔族側は納得しない。当然それを了承するわけもないし、それは人族が積み重ねてきたものだから仕方ないのか……」
人側の侵略欲とそれに対する魔族の怒りを両方何とかするとしたら、両方とも力で押さえつけ最悪それを指揮する奴を始末しないといけないわけだが、そんなことするなら煽りに煽って戦争させたほうがいい。
「後はこれをお前が信用できるかどうかだな。信用できないならこの話はなしだしな」
「そこはあなたを信用するわ。血を見ずして上に立とうと思うほど図々しくないですわ」
「そうか、ザインタはどう思う?」
「私はサラフィナ様に従いますわ。あなたを信用するかしないかで言えば、今の所は前者ですね。サラフィナ様を女王にしてあの弟君が王になるのを防げるのでしたら大歓迎ですわ」
ザインタは表情は変わらないものの憎悪に満ちた声だ。
「恨みでもある感じかな?まぁ今は大人しくしつつ、今まで素っ気なくしていた相手に少し歩み寄る態度だけ示せばいいさ」
「ええ、嫌ですけど努力しますわ」
サラフィナはやや顔が引きつっているが、本人もそこは頑張る必要があることはわかってくれたみたいだしなんとかしてくれるだろう。結局彼女が女王になる為には部下がついてこなければ成り立たない。話したくない相手でも、自分の中で折り合いをつけて最低限世間話程度はできないと務まらないだろう。
「そんじゃあ俺はまた散歩してくるよ」
「あまり遅くならないようにお願いしますわ。聞きたい疑問が山ほどありますの」
二十柱を前にしてこの態度はさすがは王女といったところだ。
「はいよ」
◇
城をでた俺はダルジナのいる武具屋に顔をだした。
「よっ」
武具屋の中に入るとダルジナはお店で手伝いをしていた。
「シャーガーさん!来てくれたんですね~」
「あの時はザインタの奴に邪魔されちまったからな」
「ありがとうございます、良かったら見ていってくださいね~」
ダルジナは俺に店の中の棚の武具を一通り説明してくれた。
「ここはジャンク品や用途の不明なものですね~」
「おう、わざわざありがとうな」
ダルジナの頭を撫でる。
「ヘヘッ、でもシャーガーさんのお眼鏡に叶うものは置いてないかもです」
「ハハッ、それはわからんぞ」
ダルジナが説明し終わった後に両親が声をかけて来た。
「どうもこの子の母親のヴェンチュラです。うちの娘を助けていただき感謝です。聞けば白金ランクの冒険者だとか」
ダルジナの母親だ。親子そっくりなところを見ると母親似のようだな。
「申し遅れました。白金ランクの冒険者のシャーガー・ヒンドスタンです。あの時はたまたま絡まれているの見かけまして運がよかったですな」
「俺は父親でこの店の店主のエイロだ。聞けばアヴィーのジュースまでおごってくれたみたいで世話になりっぱなしだ。好きな物一つ持って行ってほしい」
気持ちは嬉しいが欲しいものがあるかだな。
「そんな気を使ってくれなくても大丈夫ですよ」
「俺の気が収まんなくてよ。うちごときのお店にあんちゃんの欲しいものがあるかはわからないが、そんなに品揃えは悪くないと自負しているんだ」
確かに俺の所持品がヤバいだけで、揃えは悪くない。親父さんの手作りのやつもかなり質はいい。
「それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます」
ダルジナの説明の時一通り見せてもらったが、一番気になるのは在庫処理ゾーンだ。立花とお宝漁りしていた時も大抵そこにレアものがあったりするのだ。
「そこはジャンク品とかだぜ~」
「意外と掘り出し物はこういうゾーンにあるもんなんですよ」
見るとこの使い用途が不明なアクセサリー二つが気になるな。
「まずこの二つだな。それと親父さんの作ったそこにある剣はいいものだな」
おそらく目玉商品なのだろう。ただそれを指した時の親父さんの顔は複雑な表情だ。
「流石はあんちゃん、それに目を付けるとは。それはアダマンタイトコーティングをしている。たまたま少し手に入ったんでアダマンタイトをコーティングしたらいい剣ができたんだ」
親父さんは自慢気に言う。
「フフッ、それをタダで手放していいんですかお父さん?」
ヴェンチュラがクスクスと笑いながら言う。
「男は一度言ったことは曲げるわけにはいかないのさ!」
とは言っているが少し無理をしているのは顔をみればわかる。
「それは既定の値段で買わしてもらうよ。ぶっちゃけ俺はそれよりもレア度の高い武器を持っているが、そいつは人を惹き付ける何かがある。だからそいつは俺が渡してもいいと思える奴に出会えたら贈り物として贈るとしますよ」
それでその武器の持ち主が大成したら冥利に尽きるというものだ。それでその持ち主が世界を先導してくれたらなおだ。
「いいのか?てことはあげるのはこんなガラクタ二つになっちまう」
「問題ないですよ~」
こいつらはただのガラクタではないことは確かだ。まず一つ目のアクセサリーに触れ魔力を与えると、姿形を変えて別の物へとなった。
「嘘……変化した」
ダルジナの目が点になる。
「これはバックパサーっていうお守りだな。なかなかのレア物だよ」
「バックパサー?」
ダルジナは首を傾げる。
「これは人間族の中でも、大昔特殊な能力を持った種族が作ったもので、一般的には再生不可能。能力は限度はあるものの契約を一度無効にするというものだ」
「それでバックパサーか。一部では需要のありそうなアクセサリーだな」
エイロの言う通り奴隷契約なんかを無効にできるから、一部ではかなり需要のでそうなアイテムである。立花に作り方解析してもらって獣人族に配れば英雄になれるかもな。
「でもシャーガーさんお詳しいですね」
「まぁな、昔色んな本が集まる大きな図書館にあるアイテム図鑑に載ってたんだ」
昔図書館(ザ・マスター)の管理する大書庫に行った時に見たとあるアイテム図鑑に書いてあった。だがなんでこんなものがここに……
「そうだったんですね~もう一つも凄いアイテムの予感がしますね」
ダルジナはわくわくしながらこっちを見ている。
「よしもう一つも魔力を与えてみるか~」
錆びのついたそのアクセサリーに魔力を与える。
「むっ、こいつは……」
普通の魔力では変化が起きんか……だがこの錆ついたアクセサリーから異質な魔力が感じるのも事実。
「少しやり方を変えてみるか……」
魔神の魔力を流し込み無理やりにでも正体をみせてもらうことにした。
「おらっ!」
魔神の魔力を流し込むとアクセサリーの錆がなくなりピカピカになりそこから光と共に変化を起こした。
「ハンマー?」
変化後は銀色に輝くスレッジハンマーへと姿を変えた。
「こいつは……なぁこの二つはどこで?」
「二つとも先代の時からの売れ残りでよ。明確にはわからんが確か先代の友人の品だったのかな」
エイロも明確には覚えていないようで首を傾げている。
「わからないならしょうがない。まぁこいつは俺には使えんな」
こないだゲットした戦姫の槍同様俺はこいつを使いこなすことができない。
「でもハンマーに変化させましたよね?」
「それは特殊な魔力で無理やり変化させただけでその魔力をいれないと……」
魔神の魔力の供給を止めると瞬く間にアクセサリーへと戻った。
「あ、戻っちゃった」
「こいつは選ばれたものにしか使えないんだ。普通の人が持っても変化を起こさない」
もう一つのアイテムといいこんなレアものまであるとはな……これだから掘り出し物探しは辞めれないな。
「どれどれちょっと触ってみますね……」
ダルジナが銀のアクセサリーに触れると、アクセサリーは変化を起こしダルジナの体のサイズに合わせたスレッジハンマーへと変化した。
「あれ?変化しますよこれ~」
ダルジナ無邪気な顔をしてハンマーを振り回す。その姿を見た俺は一瞬何が起きたのかわからず目が点になってしまった。
「へぇっ?嘘やろ……」
この日一番の衝撃まったなしの瞬間だった。
「ダルジナ、お前まさか……」
俺はダルジナの肩に手を置き顔を近づける。
「ふへぇ?ど、どうしたんですか?そんなに見つめて……」
「ちょっと顔を間近で見せてくれ」
ダルジナの目をよく見た、もしダルジナがそうなら……
「そんなに見つめられたらわ、私……」
ダルジナの顔が真っ赤になり湯気が出たように熱くなりフラフラになる。
「うん、顔が赤いが大丈夫か?」
お互いのおでことおでこを当てて熱がないかを確かめる。するとさらに熱くなりその場で倒れてしまった。
「お、おい」
「もう駄目でしゅ~」
ダルジナはその場で目を回してしまった。
「すまん、あんちゃん、その品は渡すからまた来てくれないか?」
「申し訳ない、俺のせいでダルジナが……」
「フフッ、いいんですよ。少ししたら治るのでまた後日いらしてくださいませんか」
「あっ、はい」
顔を見た時に間違えてオーラを放っちゃってたかな……アクセサリー二つを受け取り武器の方も金貨五十枚支払い購入し店を後にした。
「まさかダルジナがあの一族の血を受け継いでいるとはわからんものだな~」
ただこいつはまだ俺が持っていたほうが良さそうだな。
「さて次は月島や杉原の元に行くとするかな」
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