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1章
16話:旅立ち
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再会を果たしたあの場所で寝ないで話した、何で失踪したかや記憶についての話もした。
「てことは記憶はあったんだな」
「ええ、生まれたその時から能力も記憶も得ていたわ~」
「まじかよ~なら早く記憶戻してくれればよかったのに~」
「幼少期に変に記憶を与えてパニックになっても困るでしょう?高校生になったら記憶を思い出させようと思ってたんだけどね……」
中学卒業後の突然の失踪だ。
「こっちに来たのは偶然か?」
「たまたまよ……時空の歪みが起きてるのわかってたから調査をしていたら吸い込まれちゃって……本当にごめんなさい」
「いやいいんだ、こうやって一年以上ぶりに会えたんだ。今は嬉しい気持ちでいっぱいだよ」
「フフッ、それは私もよ。あなたとこうしてあえて本当に良かった」
しかしよくこの街を移動しなかったな。
移動されてたらいつ会えたかわかったものじゃない。
「でもよくここにいたな?」
「ええ黒姫から今日この場所に行けば感動の再会まったなしなんて言うからね~」
「えっ……」
「迷宮の最下層で周平はそのうち来るから待ってる?なんて聞かれたんだけどより感動できる再会をしたいって言ったらここを指定されたの」
「な、なにぃぃぃぃ~」
あの女……あの部屋も妙に綺麗だったがそういう事か……
クソッ、騙された。
「でもあのクリスタル一回起動したらもう起動出来ないって……」
「あなたたち勇者を召喚する為の莫大な魔力を掠め取ってたから、あなた達が召喚されるまではずっと起動していたわ~」
「んな設定だったのか……てことは黒姫とは色々話したんだよな?」
「ええ、だから向こうの事情も多少は理解しているわ」
立花と再会を無事果たしたことだ、そろそろ動きださないといけないな。
「そうか、それは後で聞くとして早速支度の準備だな」
「そうね、私の残りの力も迷宮に眠ってるみたいだし一緒に回収しましょう~」
「おう、そうと決まればこんなとこ出るかー」
「いいけどクラスメイトのことはいいのかしら?」
「その話もしないとか……」
今のクラスメイトの現状や雪や美里との約束を話をした、立花からしたらあまり気持ちのいい話ではないが仕方あるまい。
「なるほどね」
「ああ……そんな感じでさ……」
「まぁその二人が周平にとって大事ならしょうがないわ、色々世話になってるみたいだし……」
「うわっ……」
立花はそのまま俺を押し倒す。
「私のいない間にね~」
そのまま顔を近づける。
「ちょっ……」
「私としては里菜以外それは認めたくないのよね~」
「だろうな、というか宮本はいいのかよ!」
宮本里菜とは立花や俺と同じ中学の同級生で、陣同様二年二組にいる女の子だ。中学時代は立花が生徒会長で俺が副会長、宮本は書記をやっていた。
ちなみに宮本と俺は親しい友達ではあったがそういう関係ではない。
「里菜は別よ~」
「ハハッ、それで俺は代わりに何を誓えばいい?」
「フフッ、嫁は私よ。それは体の髄まで刻むこと」
「勿論だよ、他には?」
とっくに刻み込まれているがな。
「そうね……嫁である私を一番に考えるのは当然としてまぁ考えておくわ~」
「了解、あ、それと転生してから告白しそびれちゃったな~」
「そうね……じゃあ今この場でお願い!」
「い、いきなりか!?」
「当然!」
こんな至近距離でそんなこと言われると緊張しちまうな……甘い匂いするし間近で見ると改めてヤバい。
「ええっと……もっかい嫁になってください……」
「フフッ、いいわよ~というか随分言葉数が少ないわね。いつもの周平じゃなくて可愛いわ」
「俺は元々口数少ないだろ。前世でも先に婚約しろって言ったのお前だし……」
「でも前世も今も子供の頃のあなた立花ちゃんのお嫁さんになるんだ!なんて言ってたわよね?幼稚園の年長の時私に意地悪をしようとした……」
「ああっ~!止めてくれ……恥ずかしい」
「前世の時は親同士のあれや黒姫の手引きがあったけど私に王族との婚約の申し出があった時は……」
「ギブアップです……許してください……」
「よろしい~」
そのまま唇にキスをしてくる。
恥ずかしい……幼稚園時は俺の嫁に手を出すな!なんて叫びながら意地悪しようとした奴全員ボコボコにしたし、前世の時は相手が王族だろうが関係なくそいつのお屋敷一つ燃やして俺の未来の嫁にたかるハエは誰だろうと殺す!とか言ったんだよな……
結局俺や立花はその世界の王族よりもはるか上の存在にいたから向こうも何もできずに終わったんだった。
「あとそんなに二人が大事ならあれを使えばいいのに?」
「あれ?」
◇
「神山はいないのか?」
「らしいな……ここ数日ずっと姿を見せていないみたいだ」
嶋田は頭を悩ませていた、正義感の強い彼にとって周平のようなはみ出し者は我慢できなかった。
それも自分が好意を抱く月島、親友である木幡が好意を抱く杉原と親しい関係にあるから余計にだ。
「まさかあいつ……」
脱走……その可能性が頭をによぎっていた。
「まぁまてや浩二」
「竜也?」
「この街を出るのは流石に厳しいんじゃないか?俺達来てから警備は厳重だし、遊びで抜け出そうとした奴らが普通に連れ戻されているだろ?」
「確かに……それを考えればその線は考えにくいか……」
「街をウロウロしてたっていう噂は入ってるし放っておこう」
木幡は周平という邪魔な存在が消えれば美里を狙いやすくなると考えていたので、いっそこのまま脱走してくれればと願っていた。
「それにお前だって本当はその方が好都合なんじゃないのか?」
「な、何を言ってるんだ!」
「今は俺達二人しかいないんだ……隠すなよ」
「確かに……俺は月島が好きだがそれとこれとは……」
正義感の強い彼故にそれは別で考えていた。
クラスみんなで無事地球へと帰還する、そんな想いがあったのだ。
「素直になれよ。お前はよくやってるしそれは周りも理解していることだ」
「竜也……」
「あの二人を狙うのは他にもいる……俺達の立場考えれば一番狙いやすいんだ!併用して頑張ろうぜ!」
「わ、わかったよ。俺は月島でお前は杉原……今後も頑張っていこうか」
「そのいきだぜ!」
◇
ここはまた別の一室、一人そこでベッドを叩きつけていた。
クソっ……
「なんであいつは生きているんだ!」
あいつが迷宮で落ちた時は愉快で愉快でしょうがなかった。月島とイチャイチャするあの男を事故に見せかけて殺すことができたと思ったからだ。
「一月半……俺は次のステップへと着実に進めていた……」
クラスを仕切る側に回り接触する回数を徐々に増やしていた。
「何であいつはまた戻ってくるんだ!」
あいつが戻ってきたあの時は叫びそうになってしまいそうになった。
頭の中にノイズが入ってぐちゃぐちゃになって乱されていく……あいつの声を聞いて沸き出る殺意……
「まぁいい……ここ数日姿を現さないしそのまま消えてくれれば構わないさ……」
◇
「街を出るのは余裕ね」
「まぁそこそこの警備は厳重だったが俺達にかかれば問題ない」
俺は立花と共に王都アスタルテを抜け出した。厳重な警備といっても姿と気配を完全に消したら気付かれず抜けることができた。
それ自体がかなり難易度が高いがな。
「これからどうするの?」
「そうだな、まずは冒険者ギルドのある街に行こうか」
「フフッ、定番ね」
まずは身分を確立するところからだな。
俺達の能力なら冒険者なら高位のランクにつけること間違いなしだ。
「身分を確立したら次は仲間探しだな。何人かは生きてるだろうし」
「妖精王や九兵衛さんなかはいるって黒姫が言ってたわ」
そこら辺は生き残ったようだな、まぁあいつらなら当然か。
今後どうなるか知らんがなんとかなるだろう、あっちもあのシステムが起動すればあの二人もなんとか見ることが出来るはずだ。
「それじゃあな……」
王都を背に二人旅立った。
「てことは記憶はあったんだな」
「ええ、生まれたその時から能力も記憶も得ていたわ~」
「まじかよ~なら早く記憶戻してくれればよかったのに~」
「幼少期に変に記憶を与えてパニックになっても困るでしょう?高校生になったら記憶を思い出させようと思ってたんだけどね……」
中学卒業後の突然の失踪だ。
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「いやいいんだ、こうやって一年以上ぶりに会えたんだ。今は嬉しい気持ちでいっぱいだよ」
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「えっ……」
「迷宮の最下層で周平はそのうち来るから待ってる?なんて聞かれたんだけどより感動できる再会をしたいって言ったらここを指定されたの」
「な、なにぃぃぃぃ~」
あの女……あの部屋も妙に綺麗だったがそういう事か……
クソッ、騙された。
「でもあのクリスタル一回起動したらもう起動出来ないって……」
「あなたたち勇者を召喚する為の莫大な魔力を掠め取ってたから、あなた達が召喚されるまではずっと起動していたわ~」
「んな設定だったのか……てことは黒姫とは色々話したんだよな?」
「ええ、だから向こうの事情も多少は理解しているわ」
立花と再会を無事果たしたことだ、そろそろ動きださないといけないな。
「そうか、それは後で聞くとして早速支度の準備だな」
「そうね、私の残りの力も迷宮に眠ってるみたいだし一緒に回収しましょう~」
「おう、そうと決まればこんなとこ出るかー」
「いいけどクラスメイトのことはいいのかしら?」
「その話もしないとか……」
今のクラスメイトの現状や雪や美里との約束を話をした、立花からしたらあまり気持ちのいい話ではないが仕方あるまい。
「なるほどね」
「ああ……そんな感じでさ……」
「まぁその二人が周平にとって大事ならしょうがないわ、色々世話になってるみたいだし……」
「うわっ……」
立花はそのまま俺を押し倒す。
「私のいない間にね~」
そのまま顔を近づける。
「ちょっ……」
「私としては里菜以外それは認めたくないのよね~」
「だろうな、というか宮本はいいのかよ!」
宮本里菜とは立花や俺と同じ中学の同級生で、陣同様二年二組にいる女の子だ。中学時代は立花が生徒会長で俺が副会長、宮本は書記をやっていた。
ちなみに宮本と俺は親しい友達ではあったがそういう関係ではない。
「里菜は別よ~」
「ハハッ、それで俺は代わりに何を誓えばいい?」
「フフッ、嫁は私よ。それは体の髄まで刻むこと」
「勿論だよ、他には?」
とっくに刻み込まれているがな。
「そうね……嫁である私を一番に考えるのは当然としてまぁ考えておくわ~」
「了解、あ、それと転生してから告白しそびれちゃったな~」
「そうね……じゃあ今この場でお願い!」
「い、いきなりか!?」
「当然!」
こんな至近距離でそんなこと言われると緊張しちまうな……甘い匂いするし間近で見ると改めてヤバい。
「ええっと……もっかい嫁になってください……」
「フフッ、いいわよ~というか随分言葉数が少ないわね。いつもの周平じゃなくて可愛いわ」
「俺は元々口数少ないだろ。前世でも先に婚約しろって言ったのお前だし……」
「でも前世も今も子供の頃のあなた立花ちゃんのお嫁さんになるんだ!なんて言ってたわよね?幼稚園の年長の時私に意地悪をしようとした……」
「ああっ~!止めてくれ……恥ずかしい」
「前世の時は親同士のあれや黒姫の手引きがあったけど私に王族との婚約の申し出があった時は……」
「ギブアップです……許してください……」
「よろしい~」
そのまま唇にキスをしてくる。
恥ずかしい……幼稚園時は俺の嫁に手を出すな!なんて叫びながら意地悪しようとした奴全員ボコボコにしたし、前世の時は相手が王族だろうが関係なくそいつのお屋敷一つ燃やして俺の未来の嫁にたかるハエは誰だろうと殺す!とか言ったんだよな……
結局俺や立花はその世界の王族よりもはるか上の存在にいたから向こうも何もできずに終わったんだった。
「あとそんなに二人が大事ならあれを使えばいいのに?」
「あれ?」
◇
「神山はいないのか?」
「らしいな……ここ数日ずっと姿を見せていないみたいだ」
嶋田は頭を悩ませていた、正義感の強い彼にとって周平のようなはみ出し者は我慢できなかった。
それも自分が好意を抱く月島、親友である木幡が好意を抱く杉原と親しい関係にあるから余計にだ。
「まさかあいつ……」
脱走……その可能性が頭をによぎっていた。
「まぁまてや浩二」
「竜也?」
「この街を出るのは流石に厳しいんじゃないか?俺達来てから警備は厳重だし、遊びで抜け出そうとした奴らが普通に連れ戻されているだろ?」
「確かに……それを考えればその線は考えにくいか……」
「街をウロウロしてたっていう噂は入ってるし放っておこう」
木幡は周平という邪魔な存在が消えれば美里を狙いやすくなると考えていたので、いっそこのまま脱走してくれればと願っていた。
「それにお前だって本当はその方が好都合なんじゃないのか?」
「な、何を言ってるんだ!」
「今は俺達二人しかいないんだ……隠すなよ」
「確かに……俺は月島が好きだがそれとこれとは……」
正義感の強い彼故にそれは別で考えていた。
クラスみんなで無事地球へと帰還する、そんな想いがあったのだ。
「素直になれよ。お前はよくやってるしそれは周りも理解していることだ」
「竜也……」
「あの二人を狙うのは他にもいる……俺達の立場考えれば一番狙いやすいんだ!併用して頑張ろうぜ!」
「わ、わかったよ。俺は月島でお前は杉原……今後も頑張っていこうか」
「そのいきだぜ!」
◇
ここはまた別の一室、一人そこでベッドを叩きつけていた。
クソっ……
「なんであいつは生きているんだ!」
あいつが迷宮で落ちた時は愉快で愉快でしょうがなかった。月島とイチャイチャするあの男を事故に見せかけて殺すことができたと思ったからだ。
「一月半……俺は次のステップへと着実に進めていた……」
クラスを仕切る側に回り接触する回数を徐々に増やしていた。
「何であいつはまた戻ってくるんだ!」
あいつが戻ってきたあの時は叫びそうになってしまいそうになった。
頭の中にノイズが入ってぐちゃぐちゃになって乱されていく……あいつの声を聞いて沸き出る殺意……
「まぁいい……ここ数日姿を現さないしそのまま消えてくれれば構わないさ……」
◇
「街を出るのは余裕ね」
「まぁそこそこの警備は厳重だったが俺達にかかれば問題ない」
俺は立花と共に王都アスタルテを抜け出した。厳重な警備といっても姿と気配を完全に消したら気付かれず抜けることができた。
それ自体がかなり難易度が高いがな。
「これからどうするの?」
「そうだな、まずは冒険者ギルドのある街に行こうか」
「フフッ、定番ね」
まずは身分を確立するところからだな。
俺達の能力なら冒険者なら高位のランクにつけること間違いなしだ。
「身分を確立したら次は仲間探しだな。何人かは生きてるだろうし」
「妖精王や九兵衛さんなかはいるって黒姫が言ってたわ」
そこら辺は生き残ったようだな、まぁあいつらなら当然か。
今後どうなるか知らんがなんとかなるだろう、あっちもあのシステムが起動すればあの二人もなんとか見ることが出来るはずだ。
「それじゃあな……」
王都を背に二人旅立った。
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