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1章
9話:俺の能力
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遠い日の記憶……それは戦場での話だ。
たった十三人で十万人を殲滅し最強と恐れられるようになったあの戦い。
その戦いになぜ自分は参加したのか?
そもそもなぜ俺はあいつらを率いて戦ったのか?
遠い彼方に忘れ去られた記憶が力とともに蘇りかけていた。
「随分下へと落ちたようだな……」
目を覚めると周平はあたりを見渡した。
百四十四層に比べるとかなり外観が異なるな。
「何であの男の幻影が……」
昔の記憶っぽいのを少し思い出すことができたからいいとするか……
まだ整理がつかないがそのうち思い出してくるだろう。
とりあえず俺を待つ何かはもっと下にあるみたいだな。
月島や杉原や尾形や先生がちゃんと脱出できていればいいが……
「落ちる前より体が軽いな~」
その場で声を出すが返答が返って来るわけでもないな。
月島や杉原に連絡を試みるも反応がないところを見るとかなり下のようだがちょっと落ちただけでそんな下まで落ちるのは少しおかしい気が……
取り合えず進むしかないな。
まるで今まで自分を抑えていた何かから解放されましたと言わんばかりに体が軽くどこか力がみなぎってくる感じがするのだ。
たしか落ちる前のステータスは各ステータスが六万ずつだったな。
さてステータスを確認しますかな~
俺は自身のステータスを確認した。
「なんじゃこれ……何かの間違いでは……」
自身のステータスを見て驚愕のあまり目が飛んだ。
いやそれぐらい驚きを隠せなかったのだ。
神山周平
レベル:10?
種族:人間?
職業:魔神
攻撃:150000
防御:150000
魔法攻撃:150000
魔法防御:150000
素早さ:150000
魔力:150000
固有スキル:魔神の戒律(不完全状態)、
異能:アイスショット(C)、チャッカファイア(C)、粘着弾(B)、チャージショット(A)、天の糸(AA)、物質具現(AA)、不死鳥の橙炎(S)、完全記憶(S)、砂の王(S)宝物庫(S)
称号:神殺し、煉獄の王
また強くなっとるやないか!
しかしこれまた物騒なスキルと称号だな、記憶が戻ったのはほんの断片に過ぎない……こないだまで見ていた夢の体験が自身の過去であることを認識したがどうやら俺は人を超えた存在らしいな。
サ〇ヤ人にでもなったか俺……
まだ実感が湧かず疑問だらけだが、今の自分の状況を頭の中で整理した。
「鉄巨人の大剣が振り落とされた先生を庇ってダメージを受けたけどあのダメージが記憶を引き出したということか……だけどあの男の声があのタイミングで起きたのもおかしな話だ……俺の心情に反応したとでもいいのか?」
当然答えてくれる相手などいないがぶつぶつ独り言を言いながら頭を整理した。
迷宮の特性で落ちてきた穴が塞がっている。
もう一度地上に戻る為にはボス階層にてボスを倒し転移装置で帰る感じだな。
「まぁとりあえずこのバグともいえるスキルを使ってさくさく進むかー」
というか一度見たものや聞いたことを忘れないのはこの異能があったからか?
つまり俺は異世界に来る前からスキルを持っていた。
正確にはスキルを持っていたのはその前の前世ってことになるのか。
進んでいくとさっき苦汁を舐めた鉄巨人に出くわした。
レベルはさっきと一緒で五体いる。
「今のステータスが嘘じゃなければ敵じゃないはず……」
まず粘着弾で鉄巨人一体の動きを封じた後顔に向かってチャージショットを放ってみた。
粘着弾はクラスメイトの橋本の粘着床と似たような感じだが向こうは地面に発生させるのに対してこっちは手から放つ感じだ。
チャージショットを自身で力を溜めて砲弾を放つという異能で、一度最大火力で放つと貯めるのには最大二十四時間、睡眠や飲食等で貯める時間を短縮できるというものだ。
「まじか……」
放ったチャージショットは鉄巨人の頭を軽く吹き飛ばしそのまま後ろにいる鉄巨人の腹を貫通した。
ちなみに異能は自身で使える能力に関してはどういう仕組みか自動的に頭に入ってくるのだ。
「う、嘘だろ……」
あまりの力差に驚きを隠せない。
落ちる前のステータスの時点でもこれ使えば一発だったのでは……
すると俺は勿体ぶって惨事を大きくした戦犯に……いやいや俺は悪くないそ、悪いのは菱田達だ。
頭の中で言い訳を考えていると残り三体の鉄巨人がこちらに対し戦闘態勢を構え一体は俺に向かって剛烈剣を放ってきた。
「うん、遅い!」
片手で剛烈剣を受け止めると不死鳥の能力を使ってみた。
「橙炎撃!」
鉄巨人は劫火につつまれ瞬く間に消滅、残り2体だ。
今度はこれを試すか。
少し怖いがさっきも受けて平気だったし能力も上がっているし大丈夫だろう。
「ウッ……」
今度は鉄巨人の剛烈剣をあえて受けた。
直接受けたことで左腕が斬れて落ちるが、瞬時に体を再生させる。
これは不死鳥の異能の能力で得ている再生力で体から分離された部位や放出された血液ごと元に戻すことができる。
今は左腕で試したが首を斬られようが縦に真っ二つに斬られようが再生可能である。
この異能を持つ時点で心臓や脳自体が弱点でなくなるらしくSランクだけあって破格の性能だ。
再生するのに体力を少し消費するわけだが連続頻回使用しなければ影響はない。
今度は砂の王を使用して反撃だ。
これは砂を自由の操る異能で地形によってはさらに力を増すものだ。
「デザートカッター!」
鉄巨人は真っ二つになるが当然俺のように再生はしない。
さて残り1体、どう料理するか……
「宝物庫は魔石や素材の収納庫にもなるみたいだがそれだけではないはず」
宝物庫という異能は自身の所有するものすべてを異空間に収納ができ自由に出し入れが可能である。
しかも宝物庫に宝と認定された武器や防具は盗られたりしてもすぐに宝物庫内に戻すことができるという優れものだ。
宝と認定されない物でも自身の見える範囲内なら宝物庫に再収納することも可能だ。
さっそく戦闘に応用させ自分の周りに無数の武器を発生させ重力の魔法と併用して相手に放つ。
これは有能だな。
自身の所持している武器が手元から離れても戻れと念じればすぐに戻るし任意の場所から出すことができる、しかも破壊されても宝と認められた武器や防具は宝物庫に戻せば自動で修復されるという神機能……まさにチート!
クラスメイトといる時はどうなるのか怖くて能力の使用を控えていたがこれは凄い。
あの時使っていれば……いや誰も死んでないし結果オーライだわ。
もし使って力がバレても面倒だし。
テンショアゲアゲで迷宮の攻略に勤しんだ。
◇
そのころとある街の酒場では女性がとある人との再会を望んでいた。
「ふふっ、あともう少しね……長かった」
彼女は周平達よりも早くこの世界に来ていて彼女もまた一年以上離れ離れな想い人との再会を待ち望んでいた。
彼女と彼が再開するとき世界は動き出す。
ちなみに周平が今いるのは三百五十層だ。
だが今の彼ならこの最下層に辿り着きクリアすることも時間の問題だろう。
たった十三人で十万人を殲滅し最強と恐れられるようになったあの戦い。
その戦いになぜ自分は参加したのか?
そもそもなぜ俺はあいつらを率いて戦ったのか?
遠い彼方に忘れ去られた記憶が力とともに蘇りかけていた。
「随分下へと落ちたようだな……」
目を覚めると周平はあたりを見渡した。
百四十四層に比べるとかなり外観が異なるな。
「何であの男の幻影が……」
昔の記憶っぽいのを少し思い出すことができたからいいとするか……
まだ整理がつかないがそのうち思い出してくるだろう。
とりあえず俺を待つ何かはもっと下にあるみたいだな。
月島や杉原や尾形や先生がちゃんと脱出できていればいいが……
「落ちる前より体が軽いな~」
その場で声を出すが返答が返って来るわけでもないな。
月島や杉原に連絡を試みるも反応がないところを見るとかなり下のようだがちょっと落ちただけでそんな下まで落ちるのは少しおかしい気が……
取り合えず進むしかないな。
まるで今まで自分を抑えていた何かから解放されましたと言わんばかりに体が軽くどこか力がみなぎってくる感じがするのだ。
たしか落ちる前のステータスは各ステータスが六万ずつだったな。
さてステータスを確認しますかな~
俺は自身のステータスを確認した。
「なんじゃこれ……何かの間違いでは……」
自身のステータスを見て驚愕のあまり目が飛んだ。
いやそれぐらい驚きを隠せなかったのだ。
神山周平
レベル:10?
種族:人間?
職業:魔神
攻撃:150000
防御:150000
魔法攻撃:150000
魔法防御:150000
素早さ:150000
魔力:150000
固有スキル:魔神の戒律(不完全状態)、
異能:アイスショット(C)、チャッカファイア(C)、粘着弾(B)、チャージショット(A)、天の糸(AA)、物質具現(AA)、不死鳥の橙炎(S)、完全記憶(S)、砂の王(S)宝物庫(S)
称号:神殺し、煉獄の王
また強くなっとるやないか!
しかしこれまた物騒なスキルと称号だな、記憶が戻ったのはほんの断片に過ぎない……こないだまで見ていた夢の体験が自身の過去であることを認識したがどうやら俺は人を超えた存在らしいな。
サ〇ヤ人にでもなったか俺……
まだ実感が湧かず疑問だらけだが、今の自分の状況を頭の中で整理した。
「鉄巨人の大剣が振り落とされた先生を庇ってダメージを受けたけどあのダメージが記憶を引き出したということか……だけどあの男の声があのタイミングで起きたのもおかしな話だ……俺の心情に反応したとでもいいのか?」
当然答えてくれる相手などいないがぶつぶつ独り言を言いながら頭を整理した。
迷宮の特性で落ちてきた穴が塞がっている。
もう一度地上に戻る為にはボス階層にてボスを倒し転移装置で帰る感じだな。
「まぁとりあえずこのバグともいえるスキルを使ってさくさく進むかー」
というか一度見たものや聞いたことを忘れないのはこの異能があったからか?
つまり俺は異世界に来る前からスキルを持っていた。
正確にはスキルを持っていたのはその前の前世ってことになるのか。
進んでいくとさっき苦汁を舐めた鉄巨人に出くわした。
レベルはさっきと一緒で五体いる。
「今のステータスが嘘じゃなければ敵じゃないはず……」
まず粘着弾で鉄巨人一体の動きを封じた後顔に向かってチャージショットを放ってみた。
粘着弾はクラスメイトの橋本の粘着床と似たような感じだが向こうは地面に発生させるのに対してこっちは手から放つ感じだ。
チャージショットを自身で力を溜めて砲弾を放つという異能で、一度最大火力で放つと貯めるのには最大二十四時間、睡眠や飲食等で貯める時間を短縮できるというものだ。
「まじか……」
放ったチャージショットは鉄巨人の頭を軽く吹き飛ばしそのまま後ろにいる鉄巨人の腹を貫通した。
ちなみに異能は自身で使える能力に関してはどういう仕組みか自動的に頭に入ってくるのだ。
「う、嘘だろ……」
あまりの力差に驚きを隠せない。
落ちる前のステータスの時点でもこれ使えば一発だったのでは……
すると俺は勿体ぶって惨事を大きくした戦犯に……いやいや俺は悪くないそ、悪いのは菱田達だ。
頭の中で言い訳を考えていると残り三体の鉄巨人がこちらに対し戦闘態勢を構え一体は俺に向かって剛烈剣を放ってきた。
「うん、遅い!」
片手で剛烈剣を受け止めると不死鳥の能力を使ってみた。
「橙炎撃!」
鉄巨人は劫火につつまれ瞬く間に消滅、残り2体だ。
今度はこれを試すか。
少し怖いがさっきも受けて平気だったし能力も上がっているし大丈夫だろう。
「ウッ……」
今度は鉄巨人の剛烈剣をあえて受けた。
直接受けたことで左腕が斬れて落ちるが、瞬時に体を再生させる。
これは不死鳥の異能の能力で得ている再生力で体から分離された部位や放出された血液ごと元に戻すことができる。
今は左腕で試したが首を斬られようが縦に真っ二つに斬られようが再生可能である。
この異能を持つ時点で心臓や脳自体が弱点でなくなるらしくSランクだけあって破格の性能だ。
再生するのに体力を少し消費するわけだが連続頻回使用しなければ影響はない。
今度は砂の王を使用して反撃だ。
これは砂を自由の操る異能で地形によってはさらに力を増すものだ。
「デザートカッター!」
鉄巨人は真っ二つになるが当然俺のように再生はしない。
さて残り1体、どう料理するか……
「宝物庫は魔石や素材の収納庫にもなるみたいだがそれだけではないはず」
宝物庫という異能は自身の所有するものすべてを異空間に収納ができ自由に出し入れが可能である。
しかも宝物庫に宝と認定された武器や防具は盗られたりしてもすぐに宝物庫内に戻すことができるという優れものだ。
宝と認定されない物でも自身の見える範囲内なら宝物庫に再収納することも可能だ。
さっそく戦闘に応用させ自分の周りに無数の武器を発生させ重力の魔法と併用して相手に放つ。
これは有能だな。
自身の所持している武器が手元から離れても戻れと念じればすぐに戻るし任意の場所から出すことができる、しかも破壊されても宝と認められた武器や防具は宝物庫に戻せば自動で修復されるという神機能……まさにチート!
クラスメイトといる時はどうなるのか怖くて能力の使用を控えていたがこれは凄い。
あの時使っていれば……いや誰も死んでないし結果オーライだわ。
もし使って力がバレても面倒だし。
テンショアゲアゲで迷宮の攻略に勤しんだ。
◇
そのころとある街の酒場では女性がとある人との再会を望んでいた。
「ふふっ、あともう少しね……長かった」
彼女は周平達よりも早くこの世界に来ていて彼女もまた一年以上離れ離れな想い人との再会を待ち望んでいた。
彼女と彼が再開するとき世界は動き出す。
ちなみに周平が今いるのは三百五十層だ。
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