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◇全く解ってないじゃない◇
しおりを挟む私が寡黙君にガーガー文句垂れてたら、説明は後でするから取り敢えず黙ってろと、頭上に空手チョップを喰らった。グギッと音がなる様に頭を反転させられ、キスで口を塞がれた。背中から覆い被られてるので身動きが出来ない。くっ首が痛い。しかし全く状況が掴めない。何故既に城外なのか?行く方向は解って居るのか?質問したい事は沢山有るんだけど、黙ってろと言われて沈黙してたら寝ちゃってた。
次に起きたら湖畔のほとり。この世界は湖が多いんだね。でもこの湖も綺麗だよ。今回はお魚さんもいっぱい泳いでるのが見える。こりゃまた、果実みたいにカラフルだね。正直余り美味しそうでは無いね。焼き魚食べたかったけど我慢しよう。あれ?対岸に天守閣みたいのが有るよ?五重塔みたいのも見えるね。もしかしてあれが目的地なのかな?
近くの木々を寡黙君が魔法で薙ぎ倒してくれ、其処にログハウスを出した。今回はむんむんさんの要望で、お風呂セットと寝室セットを2つ。冷蔵庫とテーブルにソファーも出した。いや~、この拡張セット凄いよ。必要な家具は全て付いてるし、個別の家具や家電品、替えのカーテンやジュータンまで有る。お風呂なんて大露天風呂付き温泉。天井は総ガラス張りだよ。電気無くコンセントも無い。動く仕組みは全く解らない。しかも温泉は常にコンコンと涌き出して居る。室内の空調も全て自動で、常に快適にたもたれてる。ほんとファンタジーだよ。何で此処までする必要が有るんだ?神の考えは、私には全く理解出来ませんよ。
4人でソファーに腰を卸し、テーブルを囲み先ずはお弁当タイム。そう言えば昨日のお昼以来食べてないよ。あっ、朝に赤黒いバナナ2本食べたよ。勿論下ネタじゃ無いよ?寝床の近くに実ってたんだよ。見た目はまんまバナナだし、皮は変な色だけど中身は普通のバナナだった。めちゃ美味しかったよ。
はいはい。脳筋君は、唐揚げとハンバーグとエビチリとトンカツ弁当ね。足りなかったら言ってね。むんむんさんは、しょうが焼きとチキンチーズカツ弁当ね。ガッツリ行くね~。えっ、運動頑張るとお腹が空く?ハイハイ解りました。下ネタはノーサンキューよ。寡黙君は幕の内弁当だけ?足りるの?今はこれだけで良い?後で貴女をご馳走になる?お前も下ネタかい!適当に出して保温バッグに入れとくから、お腹空いたら何時でも食べてよ。飲物もお茶以外にも有ったから、適当に冷蔵庫に入れといたよ。単品でサラダやお浸し、デザートも有ったからこれも冷蔵庫ね。皆野菜も食べなさいよ。フルーツは取り敢えず、バナナと冷凍ミカンね。
・・・・・。
僕は青虫じゃ無いよ!草何て絶対に食べないよっ!うっ、つい思い出してしまった。野菜嫌いの息子給食大丈夫かな・・・。
いやいやっ!今は考えちゃ駄目!全くアイツは野菜と言うのも嫌がるからね。草って言い方笑えちゃうよね。えへへ。
さて私は小海老のサラダにシーザーサラダ。お弁当は幕の内だね。やはり野菜不足だよ。デザートはフルーツヨーグルトだね。飲み物は烏龍茶!これでバランスOKだよ。ではいただきま~す。
《ん?寡黙君?私はこれからご飯だよ。足りなかったら適当に追加して食べてよ。背中に寄り掛かられると、前のめりになって食べにくいよ。デザートも有るよ?》
むんむんさんバナナ食べてるけど、何だか食べ方が奇妙何ですけど。普通に食べれないの?あっ、食べかけを脳筋君の口に突っ込んだ!脳筋君ニコニコしてるよ。まあ2人が幸せなら良いのか?
寡黙君はそろそろ離れてくれ!ギューギュー苦しい。我慢しないで?寡黙君が耳元で囁く。あっ、私が考え事してたから一応慰めてくれてるんだね。はいはいありがとー。でももう立ち直ったから、御飯食べさせてよ。こらチューは要らん。は~、やっと離れた。さてご飯食べよう~。
うっ、むぐ~。むぐぐぅぅ・・・。
私の口にバナナを突っ込み、ニッコリ微笑で戻る寡黙君。貴方は何をしたかったんですか?食欲ダウンだよ。サラダとヨーグルトだけにしとこう。ふぅ。
*****
一休みして、皆でお話中だよ。
〈私達があなた達が来るのを待ってたら、何だか門の方から物音が聞こえて来たのよ。偵察して来たら、門の前にはみっちり兵士が居るじゃない。ビックリして私達も、城壁沿いに貴方達の方向へ向かった訳。途中すれ違いにならないかと心配したけど、無事に壁ドンのお2人に辿り着いたわ。お邪魔しちゃ悪いと暫し鑑賞させて貰ってたけど、兵士の足音が遠くから聞こえて来たの。だから寡黙君にトントンして状況を囁いたの。貴女は全然気付かなかったわよ。多分そのままでは貴女は歩けないと判断したわ。だから私もお手伝いしてイカせて落としたの。〉
〈俺は小虎に大きくなって貰って、2人に乗って待つ様に言った。ペガサスは人化しお前を抱いて待機させた。俺は壁に衝撃波を何度か当て粉砕した。遠くで兵士が騒ぎだしたので、俺がお前を抱えて人化を解いたペガサスに乗り城を脱走した訳だ。〉
《状況は解ったよ。でもまた同じ事聞くけど、私をイカせる必要は有ったの?途中での説明はウソだったんでしょ?》
〈いや、ウソじゃ無い。イヤイヤが可愛くてイタしてたのは本当だ。只お前が完全に堕ちて無かったから、変に恥ずかしがられて動かれても逃走の際に困る。差し迫ってたし、殆ど半裸だったからな。着衣直してやっててくれと頼んだら、ペガサス喜んで抱えて行ったぞ。〉
《酷い・・・。寡黙君だけで無く、むんむんさんとペガサスさんまで・・・。》
〈何よ~。貴女全く気付かなかったじゃない。めちゃ気持ち良さげに悶えてたわよ。寡黙君だけなら良かった訳~?終わり良ければ全て良し何でしょ?寡黙君はテクがまだまだだけど、将来性は有るわよ。何なら2人で今晩から明日の晩まで励めば良いじゃない。〉
《今晩から明日の晩まで?ログハウスに2泊するの?》
(城を出てから、小鳥に偵察して貰った。湖の対岸に見えるのが、麒麟の城だ。城まで休みながら進んで約5時間。城門が開くの明後日の昼過ぎらしい。だから、明後日の早朝に此処を立つ。城主の麒麟が留守の時は城門は閉鎖されてるそうだ。)
《成程。私が寝てる間に皆で色々してくれて有り難う。2泊出来るならゆっくり出来るね。だからむんむんさんもお風呂とかリクエストしたんだね。》
〈そうよ。流石に貴女は4人では無理みたいだからね。それそれゆっくり鋭気を養いましょうよ。麒麟に会ったら、修行とかさせられるそうよ。体調管理も大切よ?無理しすぎはだめよ?〉
《そうなんだ。むんむんさん、色々教えてくれて有り難う。体調管理大切だよね。皆でまったりしよう。さあ温泉入って寝まくるぞ~。鋭気を養うには、やはり食う、寝る、温泉だよ。》
〈寝るだけじゃダメよ?運動もしてね?〉
《運動したら疲れちゃうよ。私は運動で汗を流したい人では無いんです。でもストレッチ位なら頑張るよ。》
〈貴女全く解って無いわね。〉
*****
《あっ、私の名前は、麻里子です。運動は苦手ですが、宜しくお願いしますね。むんむんさん呼び、失礼しました。》
(そうね。名乗り合って無かったわね。私は奈美恵よ。ナミと呼んでね。貴女はマリーと呼ぶわ。)
《まっ、マリーですか?了解です。ナミさん宜しくね。》
(俺は和真だ。そのままでも良いし、カズでも良い。宜しく。)
(自分は力哉と言う。そのままリキヤでも、リキ呼びでもどちらでも構わない。宜しく頼む。)
《ナミさん、カズ君、リキ君。今更ですが、宜しくお願い致します。私帰れるのかわからないけど、最後まで頑張るよ。》
〈〈〈・・・・・。話は終わりっ!休もう!!〉〉〉
《よ~し。では温泉へゴー。ナミさん一緒に入ろう~。》
〈私は女とは入らないわよ。こらっ、マリーはカズと入りなさい!私はリキと入るのよ~。〉
〈〈なら皆で入ろうぜ。2人じゃ広すぎだろう。〉〉
あ~っ!ナミさん、リキ君と一緒に喜んで行っちゃったよ。カズ君こっち見てる~。取り敢えずおトイレに避難しよう!
結局捕獲された。その後は・・・。入りましたよ…。
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11/22連載開始。12/15日完結。6話よりH描写入ってます。お読み戴き有り難うございました。
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