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◇本当はイヤじゃない◇
しおりを挟む寡黙君とてくてく移動中だよ。しかし足はやっ!しかも全く喋らないんだよね。着替え終えて、湖畔を出発する辺りからずっと何か考えこんでる。もしかして、私にこれ以上は何も言えないって言った事?私は全て終われば帰れるって思ってたけど、何が違うんだろうか?4神や麒麟なら知ってるの?チャラ神は多分知ってて、私に言わなかったんだろうね。その事考えてるのかな?でも今考えても仕方無いし、成るようにしか成らないよ。もしそうなら、寡黙君考えすぎだよ。若ハゲ予備軍まっしぐらだよ?
《お~い。寡黙君~。ちょいと速度落としてくれない?コンパス短いから早足でも追いつかないよ。それに何か考え込んでるの?私の事なら構わなくて良いよ。何事も成る様にしか成らないし、結構神経は図太いんだ。もし戻れないとしても何とかなるよ。寡黙君が居てくれるなら余計に助かるしね。私の事は良いから自分の事を考えなさいよ。》
〈ならもし戻れなかったら、俺と一緒に居てくれるか?〉
《勿論だよ。でも戻るのが前提だよ?その為のお城脱出だしね。もしもの事はその時考えようよ。もしかしたら、寡黙君が残らなくてもゲートを破壊する事が出きるかもしれ無いよ?》
〈それは無いよ。ゲートは此方側からしか破壊出来ない。扉が繋り閉まる寸前に、此方側から壊さないと駄目何だ。これは最初の神から聞いた。俺はまた母さんみたいな人を生みたくなかったんだ。だから此方に引摺り込まれる寸前に、歌姫から聞いていた神に会わせろ!と強く願った。最初の神がそれに答えた。そこで俺は此方に残る事を条件に、扉を壊せるだけの力を貰った。 スキルが有るって事はそう言う事だ。俺は完璧な転移だが、他の2人は向こうの世界で既に死亡してる。2人共その事を覚えてる。行き場を迷った魂だ。最初の神からスキルを与えられる代わりに此方に体を貰い残る。そして願いを1つ叶えて貰う約束だそうだ。〉
〈君はどうなんだ?何も最初の神から聞いてないんだろ?言霊は多分俺がゲートを破壊する予定だから付けられたんだろう。此方に異世界人を残したまま、ゲートを破壊出来ないからな。スキルは職業に連動して付くが、何故お前が選ばれたのかが解らない。普通に召還されただけなら、離れの皆の様にギフトは付かないんだ。召還もゲートの前にされる筈だ。年も若返ってるんじゃ無いのか?乙女で子持ちはあり得ない。そしてゲート前に召還された場合は、原状のままで若返ったりはしない。何せ神にも会って無いからな。義父母は結構な年だったぞ。なあ、お前は神から何も聞いてないのに、離れの奴らと何故か違うだろ?どちらかと言うと俺達側に近い。だからもしかして俺達の様な事が無いのか?と、色々と考えてた。まあ神に会い問い詰めるか、ゲートに入ってみなけりゃ結果は解らないけどな。〉
《私には死んだ記憶は無いよ?此方に来る直前の記憶は、子供達と川の字になって寝てた事だよ。湖畔で気付いた時には殆ど何も覚えて無かった。チャラ神に会った事と、お城から脱出する事と年令に関する事は何となく覚えてた。おばさんじゃ異世界はキツいから、若さと職業をくれるって確か言ってた。その後たまたま、言霊でチャラ神を呼び出したらしい。チャラ神が言うには、私は最初の説明中寝てたらしいよ。覚えて無いと言うと、もう一度簡単に説明してくれた。しかし余り干渉出来ぬからと、はしょっての説明だった。だから詳しく覚えて無いんだ。》
〈お前もしかして、寝てて重要な所を聞いてなかったんじゃ無いだろうな?しかしそれじゃどうなるかは解らないな。確かに今考えてても仕方無い。どうなるかはさておき、俺は自分に正直に過ごす事にするわ。先ずは君にガンガンアタックするよ。君が戻ったら寂しいけど、もし戻れなかったら俺を頼れよ。こんな心配しない方が良いけど、あくまでも俺は保険だと思えばいはい。先ずはゲートを開く事を考えよう。その後は成る様になれっ!だな。しかし本当に寝てたのかよ。幾らなんでも、図太すぎじゃ無いか?〉
《神経図太いおばさんで悪いねっ!こんな精神年齢おばさんの私で良ければ頑張って口説いてくれ。保険は有り難く受けとるよ。寡黙君は嫌いじゃ無いし、流石に戻れなかったら精神的に不味いと思う。私は出来れば帰りたい。寡黙君に甘えるけどごめん。》
〈どんどん甘えていいぜ。いきなり色々詰め込ませて悪いな。こんな話聞かされて普通で居られる奴何て居ないぞ?惚れた弱味だ幾らでも頼れ。泣くなら胸も貸すぞ?違う啼きもバッチリお任せだぜ?昨晩でお前の性感帯はバッチリ把握済みだ。〉
《寡黙君いきなり態度と口調が代わったよね。恥ずかしい事平気で言わないでよ。啼きはご遠慮するよ。でもいい加減、呼び方寡黙君じゃ変だよね。むんむんさんとも話してたんだけど、2人と合流したら先ずは名乗り合おうよ。あっ先にお城脱出しちゃう?寡黙君、ドカンと城壁壊しちゃってよ。追っ手来る前に 出た方が良さそう。あっ、ちょっと待っててね?》
《もふもふさん達で人乗せて走れる子出てきて~。》
小虎さん、小鳥さん、ポニーさんにライオンさん?えっ、ペガサスさんも?ペガサスさんは2人乗りOK?ではペガサスさんは決定だね。こらっ!人化して抱きつくな!苦しくて他の子の話が聞けん。あっ寡黙君、剥がしてくれて有り難う。 小虎さんと小鳥さんは小さいから無理だよ?ん?大きさは自由自在なの?2人共、2人乗りOK?では今回は小虎さんにお願い出きるかな?小鳥さんは空飛ぶから今回はゴメンね?城外に出てから偵察とか色々助けてね。では、ペガサスさんと小虎さん、宜しくお願いしますよ。
ん?魔法打っ放すより、動物さん達に門を破って貰った方が安心かも。いざとなれば、イヤで足止め出きるしね。あっ手枷の鎖は外れてるけど腕に嵌まったままだ。今まで気付かなかったよ。
《寡黙君?手枷は全部外せないの?鎖切ってくれたの寡黙君だよね?上級魔法はやはり無理だったの?》
〈王家の血が流れてるから使える。昨晩媚薬で乱れまくりの君が、最中にいやんいやんと可愛らしく悶えて催促したんだ。折角のおねだりに、スキルをが発動しては勿体無いと、外すのは鎖だけにしたんだ。何なら今から外すよ。ちょっとこっち来て。〉
おい・・・。それは言わないでくれよ。穴が遇ったら埋まりたい。恥ずかしすぎでいたたまれないよ。王子たち何時かコロス。そう言えば寡黙君って王子様じゃん!双子王子達と兄弟になるんだね。しかし王は手込めにして孕ませて放置かよ!何て人でなしなんだ。
ん?抱き込まれた?接触しないと魔法が効かないのか?動くな?はいはい、大人しくしてますよっ。早く外してくれ。
んん~。ちゅっ。くちゅっ。んんんぅ~。ちゅっ。くちゅり。
《オーノー!ディープ止めて~。気持ち良すぎて何が何だか解らなくなっちゃうよ~。私ってそんなにビッチだったの~。城壁ドンで膝割りでグリグリしちゃイヤ~。弄るの止めてっ!駄目~。》
《イヤ~。あ・・あっ・、あぅっ。いやぁぁぁ・・・・・》
起きたら既に2人と合流し、ペガサスに私と寡黙君。虎さんにむんむんさんと脳筋君がのり、城外を歩いて居ました。
手枷外れてますが、私をイカせる必要は有ったの?しかも何時の間に城外?虎さんとペガサスさんは私が弄られてたの見てたのね。止めろよ!!寡黙君は言い訳有りますか?可愛らしいイヤイヤの聞き納めに弄った?!手枷外れてOK?終わり良ければ全て良し?そうじゃ無いだろうっ!でも嫌じゃない自分に正直呆れるよ。
寡黙君に甘え過ぎたら、帰る時辛くなるじゃん・・・。
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11/22連載開始。12/15日完結。6話よりH描写入ってます。お読み戴き有り難うございました。
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