【完】スキルはNOと言える日本人?職業は言霊士?私は何をすれば良いの?

桜 鴬

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◇謝る事じゃない◇

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 ん・・・。冷たい。額が気持ち良い。でも体が熱い。頭がぼ~としてる。気だるくて目が開かない・・。あっ、脇もヒンヤリする。誰か冷やしてくれてるのかな?私を包んでるのは人肌?ひんやり冷たくて気持ち良い。もう少し寝ても良いかな。

 《うっ・・・はふぅ・・。あっ・・あぅ・・・。》

 《ああんっ。気持ち良いっ。あ~。あっ、ダメ。やあ~ん。》

 《ううん。もっとして。やん。あふん。んぅ。もっと・・。》

 《まだ足りないよ。あっ、やっ、あんっ、ああっ。あんっ!もっと強くっ!ああん。ん~。がつがつ気持ちいい~。もっと激しくして~。あ・・・やあぁ・・んぅぅ・・や・・あぁぁ~~。》

 *****

 うっ頭痛い。喉もガラガラ。此処は何処なの?ん?身体中に赤い斑点?まさかこれキスマーク?!うわっ、昨晩の私ってば何しちゃったんだよ。何だか喘ぎまくった記憶が有るけど、もしかしなくても誰かとヤっちゃったの?まさか王子達じゃ無いよね?王子達に組敷かれてたら天井が落ちて火の手があがってからの記憶が無い…。考えても埒が空かないよ。取り敢えずお水飲みたい。ウエストバッグは何処だろう。って私裸じゃん。すっぽんぽんじゃ歩けないよ。

 〈はいお水どうぞ。〉

 《えっ、寡黙君っ?もしかして王子達から助けてくれたの。》

 〈昨日兵士の様子を見張ってたら、裏門から王子達が入って来たんだ。王子が裏門から何て変だろ?だから、にんにん忍者使って尾行した。直ぐに助けようとは思ったんだけど、直ぐに2人来て色々喋ってたから情報収集してた。その後王子達が来て段々エスカレートしてくから、入るタイミング作る為に魔法打っ放した。そのどさくさに君を抱えて逃げて来たんだ。〉

 《寡黙君有り難う。先の2人の話も聞いたんだね。じゃあ手枷の事も知ってるんだね。媚薬も飲まされちゃったし、正直諦めてた。本当に助かったよ。》

 《後・・あの・・その・・・。昨晩もしかして看病してくれたの?何だか冷たくて気持ち良かった。後そのね?私・・・。》

 〈最後まではしてないよ。媚薬の熱を取る為に、体冷やしてお互い裸で添い寝してただけ。でも中々媚薬が抜けなかった。意識が無いのに悪いと思ったけど、君が暴れる度に要望には答えたよ。最後の一線は超えない様に我慢したから、素股と指までだけど結構激しかったかもしれない。俺も正直キツかったから、素股で結構激しくしたと思う。違和感有ったらごめん。〉

 《寡黙君が謝る事じゃないよ。助けてくれた上に、我慢してくれて有り難う。本当に感謝しきれないよ。此方の世界の王子達としちゃったら、もう元の世界へ戻れないのかと心配してたんだ。》

 〈うん。普通なら最後までしたら戻れないよ。俺の母さんは、ここの王に手込めにされて元の世界へ戻れなかった。そのまま離れに住んでて俺を産んだ。でも心を病んでたから、俺が10才の時に死んだんだ。俺は15才の時に召還された歌姫達と母の世界に渡った。母が死んだ10才から15才まで、親代わりとして接してくれた夫婦が、向こうで俺を養子にしてくれた。まさかまた召還されて戻るとは思わなかったよ。〉

 《そんな酷いよ・・。辛い話させちゃってごめん。頑張って帰ろうよ。あっちの世界で義父母さんも待ってるよ。今回はお母さんのお墓参りに来たんだって、絶対に思える日が来るよ。》

 〈戻るのはもう気にして無いんだ。向こうの義父母は、もう亡くなってる。召還された時にはもう結構な年だったから、界渡りがかなり負担になったらしい。ここに召還される少し前に2人共に亡くなったんだ。でも元の世界のお墓に入れるから嬉しいと言って死んだ。俺が成人してから死ねて良かったと言ってくれたよ。〉

《優しい人達だったんだね。でも10才から15才って、5年も元の世界へ戻れなかったの?もう少し早く戻れたら、体調も少しは回復出来たんじゃない?彼方の方が医療だって発達してるよね?》

 〈歌姫、つまり言霊の職業を持つ異世界人が中々現れないんだ。俺の母が帰還出来なかった時の次ぎが、俺が義父母と共に彼方に渡った時。そしてその次が今回。今回は5年だけど、最初何て15年も開いてる。今離れに居る人達は召還されたばかりの人も居るけど、5年住んでる人も居るんだ。義父母は13年住んでたよ。〉

 《あのね?王家は異世界人を帰還させたく無いの?私の言霊が必要なら、王家も協力して異世界人を戻した方が助かるんじゃ無いの?素直に頼んだら協力してくれないかな?でも神様は城から逃げ出せって言うし、鍵をパンツに隠す位だから無理なのかな?》

 〈王家は異世界人は帰還させたいけど、帰還用のゲートを使われるのが嫌なんだ。ゲートを開くには莫大なエネルギーが必要になる。1度開くと、この世界の魔力が枯渇してしまうらしい。それを恐れてるんだ。〉

 《魔力は無くなると困るの?》

 〈日常生活には何の支障は無い。魔法使いが困るだけだ。まあ魔法使いを職業にしてる人は困るかも知れないが、そもそも魔力は殆ど召還のみにしか使われて居ない。魔力が無くなれば召還もされなくなり一石二鳥だ。徐々に魔力は回復してしまうから、結局はいたちごっこだけどな。〉

 《未来の異世界人の召還を防ぐ為にも、本当なら魔力が回復出来なくなると良いんだね。でもそれは自然の理だから無理そうだね。》

 〈多分無理だな。だがゲートの扉を破壊すれば未来の召還は防げる。俺は此方に残るつもりだ。皆を帰還させた後、扉に魔法を打ち込むつもりだ。〉

 《本当にそれで良いの?》

 〈ああ・・・。もし・・もしもの例えだが、お前が元の世界へ戻れなかったとしたら、俺の傍に居てくれるか?〉

 《え・・・?そんな事考えても見なかったよ。ゲート開いても戻れない何て事が有るの?寡黙君は何か知ってるの?》

 〈・・・。ごめん。これ以上俺は何も言えないや。神から何も言われてないんだろ?変な心配かけてごめんな。俺の取越苦労かもしれないや。あっ、大分日も出てきたな。一応清拭したから、洋服着替えて後の2人と合流しようぜ。まだ昨日と同じ所に2人で居たぞ。ご馳走様して会わずに戻って来た。〉

 《ご馳走様?今朝見てきたの?》

 〈ああ、にんにん忍者で一走りして来た。朝っぱらからいちゃいちゃ中で、気配消して逃げ戻ったよ。いちゃラブはお腹一杯ご馳走様ってな。まさか一晩中じゃ無いよな?〉

 《・・・。そう言う意味なのね。じゃあ着替えるよ。私のウエストバッグは有るのかな?もしかして無くなっちゃった?》

 〈有るよ。ほらこれっ。そのバッグ多分持主認識してるぞ?お前抱えて逃げる時、探さなくても目の前に転がって来た。蓋を開けようと試したが、俺では開かない。朝試しに外にも置いてみたが、いつの間にか部屋に戻ってる。本人しか開けられなくて、常に本人の近くに有る仕様みたいだな。無くしたら呼んでみたら飛んで来るかもしれないぞ?〉

 《ちょっと、それは怖いよ。あっ、バッグに着替えも色々有るから、寡黙君の着替えも出すよ。男性用だとこの5種類だよ。荷物になるだろうから残りは仕舞って置くけど、必要な時は何時でも言ってね。じゃあ向こうで着替えて来るよ。》

 〈別に此処で着替えてれば良いじゃん。もう知らぬ中じゃ無いんだし、恥ずかしがらなくても良いんだぜ。〉

 《寡黙君の分際で何言うんだ!さっさと着替えて出発だ!》

 〈はいはい了解~。ツンデレ可愛い~。〉

 《煩いっ~!》

*****

 神様は何で言わなかったんだ?彼女は召還で落ちた場所が皆と違うから、多分彼らと同じなんだよな?乙女で子持ちって事は、体も若返ってる訳だろ?白虎もその様な発言したし。でも確証も無いのに教えられないな。頑張って戻れなかったら酷過ぎじゃん。でも戻れないと良いなと思う自分も居る。人の心は難しいよな…。

*****
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11/22連載開始。12/15日完結。6話よりH描写入ってます。お読み戴き有り難うございました。

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