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【余談・by the way】
【二巻カット部・ザイルとルイスの語らい編】
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【大神殿での大神官や聖女、そして神官たちを取り締まった後のお話】
Webではルイスとザイルのみでの語らいでしたが、書籍ではアリー視点に修正してあります。この掛け合い部分が約半分になりました。その削った部分です。やはり前後に、読みやすいように足しています。
***********
大神殿内部は現在静まり返っています。捕縛されたもの達以外も、全てが一度王宮に呼ばれ聞き取りをされているのです。しかしながら大神殿がいつまでも機能しないのは困りものです。信者達のためにも、一日も早い復活を望まれています。すでに新たに決定した新上層部が、現在会議室にて様々な話し合いの真っ最中です。
私とルイスは一部の関係者たちと、個別に話をしています。今ルイスと話しているのは、私をダンジョンの最下層の雪山に連れ去った男性です。彼には体の弱い妹がおり、その妹を人質にされていました。その妹さんもグレイの治療により体調も回復し、新しい聖女に就任する予定です。その妹さんが新大神官予定のフォードに熱い視線を送っているとかいないとか……。聖女となる妹を守りたいと、彼も神殿騎士に復職しました。専属護衛となるようです。
**********
このヒーラーの兄はザイルという名で、実はルイスとフォードと共に大神殿で修行をしていた同期の仲間でした。しかしルイスは顔すら覚えていなかったそうです。
「フォードは覚えていたのに、俺は忘れているのかよ! 二人で良く補習もしたし、俺は毎回遅刻してくるお前を、部屋まで呼びに行ってやっただろ!」
と、ルイスに怒り嘆いています。
「はい。たしかに記憶では三人でしたね。しかしあなたはいつも途中で脱落していました。しかも補習ばかりで、それに付き合わされる私は、毎回聖女に呼び出されるのです。なぜ私が毎回補習の半ばに呼び出されたのか解りますか。毎回聖女との鬼ごっこ。逃走劇と攻防戦です。なのにあなたはのほほんと、『遅れるからだぞ! 寝坊するな!』と毎回私を引き摺り……私は補習を受けるような頭ではございませんでした! 聖女に頼まれたからと、毎回律儀に呼びに来やがって! 気付けアホ!」
ルイスってば……また本性がチラリと……
「マジで補習じゃなかったのか?」
「当たり前です! フォードより優秀だと言われていた私に、なぜ補習が必要なのです? 十歳で聖呪文も習得しました。本来は広域結界をはるための呪文ですが、聖職者が唯一攻撃出来る呪文でもあります。僧籍は抜けていますがまだぶっ放せます。試してみますか?」
「ル……ルイス……それは流石に冗談ではすまないから……」
「すまん。さすがにそれは止めてくれ。そうか……あの聖女にせまられて……色男は辛いな。それで女性不振なのか? ならば俺が責任を取ろう! 妹のロザリーはどうだ? 野に咲くバラのように可憐だ。素晴らしい嫁になるぞ」
「あなたは…………頭が沸いてるのですか? 私は女性不信などではございません。アリーしか目に入らないだけです。情報は沢山の人から集めなさい。どうせフォード辺りの話を鵜呑みにしているのでしょう」
私だけ?私だけしか目に入っていないって……
「フォードはアリーと婚姻するといっていたぞ。違うのか?」
「「ありえません!」」
やだ……ハモっちゃったじゃない……
「まったくまだ懲りていないのか……それはフォードの独り善がりです。今のアリーの態度が証拠ですよ」
私はブンブンと首を縦に振ります。うーしっかりと否定したいです。でも男同士の話し合いだから、口を出さずに聞いていて欲しいとルイスに頼まれたのです。
この後のルイスってば!ザイルの前で恥ずかしい事を仕出かしてくれちゃうし!しまいには私を忘れていくし……
更にはこれでも理解できないならと……
新大神殿上層部が集り話し合いをしている部屋に乗り込み……
…………
…………
私たちが退出後、第二王子を含む新大神殿上層部の皆さま方は、何やらにんまりしていたそうで……
新たな大神殿上層部はちょうど、綺麗になった新大神殿のイメージアップを討論中でした。ならば新大神官のフォードがルイスから頼まれた(強制された)結婚式を大々的に行おう。大神殿への不信感を払拭させ、親しみやすい新大神殿をアピールしよう!ならば城下町をあげてのパレードだ!と、ルイスの根回しがアリーにとっては、あの恥ずかしい結婚式に繋がったのです。
やがてこの結婚式は大成功に終了し、新たなる大神殿の出発の、イメージアップとなったのです。
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Webではルイスとザイルのみでの語らいでしたが、書籍ではアリー視点に修正してあります。この掛け合い部分が約半分になりました。その削った部分です。やはり前後に、読みやすいように足しています。
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大神殿内部は現在静まり返っています。捕縛されたもの達以外も、全てが一度王宮に呼ばれ聞き取りをされているのです。しかしながら大神殿がいつまでも機能しないのは困りものです。信者達のためにも、一日も早い復活を望まれています。すでに新たに決定した新上層部が、現在会議室にて様々な話し合いの真っ最中です。
私とルイスは一部の関係者たちと、個別に話をしています。今ルイスと話しているのは、私をダンジョンの最下層の雪山に連れ去った男性です。彼には体の弱い妹がおり、その妹を人質にされていました。その妹さんもグレイの治療により体調も回復し、新しい聖女に就任する予定です。その妹さんが新大神官予定のフォードに熱い視線を送っているとかいないとか……。聖女となる妹を守りたいと、彼も神殿騎士に復職しました。専属護衛となるようです。
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このヒーラーの兄はザイルという名で、実はルイスとフォードと共に大神殿で修行をしていた同期の仲間でした。しかしルイスは顔すら覚えていなかったそうです。
「フォードは覚えていたのに、俺は忘れているのかよ! 二人で良く補習もしたし、俺は毎回遅刻してくるお前を、部屋まで呼びに行ってやっただろ!」
と、ルイスに怒り嘆いています。
「はい。たしかに記憶では三人でしたね。しかしあなたはいつも途中で脱落していました。しかも補習ばかりで、それに付き合わされる私は、毎回聖女に呼び出されるのです。なぜ私が毎回補習の半ばに呼び出されたのか解りますか。毎回聖女との鬼ごっこ。逃走劇と攻防戦です。なのにあなたはのほほんと、『遅れるからだぞ! 寝坊するな!』と毎回私を引き摺り……私は補習を受けるような頭ではございませんでした! 聖女に頼まれたからと、毎回律儀に呼びに来やがって! 気付けアホ!」
ルイスってば……また本性がチラリと……
「マジで補習じゃなかったのか?」
「当たり前です! フォードより優秀だと言われていた私に、なぜ補習が必要なのです? 十歳で聖呪文も習得しました。本来は広域結界をはるための呪文ですが、聖職者が唯一攻撃出来る呪文でもあります。僧籍は抜けていますがまだぶっ放せます。試してみますか?」
「ル……ルイス……それは流石に冗談ではすまないから……」
「すまん。さすがにそれは止めてくれ。そうか……あの聖女にせまられて……色男は辛いな。それで女性不振なのか? ならば俺が責任を取ろう! 妹のロザリーはどうだ? 野に咲くバラのように可憐だ。素晴らしい嫁になるぞ」
「あなたは…………頭が沸いてるのですか? 私は女性不信などではございません。アリーしか目に入らないだけです。情報は沢山の人から集めなさい。どうせフォード辺りの話を鵜呑みにしているのでしょう」
私だけ?私だけしか目に入っていないって……
「フォードはアリーと婚姻するといっていたぞ。違うのか?」
「「ありえません!」」
やだ……ハモっちゃったじゃない……
「まったくまだ懲りていないのか……それはフォードの独り善がりです。今のアリーの態度が証拠ですよ」
私はブンブンと首を縦に振ります。うーしっかりと否定したいです。でも男同士の話し合いだから、口を出さずに聞いていて欲しいとルイスに頼まれたのです。
この後のルイスってば!ザイルの前で恥ずかしい事を仕出かしてくれちゃうし!しまいには私を忘れていくし……
更にはこれでも理解できないならと……
新大神殿上層部が集り話し合いをしている部屋に乗り込み……
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私たちが退出後、第二王子を含む新大神殿上層部の皆さま方は、何やらにんまりしていたそうで……
新たな大神殿上層部はちょうど、綺麗になった新大神殿のイメージアップを討論中でした。ならば新大神官のフォードがルイスから頼まれた(強制された)結婚式を大々的に行おう。大神殿への不信感を払拭させ、親しみやすい新大神殿をアピールしよう!ならば城下町をあげてのパレードだ!と、ルイスの根回しがアリーにとっては、あの恥ずかしい結婚式に繋がったのです。
やがてこの結婚式は大成功に終了し、新たなる大神殿の出発の、イメージアップとなったのです。
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