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【お礼参り編。カルミア帝国の思惑。】
■お礼に行こう6日目・朝。悲しみと真実。
しおりを挟む色々調べてたら殆ど眠れなかったよ。ベッドでグーグー寝てるライドが何だかめちゃムカツク。隣の部屋に投げ込んでやりたい。まあ邪魔だしエロエロだし正直煩いから、私がこっそりスリープかけちゃったんだけどね。だから完全なる八つ当たり。ごめん。重ね掛けしたから起こすまでグッスリだろう。
結果論だけで言えば、私は元の世界に戻れるんだよ。しかも飛ばされた時間の数分後にね。これは時空の概念を魔方陣に組み込んだらしい。この地下室の魔方陣は、もしまた不幸な召喚をされた人が居たらと、姉と聖獣が研究を重ね召喚専用だったのを手直したもの。姉と契約した聖獣は有る条件下にてのみ、時を止める事が出来た。この力を模索して魔方陣を手直し、自分達の時をも止めた。(正確には、完全に止まっては居ない。)
神殿が召喚を止め放置されたのを知った後、姉と聖獣は神殿に結界を張り隠り、帰還用魔方陣を完成させた。魔方陣に魔力を姉と聖獣で期間を掛け補填した。そして姉と契約した聖獣は共に眠りに付いた。1年に1度だけ起き出し、召喚の有無を確認。異常が無ければ再度の眠りに付く…。
何事も異常が無く、約50年の歳月が過ぎた。姉が眠り始めた頃は、聖獣と一緒に色々な国へと行ったりしていた。フロックス国とストレチア国の境の村には良く訪ねて居たそう。でも村はフロックスの領土らしいから、ここからだとかなりの距離だよね?知り合いが居たのかな?
姉と共に居る聖獣は銀色の狼。レインと同じタイプ。成程。この神殿の結界も見事だよね。多分、レインの様に瞬間移動も使えるのだろう。しかし聖獣は5年程前から、1年に1度のみでも、起き出すのが辛くなって来ていた。姉も起きて居られる時間がかなり短くなって来て居る。始めは2週間程だったのが、現在は3日程しか持たない。
召喚が再度行われる気配も既に無い。関係者も既に死亡して居る。もう見守らなくても大丈夫なのでは無いか?そろそろ永遠の眠りにつき休みたい。そう考えて居た所に私達が現れた。
姉がこの世界に召喚され、約100年の年月が経て居た。
*****
私は朝少し早起きをして、朝ごはんを作り始めた。早起きと言うか、殆ど眠れなかったんだけどね。メニューは簡単だよ。ゆで卵とマヨネーズを和えた卵のサンドイッチと甘い炒り卵をやはりマヨネーズで和えたサンドイッチ。野菜たっぷりポテトサラダのサンド。コーンスープにフルーツのヨーグルト和え。コロッケパンが残ってるから、足りなければ出そう。このメニュー懐かしいな…。
テーブルにセッティングしてると、魔方陣の有るお部屋から人の気配がしてきた。お姉ちゃんがおきたみたい。ライドを起こし着替えてくる様に促す。
〈リョウお早う。懐かしいメニューね。私の好みを思い出してくれたの?嬉しいわ。〉
《お姉ちゃんお早う。炒り卵のサンドイッチ好きだったよね。かなり色々思い出したよ。でも思い出す程許せないよ。叔父さんはまた1人になっちゃたんだよね。叔母さんが若い頃に召喚されたなら、結婚すらしてない事になるんだよね?優しくて力持ちな人で、寝ちゃった私達を従姉のお姉ちゃんと一緒に、良くベッドまで運んでくれたよね。皆で川の字になってお布団に転がってた。おじさんは施設育ちだから家族がいっぱい欲しいって言ってた。良く家族ぐるみでお泊まりしあってた。この国許せないよ…。》
〈私も恨んだわ。でももう仕方無いわね。だからこそ私は全てを終わらせたいの。召喚に関わり有った人々は皆居なくなった。この国の王族さえ既に覚えて居ない。たった数代前の話なのにね。知らぬ者には罪はないかもしれない。しかし知って過去を顧みる必要は有る筈。この国が聖獣と道を違えたのは、召喚の儀式を何度も強行し、魔力持ちを減らした事。そして魔力を変質させ貶めたから。知らない事もやはり罪なのよ。ライドだったかしら?朝食の後に詳しく話すわ。隠れて無いで出てきなさいな。〉
ん?ライド?何でコソコソしてるの?
〈かっ隠れてた訳では…。ベッドに運んでくれた懐かしさとは、叔父上の事だったんだな。要らぬ心配を…。〉
《ベッドに運んでくれた懐かしさ?何それ?》
〈寝言だ!気にするな!リョウお早う。姉上もお早うございます。〉
ちょっ。ちょっと姉上って何よ?ライド変!
〈あら?では私は義弟(おとうと)と呼ばなくては駄目かしら?でも姉上はちょっとね。私はエティと呼んで貰える?呼びすてで結構よ。ライドにリョウ、お早う。朝ごはん戴きましょう。リョウの手料理嬉しいわ。おままごとの泥団子が懐かしいわね。〉
*****
朝ごはんを食べながら、召喚されてからのエティの生活を聞いた。
●約100年前に召喚された。魔力を魔方陣に注ぎ込み、終了次第に麓の町に下りる予定だった。
因みに姉以降に召喚された皆も、殺されたりはしていない。召喚された後、神に体を作り替えられて居ない為に使えない魔力線を、神官による特別な祝詞で解放させる。既定以下の魔力持ちの場合は魔力線を解放せず、高魔力持ちの子を産ませる為にそのまま後宮へ。既定以上の魔力持ちは祝詞により魔力線を解放させ、召喚の魔方陣に魔力と血を捧げさせる。祝詞により無理矢理解放された魔力線は、魔力を失うと復活出来ない。つまり体に再び魔力を巡らせる事が出来無くなる。結果魔力無しになってしまう為、終了後は麓の町で一般人に混じり暮らした。
●エティは召喚され魔力を魔方陣に注ぎ混んでる最中に、たまたま訪れて居た当時の王に乱暴され身籠ってしまう。妊娠が発覚した後監禁され、子を殺さぬ程度に魔力と血を抜かれ生かされた。召喚され約1年後、男児を出産。子にはかなりの魔力が有った為、王に取り上げられてしまった。
●子と離された後、魔方陣に魔力が貯まり次第町へ行く予定だった。しかし何故か後宮に入り子をどんどん孕めと言われる。エティは魔力を魔方陣に注いだ後も、魔力無しにはならなかった。徐々にでは有るが魔力が再生し、魔力線が活動して居た。再生する魔力を抜かれながら、拘束されたまま後宮へ移動させられる。
これは神の言って居たこの世界への定着と言う事だろう。魔力線が働いて居る状態で、体がこの世界へと定着してしまった。乱暴されたのが魔力線解放前か、魔方陣への供給が終了し魔力無しになった後で有ったのなら違う未来だったのかもしれない。解放前か魔力無しなら村へ下りられたのだから…。しかし魔力線が生かされた事により再度魔力は再生し、この後聖獣と出会う事になる。
●後宮に入りたくない。しかし監禁され逃げられない。エティは次の召喚の仕度でゴタゴタしてる中、馬車にて強制的に王宮に連れて行かれる。途中の森の近くで、トイレだと騙し脱走。死ぬつもりでの脱走だったが、行倒れ中に運命の出会いを果たす。
聖獣がエティを助けてくれた。
●エティは聖獣と旅をした。この世界を周り、沢山の知り合いも出来た。しかし約10年後に、今だに聖女召喚が行われて居ると知り、様子を探りに戻った。そして真実を知る。
自分が一番先に喚ばれ、自分の血液と魔力を媒体にした事による悲劇。麓の村には従姉と叔母が居た。2人は互いに気付いては居なかった。自身も信じられなかった。しかし名前と姿。叔母の方が年下では有ったが、過ぎし日の母子逆転を見て居る様だった。
そして調べた。余りの事実に驚愕する。自身の血液と魔力を媒体に、2人召喚されて居た。従姉と父方の従妹だ。更に従姉の媒体で叔母が召喚。(叔母は母の姉)父方の従妹の媒体で、父方の親戚縁者が喚ばれ、その後も続いて居た。
私達の女性の親戚縁者は、もしかしたら殆ど喚ばれたのでは無いのだろうか?しかも近年は召喚が失敗に終わる事が増えてるとのこと。母の姉の叔母の媒体では男性が喚ばれ、魔力量は有るから神官にさせられたと聞く。その神官を見て更なる驚愕が襲った。彼はエティの息子だった。しかし息子はまだ10才にならぬ筈。しかしどうみても神官は10才は越えている。しかし聖獣も間違いが無いと言う。聖獣は魔力の質で解るそうだ。
多分この魔方陣には寿命が来ているのだろう。だから異世界からは喚べなかった。そして手近の時間軸をねじ曲げエティの息子を喚びだした。それを肯定するかの様に以降召喚は上手くいかなくなり、やがて神殿はすたれてしまった。
*****
〈何だか暗い話でごめんなさいね。後は私の日記に書いて有った事が事実よ。召喚された息子は13才だった。召喚のショックの為か、記憶が曖昧で自身の事も良く覚えて無かった。しかもこの世界からも召喚と同時に記憶から消されてた。だから私は名乗り出なかった。〉
《エティはそれで良かったの?》
〈あの子の幸せの為には、私は必要じゃ無かったの。キツネの聖獣が付いたから余計にね。〉
《でも…。》
〈だって混乱させちゃうじゃ無い。私の見かけは召喚された時のままだったのよ。殆ど年の変わらない母親なんて変でしょ?流石に説明しにくいわ。〉
《えっ?どうして?年を取らないの?》
〈魔力を渇れるまで搾り取られ、胎内の子にも分け与えて居た。その為、自身の成長までは回らなかったみたい。魔力が再生し始めると再度搾り取られてたからね。聖獣に助けられて魔力線を繋いでから、多少は成長したわ。でも2.3才分位かしらね?後は時間を止めてたしね。私は13才で召喚されたの。リョウは幾つなの?私よりお姉さんにみえるわね。〉
《私は18才だよ。高校の卒業式の後にこの世界に喚ばれたの。エティは中学にも行けな無かったの…。本当に酷い…。許せない…。お姉ちゃんはまだ子供だったのに…。沢山の人達の運命を玩ぶ権利何て誰にも無いよ!》
エティは怒らないでと私を宥めた。エティは聖獣と共に眠る。この神殿と魔方陣を道連れにする。
〈リョウ。ライド。真実をこの国に伝えて。そして2度と同じ間違いを起こさぬ様に戒めて。私はもう後悔は無いわ。神様とやらに会ったら、しっかり文句言わせて貰うわ。リョウ。最後に会えて本当に嬉しかった。幸せにね。有り難う。〉
ライドが別れの為に気を利かせたのか、エティに別れを伝え部屋から出ていった。
エティが召喚の間に向かい歩き出す。私は何か話したいのに言葉にならない。お姉ちゃん!待って!
《なっちゃん!エティはフランス旅行に行った叔母さんが、こちらの世界に喚ばれてからつけたの?私達は真夏に産まれた。でも母体を労る様な涼しげな日に産まれたんだって。だから夏と涼と名を付けられた。私はなっちゃんと呼んでた。すずちゃんって呼んでよ!最後まで徒名何てやだよ。》
〈すずちゃん。エティはフランス語を捩ったそうよ。叔母さんが教えてくれたわ。すずちゃ…ん…。〉
ドアに手をかけたエティの足が止まり崩れ落ちる。どうしたの?お腹を押さえてるの?どこか悪いの?止めて!なっちゃんを連れてかないで!
《いやー!お姉ちゃん!どうしたの!こんな別れ方は嫌だよ。誰か助けて!ライド助けて!神様の馬鹿ー!お願い何とかしてよ!》
駆け寄るライドを目の端に認めながら、崩れ落ち気を失ったエティを抱き止め抱える。私は互いに震える体を抱き締めながら、ただただ泣くしか出来なかった。
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