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第2章・婚約破棄は新たなる珍事を招く。
まったく宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約継続しよう。(暫定)
しおりを挟むレイシス王子は次々と説明してゆく。先ずは己が王となったこと。自称聖国(せいこく)は正国(しょうこく)と名を改めたこと。レイシス王は真っ先に、我が国と魔法大国を後ろ楯として、内部を徹底的に掃除をした。一番は国の腐敗の原因となった前王の派閥の貴族の粛正。そして王と正妃に連なる王族は、全て処刑台へと消えた。かなりの貴族が粛正されてしまったが、前王に隠居同然にされていた古株の貴族を召集。または平民でも腕の立つものや、読み書き計算等を出来る者を教育して雇用を広げた。
「二国にはかなりの借金をさせて戴きました。さらには食料援助までして戴き感謝に絶えません。現在庶民の税を通常の半分にしています。それも辛い場合は、相談にて減税も行います。ほとんどの国民が魔の森の素材の採取などを始め、軽減された税であれば、飢えずに納税できるようになりました」
税率は徐々に元に戻してゆく予定だが、相談はこれからも受け付けるそう。また我が国から冒険者ギルドの出張所を誘致して、魔の森の素材の買い取りや仕事の斡旋も始めた。ギルドでは冒険者としての技術も教えている。植物際採取の際の注意点や、薬草などの見分け方。魔の森の討伐隊からは、週がわりで剣の講師を呼んだりしている。魔の森は深く進まなくても、かなりの恵みを得ることが出来る。やがて魔物の討伐が出来るようになれば、高額な素材や肉類の確保も楽になるだろう。
「次は大神殿についてです。神殿及び各地の教会は、一度すべて閉鎖しました。魔物肉を食べてはいけない。食べるからこそ狙われる。この教義自体が偽りだったのです。しかも大神官であるユリウスは、己は王家と高位貴族の傀儡だったと証言しました。己はかつて大神殿に捧げられた生け贄の子の一人だった。死にたくないから傀儡になったと……すべて調査し、大神殿を牛耳っていた黒幕の侯爵家を断罪しました。ですが……」
大神殿と教会はすべて閉鎖する予定だった。しかし疲れてやつれきった国には、なにかすがるものが必要だった。国民は突然に信仰対象がなくなり呆然としてしまう。そこでユリウス様が、新しい宗教を始めることにした。それが美と豊穣を司る女神を信仰すること。この世界の神様は創世神様お一人を信仰している。しかし自称聖国には古い言い伝えがあった。
【魔の森は昔は美しい普通の森だった。沢山の森の恵みと動物たちが遊ぶ森。その中程には綺麗な湖がありそのほとりには、創世神様の落とし子と言われる美しき娘たちが住んでいた。心優しきその娘たちは、傷つく動物たちを癒し森を豊かにした。やがて人々はその娘たちを、慈愛と豊穣を司る女神様と沢山の妖精たちではないかと噂するようになった】
あの子はみんなのお姉さん的な役割をしていたという。その女神様と沢山の妖精たちはもしかしたら……
「僭越ながら私がその話を元に、女神様を祀り、大神殿を任せて戴くことになりました。現在は各地の教会にも神父が行き渡り、皆様の心の拠り所となっております。もちろん私が生きている内は、絶対に元の木阿弥にはさせません! 」
ユリウス様……
ユリウス様は己も罰して欲しいと願ったそうです。しかし止められました。沢山の貴族が粛正され、人手がまったく足りません。国民もユリウス様の事情を知りました。そしてまた己らが子供たちに犯していた罪を知り、誰もが苦しんでいたのです。そこでその罪の証である、生き延びたユリウス様までもが処刑されたなら……国民は後悔したまま先に進めなくなるかもしれません。
「死ななくて良かったわよね? 」
突如姫が座ったままユリウス様を見上げ見詰めます。もしかして……
「そうですね。姫が私を救ってくれました。しかも二度も救われた。もう私は死ねません。愛しい宝物が二つも出来てしまったのですから……」
やはりお二人は結婚したのね。さらに姫のお腹には赤ちゃんがいるのでしょう。お二人は大神殿と各地の教会をまとめ、王家とともに国民のために頑張ってきた。二人で各地を巡回し、炊き出しをしたり読み書きを教えたり。そこで気付く。教会の神父には読み書きや計算の出来るものを派遣すべきだ。そして先生役をつとめて貰おう。そのために大神殿では信仰だけではなく、しっかりと勉学をさせることとした。
また魔法の素質のありそうな子には、魔法大国への留学の道を開いた。これはグレイシー様が率先して働きかけている。簡単な回復魔法を使用できるだけでも、これからの正国では大きな力となる。魔力測定用の魔道具を貸出し、各地の教会で測定をしている。
教会の神父やシスターたちは、子供たちに読み書きや計算を教える。これは時間を決め定期的に行っているそう。子供たちは学ぶことが楽しくて、まだまだ裕福ではないけれど、一年前のような暗さはなくなったそうです。
「私は前世で神様に頼みました。私が死したら、リュウの魂のそばに寄り添わせて欲しいと。だから髪の一部を、リュウが沈んだという魔の森の湖に沈めて貰ったのです 」
魂と肉体は別だとは理解していました。しかし愛する人の肉体のそばに、己の一部だけでも寄り添わせたかったのです。姫は両手のひらを膝の上で重ねながら、そう丁寧に話をしてくれました。そんな姫を労るように、ユリウス様の言葉が続きます。
「私は死んだ後も魂のまま、ずっと狭間を漂っていました。何故か輪廻の輪に入れなかったのです。このまま朽ちても構わない。そう感じ始めていたころ、誰かの声に呼ばれたのです。あれは確かに姫の声でした。呼ばれた時は気付きませんでしたが……」
「私は幼い頃から、誰かを求めていたのです。それはブライアン様だと思っていました。初めてお会いした時にこの人は!と、何かを感じました。しかし違った……ブライアン様では、心の隙間は埋まらなかったのです……」
ブライアン……可愛そうだけど仕方ないわね。でも不思議ね?随分とスッキリした顔をしているじゃないの。
「あれは確かにクリスの娘の声では無かった。間違いなく今の姫の声です。姫と二人で各地を旅する道中でそれに気付き、私は姫への気持ちを知ったのです。私は姫が愛しい。旅をしながら、それをヒシヒシと感じました。愛というには静かすぎるかもしれません。しかし確かに愛しいのです。この国に転生した時には、絶望しか有りませんでした。その後の生も死にたくなるような地獄だった。クリスに一目会いたい。その思いで生きてきました。そんな私が姫に愛されてもよいのか……愛しても良いのか……未だに迷いは有ります。ですがもうこの幸せは手放せません…… 」
姫がユリウス様の手を取り涙を流している。そして静かに優しく諭すように話しかける。
「激しい愛でなくても私は嬉しいわ。愛しく感じてくれている。それだけでいいの。愛は育めるわ。私は貴方と愛を育ててゆきたいの。私こそ今回は、お母様にも遠慮はしないわ。絶対にあなたの手を離しませんから! 」
幸せそうな二人には笑顔が似合う。微笑みあうお二人にエールを送ります。
三人がお辞儀をして、元の席に戻ってゆく。三人が席に着くと、ロジャースが再度話し出す。
「わが国と魔法大国は、全面的に正国を支援している。正国は厳しい国だが、魔の森の恵みを活かせれば立ち直れるはずだ。そのためにも植民地化や隷属はさせないそうだ。若い者が手を合わせて頑張れと、各国上層部からのお達しだ。魔法大国のお二人はどうでしょうか? 」
ドレイク様とグレイシー様が立ち上がる。お二人はしっかりと頷き肯定した。
「「その言葉に間違いはございません。我々二人も微力ながら、お力になりたいと思っております」」
お二人が席についた。これだけのために来て貰ったの?なんだか申し訳ないじゃない。
「では最後に公爵から、我が国の関係者の処分についてだ。公爵様、宜しくお願い致します」
お父様…………
真ん中に立ち話し出す父。その横にはブライアンもいた。
「今回の事件の発端は、我が国の皇太子様が婚約破棄を申したてたのが発端だ。しかし皇太子様の婚約は、事実上破棄されていない。今現在も、エリザベートお前だ。つまりあの婚約破棄は揉み消された。エリザベートわかるか? 」
………………理解しては居たけど、確認されるとムカつくわね!
「リーダーの父親の伯爵から聞いてはいたし、わかってはいるわよ! 本人からは謝罪もないし、聞いてもいなかったけどね! 」
まあまあどうどうだ?リーダーいつの間に後ろにいたのよ!私はうまではないのよ!どうどうとか言うな?
「理解しているならよい。婚約破棄はない。つまり婚約者であるお前は魔の森の討伐隊には潜り込んでいない。湖の遺跡を封印してもいない。全て無かったことになる」
…………王家に都合よすぎじゃない!
「ブライアンが行った自称聖国へは、お前と皇太子様が付き添った。そこで参加したパーティーに、ドレイク様とグレイシー様がいた。そこでブライアンと姫との婚約破棄騒動が起きた。そのどさくさで内乱が起きた。この内乱の主導者が、レイシス王子と大神官であるユリウス様だ。内乱には我が国の軍隊も投入し、無血開城をなしえた。そして今にいたる……」
…………今にいたるって!随分と素晴らしい筋書きですこと!つまり近衛がで張ってきた時以前から、全て計画的だったのですね!まあ確かにこれが一番まるくおさまる訳だけど……
一番割を食ったのは私よね?婚約破棄は無くなった訳だもの!
「でも婚約破棄は無くなったなら、あの馬鹿げた猿芝居も無かったことになるの?さすがにマーガレットブランドの詐欺は別件として叩けるけど、ローズマリーたちはどうなるのよ? まさか国外逃亡まで免除になるわけ? 」
さすがにそれはないと言う。あのパーティーでの婚約破棄騒ぎが無くなっても、ローズマリーは他でも同じことを沢山繰り返していた。被害者は二桁では足りないそう。さらには母親の形見である幸運のネックレス。お願いが叶うという効果が薄れたからと、牢を脱走した後に怪しげな薬を入手して使用していた。しかも脱獄に国外逃亡が重なる。王家や他貴族に対する不敬罪しから。どんなに足掻いても罪を逃れることは出来ない。市中引き回しの上、絞首刑となった。
彼女は最後まで……
私と妹を悪役令嬢だと罵り……
己は悪役令嬢に陥れられた、この世界のヒロインだと叫んでいたという。
そして処刑される直前までリセットボタンとやらを探していたと……
真相は全て闇の中へ……
リセットボタンを押すと、すべてを消去し最初からやり直すことが出来るふしぎなボタン。しかしそれはゲームという仮想の世界だから出来たこと。現実であるこの世界にはあり得ない。後にマリエンヌが教えてくれました……
また騎士団長と魔術師団長の息子たちは、魅了の力が弱まっているからと、ローズマリーに怪しげな薬を使われていたことが判明した。ほとんど己の意思のない、傀儡のようになっていたそう。そういえばウサギ穴に放り込む前、私の質問に騎士団長の息子は喋らなかったわね……惚けていたのかもしれない。
怪しげな薬が抜ければ更正出来るかもしれないて、現在二人は隔離病棟に入院している。治療が出来れば、魔の森で鍛え直すという未来を与えられた。
騎士団長は辞任し、魔の森の討伐隊に入隊した。若者たちと己を鍛え直し、息子たちをビシバシとシバキ倒したいと笑っていたという。
魔術師団長は斬首とされた。リーダーの両親が、意を決して王に訴状したとのこと。魔力を持つことを至上とし、魔力を持たぬものを侮蔑する。また魔力持ちの女性を見つけると、脅しや暴力などで従わせていた。奥様はその被害にあっていた。さらにはマーガレットブランドの詐欺。己の利潤に走るだけではなく、他者を巻き込み負債をわざと押し付けた。国王の命をうけた兵士たちが屋敷に踏み込むと、地下に捕らわれた女性たち。さらにはその女性たちを甚振る魔術師団長の妻の姿。人権侵害と言う確かな証拠に為す術もなく、二人は処刑台へと送られた。財産は処分され、人権侵害と詐欺の被害者に分配された。
「リーダーはパーティー代が浮いたわね」
「……真面目な話をしている時に茶化すな! 」
ちっ。リーダーめ…………
「エリザベート。つまりはお前はまだ皇太子様の婚約者だ。お前が目覚めたことは、既に城へ伝達した。近々王宮から呼び出しが来るだろう。私はお前の意志を尊重しよう。どうする?皇太子様と婚約を破棄するか? 」
お父様……
「さすがに皇太子様のご様子は可笑しい。お前はエリザベートでありエリーだ。それを完全に無視し、まるでクリスティーネを求めるような言動。お前をクリスと呼ぶ皇太子様には正直残念でしかない。あれはもうエドワード様ではない。戻らぬなら私も覚悟を決めよう……」
皆の視線が一斉に私に集まる。エドワード皇太子様との婚約破棄は、私がずっと願ってきたこと。でも……
「お父様、お気持ち有り難うございます。でも今暫くお待ち戴けませんか? 私は一年寝ていたのですよね? なら後一年、結婚までは猶予があるはずです。先ずは本人と話し合いますわ。ユウとやらに、エドワードを返して貰いましょう。ついでに変態も矯正しなくてはなりません。皆様。ご心配をおかけしまして、本当に申し訳ございません。私、頑張ってみますわ」
「エリザベート……大人になったな……。王宮からの呼び出しには、正国の姫とブライアンを同席させなさい。いいね? 」
なぜ?姫とブライアンなのかしら?まあ良いわ。
まったく宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約続行します。(暫定)
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