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❪わたし15さい❫

▪大元の元凶は誰だ?

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 うーん。廊下が煩いわね!私は昨晩あまり眠れなかったのよ!事情聴取だって、起きてからと約束したじゃない。なのに客間の廊下をドタバタ走るなんて礼儀もなにも無いわね!

 私は手を伸ばして時間を確認する。ちょっと……私は寝ます。寝直しを要求します!ってことでチョチョイとなー。

 これでオーケー。この部屋は遮音つき結界に覆われました。これで私の安眠を妨げる者はいないでしょう。……心配されても困るから、就寝中の札だけは出して置こう。ドアノブに就寝中につき起こすな!のプレートを飛ばす。ついでに朝食はいりませんと、メモを貼り付けた。

 さあお休みなさい。二度寝は気持ち良いよね。ぐぅ……

 うーん。良く寝たわー。窓から射し込む陽射しが眩しい。太陽はすでに高くに昇り、時計を確認すると、お昼を少し回ったくらい。部屋にはった結界を解除し、私は窓を開き大きなのびをする。さっ寒いわね……窓を閉めて考える。

 この時間帯なら、お城の食堂でブランチといきましょう。王さまや王妃さまと食べるのは、やはり緊張して肩がこるの。食堂ならお城で働いている人たちがたくさん食べているから気兼ねも要らない。時おりお義兄さまたちにも会うのよ。もちろん第二王子はいません!

 さあさっさと支度をしなくちゃ食いっぱぐれてしまうわ。やだ……私ってばまさかこの格好で歩いて来たの?寒い訳よね。昨晩は湯浴みもせずに眠ってしまったし、本当に急がないと食いっぱくれてしまう!ササッと湯浴みを済ませ、洋服に着替える。

 そうよ。ドレスではなく洋服よ。この国では女性が肌を露出するのは、はしたないとされているの。だから貴族なら夜会着などよりはシンプルだけど、普段着でもロングのワンピースタイプのドレスなの。自宅で家族での食事の際も、わざわざドレスに着替えるのよ!もう面倒だし、ドレスじゃ汚したら嫌だし、食べにくいのよ。さらには動き回るのにも邪魔!お城の食堂でお会いした、お城で働く皆さまも、やはり同様の考えでした。

 とくに文官等で働く女性たち。メイドさんや侍女さんたちは、動きやすいようにと、長目のワンピースに白いエプロン。ワンピースは膝下だけど、足が見えないようにと、タイツ着用が義務付けられている。なのになぜ女性の文官はドレスなの?

 女性はメインで働く訳ではなく、男性文官の補佐であり未来の花嫁候補である。

 こう言う考えだそうよ。だからドレスなんですって!こんなごたくを言いながら、女性の文官が多いのはどういうことなの?調べたら男性の上司が無能で、辞めてしまうのが多いんですって。現在はお城勤めの人たちの、半分以上が女性なの。それなのに未だにドレス着用って……

 一時期この話が浮上して、文官の女性たちにも制服を!と言う話がでたそうなの。しかしそれを断固として反対し、ならば女性をやめさせ、男性文官を増やせと言ったのが宰相なの。やはり宰相は典型的な、身分至上主義の男尊女卑な人。女性は男を立て働く必要など無い。結婚して子を産み育てれば良い。男社会に口を出すなと言う人だった。

 だから賢い王妃さまが気に食わなかったのでしょう。王妃さまは王さまの質問にキチンと答え良い所をほめ、さらにはアドバイスや意見をしたという。この辺も己を差し置いて!と、憤慨していたそうだ。

 だからね。私はまず文官の女性たちを働きやすくしたの。制服をデザインしたのよ。上は白いブラウスに下は紺色で無地のキュロットスカート。ブラウスの上には、色違いで数種用意したベスト。キュロットスカートで足を隠す。しかしドレスの様に、足捌きの邪魔にはならない。ブラウスはシンプルなもの。但し衿の部分を開襟にしたり、衿をボタンでとめたり、フリルをあしらったものだったりと、お洒落を楽しめる様にした。これはベストも同様。ブラウスは衿だけだけど、ベストは生地自体を数種用意した。キュロットスカートと同様の生地だけど、透かし模様風に柄を織り込んで貰った。

  これはリアーナ嬢の領地の生地だから出来たこと。幾何学模様やチェックやストライプ。雪の結晶などもデザインして織り込んで貰った。他に現在はすっかり公爵家のマスコットとなった、暴れグマと角ウサギも作って貰ったの。実はこの生地はテディベアに使っていたのだけど、私がテディベアを持ち歩いているのを見た女性たちに、この生地のベストも欲しいとリクエストされたのよ。

 公爵領の皆さまは頑張ってくれました!ポケットにまでデザインされた、暴れグマと角ウサギ。ついでにと作られたシンプルな作業用エプロン。シンプルですが、透かし模様が映えます。しかも文官さんは作業中、全面が汚れやすいとのこと。かなり喜んで貰えました。やがてこれらは必ず皆さんが注文するという1品になりました。

 もちろん王さまの許可は取り付けましたよ。だって制服支給の予算は国庫から出る訳です。私の勝手では出来ませんから。

 しかし……たぶんこれらも気に食わなかったんだろうな。昨晩の黒幕は間違いなくあの人でしょう。しかし決定的な証拠が無いのよ……

 なんて考えながら、ブラウスを着てキュロットスカートをはく。文官さんと間違われても困るから、私用は色柄違いで若干デザインも違うの。ベストも短い物ではなく、薄い生地でロングベストに仕上げています。袖無しの薄手のハーフコートみたいな感じね。

 さあご飯を食べに行きましょう。部屋の扉のノブに手をかけるとほぼ同時に、扉がドンドンと叩かれた。さらには同時に叫び声があがる。

 「マリア! マリア! おい! 大丈夫なのか? お前が起きて来ないと、王も王妃も心配しているぞ! しかも部屋に結界をはってるそうだな! まさかまたなにかあったのか? おい! 起きてるなら早く開けろ! 寝てるなら起きやがれ! 」

 ……カイン……口が悪すぎませんか?私は扉から離れてオープンの魔法をかける。

 「マリア! マリアレーヌ! おい! 」

 扉を叩く音が止まる。どうやらドアノブに手をかけた様だ。ガチャガチャと回ると同時に、部屋の中心に、カインがつんのめって転がった。

 「痛てぇ……イタタタタ……うぅ……マリア、お前着替えまで済んでるんじゃないか! ならさっさと出ろ! 」

 「ちょうどご飯を食べに出ようとしていたんです。そこにドンドンするから開けてあげたんです。勢い余って転がったのは、私のせいではありません」

 「まったくお前は……王と王妃が話を聞きたいと言っているが、先に飯か? なら食堂だろ。私の分のAランチも頼んでおいてくれ。少し遅れると伝言を伝えてくる」

 オーケーよ。

 「あら? カインもまだ食べていなかったの? 」

 「お前が! 昨晩第二王子に襲われたと! 早朝に連絡が来たんだ! 今日は朝から外せない外交があって、時間を惜しんで済ませて来た!食事をする時間など無かったわ!なのにお前はのほほんと……まあその調子ならなにも無かったんだろ? まあお前をどうこうできる輩はいないだろうが……」

 何だか失礼な物言いと言うか、小馬鹿にされている感じがするのは私だけかしら?でも……

 「Aランチね。日替わりデザートを奢るわよ。心配してくれてありがとう。お二人にお待たせしてすみませんと伝えて」

 「了解。それじゃ食堂でな」

 カインが手を振り廊下を歩いて行く。私は反対側の食堂に向かい歩きだした。

 さすがにピークを過ぎた食堂には、人の姿もまだらだ。私は野菜と海鮮あんかけ炒めのBランチを頼み、カインの分のステーキとハンバーグのAセットも頼む。先に出来上がってきた自分の分をテーブルに運び、冷める前にと手をつけた。最近は海鮮もかなり流通するようになった。渓谷の入り口のギルドが張り切ってくれているからね。依頼に海の生物の捕獲を出し、それを王都で売却している。海はかなりの難易度で、腕の立つ冒険者で無いと挑めない。それゆえに高ランクの冒険者が集まってくる。さらには彼らは泊まりで滞在するため、温泉施設の売り上げも上昇している。クエストを受ける場合は、渓谷部に入るための入場税がかからない。しかしそれが無くとも、高ランク冒険者の来訪は黒字になる。彼らは豪快で収入が良い分、たくさんお金を使ってくれるのだ。温泉宿で、有名どころのお酒をすべて飲まれてしまい、私が慌てて運んだことが懐かしいわね。

 イカとえびを口に運びながら、何気なく入り口を見ていたらカインがやって来た。そのまま厨房に声をかけ、トレイを受け取りこちらへやってくる。ちょうど良く出来上がっていたみたいね。

 「待たせたか? 」

 「いいえ。今食べ始めたところよ」

 「そうか。悪いが少ししたらお前の義兄が来る。少し口裏合わせが必要だからな。それまでになるべく早く食べてくれ」

 はーい。でも今日の日替わりデザートの、揚げバナナのシナモンアイスは食べるわよ。このバナナもすっかり王都でも普及したわね。私はササッと食事を済ませ、日替わりデザートを三人前注文した。出来上がりの合図で取りに行くと、ちょうどお義兄さまがやって来た。

 カインも食べ終えたので、私はデザートとお水をテーブルに並べた。三人で席に着き話を始める。

 「マリア……昨晩は大変だったな。お前の身にはなにも無かったと聞いたが……本当に良かったよ。まさかあの方がそこまでするとは……」

 お義兄さまが話を始めた。昨日は王妃さまが貴族のこ婦人方を招いてのお茶会だったの。お茶会ではあるけど、勉強会みたいなものね。皆さまやはり、自領の繁栄を気にしているの。とくに以前の公爵領の様に、主だった特産物や産業の無い地方なんかは特によ。そんな地方のご婦人方も、社交の時期になると王都の屋敷に滞在する。五年前からこの時期になるとこのお茶会、いわゆる相談会を開催してきたの。

 男性は女性に弱みを見せたくない。奥さまは心配しているけど、旦那さまには言えない。その間に私と王妃さまが入り、その地方に良い方法を探しているわけ。そのお茶会が約一週間続くのよ。それで王宮の客間に滞在していた訳です。

 「とにかくだ。昨晩のことは箝口令が敷かれた。裏で処理をするため、一切外には漏らさないで欲しい。第二王子は昨晩高熱を出し、体調を崩し現在南の離宮で療養している。伝染性の恐れもあるため、医師以外は面会謝絶ということになっている」

 カインの言葉に私とお義兄さまは頷いた。

 「それとだな。やはり第二王子の体からは、薬物反応が出た。その者の幸せだけを見せるという幻覚剤だ。やはりマリアの勘は当たったな。第二王子はマリアを、初恋の双子の姉姫だと思いたかったんだろう」

 やはり……そしてそれを飲ませたのは……

 突如食堂の扉が開き、なにかが倒れた音がした。扉の方を振り向くと、宰相が椅子に足を引っかけ躓きそうになっていた。

 「なぜあなたが……」

 私の顔を凝視し呟く宰相……

 「私がどうかしましたか?一週間こちらの客間に滞在しているのはご存知ですよね。食堂でご飯を食べているのが、そんなに不思議でしょうか? 」

 「…………」

 やはり……宰相はなにかを知っている……

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