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二期 二章
コロシアム 上
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「ここでおとなしくしておけ!!」
ガシャーンと大きな音が響き渡る。この音の発生源は俺が入れられた牢屋の扉である。
「うえぇ、地面きったねぇ…。うわ、トイレとかないじゃん…。もしかしてあのバケツか…?」
なぜ俺がこんな最悪な所に入れられているかというと、数時間前に遡ることになる。
ー牢屋ぶち込まれ5時間前、コロシアムー
「選手登録には、一度試合をしてもらいます。」
「わかった、それじゃそれでお願いするよ。」
俺達はコロシアムに選手登録する為、選手受付へと来ていた。
コロシアムの中はとても賑わっていて、屋台が室内だが立ち並んでいる。その賑やかさはレイムブルグを彷彿とさせる。
受付の女性によると、選手登録するには経歴は不問だが、"実際の"強さを図るために一度試合して頂いているらしい。
実際の、というのはステータス以外の部分も見ているということだろう。知能や技術力、場数はステータスプレートには出ないからな。
その為、ステータスプレートの提出は言われなかった。
「試合はどういう感じで行われるんですかぁ?」
「試合はコロシアムメインステージでは無く、選手控え室の近くにある闘技場で行われます。一応数人のお客様はいらっしゃいますが、あまり気にしなくて結構です。」
「なるほどですぅ、緊張しますねぇ…」
顔に手を当てながら恥ずかしがるセリス。可愛さに通りすがるおっさん達が見とれている。俺も見とれちゃう。
「相手はどんな感じなの?」
昨日の見る影もないほど顔色が良くなったアリサが受付嬢に尋ねた。こちらもおっさんの目線を集めている。
「貴方達の相手をするのは専属の騎士です。強さは申し分ないですよ。全力で戦って大丈夫です。その時の闘いぶりで選定されます。」
「わかったわ。」
なるほど、そういうシステムか。強い相手を目の前にしてどこまでいけるか見るといったところだろう。
「僕の相手もそいつなの…?」
サンが絶望の顔をしている。大丈夫か?
そこで俺は少し心配になったので、受付嬢に聞いた。
「あ~…俺も結構強いけど…大丈夫?」
「はい大丈夫です。絶対。」
そう言って彼女はやはりステータスプレートを見なかった。
ここまでの自信。もしやS級レベルなのかもしれないな。俺も全力で行くか。
「じゃあ4人、試合をセッティングしてくれ。」
ー牢屋ぶち込まれ3時間前 試合開始ー
試合を申し込んで一時間ほどして、試合が始まった。
その一時間でおそらく宣伝が行われ、思った以上の人数が見に来ている。
…まあ、美少女2人が戦うとなれば見にくるなそりゃ。
「試合開始!」
最初の試合はサンからだ。
「でやぁっ!!」
サンはもともと盗賊スキル持ちである為、スピードが速い。開始早々一気に相手へと間合いを詰め、左から手に持ったナイフで首を狙った。
「うおっ!早いな!」
相手の騎士はそう言いながら、首に伸びて来たナイフを盾で弾いた。
騎士は盾と剣というオーソドックスな装備をしている。
キャインと、金属の弾く音が響く。
「まだまだ!!」
サンはスピードを利用した手数で勝負を仕掛ける。右、左、上、下、サンは飛び回り、走り回り、ナイフを振る。
だが騎士はその全てを少しの動きと盾だけでかわしていく。
「くっそ!当たんねえ!」
サンがイラつきを見せた瞬間、騎士が動いた。
「合格だ!君はその年でなかなか強い!」
そう騎士は言い、盾でサンをバッシュした。
サンはバッシュを受けた反動で吹っ飛び、空中で一回転して着地した。
「ちぇ!一発も当たんないでやんの。」
「試合終了!!」
審判が告げ、会場内が一層湧いた。
「ガキー!いい動きだったぞー!」
「いいスピードだー!」
歓声が飛ぶ中、サンが恥ずかしそうに帰ってきた。
「お疲れ様、よく頑張ったな!」
「一発も当たんなかったよ…。みんなも頑張ってね!」
「私合格するか心配になってきましたぁ…」
「大丈夫だよ、セリス姉ちゃんなら!」
帰ってきたサンと交代で試合場に上がったのはセリスだ。おそらく魔法系で戦うのだと思うのだが…。セリスの戦闘を見るのはなにせ始めてだからな…。
セリスは騎士と向き合って試合場に立った。
美少女が試合場に上がり沸き立つ会場。
審判が手を上にあげ、一気に振り下ろす。
「試合開始!!」
二人とも出方を伺っているようで、すぐには動かない。
二人の間で静寂が流れる。会場の喧騒はセリスの耳には届いてなかった。
強くなって、三人の役に立ちたい。世界を救いたい。そう考えると、目の前に集中できた。
「お嬢ちゃん、いくぜ。」
先に動いたのは騎士だった。騎士はその場で剣を振り下ろした。目にも留まらぬ速さで振り下ろされた剣からは凄まじい風が吹く。
「私も、いきます!」
セリスが手を前に出すと、見えない壁があるように風が遮られる。魔力の壁だろうか。
「はっ!」
セリスはいつのまにか身体強化をかけていたようで、霞むようなスピードで騎士の後ろに回った。
え?まさかの肉弾戦!?
「まじ!?」
騎士も想像していなかったようで反応に遅れる。その隙をセリスは見逃さなかった。
「せやぁ!」
セリスは手をかざした。かざした手から無数の光の矢が放たれ、騎士を襲う。
着弾と同時に会場内が一層騒がしくなった。
「があ…結構痛いな。」
騎士はいつのまにか盾を構えており、ダメージはあまり通っていなさそうだった。
「最大の奇襲でもそのダメージなんて、めちゃくちゃですね…」
「君も合格だが、少し、先が見たいな。」
騎士はその瞬間、消えた。
正確には俺以外は見えなかった。が正しいだろう。
身体強化をしたセリスを大きく上回る速さでセリスに近づいた騎士は、盾を思い切り前に突き出した。
セリスはギリギリで騎士を確認し、盾を魔法で防御したが、防御ごと吹き飛ばされた。
吹き飛ばされたセリスは壁に激突する寸前に体制を立て直し、壁を蹴って着地した。
「お見事。君は可憐でそして強かった。さらなる高みを目指すがいい。」
騎士は拍手をしながら定位置に戻っていった。
「試合終了!!」
またまた会場は歓声の渦に包まれる。
「ねーちゃん最高だぜ!」
「可愛い。」
「尊い。」
ちょっとやばそうな歓声があるのが気になる。
セリスはよろよろと戻ってきて、自らに治癒をかけた。
「あれは化け物ですぅ!アレクさん並みですぅ!」
「お疲れ様!セリスってあんな戦い方するんだな、正直驚いたよ!」
「ありがとうです、ちょっと頑張りました!」
ニコッと笑って喜ぶセリス。
さらに飛ぶ歓声。
「さて、私も行きますか!」
次の試合はアリサだ。これまた歓声が上がるだろう。
「頑張れ!アリサ!」
「任せて!セリスに負けてらんないわ!」
そう言って試合場へと歩いていった。
続く
ガシャーンと大きな音が響き渡る。この音の発生源は俺が入れられた牢屋の扉である。
「うえぇ、地面きったねぇ…。うわ、トイレとかないじゃん…。もしかしてあのバケツか…?」
なぜ俺がこんな最悪な所に入れられているかというと、数時間前に遡ることになる。
ー牢屋ぶち込まれ5時間前、コロシアムー
「選手登録には、一度試合をしてもらいます。」
「わかった、それじゃそれでお願いするよ。」
俺達はコロシアムに選手登録する為、選手受付へと来ていた。
コロシアムの中はとても賑わっていて、屋台が室内だが立ち並んでいる。その賑やかさはレイムブルグを彷彿とさせる。
受付の女性によると、選手登録するには経歴は不問だが、"実際の"強さを図るために一度試合して頂いているらしい。
実際の、というのはステータス以外の部分も見ているということだろう。知能や技術力、場数はステータスプレートには出ないからな。
その為、ステータスプレートの提出は言われなかった。
「試合はどういう感じで行われるんですかぁ?」
「試合はコロシアムメインステージでは無く、選手控え室の近くにある闘技場で行われます。一応数人のお客様はいらっしゃいますが、あまり気にしなくて結構です。」
「なるほどですぅ、緊張しますねぇ…」
顔に手を当てながら恥ずかしがるセリス。可愛さに通りすがるおっさん達が見とれている。俺も見とれちゃう。
「相手はどんな感じなの?」
昨日の見る影もないほど顔色が良くなったアリサが受付嬢に尋ねた。こちらもおっさんの目線を集めている。
「貴方達の相手をするのは専属の騎士です。強さは申し分ないですよ。全力で戦って大丈夫です。その時の闘いぶりで選定されます。」
「わかったわ。」
なるほど、そういうシステムか。強い相手を目の前にしてどこまでいけるか見るといったところだろう。
「僕の相手もそいつなの…?」
サンが絶望の顔をしている。大丈夫か?
そこで俺は少し心配になったので、受付嬢に聞いた。
「あ~…俺も結構強いけど…大丈夫?」
「はい大丈夫です。絶対。」
そう言って彼女はやはりステータスプレートを見なかった。
ここまでの自信。もしやS級レベルなのかもしれないな。俺も全力で行くか。
「じゃあ4人、試合をセッティングしてくれ。」
ー牢屋ぶち込まれ3時間前 試合開始ー
試合を申し込んで一時間ほどして、試合が始まった。
その一時間でおそらく宣伝が行われ、思った以上の人数が見に来ている。
…まあ、美少女2人が戦うとなれば見にくるなそりゃ。
「試合開始!」
最初の試合はサンからだ。
「でやぁっ!!」
サンはもともと盗賊スキル持ちである為、スピードが速い。開始早々一気に相手へと間合いを詰め、左から手に持ったナイフで首を狙った。
「うおっ!早いな!」
相手の騎士はそう言いながら、首に伸びて来たナイフを盾で弾いた。
騎士は盾と剣というオーソドックスな装備をしている。
キャインと、金属の弾く音が響く。
「まだまだ!!」
サンはスピードを利用した手数で勝負を仕掛ける。右、左、上、下、サンは飛び回り、走り回り、ナイフを振る。
だが騎士はその全てを少しの動きと盾だけでかわしていく。
「くっそ!当たんねえ!」
サンがイラつきを見せた瞬間、騎士が動いた。
「合格だ!君はその年でなかなか強い!」
そう騎士は言い、盾でサンをバッシュした。
サンはバッシュを受けた反動で吹っ飛び、空中で一回転して着地した。
「ちぇ!一発も当たんないでやんの。」
「試合終了!!」
審判が告げ、会場内が一層湧いた。
「ガキー!いい動きだったぞー!」
「いいスピードだー!」
歓声が飛ぶ中、サンが恥ずかしそうに帰ってきた。
「お疲れ様、よく頑張ったな!」
「一発も当たんなかったよ…。みんなも頑張ってね!」
「私合格するか心配になってきましたぁ…」
「大丈夫だよ、セリス姉ちゃんなら!」
帰ってきたサンと交代で試合場に上がったのはセリスだ。おそらく魔法系で戦うのだと思うのだが…。セリスの戦闘を見るのはなにせ始めてだからな…。
セリスは騎士と向き合って試合場に立った。
美少女が試合場に上がり沸き立つ会場。
審判が手を上にあげ、一気に振り下ろす。
「試合開始!!」
二人とも出方を伺っているようで、すぐには動かない。
二人の間で静寂が流れる。会場の喧騒はセリスの耳には届いてなかった。
強くなって、三人の役に立ちたい。世界を救いたい。そう考えると、目の前に集中できた。
「お嬢ちゃん、いくぜ。」
先に動いたのは騎士だった。騎士はその場で剣を振り下ろした。目にも留まらぬ速さで振り下ろされた剣からは凄まじい風が吹く。
「私も、いきます!」
セリスが手を前に出すと、見えない壁があるように風が遮られる。魔力の壁だろうか。
「はっ!」
セリスはいつのまにか身体強化をかけていたようで、霞むようなスピードで騎士の後ろに回った。
え?まさかの肉弾戦!?
「まじ!?」
騎士も想像していなかったようで反応に遅れる。その隙をセリスは見逃さなかった。
「せやぁ!」
セリスは手をかざした。かざした手から無数の光の矢が放たれ、騎士を襲う。
着弾と同時に会場内が一層騒がしくなった。
「があ…結構痛いな。」
騎士はいつのまにか盾を構えており、ダメージはあまり通っていなさそうだった。
「最大の奇襲でもそのダメージなんて、めちゃくちゃですね…」
「君も合格だが、少し、先が見たいな。」
騎士はその瞬間、消えた。
正確には俺以外は見えなかった。が正しいだろう。
身体強化をしたセリスを大きく上回る速さでセリスに近づいた騎士は、盾を思い切り前に突き出した。
セリスはギリギリで騎士を確認し、盾を魔法で防御したが、防御ごと吹き飛ばされた。
吹き飛ばされたセリスは壁に激突する寸前に体制を立て直し、壁を蹴って着地した。
「お見事。君は可憐でそして強かった。さらなる高みを目指すがいい。」
騎士は拍手をしながら定位置に戻っていった。
「試合終了!!」
またまた会場は歓声の渦に包まれる。
「ねーちゃん最高だぜ!」
「可愛い。」
「尊い。」
ちょっとやばそうな歓声があるのが気になる。
セリスはよろよろと戻ってきて、自らに治癒をかけた。
「あれは化け物ですぅ!アレクさん並みですぅ!」
「お疲れ様!セリスってあんな戦い方するんだな、正直驚いたよ!」
「ありがとうです、ちょっと頑張りました!」
ニコッと笑って喜ぶセリス。
さらに飛ぶ歓声。
「さて、私も行きますか!」
次の試合はアリサだ。これまた歓声が上がるだろう。
「頑張れ!アリサ!」
「任せて!セリスに負けてらんないわ!」
そう言って試合場へと歩いていった。
続く
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