37 / 39
一章 私立八意学園
エピローグ
しおりを挟む
「そんなこともあったねー。いやー、蓮あの時はごめんね」
「あれは絵里でも絶対許さないからね!」
「私も怖かったんだよー!あんなに怖いなんて思わなかったんだって!」
時刻はお昼すぎ、私は絵里と二人で午後のティータイムと称して喫茶店に来ていた。
「それにしても、大きくなったねー。今何ヶ月?」
「8ヶ月目だよ、絵里ももうすぐこれくらいになるんじゃない?」
お互い大きくなったお腹を指しながら語り合う。
あの予約からもう6年が経った。私は大学へ行き、類君は父親の知り合いが経営してるという会社へ入り一足先に社会人になった。
中澤くんは大学を卒業し社会人一年生になると同時に絵里にプロポーズしこの度めでたくゴールインと相成った。
私と類君は私の卒業を待ち結婚して同居を始め一年で子供を授かった。
そう考えると中澤くんと絵里は少し早足気味だと思うが、まあ絵里ならなんとかするだろう。
「いやぁ、それにしても懐かしいねえ。よくよく考えたら若いっていうか、青春だね」
「青春ねえ。あの頃に戻りたいとは思わないけどなー」
今が幸せなら、別にあの頃に戻らなくてもいいんだ。そうやって年を取ってもずっと今が一番幸せだっていい続けられるような家庭を築いていくのが今の私の目標だった。
「まあそれは同意かなー。あ、そうそう私子供が育ったらやることが出来たから、よかったら蓮も類君と二人で手伝ってよ」
「やることー?また良からぬこと考えてー。もうお母さんになるんだから落ち着きなさいよ」
「良からぬことって…いやまあ確かに信用はないかもしれないけどさぁ!」
「じゃあなにするのよ?なにやるかわからなきゃうんとは言えないよ?」
「ん、探偵事務所」
「へ?」
「探偵だってばー。眠りのエリーとか?」
「眠って解決するわけないでしょ。でも、探偵事務所って本気?」
「これはお宅の旦那様が言ったことだよん。『絵里さんなら探偵事務所開いたら儲かりそうですよね』って。そしたらうちのも行けるとか言い出してさー。というわけで手伝ってねん」
いや、確かに絵里なら行けそうだけど…探偵事務所ってなにか資格とか…いや、絵里なら大丈夫か。なんとかするんだろうし。
「子供がちゃんと育ったらね」
「ん、言質とったからちゃんとお願いねー」
この数年後、絵里は本当に中澤探偵事務所を作り度々私と類君も手伝わされることになる。
結局今でも私はみんなに振り回されたりからかわれたりと変わらない関係のまま過ごしている。
きっとこれからも変わらないだろうけど、きっとこれからも幸せなままなんだろう。だって日に日に変わってく世界の中で変わらないものだってあるはずなんだから。
明日もきっと幸せな良い日になると思っている。これからも思っていく。
「あれは絵里でも絶対許さないからね!」
「私も怖かったんだよー!あんなに怖いなんて思わなかったんだって!」
時刻はお昼すぎ、私は絵里と二人で午後のティータイムと称して喫茶店に来ていた。
「それにしても、大きくなったねー。今何ヶ月?」
「8ヶ月目だよ、絵里ももうすぐこれくらいになるんじゃない?」
お互い大きくなったお腹を指しながら語り合う。
あの予約からもう6年が経った。私は大学へ行き、類君は父親の知り合いが経営してるという会社へ入り一足先に社会人になった。
中澤くんは大学を卒業し社会人一年生になると同時に絵里にプロポーズしこの度めでたくゴールインと相成った。
私と類君は私の卒業を待ち結婚して同居を始め一年で子供を授かった。
そう考えると中澤くんと絵里は少し早足気味だと思うが、まあ絵里ならなんとかするだろう。
「いやぁ、それにしても懐かしいねえ。よくよく考えたら若いっていうか、青春だね」
「青春ねえ。あの頃に戻りたいとは思わないけどなー」
今が幸せなら、別にあの頃に戻らなくてもいいんだ。そうやって年を取ってもずっと今が一番幸せだっていい続けられるような家庭を築いていくのが今の私の目標だった。
「まあそれは同意かなー。あ、そうそう私子供が育ったらやることが出来たから、よかったら蓮も類君と二人で手伝ってよ」
「やることー?また良からぬこと考えてー。もうお母さんになるんだから落ち着きなさいよ」
「良からぬことって…いやまあ確かに信用はないかもしれないけどさぁ!」
「じゃあなにするのよ?なにやるかわからなきゃうんとは言えないよ?」
「ん、探偵事務所」
「へ?」
「探偵だってばー。眠りのエリーとか?」
「眠って解決するわけないでしょ。でも、探偵事務所って本気?」
「これはお宅の旦那様が言ったことだよん。『絵里さんなら探偵事務所開いたら儲かりそうですよね』って。そしたらうちのも行けるとか言い出してさー。というわけで手伝ってねん」
いや、確かに絵里なら行けそうだけど…探偵事務所ってなにか資格とか…いや、絵里なら大丈夫か。なんとかするんだろうし。
「子供がちゃんと育ったらね」
「ん、言質とったからちゃんとお願いねー」
この数年後、絵里は本当に中澤探偵事務所を作り度々私と類君も手伝わされることになる。
結局今でも私はみんなに振り回されたりからかわれたりと変わらない関係のまま過ごしている。
きっとこれからも変わらないだろうけど、きっとこれからも幸せなままなんだろう。だって日に日に変わってく世界の中で変わらないものだってあるはずなんだから。
明日もきっと幸せな良い日になると思っている。これからも思っていく。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです
シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」
卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?
娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。
しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。
婚約破棄されている令嬢のお母様視点。
サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。
過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
そう言うと思ってた
mios
恋愛
公爵令息のアランは馬鹿ではない。ちゃんとわかっていた。自分が夢中になっているアナスタシアが自分をそれほど好きでないことも、自分の婚約者であるカリナが自分を愛していることも。
※いつものように視点がバラバラします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる