上 下
15 / 26

色々な初めてとシロナの宝物(シロナ視点)

しおりを挟む
  今日はたくさんの初めてがいっぱいあった!
  初めて生まれた街以外の街に来て、お父さんに抱っこしてもらいながら街を一緒に歩いた!
  髪の色がバレちゃダメだからあんまりよく見えなかったけど…。

  あと、初めてぼうけんしゃギルドっていうところにはいった!お昼からお酒を飲んでいるおじさんとか、おおきな声で騒いでるおじさんがいっぱいいてちょっと怖かったけどお父さんとならへっちゃらだった!

  ギルドではたらいてるおねえさんとお父さんがなにかお話をしていたけど、おじさんたちの声でよく聞こえなかった。
  お仕事のお話ならじゃましちゃだめだ!って思って静かにお父さんにくっ付いてたら、眠くなってきて、ウトウトしてるうちに眠ってしまっていた。

  少し寝ちゃって起きると、知らない女の人がお父さんとはなしていて思わずびっくりしてお父さんにしがみついた、
  女の人はカーナさんっていう名前で、私の服を選んでくれるみたいだ。
  服を買ってくれるなんて知らなくてまた私はびっくりしてしまった。
  今まで服なんてぼろぼろの誰かの使い古ししか着たことがなかったから、お父さんの迷惑になるってわかってても、すごくうれしかった。

  カーナさんの親戚っていうおばちゃんのお店では私の髪を見ても誰も怒ったり叩いたりしなくて、よくわからないけど、なんだか泣きそうになった。なんでだろ?

  カーナさんと一緒に服を選んで、試着室っていうところに入って服を着替えようとしたら、カーナさんがいきなり怒り出した。
  そして、お父さんにひどいことを言い出した。いい人だと思ったのに!
  私じゃ何にもできないけど、お父さんの前に出て一生懸命に両手を伸ばしてカーナさんをにらみつけた。

  お父さんをいじめるなら、カーナさんだって許さないんだから!
  カーナさんをにらみつけてきると、お父さんが私のことを話し出した。あの時はいつもお腹が減っていたし、いつも体のどこかが痛かった。何度かダメになったご飯を出されてすごく具合が悪くなったこともあった。
  そして、この間すごくお腹が痛くなってお股から血が出てきて、私死んじゃうのかな?って思ったけど、何日かしたら痛くなくなって血も出なくなった。
  治ったと思ったら、私をいじめてる人、多分ほんとうのお父さんやお母さんだと思う。その人たちが、これなら使える、やっとだ!って喜んでて、次の日私は奴隷商人っていう人に売られた。
  あの時はすごくつらかったし何度も何度も泣いちゃったけど、もういいんだ!今は大好きなお父さんが優しくしてくれる。あったかいご飯も食べられるし痛いこともないし、なによりお父さんは私を抱っこしてくれて頭を撫でてくれる。お父さんに頭を撫でてもらうと胸のあたりがポカポカするんだー。

  お父さんが話し終わると、カーナさんが苦しそうな顔をしていた。具合悪いのかな…。でもお父さんをいじめるなら許してあげないんだから!

  そう思ってるとお父さんが私を抱っこして撫でてくれた。カーナさんは勘違いしてたけど、私のために怒ってくれたから許してあげなさいって言われた。お父さんが言うなら、もうお父さんをいじめないなら許してあげるけど…。
  そしたらカーナさんがもうお父さんをいじめないって約束してくれた。だから許してあげた。それからまた2人で服を見て回って可愛い服を選んでもらった。

  でも、私は可愛い服より、お父さんが選んでくれた服が欲しいとカーナさんに伝えると、カーナさんも頭を撫でてくれた。そして、お父さんにおねだりしてみよう!って言ってきた。
  いいのかな、そんな欲張りなことをしたらお父さんに嫌われないかな?そうカーナさんに聞くと、大丈夫だからおねだりしておいでって言ってくれた。

  お父さんに嫌われるかも知れないって思うとすごく怖くてしどろもどろにつっかえながらお父さんにお願いしてみたら、お父さんは笑って(お父さんが笑うとすごく優しそうでカッコいいから大好き!)頭を撫でながら選んでくれるって言ってくれた!

  そしてお父さんが選んでくれたコートはあったかくて、ふわふわしてて可愛かった。すごく嬉しくて夢中でコートを見ていたら、なんと金貨5枚だと言われた。あんまりお金の価値はわからないけど、私は金貨2枚で売れたって言ってたから、私なんかよりすごく高い。びっくりして少し固まってしまったけど、そんなものを汚してしまったりしたらいけないと思って急いで脱ごうとするとお父さんに止められた。

  こんな高いものを買うって言い出した。思わずまた固まってしまった。
  えっと、銀貨2枚で宿屋さんにお泊まりできるって言ってて、銀貨10枚で金貨1枚だから、えっと、全部で銀貨60枚?えっとえっと!宿屋さんに1.2.3…30回も泊まれてしまう!
  そんなものを簡単に買っちゃうなんて、お父さんってお金持ちなのかな…?お金持ちならなんで旅をしてるんだろう?お父さんって不思議な人だ。

  この日からこのコートは私の2番目に大切な宝物になった。1番目はもちろんお父さんだけどね!
  
  あと、服屋さんのおばちゃんが泊めてくれるって言ってくれた!お外や床以外で寝るのは初めてだ!ベットってどんなものなんだろう?

  あと、初めて柔らかくてカビの生えてないパンを食べることが出来た!スープやお肉もあったかくてすっごく美味しかった!

  お父さんに拾ってもらってからいっぱい初めてがあるけど、今日の初めてはずっと、忘れないと思う!
  
  夜は初めてのベットでお父さんにくっついて寝た。初めてのベットはふわふわしたお布団で今までで一番ぐっすり寝れた。
  次の街でもベットで寝れるのかな?少し次の街が楽しみだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

異世界行ったら人外と友達になった

小梅カリカリ
ファンタジー
気が付いたら異世界に来ていた瑠璃 優しい骸骨夫婦や頼りになるエルフ 彼女の人柄に惹かれ集まる素敵な仲間達 竜に頭丸呑みされても、誘拐されそうになっても、異世界から帰れなくても 立ち直り前に進む瑠璃 そしてこの世界で暮らしていく事を決意する

騎士団宿舎に住む黒猫

teeto
ファンタジー
会社に遅れそうになり、近道の公園を通り過ぎたら、黒い大きな穴に落ちてしまった。落ちた先は、何故か男の上。 慌ててドアから逃げたら何故か知らない森の中。そして迷ってしまった。 突然現れる恐怖に立ち向かい、此処が異世界だと知る。 見た目で魔族と勘違いされる女主人公と、主人公を保護した"黒い獣"と呼ばれる名の知れた騎士との異世界ファンタジー。 言葉の通じない異世界で"魔族"やら"黒猫"と呼ばれ、子供扱いされる25歳の社会人が頑張って生きる物語です。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

異世界悪霊譚 ~無能な兄に殺され悪霊になってしまったけど、『吸収』で魔力とスキルを集めていたら世界が畏怖しているようです~

テツみン
ファンタジー
**救国編完結!** 『鑑定——』  エリオット・ラングレー  種族 悪霊  HP 測定不能  MP 測定不能  スキル 「鑑定」、「無限収納」、「全属性魔法」、「思念伝達」、「幻影」、「念動力」……他、多数  アビリティ 「吸収」、「咆哮」、「誘眠」、「脱兎」、「猪突」、「貪食」……他、多数 次々と襲ってくる悪霊を『吸収』し、魔力とスキルを獲得した結果、エリオットは各国が恐れるほどの強大なチカラを持つ存在となっていた! だけど、ステータス表をよーーーーっく見てほしい! そう、種族のところを! 彼も悪霊――つまり「死んでいた」のだ! これは、無念の死を遂げたエリオット少年が悪霊となり、復讐を果たす――つもりが、なぜか王国の大惨事に巻き込まれ、救国の英雄となる話………悪霊なんだけどね。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

処理中です...