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子育てしてみよう
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とりあえず揺さぶっても起きない修二を起こすために、可哀想だけど顔に水を掛けて叩き起こす。
「ぶはっ、な、なんだ!?野犬でも出たのか!?」
出たよ、そして去っていったし、挙げ句の果てに子犬を預けられたよ。本気で寝てたんだ、修二…。
「呆れてなんもいえねえよ」
仕方なく状況の説明をしながら子犬を修二に見せると、綺麗に正座をし頭を下げた。つまり土下座だ。
「すまない。どうしても寝起きが悪くてそんな一大事にも関わらず眠りこけてしまっていた」
なにもそこまで謝らなくても…と思ったけど、よくよく考えたら下手すれば全滅していたことを考えると土下座は妥当な気がしてしまった。
とはいえ、いつまでもぐちぐち言っていても仕方がないので子犬をどうするかを相談することにした。
「正直、今の僕らに育てられると思う?」
「え?なに言ってんだお前」
「いや、おにぃ、それはないよー」
「人としてどうなのそれ」
「俺がいえたことじゃないが、目を覚ましたほうがいいぞ」
「ナギ、捨てるつもり、なの?」
「えぇ!?僕そんなにおかしいこと言ってるの!?」
いや、そりゃ僕だって子犬を捨てるなんてしたくないけど、実際僕らが育てられるほど余裕なんてないし、正直荷が重いって思ったんだけど、どうやら満場一致で飼うのが当然だと思っていたらしい。
おかげですっかり悪者扱いである。
「いやな、渚が言いたいこともわかるけどな。要するに俺らに余裕がない以上無責任に飼えないっていいたいんだろ?」
「う、うん。そういうつもりだけど」
「お前な…。じゃあ質問してくぞ、ここはどこだ?」
「異世界?」
「恐らくな、んじゃ次、飼わないってなるならどうする?見捨てて餓死させるか?」
「いや、そんなの里親でも…あっ」
「里親ってどこにいんだよ。つまりそういうことだ、無責任に飼うも飼わないも今俺らに出来る選択ははっきり言えば、飼うか殺すかだ。んで、殺すのか?」
「ごめんなさい。考えが甘かったです」
沖田に説明され未だに日本人としての癖が抜けてないことを自覚した。そりゃそうだよね、里親なんていたら僕らこんなに苦労してないや。
「おにぃ、私たちじゃなくこの子達に謝らないとだよー」
そう言って差し出された子犬達にごめんねと頭を下げると顔を舐められた。
「許す、って」
「ん、ありがと」
「んじゃ渚のアホな勘違いは終わったし名付けタイムといきますか!全員が2つずつ名前考えて一番しっくり来るのにしようぜ!」
沖田が、なぜかこの世界に来て一番張り切ってる気がする。まあ癒しって大事だしね。僕がいえたことじゃないけども。
っと、名前名前…名前かぁ。日本語の名前の方がいいかなぁ?呼びやすい方がいいだろうし、うーん。そう言えば名前なんてつけたことなかったなぁ。見た目はちょっとごわごわしてて灰色っぽい毛並み、狼みたいな感じ?
「あ、この子達男の子と女の子みたいだよー。それも考えてあげないとね!」
シロとクロとかどうだろう。わかりやすいし混ぜたら灰色になるし。うん、僕にネーミングセンスはないみたいだから、とりあえずシロとクロで決定。
みんなも決めたらしく、沖田、鹿波、修二、朱奈、僕、静流の順番で発表していくことに。
「んじゃ俺から。男の方がゴウで女の方がロンだ。悪くはないだろ?」
「じゃあ私ね、男の子の方がレンで女の子方がランってどう?」
「俺は正直思いつかなかった。男がクロで女がシロだ。なんかすまん」
まさかの被ったぁ!?
「男の子、リク。女の子、ユキ」
『ワンッ!』
「お?その名前がいいのか?」
『わふ!』
「さすがに本人達に決められたら文句言えないわねー。ちなみにそこの双子はなんてつけたかったの?」
「あはは、実はその、修二とかぶっちゃって…」
「おにぃも被ってたの!?実は私も修二と被ってたんだー」
そんなところで双子らしさを発揮しなくてもいいんだぞ妹よ。まさか兄妹揃ってネーミングセンスがないとは…。
「あんたら…もう少し考えてあげなさいよね」
『面目無い…』
なんとなく巻き込んだ形になってしまった修二も含めて3人とも怒られてしまった。名前つけるのなんてやったことないから、仕方ないじゃないか。
ともあれ、二匹の名前はリクとユキに決まったようだ。
時々思うけど、朱奈って動物と会話できるんじゃないだろうか?思い切って尋ねてみると、なんとなくそう感じるだけなそうだ。十分すごいけどね。
そんなこんなで新たな仲間であるリクとユキに最後の一匹だった燻製もどきを食べさせ、もう一度眠りについた。
いうまでもないかもしれないけれど、二匹は朱奈にくっついて眠っていた。あと、羨ましかったのか珍しく静流だけじゃなく鹿波まで朱奈にくっついて眠った。
なぜか修二が羨ましそうな顔をしていたがすぐに眠りについていた。犬好きなのかな?
「ぶはっ、な、なんだ!?野犬でも出たのか!?」
出たよ、そして去っていったし、挙げ句の果てに子犬を預けられたよ。本気で寝てたんだ、修二…。
「呆れてなんもいえねえよ」
仕方なく状況の説明をしながら子犬を修二に見せると、綺麗に正座をし頭を下げた。つまり土下座だ。
「すまない。どうしても寝起きが悪くてそんな一大事にも関わらず眠りこけてしまっていた」
なにもそこまで謝らなくても…と思ったけど、よくよく考えたら下手すれば全滅していたことを考えると土下座は妥当な気がしてしまった。
とはいえ、いつまでもぐちぐち言っていても仕方がないので子犬をどうするかを相談することにした。
「正直、今の僕らに育てられると思う?」
「え?なに言ってんだお前」
「いや、おにぃ、それはないよー」
「人としてどうなのそれ」
「俺がいえたことじゃないが、目を覚ましたほうがいいぞ」
「ナギ、捨てるつもり、なの?」
「えぇ!?僕そんなにおかしいこと言ってるの!?」
いや、そりゃ僕だって子犬を捨てるなんてしたくないけど、実際僕らが育てられるほど余裕なんてないし、正直荷が重いって思ったんだけど、どうやら満場一致で飼うのが当然だと思っていたらしい。
おかげですっかり悪者扱いである。
「いやな、渚が言いたいこともわかるけどな。要するに俺らに余裕がない以上無責任に飼えないっていいたいんだろ?」
「う、うん。そういうつもりだけど」
「お前な…。じゃあ質問してくぞ、ここはどこだ?」
「異世界?」
「恐らくな、んじゃ次、飼わないってなるならどうする?見捨てて餓死させるか?」
「いや、そんなの里親でも…あっ」
「里親ってどこにいんだよ。つまりそういうことだ、無責任に飼うも飼わないも今俺らに出来る選択ははっきり言えば、飼うか殺すかだ。んで、殺すのか?」
「ごめんなさい。考えが甘かったです」
沖田に説明され未だに日本人としての癖が抜けてないことを自覚した。そりゃそうだよね、里親なんていたら僕らこんなに苦労してないや。
「おにぃ、私たちじゃなくこの子達に謝らないとだよー」
そう言って差し出された子犬達にごめんねと頭を下げると顔を舐められた。
「許す、って」
「ん、ありがと」
「んじゃ渚のアホな勘違いは終わったし名付けタイムといきますか!全員が2つずつ名前考えて一番しっくり来るのにしようぜ!」
沖田が、なぜかこの世界に来て一番張り切ってる気がする。まあ癒しって大事だしね。僕がいえたことじゃないけども。
っと、名前名前…名前かぁ。日本語の名前の方がいいかなぁ?呼びやすい方がいいだろうし、うーん。そう言えば名前なんてつけたことなかったなぁ。見た目はちょっとごわごわしてて灰色っぽい毛並み、狼みたいな感じ?
「あ、この子達男の子と女の子みたいだよー。それも考えてあげないとね!」
シロとクロとかどうだろう。わかりやすいし混ぜたら灰色になるし。うん、僕にネーミングセンスはないみたいだから、とりあえずシロとクロで決定。
みんなも決めたらしく、沖田、鹿波、修二、朱奈、僕、静流の順番で発表していくことに。
「んじゃ俺から。男の方がゴウで女の方がロンだ。悪くはないだろ?」
「じゃあ私ね、男の子の方がレンで女の子方がランってどう?」
「俺は正直思いつかなかった。男がクロで女がシロだ。なんかすまん」
まさかの被ったぁ!?
「男の子、リク。女の子、ユキ」
『ワンッ!』
「お?その名前がいいのか?」
『わふ!』
「さすがに本人達に決められたら文句言えないわねー。ちなみにそこの双子はなんてつけたかったの?」
「あはは、実はその、修二とかぶっちゃって…」
「おにぃも被ってたの!?実は私も修二と被ってたんだー」
そんなところで双子らしさを発揮しなくてもいいんだぞ妹よ。まさか兄妹揃ってネーミングセンスがないとは…。
「あんたら…もう少し考えてあげなさいよね」
『面目無い…』
なんとなく巻き込んだ形になってしまった修二も含めて3人とも怒られてしまった。名前つけるのなんてやったことないから、仕方ないじゃないか。
ともあれ、二匹の名前はリクとユキに決まったようだ。
時々思うけど、朱奈って動物と会話できるんじゃないだろうか?思い切って尋ねてみると、なんとなくそう感じるだけなそうだ。十分すごいけどね。
そんなこんなで新たな仲間であるリクとユキに最後の一匹だった燻製もどきを食べさせ、もう一度眠りについた。
いうまでもないかもしれないけれど、二匹は朱奈にくっついて眠っていた。あと、羨ましかったのか珍しく静流だけじゃなく鹿波まで朱奈にくっついて眠った。
なぜか修二が羨ましそうな顔をしていたがすぐに眠りについていた。犬好きなのかな?
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