1 / 1
プロローグ
しおりを挟む
俺氏、猫橋ツルギは今軟禁状態にあっている。
単に窓とドアのない部屋にいるからだ。
なぜそんな脱出不可能な部屋にいるかというか俺にもわからない、大学からの帰路に気がつけばここにいたという始末だ。
ただ、その答えと脱出方法を握るのは正面のパイプ椅子に座るおっさんのようだ。
おっさんはスーツを着ており、なぜかアイマスクをつけている。
「あっ、あの」
「待て」
おっさんは低い声で俺の声を遮った
「君の容姿を当てよう、君からは甘酸っぱい汗の匂いがする、部活帰りの女子高生、髪は黒のショートで高身長・・・そうだろ?」
おっさんはアイマスクを外す、そこには男子大学生で中肉中背、ジーパンと黒のジャンバーの俺の姿
「わお...なんてことだ、すまなかった」
驚いた顔をするおっさん、なんなんだこいつ
「甘酸っぱくも女子高生でも高身長でもショートでもないですよ、おっさん誰ですか?」
「おっさんはこう見えて神である、信じれないと思うが本当だ。さて君は早く脱出したいと思ってるであろう」
神かどうかはどうであれ早く出たいのは事実。おまけにドアも窓もない個室におっさんと二人っきり長時間いるのは御免だ。
「まぁね、俺になんか要件でもあるんですか?」
おっさんはお茶をズズッと飲み咳き込んだ。対面する形で置いてある空席のパイプ椅子に目をやると、取り敢えず座りたまえと言った。
「君に頼み事がある、いきなりで驚くと思うが・・・転生者特殊能力回収委員会執行部。通所、アルファ執行員になってくれないか?」
ーーこいつ何ゆってるんだ
「業務内容は簡単。異世界で特殊能力貰って無双ハーレムを作ってる日本人から特殊能力を回収するだけ。報酬金もうんとでる。おまけに異世界での1ヶ月が地球で10分ほどだ、時間も取らない」
怪しい怪しい過ぎる、さっきから神だの異世界だの。
「さっきから怪しすぎます・・・ホントに神様なら証拠見せてください」
すると神は手を天井に翳してみせた。
翳した手を握った刹那、眩い光と共に辺りが平原へと変わった。
穏やかな風が吹き、太陽の温暖な日光が心地よい。
「あら?ミスったわ。まぁいいか。なんならもっと凄いことしてあげようか?」
高校生の頃マジックに凝ってた時期があり、ある程度のタネや仕掛けはわかる。しかし今見たのはマジックでもない奇跡のようなものだった。
「驚いた。ホントに神ってもんはいるんだな」
「やっと信じてくれたか。で、さっきの話どうする?」
異世界で無双ハーレムを作ってる日本人から特殊能力を回収ねぇ・・・
面白そうだしやってもいいけど、一つ疑問なのが危険性だ。もし無双できるほどの特殊能力をもってるやつ戦いになれば、殺されて指人形にされるのは目に見えてる。
「命の危険とかないんですか?チートスキル持ってるような奴だし、戦いになったら秒殺されそうですけど」
「あぁその点は心配いらない、特殊能力持ちの日本人からの攻撃は無効化されるし、任務中に戦いになったら、君たちの身体能力も向上させておく。そもそも寝てるときとかに能力回収しちゃえば戦いにもならないだろう」
面白そうだ。報酬金もでるそうだし、ちょうどお金にも困ってた。断る道理はない。
「いいですよ、やります。」
「じゃあこれに拇印と名前を書いて」
おっさんは足元の鞄から契約書らしき紙と朱肉、ボールペンを取り出した。
それらを机の上の広げると指で"ここにサインを"と示し、俺がサインするのを見つめていた。
「よろしい、早速だけど行ってもらう。今が16時だから18時までに荷物を纏めてといて自宅に居て。あとこれ。」
渡されたのはクリアファイル、中にはぎっしり紙が詰まってる。
「持ち物リストと分からないことだからけだと思うからマニュアルね!読んでおいて」
「あっ!言い忘れたけど君の他に2人捜査員がいるから。協力して任務遂行してくれ。ほんじゃバイバイー!」
目の前に閃光が走ると辺りが平原から見慣れた道へと変わった。
手には先程渡されたクリアファイルがある。
夢や幻の類いではないらしい、取り敢えず家へと帰り支度をするとする。
家に帰り、持ち物リストにあるものをトランクケースに入れ終わった頃、時刻は17時になっていた。
ちょうど1時間ほど時間がある、マニュアルを見ることにしよう
クリアファイルから20枚ほどある紙を取出し机の上に置いて、一枚目から読む。
1枚目は転送者特殊能力回収委員会についての説明だ、要約すると神の手違いで死んでしまった人間を異世界で生き返らせた結果とんでもない特殊能力が付属されてしまい、世界のパワーバランスを乱しているので、それの対処を行う委員会らしい。なんともテンプレな異世界への転送だ。
2枚目は執行部についての説明。
要約すると直接神の手で介入するとより厄介事になるので、人間にやってもらうとの事だ。
そしてあのおっさんの神は執行部長らしい。
3枚目の紙からはマニュアルが記載されてある。
なるほど、現地での言語や貨幣価値は理解出来るようになっているのか。
任務執行にあたっての正当防衛について、これは大事だな。
「えーと任務執行中に不正な攻撃や妨害を受けた場合、防衛措置として必要に応じ身体能力や人体を強化させる。神の世界も罪刑法定主義なんだな」
そんなこんなでマニュアルを見ていると18時に近い時間になっていた。
刹那どこからともなくおっさんの声が聞こえた。
「準備は出来てるっぽいね、それじゃあ行ってらっしゃい!任務遂行を願う!」
体に光が纏わりつき五感が失われた。
単に窓とドアのない部屋にいるからだ。
なぜそんな脱出不可能な部屋にいるかというか俺にもわからない、大学からの帰路に気がつけばここにいたという始末だ。
ただ、その答えと脱出方法を握るのは正面のパイプ椅子に座るおっさんのようだ。
おっさんはスーツを着ており、なぜかアイマスクをつけている。
「あっ、あの」
「待て」
おっさんは低い声で俺の声を遮った
「君の容姿を当てよう、君からは甘酸っぱい汗の匂いがする、部活帰りの女子高生、髪は黒のショートで高身長・・・そうだろ?」
おっさんはアイマスクを外す、そこには男子大学生で中肉中背、ジーパンと黒のジャンバーの俺の姿
「わお...なんてことだ、すまなかった」
驚いた顔をするおっさん、なんなんだこいつ
「甘酸っぱくも女子高生でも高身長でもショートでもないですよ、おっさん誰ですか?」
「おっさんはこう見えて神である、信じれないと思うが本当だ。さて君は早く脱出したいと思ってるであろう」
神かどうかはどうであれ早く出たいのは事実。おまけにドアも窓もない個室におっさんと二人っきり長時間いるのは御免だ。
「まぁね、俺になんか要件でもあるんですか?」
おっさんはお茶をズズッと飲み咳き込んだ。対面する形で置いてある空席のパイプ椅子に目をやると、取り敢えず座りたまえと言った。
「君に頼み事がある、いきなりで驚くと思うが・・・転生者特殊能力回収委員会執行部。通所、アルファ執行員になってくれないか?」
ーーこいつ何ゆってるんだ
「業務内容は簡単。異世界で特殊能力貰って無双ハーレムを作ってる日本人から特殊能力を回収するだけ。報酬金もうんとでる。おまけに異世界での1ヶ月が地球で10分ほどだ、時間も取らない」
怪しい怪しい過ぎる、さっきから神だの異世界だの。
「さっきから怪しすぎます・・・ホントに神様なら証拠見せてください」
すると神は手を天井に翳してみせた。
翳した手を握った刹那、眩い光と共に辺りが平原へと変わった。
穏やかな風が吹き、太陽の温暖な日光が心地よい。
「あら?ミスったわ。まぁいいか。なんならもっと凄いことしてあげようか?」
高校生の頃マジックに凝ってた時期があり、ある程度のタネや仕掛けはわかる。しかし今見たのはマジックでもない奇跡のようなものだった。
「驚いた。ホントに神ってもんはいるんだな」
「やっと信じてくれたか。で、さっきの話どうする?」
異世界で無双ハーレムを作ってる日本人から特殊能力を回収ねぇ・・・
面白そうだしやってもいいけど、一つ疑問なのが危険性だ。もし無双できるほどの特殊能力をもってるやつ戦いになれば、殺されて指人形にされるのは目に見えてる。
「命の危険とかないんですか?チートスキル持ってるような奴だし、戦いになったら秒殺されそうですけど」
「あぁその点は心配いらない、特殊能力持ちの日本人からの攻撃は無効化されるし、任務中に戦いになったら、君たちの身体能力も向上させておく。そもそも寝てるときとかに能力回収しちゃえば戦いにもならないだろう」
面白そうだ。報酬金もでるそうだし、ちょうどお金にも困ってた。断る道理はない。
「いいですよ、やります。」
「じゃあこれに拇印と名前を書いて」
おっさんは足元の鞄から契約書らしき紙と朱肉、ボールペンを取り出した。
それらを机の上の広げると指で"ここにサインを"と示し、俺がサインするのを見つめていた。
「よろしい、早速だけど行ってもらう。今が16時だから18時までに荷物を纏めてといて自宅に居て。あとこれ。」
渡されたのはクリアファイル、中にはぎっしり紙が詰まってる。
「持ち物リストと分からないことだからけだと思うからマニュアルね!読んでおいて」
「あっ!言い忘れたけど君の他に2人捜査員がいるから。協力して任務遂行してくれ。ほんじゃバイバイー!」
目の前に閃光が走ると辺りが平原から見慣れた道へと変わった。
手には先程渡されたクリアファイルがある。
夢や幻の類いではないらしい、取り敢えず家へと帰り支度をするとする。
家に帰り、持ち物リストにあるものをトランクケースに入れ終わった頃、時刻は17時になっていた。
ちょうど1時間ほど時間がある、マニュアルを見ることにしよう
クリアファイルから20枚ほどある紙を取出し机の上に置いて、一枚目から読む。
1枚目は転送者特殊能力回収委員会についての説明だ、要約すると神の手違いで死んでしまった人間を異世界で生き返らせた結果とんでもない特殊能力が付属されてしまい、世界のパワーバランスを乱しているので、それの対処を行う委員会らしい。なんともテンプレな異世界への転送だ。
2枚目は執行部についての説明。
要約すると直接神の手で介入するとより厄介事になるので、人間にやってもらうとの事だ。
そしてあのおっさんの神は執行部長らしい。
3枚目の紙からはマニュアルが記載されてある。
なるほど、現地での言語や貨幣価値は理解出来るようになっているのか。
任務執行にあたっての正当防衛について、これは大事だな。
「えーと任務執行中に不正な攻撃や妨害を受けた場合、防衛措置として必要に応じ身体能力や人体を強化させる。神の世界も罪刑法定主義なんだな」
そんなこんなでマニュアルを見ていると18時に近い時間になっていた。
刹那どこからともなくおっさんの声が聞こえた。
「準備は出来てるっぽいね、それじゃあ行ってらっしゃい!任務遂行を願う!」
体に光が纏わりつき五感が失われた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる