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「しかし……最後の最後までこちらの予定を狂わせてくれる……」

 その言葉に同意するように肩をすくめながら、レオンは答えた。

「こうなってしまっては仕方がないさ。 ……病気療養だけならともかく、他国に出してすぐに王太子の立太の儀だなんて外聞が悪すぎる」

 そんなレオン言葉に、納得したように小さく頷きながら二人の会話に耳を傾けるリアーヌ。

(なるほど? 第一王子を他国に出すのは、この二人の計画とは違ってたんだ……ーーまぁ、他国に婿入りとか、そんな明らさまに王太子候補から脱落しなくたって、全て無かったことになっての病気療養の段階で、時期王太子はレオンに決まったも同然だったしねぇ……? わざわざ自分の外聞に傷が付くようなことしないかー)

「……それだけ敵が多かったということか。 ーー確かに難儀な性格をしていたからね……」

 クスリと笑いながらながら言ったフィリップの言葉に、少しだけ顔をしかめたレオンは肯定も否定もしなかったが、大きくため息をついて肩をすくめて見せる。
 リアーヌにはそれが同意の仕草のように見えていた。

「……ーーこの日をずっと待ちわびていたというのに、すっかり終わってしまえば……なんだかあっけないものだね?」

 苦笑混じりに言ったフィリップの言葉に、レオンだけではなくパトリックやラルフたちも苦笑いを浮かべながら少しの仕草で同意を返す。
 そんな友人たちの反応を見てレオンは苦笑を深くしながら口を開く。

「ーーまだ油断は出来ないがな? を持つ者は他にもいる」

 そんなレオンの言葉にフィリップは「まぁそうなんだが……」と困ったように返し、リアーヌはそんな会話にギョッと目を向いた。

(ーーはっ⁉︎ 王位継承権持つ人が他にもいるの⁉︎ え……そんなキャラいました……⁉︎)

「ーーレオン様のご親戚は他にもいらっしゃるでしょう?」

 その表情だけでリアーヌの脳内を理解したビアンカは、囁くように助言を口にする。

「……え、うん。 だね……?」

(つまりは……他の王族ってことでしょ? 確か王様のいとこに当たる人と、国王の歳の離れた弟さんとその家族たちが今の王族だったはず……)

「ーーだったら権利を持つ方だって、もっといるとは思いませんの?」
「ーーえ、持ってるの⁉︎」
「……そりゃあーー親戚なのですから権利がある人も居るでしょう?」
「……ーーかも?」

 ビアンカの説明に頷きながらも、リアーヌは内心で(こんだけ大々的に後継争いやってたんだがら絶対どっちかが次の王様になるんだと思ってた……! ってか、絶対レオンが跡継ぐんだろうなって思い込んでた……!)と考えていたリアーヌ。
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