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「ーー好き勝手やったアンタのせいで、私のゼクスは居なくなった……! この人は……違う……ーーもう私の知ってるゼクスじゃない……ーー私が好きになったゼクスなんかじゃない! ……なのにアンタばっかり全部思い通り⁉︎ 一人だけ幸せになろうって⁉︎ そんなことさせない……! 全部アンタのせいなのに……!  アンタの思い通りになんか絶対させない……ーーハッピーエンドなんかで終わらせてやらないっ! ーー守護がコピー出来なくて残念ね? なんでもかんでも思い通りになると思うなよこのクソ女‼︎」

 唾がかかりそうなほどの勢いで詰られ、リアーヌは思わず背中をソファーに押し付けるように距離をとる。
 散々な口調で盛大に詰られているのに、不思議と怒りは湧いてこなかった。
 そんなリアーヌに代わり、ゼクスは盛大なため息をつきながら怒りをあらわにする。

「ーー君、本当に自分の立場理解できてないんだね? もしかして今のこの生活がこの先もずっと続くと思ってる?」
「私を脅したい? でも残念ね? 私知ってるの。 そこの女が守護のギフトをコピーしなかったらレオンと結婚するんだって。 どうせ本妻じゃないんだろうけど王様の奥さんよ? あんたたちなんかよりずっとえらい存在になるの」
「誰にどう言われたのかは知らないけど……ーー時期王妃の可能性が一番高い女性が『君とうまくやっていく自信がない』と言ってるんだ……ーーこれがどういうことか分かる?」
「うまくやる必要なんてどこにあるの? 私は必要な時に守護の力を使えばいいってだけでしょ? その代わりそれなりの生活をかけてくれればトラブルなんか起こさないわよ」
「……そのトラブルが起きそうだから嫌がってるんだと思うけど?」

 小馬鹿にしたように鼻を鳴らすゼクスに、ムッとしたように眉を吊り上げるベッティ。

「……あっそ? でも我慢してもらうしかないんじゃない? ーー私コピーなんかさせないし?」
「ははっ ーー本当に分かって無いんだな……一国の王妃になろうって人が言った言葉だよ? 本人にそんなつもりがなくても周りが勝手に動くもんなんだよ」
「……へぇ? だから⁇ それで私になにしようっていうのよ? 殺す? でもそんなことしたら守護のギフトは永遠に使えなくなるわね? だとしたら……ーー誘拐して監禁? ーー私にそんなことしたら、そんな奴らが住む国なんか守ってやらないけどねっ⁉︎」

 目を釣り上げ、攻撃的な笑顔で吐き捨てるように言い放つベッティに、ゼクスは相変わらず小馬鹿にしたような態度で肩をすくめる。
 
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