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 そんな反応をレジアンナたちにクスクスと笑われ、リアーヌが俯いているうちに、ベッティとの面会の日時はゼクスとフィリップたちの間で、まるであらかじめ決められていたかのようにポンポンと滞りなく決められていった。

 ーー途中で何回か、ビアンカに「イヤな予感はしませんのよね?」「本当にイヤならちゃんとイヤだと言いなさいね……?」と声をかけられていたが、何度もからかわれ、少し拗ねていたリアーヌは、膝に乗せた手を睨みつけながら、おざなりに「うん……」「大丈夫……」とぶっきらぼうに答えただけだった。

(ーー別に嫉妬とかじゃないし! なんかイヤだなって思っただけだし! ……ーー大体、守護のギフトコピーするだけならゼクスとかいらなくない⁉︎ なに勝手に同行すること決めてんの⁉︎ しかも魅了かけようとしてたとかさ! その時、絶対婚約者が隣にいますけれども⁉︎ ーーありえない、絶対にありえないっ!)

「……リアーヌ? あの……本当に謝るから機嫌直して?」
「ーー別に怒ってないですもん」

 頬を膨らませながらフイッと顔を背ける。

「……この後ピペーズ通り行く?」
「……ものなんかじゃ釣られ無いですもん」

 眉間にシワをよせゼクスを睨みつける。
 ゼクスはそんなリアーヌに愛想笑いを返しながら話を続けた。

「ーー数日前にオープンしたドーナツ屋はどう? 穴が空いてなくて中にカスタードクリームがたっぷり入ってるって話でーー食べに行ってみない?」
「……別に、その……」
「ーー俺が食べたいから、もし良かったら一緒に行ってくれないかな?」
「……どうしてもっていうなら……?」
「どうしてもだよ! 当たり前だろ? 一緒に言ってくれる?」
「……いいですけど」
「本当? 嬉しいなぁ!」

 そう言いながら笑ったゼクスの顔を見て、リアーヌは(そこまでいうながら一緒に行ってあげてもいいけど……ーー別にカスタードたっぷりのドーナツに釣られたわけじゃないし! ミスドのヤツだ! とか思ったわけじゃないしっ‼︎)と、心の中で言い訳を連ねていたのだったーー

 話がまとまりかけた頃、ニヤニヤと笑ったフィリップが口を開こうとしたが、そんなフィリップの太ももを軽くつねって止めるレジアンナ。

「っ⁉︎ レジアンナ……?」
「ーー馬に蹴られてしまいますわ?」
「……コミュニケーションの一種だけれどね……?」
「リアーヌの居ないところでならどうぞ?」
「ーー次からはそうしよう」

 肩を小さくすくめながら苦笑いで答えるフィリップ。
 そんなフィリップが口を閉ざしたことで、レジアンナやビアンカたちはゼクスがリアーヌの機嫌をとり続ける姿を静かに見守り続けたのだったーー
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