968 / 1,038
967
しおりを挟む
「ーーそういえば姉ちゃんなにやったんだ?」
首を傾げながらたずねてきたザームに、リアーヌは顔を不本意そうに顔をしかめながら答えた。
「無実の罪を着せられそうになっている……」
「……ここからで無けりゃなんとかなんのか?」
「らしい。 少なくともオリバーさんが戻ってこないと出られない」
「……ーー姉ちゃんのこと捕まえにきたヤツ全員ぶっ飛ばしたら平気になるか?」
「ーーいやぁ……? どうなのかなぁー?」
(それは確実にザームが捕まることにしかならないから、是非とも考え直していただきたい所存ーー)
「あー……それに関してはーーそんな団体は来ないかもよ?」
ゼクスの言葉にサロン内にいた者たちの視線が集中する。
「ーーへぇ? ラッフィナートの情報網になにか掛かったのかな?」
「ーー俺の情報網にね?」
「……ああ! 連日、女性を侍らせ続けていたのは情報収集のためだったんだね?」
「あははっ 面白い冗談だ!」
にこやかに笑いながら話し合うフィリップとゼクスだったが、その視線の間にはバチバチと火花が散っていた。
ーーその後、レジアンナがフィリップの気を引いている間にリアーヌがゼクスから話を聞いたところによると、ユリアとフォルステル家の関係が相当悪くなっていること、そして王妃との関係すらも悪くなっているという話が、王妃周辺の貴族から出回っているらしかった。
「……えっとーーでもフォルステル家はユリアを切り捨てられないですよね? だって、たくさんの家と取引してるって……」
「切り捨てるまでは行かないけど、これ以上勝手はさせたくないって感じかな? 彼女、伯爵家の意向なんか丸っと無視して好き勝手してるし……ーーもっというなら第一王子との婚約にも頷いていない」
「……だから王妃様ともギクシャク?」
「ーーウワサではね? 好きな人がいるからその人と結ばれたいらしいよ?」
ゼクスの答えに、レジアンナが忌々しそうに「なんと迷惑な……」と吐き捨てる。
「慌てたフォルステル家は、なんとか説得しようとしたが無駄に終わりーー次の手に出たらしい」
「次の手……?」
「ーーボスハウト家との関係修復」
「うち……?」
「ああ。 守護のギフトをリアーヌにコピーさせる代わりに、陛下への取り次ぎを望んだようだね」
(あー……つまりは守護のギフトを使って、王妃よりも上の存在ーーこの国一番の後ろ盾を持とうとしたわけだ……ーーその条件が私がコピー……?)
「……ーーそれムリじゃ無いですか?」
「うん。 ユリア嬢は猛反発して、今はフォルステル家側とのやり取りを完全に拒否している状態のようだよ」
首を傾げながらたずねてきたザームに、リアーヌは顔を不本意そうに顔をしかめながら答えた。
「無実の罪を着せられそうになっている……」
「……ここからで無けりゃなんとかなんのか?」
「らしい。 少なくともオリバーさんが戻ってこないと出られない」
「……ーー姉ちゃんのこと捕まえにきたヤツ全員ぶっ飛ばしたら平気になるか?」
「ーーいやぁ……? どうなのかなぁー?」
(それは確実にザームが捕まることにしかならないから、是非とも考え直していただきたい所存ーー)
「あー……それに関してはーーそんな団体は来ないかもよ?」
ゼクスの言葉にサロン内にいた者たちの視線が集中する。
「ーーへぇ? ラッフィナートの情報網になにか掛かったのかな?」
「ーー俺の情報網にね?」
「……ああ! 連日、女性を侍らせ続けていたのは情報収集のためだったんだね?」
「あははっ 面白い冗談だ!」
にこやかに笑いながら話し合うフィリップとゼクスだったが、その視線の間にはバチバチと火花が散っていた。
ーーその後、レジアンナがフィリップの気を引いている間にリアーヌがゼクスから話を聞いたところによると、ユリアとフォルステル家の関係が相当悪くなっていること、そして王妃との関係すらも悪くなっているという話が、王妃周辺の貴族から出回っているらしかった。
「……えっとーーでもフォルステル家はユリアを切り捨てられないですよね? だって、たくさんの家と取引してるって……」
「切り捨てるまでは行かないけど、これ以上勝手はさせたくないって感じかな? 彼女、伯爵家の意向なんか丸っと無視して好き勝手してるし……ーーもっというなら第一王子との婚約にも頷いていない」
「……だから王妃様ともギクシャク?」
「ーーウワサではね? 好きな人がいるからその人と結ばれたいらしいよ?」
ゼクスの答えに、レジアンナが忌々しそうに「なんと迷惑な……」と吐き捨てる。
「慌てたフォルステル家は、なんとか説得しようとしたが無駄に終わりーー次の手に出たらしい」
「次の手……?」
「ーーボスハウト家との関係修復」
「うち……?」
「ああ。 守護のギフトをリアーヌにコピーさせる代わりに、陛下への取り次ぎを望んだようだね」
(あー……つまりは守護のギフトを使って、王妃よりも上の存在ーーこの国一番の後ろ盾を持とうとしたわけだ……ーーその条件が私がコピー……?)
「……ーーそれムリじゃ無いですか?」
「うん。 ユリア嬢は猛反発して、今はフォルステル家側とのやり取りを完全に拒否している状態のようだよ」
0
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
もしもし、王子様が困ってますけど?〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
前世コミュ障で話し下手な私はゲームの世界に転生できた。しかし、ヒロインにしてほしいと神様に祈ったのに、なんとモブにすらなれなかった。こうなったら仕方がない。せめてゲームの世界が見れるように一生懸命勉強して私は最難関の王立学園に入学した。ヒロインの聖女と王太子、多くのイケメンが出てくるけれど、所詮モブにもなれない私はお呼びではない。コミュ障は相変わらずだし、でも、折角神様がくれたチャンスだ。今世は絶対に恋に生きるのだ。でも色々やろうとするんだけれど、全てから回り、全然うまくいかない。挙句の果てに私が悪役令嬢だと判ってしまった。
でも、聖女は虐めていないわよ。えええ?、反逆者に私の命が狙われるている?ちょっと、それは断罪されてた後じゃないの? そこに剣構えた人が待ち構えているんだけど・・・・まだ死にたくないわよ・・・・。
果たして主人公は生き残れるのか? 恋はかなえられるのか?
ハッピーエンド目指して頑張ります。
小説家になろう、カクヨムでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる